※前回のヴェルディの記事はこちら(6節・熊本戦、3-0)
※前回の町田の記事はこちら(9節・磐田戦、1-1)
<ヴェルディスタメン> ※()内は前節のスタメン
- 8節(清水戦、1-2)で負傷した梶川は全治8か月との事。ほぼ今季絶望か。
- 齋藤の負傷が発表され、4/20に発生して全治5週間との事。
- 谷口が戦線復帰し、2節以来のベンチ入り。
- ユース所属の大久保・白井・川口が2種登録。
<町田スタメン>
- 前節(岡山戦、1-1)の後半から荒木をトップ下に据えたダイヤモンド型4-4-2に。その際退いた高江は今節ベンチ外、故障か?
- デュークは12節(熊本戦、2-1)に復帰、以降常時スタメンを続けている。
- 8節(秋田戦、0-1)で池田が負傷するも、2試合欠場して既に復帰済み。前節再び負傷するも、治療を経てプレー続行し今節も出場。
- 稲葉の負傷が発表され、4/27に負傷するも今節復帰しベンチ入り。(3試合欠場)
- 高崎(QUON FD)が来季加入内定し、同時に特別指定で登録。
「Jリーグ30周年マッチ」と釘打たれた今節。
盛り上げの一環として、ダービーマッチが数多く組まれる運びとなりました。
またJ1の方では、Jリーグ開幕戦のカード(鹿島vs名古屋・浦和vsガンバ)を再現するなどその徹底ぶりが伺えます。
それ故ヴェルディはJ1に残っていれば、マリノスとの一戦は必至だったでしょう。(日曜にはその開幕戦のビデオが放送されていましたね)
その代わりと言っては失礼に値するものの、味の素スタジアムで開催された「東京クラシック」。
ヴェルディ・町田ともに、驚異的な守備力で上位に君臨しているという、成績的にも申し分無い一戦であり。
目下首位である町田のチーム強度は、どのクラブにも警戒の的とされる要素。
試合が始まると、やはりヴェルディもそれに倣いロングボールの配給が中心の姿勢を採ります。
とにかく出鼻を挫かれない立ち回りですが、そんな中でも一発を狙いに行く町田。
前半2分に、右サイドにこぼれたボールを高橋がダイレクトで縦パス、中央のデュークに繋げてまず脅かし。(デュークはキープするも撃てず)
続く3分にはスルーパスをカットした翁長がドリブルに入り、一気に敵陣へと運んでスルーパスをエリア内へ供給。
ここにも当然デュークが走り込む(繋がらず)という具合に、そんなヴェルディに多大なプレッシャーを与える振る舞いを貫きます。
そしてタッチラインに逃げれば翁長のロングスローが待っているという、パワーサッカーへの振り切りは既に120パーセントといった所でしょうか。
前節長崎の連勝を止めて(2-1)意気揚々という状況のヴェルディでしたが、そんな冷水を浴びせられる入りを何とか凌ぎ。
この日も前節のようにボールポゼッションを根底に、右サイドの推進力を軸として攻撃を開始します。
その片翼を担ったバイロンは、高校時代に町田・黒田剛監督の薫陶を受けた関係とあり、この試合への思いは人一倍。
12分にはそのバイロンのスルーパスで山田を走らせて右コーナーキックに持ち込み。
キッカー北島のニアサイドへのクロスから、加藤蓮がフリック気味にヘディングシュートを放ちましたが惜しくもゴール左へと外れ。
それでも町田の破壊力は恐ろしく、14分に翁長のロングスローが繋がり、デュークスルー→チャンミンギュフリック(足下)を経て池田のヘディングシュートが襲います。(枠外)
ヴェルディは臆する事無く、16分に町田のプレッシングをGKマテウスのフィードでいなしての攻撃。(シュートまではいけず)
これにより恐怖をほぼ完全に克服したか、以降攻撃権を支配する時間となります。
しかしプレスに対抗しても、まだ最終ラインの硬さを残している町田。
単純なクロスを上げても、そのハイタワーぶりに泣くというお決まりの流れに突入する事に。
18分に北島のドリブルが荒木に倒され、得た左サイドからのフリーキック。
キッカー北島は直接ゴールに向けたようなクロスを入れるも、GKポープが正面でキャッチ。
ヴェルディサイドもそれを理解していたようでしたが、やはり大外からのシュートは難易度的に厳しいものがあり。(それ以前も8分にバイロンが大外からシュート気味のクロスを入れる場面があり)
一方プレスが嵌らない町田。
デューク・エリキの2トップが、基本ボールホルダーにガンガン行くスタイルなため、チーム全体調整がどうしても必要となり。
27分にはデュークが左サイド(ヴェルディの右サイド)にプレッシャーを掛けるも、空いた中央への戻しを経て平がすかさずロングパス。
クリアされるも北島が拾い、ドリブルを経てミドルシュート(GKポープセーブ)と、町田ディフェンスの穴を突いた有効打が放たれます。
ここまでは以前の群馬戦と同様の状態であった町田。
しかしここからの修正も同様であり、29分に翁長が宮原のスライディングで痛んでしまいますが、その時間を利用してコーチ陣総出で指示を選手達に伝えます。
そして以降はヴェルディの攻撃が繋がらなくなり。
デューク・エリキがヴェルディのアンカー綱島へのチェックを第一とする、判り易い修正が果たされました。
ヴェルディにとっては、それが行き渡る前の30分に迎えた決定機をモノに出来なかったのが痛かった。(左サイドの突破を経て森田が左ポケット奥からマイナスのクロス、バイロンが合わせにいくもミート出来ず)
そして再び繰り広げられる町田のパワー溢れる攻撃。
36分にスローインからデューク・エリキの繋ぎを経て荒木がミドルシュートを放ち、ブロックに当たって山なりの軌道を描いた末にゴールバー直撃と際どいシーンも生まれ。
思い通りのサッカーが出来なくなったヴェルディは、CKの守備の際にポジション取りで難儀。
町田がショートコーナーを仕掛けた刹那、バイロンが倒された事でやり直しとなる(38分)など、我慢の展開を強いられます。
特に持ち味を出せなくなったバイロンは、デュークと言い合いになるなど苛立ちを窺わせるシーンも作ってしまい。(40分)
45分には平河のボールキープにアタックに行った際、粘る平河を後ろからチャージする格好となってしまい反則・警告も受ける事となります。
そしてここからのFK(自陣左サイドから)で試合は動き。
右サイドへのデューク狙いのロングパスの跳ね返りを繋ぎ、スルーパスに走り込んだデュークからグラウンダーでクロス。
クリアに入られるも、真上に上がったボールを右ポケットでチャンミンギュがボレーシュート、左ゴールポストを直撃するも跳ね返りをさらにエリキが詰め。
ももに当たるという難しいシュートとなりましたが、合わせきってゴールネットを揺らします。
前半終了間際に先制点を挙げた町田。
この際に加藤蓮が痛んで倒れ込んだ事でアディショナルタイムは過ぎ去ってしまい、キックオフと当時に前半終了の笛が鳴りました。(加藤蓮は無事にプレー続行)
巻き返したいヴェルディ、HTで北島→佐川へと交代。
そのままの位置と、中盤にも高さを加える事で(ロングボールによる)ビルドアップの出口とする意図でしょうか。
アンカーを経由しての運びが難しくなったため、その意図通りに後方から佐川狙いのボールを何度か交えるヴェルディ。
それでも本命はバイロンの推進力なのは変わらず、後半5分には左でのパスワークを経て加藤蓮がサイドチェンジ、ヘッドで収めたバイロンがハーフレーンへと流れてそのままミドルシュート。
しかし池田のブロックを経てゴール上へと外れ。
ビハインドの状況もあり、町田の圧力による苦しいボールポゼッションを強いられるヴェルディ。
一方の守備でも、力には力で対抗した結果反則が膨らむ事となり。
遠目からでも放り込むスタイルの町田故に、時間を掛けて落ち着かせるその立ち回りに、ピッチサイドの城福浩監督の苛立ちも露わになっていきます。
何とか冷静さを取り戻さんとするヴェルディ。
16分にはFKからの攻め直しで、宮原がバイロンとのパス交換で町田のプレッシャーを釣り、パスワークから佐川が中央を前進する攻め。
山越とのワンツーを経てシュートに持っていった佐川でしたが、ゴール左へと外れてこれもモノに出来ず。
際どいボール運びを制する姿勢が出来上がりつつありましたが、その最中に事件は発生します。
続く17分にもヴェルディの攻撃、バイロンのスルーパスに走り込んだ山田でしたが池田がクリア。
これで勢い余って山田が池田に対し反則を犯した際に、声を上げたバイロンが主審への異議と取られてしまい、警告が付き出され。
当然2枚目で退場という事態に発展してしまい、意図しない(試合後の本人の談)絶叫が悲劇を呼んでしまう事となりました。
これで10人での戦いを強いられたヴェルディ。
すかさず山田→河村へと交代し、佐川を1トップにした4-4-1(4-2-3?)の布陣で何とか対抗せんとします。
当然町田に流れが傾く事が予想されましたが、その後の町田の攻めは「前掛かりになるヴェルディの裏を突く」事一辺倒になり。
これに良く対応したヴェルディにより、攻撃は殆ど繋がらなかった町田。
一方のヴェルディもボール保持の時間が長くなったものの、数的不利の状況ではやはり厳しく、戻して作り直しor無理目のスルーパス狙いで終わり。
双方有効打を放てない停滞気味の展開となり、町田サイドの「このままタイムアップでも良い」という思惑もそれに拍車を掛けていたでしょうか。
そんな状況の中、町田は26分にエリキ・高橋→藤尾・稲葉へと2枚替え。
試合を動かすというよりは、エリキの燃料切れ+故障上がりの稲葉の試運転といったような采配でしょうか。(一応稲葉・下田のドイスボランチ、つまり通常の4-4-2となる)
併せて荒木が左サイドハーフ・平河が右SHへとシフト。
一方のヴェルディは、30分に平が足を痛めてしまい続行不可能となり。
谷口と交代するとともに、加藤蓮→マリオ・エンゲルスへと交代。
時間も刻一刻と進んでいき。
それに伴い後が無くなるヴェルディ、森田が縦横無尽に動き回りボールの出し入れを行う体勢に。
無理をしなければ状況は打開できないという思いからで、何とかアタッキングサードへと運べる機会は増え。
38分には左サイド奥で佐川のボールキープで、反則を誘った事でFK。
これをマリオが直接狙い、ゴール右を襲った所に谷口が跳び込む惜しいシーンを作ったものの、合わず・枠を捉えられずに終わり。
そのリスクも大きく、安定性を失った事で町田の攻撃機会も増えます。
43分にはパスミスを藤尾に拾われ、パスを受けた中島(デュークと交代で出場・37分)がミドルシュート。(ブロック)
45分にはカウンターに持ち込み、左サイドの突破から中島が奥からマイナスのクロスを送り、シュートは撃てずも尚も繋ぐ町田。
結果として右コーナー付近でのボールキープに持っていき、時間を使う体勢へ。(ATに荒木→沼田へと交代)
最早ロングボールを送るしか無くなるヴェルディ。
しかしそのこぼれ球が、綱島に対するチャンミンギュの反則(警告)を呼び込み、ラストワンプレーというタイミングでFKの好機。
ここでキッカー・マリオが意表を突いて早めのタイミングで直接シュートしたものの、笛が吹かれる前だったためやり直しに。
何とかこじ開けたいという思いが溢れたものの、結局2度目のキックは放り込みを選択し、クリアされた所でタイムアップ。
試合終了となり、1点を最後まで守り切った町田が首位を固める勝利を挙げました。
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