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DAZN観戦 2023年J3リーグ第12節 いわてグルージャ盛岡vsFC今治

2023-06-08 16:00:52 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

前回の今治の試合(3節・琉球戦、2-2)の主たる印象として、「選手間の距離を近くしての、細かなパスによる前進」といった攻撃に異様に拘るのが残っており。
敵味方が混同する密集により、ボックス付近でカオスな状況が生まれ易くなりはしたものの、果たしてそれが流動性に繋がっていたかどうか疑問が残る試合絵図となっておりました。(まあビハインドだったからというのもあるが)

そのため前回のJ3で岩手の試合を観た際、「選手間の距離を広く取り、長いパスで相手ブロックを揺さぶる」岩手の攻撃が展開され。
あの時の今治とは対照的なアプローチで、かくしてこの2チームがぶつかり合うとどうなるか、非常に興味を持つ事となり。
そんな訳で今週はいの一番に、このカードの視聴を決定する事となりました。(完全な私事)

試合開始から、突破を仕掛ける近藤と、それを止めんとするチャンヒョンスの間で激しいデュエル。
それにより自然と「高まり」も発生してしまったのか、前半4分に今治のパスミスから素早く好機に持ち込む岩手、佐藤未のドリブルを反則で止めてしまった照山が早くも警告を貰い。
この中央から良い位置での直接フリーキックこそ、キッカー新保の直接シュートをGK伊藤が正面でキャッチしたものの、センターバックが早々に警告付きとなる苦しい状況となった今治。

序盤の今治は岩手のプレッシングを受け、それに対抗すべく最終ラインはしっかり幅を取ってパスを繋ぎます。
そこには密集を作ってショートパスで前進、という思想は影も形も見られませんが、改善したのかないしは相手次第の立ち回りなのか。
後者ならばパワーサッカー気味のスタイルで来る岩手に対し、強引な突破は無謀だと判断しての事でしょうか。

攻撃ではそんな思考が伺えたものの、守備ではその岩手のパワーを抑える事が出来ず。
岩手はGK丹野が足下で繋ぐのが主体なものの、基本は良い形でロングボールを送るためのビルドアップであり。
9分に丹野のパスを受けた新保がロングパス、これをオタボーが前方へ落とすという具合にしっかりと繋がれるロングボール。(その後拾った藤村から右へ展開して李がクロスもGK伊藤がキャッチ)
そのための2トップ、という布陣なのでしょう。(前節は4-2-3-1)
そして11分、ここもゴールキックを短く繋いで右サイドから田代がロングパス、佐藤未が合わせにいった所をクリアしきれない今治。
拾った藤村から繋ぐという先程と類似した流れでしたが、今度は戻しを選択して再び田代がロングパスを供給すると、裏を突かれた二見がクリア出来ずにエリア内で佐藤未が収めて絶好機が生まれます。
そして放たれたシュートがGK伊藤の股を抜いてゴールネットを揺らし、狙い通りの攻撃から早々に先制した岩手。

このロングボール攻勢を抑えられなければ、無残に敗れ去るのみといった雰囲気の今治。
その後その圧力に屈するというシーンは攻撃面でも見られ、16分にはビルドアップから前進を図った所、三門が李に寄せられて止む無く送った縦パスをカットされて岩手のカウンター。
右サイドでの南のドリブルを(松本が)反則で止めるしか無い状況となり、攻守ともに厳しい展開を強いられます。

何とか巻き返さんと21分には左サイドから攻撃、例によって人数を掛けての前進、遮断されるもまた繋いだ末にヴィニシウスのスルーパスが左奥へ。
しかし受けた楠美が奪われ、チャンヒョンスのキープに対してゲーゲンプレスを掛けるも奪えずに逆サイドへ展開され、新保のクロスにまで繋がれるという具合に相手を上回れません。

この岩手ペースは次にスコアが動くまで続いたという感じで、今治は散発的に攻め込むもののフィニッシュに辿り着けず、逆にインパクトを残す岩手の攻撃に晒されるという流れに。
31分には再びGK丹野からの攻撃で、李が三門のプレッシャーをいなして今度はグラウンダーで縦パスを届け。
左からの新保のクロスはクリアされるも繋ぎ直し、チャンヒョンスのスルーパスで右ポケットを取った末に藤村がマイナスのクロス。
そしてクリアボールに対し李が反応しミドルシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
35分には今治が右サイドでショートパス攻勢を掛けにいくも、オタボーに遮断されて繋がれると、サイドチェンジで右スペースへと出されて一気に岩手の好機に。(南がクロスもブロック)
ショートパスモードに入ると、逆側のサイドハーフもボールサイドに寄る傾向を突かれる形となりました。

良い流れを作りたい今治、38分には岩手の自陣左でのスローインをカットすると、自然と出来ていた密集の中でショートパスを繋ぎ。
そして右ポケットを突いた三門が奥からシュートするも、ゴール左へ逸れてしまいタッチを割り。
何とか初めて有効打を放ったものの、以降も岩手の圧力に晒される時間は続き、40分にまたもGK丹野からの攻撃でグラウンダーでの縦パス攻勢。
これで左ポケットを突いて左コーナーキックを得た岩手、クロスの跳ね返りを南がダイレクトでミドルシュートを放つもGK伊藤がセーブ。(その後も繋いで藤村がエリア内からシュートもブロック)
脅かされるゴールと、早く追い付きたいという心理が交錯したのか、42分の岩手のビルドアップにプレッシングを掛けるもGK丹野の捌きでいなされ。
左サイドで(松原亘を経由して)持った斉藤に対し、その後方で4人も今治の選手が残る状況となってしまうなど、トランジションも巧くいかないという印象を残します。
ここからまた好機を作る岩手、オタボーのサイドを変えるミドルパスを受けたチャンヒョンスがミドルシュート。(二見がブロック)

今治の攻撃は、34分に近藤が再びチャンヒョンスにチャージを受けて痛んだシーンを境として、右サイド重視へ切り替わった感があり。
ひとしきり岩手の好機を凌いだのちの43分、ここも右サイドでパスを繋いだ(左サイドバックの松本もその輪に入っていた)末に、スルーパスに市原が走り込んだ事でCKに持ち込み。
キッカー三門のクロスは跳ね返されるも、繋いで再び三門の下に渡ると、クロスでは無くエリア手前への浮き球をヴィニシウスに届け。
そして収めたのち反転シュートを放つヴィニシウス、ブロックに遭うもこぼれ球を市原が拾いさらにシュート。
GK丹野がセーブして防ぐも、眼前にこぼれた所を市原が倒れながら横パスを送り、照山が走り込んでシュート。
3度目の正直でゴールネットを揺らし、「苦しい時のセットプレー」と言わんばかりの同点劇となりました。

喜びの束の間、直後の45分に再び岩手の攻撃に襲われ。
左からオタボーがクロスを入れると、チャンヒョンスの足での折り返しに対してオタボーが自らシュート。
照山がブロックした跳ね返りを尚も繋ぐオタボー、南のミドルシュートで追撃(ブロック)と、その圧力は追い付かれても尚も脅威であり。

1-1で前半を終え、ハーフタイムでの交代も無く迎えた後半。
休息を終えて選手達がピッチ上に戻るという段階で、岩手・佐藤未が主審に対して何やら話しているシーンが印象に残りました。
そのアクションを見ると、彼のポストワークに対し、相手の反則チャージを訴えているようなニュアンス。

それが奏功したかどうかは不明ですが、後半2分にスローインを入れ替わって受けにいった佐藤未に対し、松本がまさに先程の佐藤未の腕でのアピールのような形でのチャージ。(腕で後ろからネックハンキングのような形)
これに笛が吹かれて反則となり、右サイド奥からのFKを得た岩手。
ここで変化を付けて戻しから藤村の手前からのクロスを選択、跳ね返りを李がシュート(枠外)と、先制攻撃した岩手。

後半も岩手がそのパワーをふんだんに活かし攻め上がりますが、7分にオタボーのキープが奪われると今治のカウンターに。
ヴィニシウスの中央のドリブルを、李が後ろからスライディングと、反則で何とか止めた格好となり警告を受け。
これにより微調整を図ったのか、以降は前節のように、新保をデフォルトで高い位置へ置くスタイルへと傾倒します。
前半のようなロングボールに拘らず、相手のプレッシングを呼び込んだうえで、いかにフリーの新保に渡すかという立ち回り。

しかし14分にビルドアップの最中に、エリア内で持ったGK丹野のコントロールが乱れた所を、ヴィニシウスに奪われてしまう事態が発生。
これによりヴィニシウスが丹野の足に引っ掛かり倒れるも、すかさず起き上がり拾う事を選択したヴィニシウス、中央へ横パスを送って中川がシュート。
しかしゴール上へと外れてしまい、突然訪れた決定機はモノに出来ませんでした。

その後は膠着状態で、中盤でボールの奪い合いが長く続くというシーンもあり。
今治は前述の李の警告シーンのような、ヴィニシウスの仕掛けが目立ちますが、彼のサポートが足りずに結局奪われてしまい実りません。

そして流れを変えるべくの交代カードに、最初に手を付けたのは今治。
23分にヴィニシウス・中川→ドゥドゥ・武井へ2枚替え、しかも2トップをそっくり入れ替えに掛かりました。
物議を醸した8節(ゴールパフォーマンス・退場)然り、何かと騒がせる存在と化したような今季のドゥドゥ。
この日は、ロングボールに合わせにいった所を田代にパッティングの形でチャージされ、頭部を痛めてしまうというヒヤリとするシーンで始まりました。(24分・無事に起き上がる)

ヴィニシウスの突破が無くなった事で、前半のように右サイドで市原を前に押し出す攻撃へとシフトする今治。
25分、照山がその市原へとロングパスを届け、彼が入れた低いクロスをニアサイドで受けた近藤がシュート。(GK丹野セーブ)
その後もドゥドゥを裏へ走らせるなど、この日はやはり岩手の前への圧力を逆手に取る立ち回りとなっていたでしょうか。
こういう状況では、密集からのパスワークに頼る必要は殆ど無く。

一方の岩手も26分に佐藤未→宮市へと交代。
これで前節のような4-2-3-1へシフトかと思われましたが、そのままトップの位置に入る宮市。
(今治は28分に山田→安藤へと交代)

ターゲット役が変わったとはいえ、変わらずに新保を前に押し出す岩手と、市原を前に押し出す今治。
そして31分、その双方が交わるような展開でスコアは動きます。
またもGK丹野からのビルドアップで攻める岩手に対し、左へ展開した所にプレッシングを掛ける今治。
新保→藤村へのパスを市原が前に出て潰し、一度は奪ったかに見えましたが再び藤村が奪い、それにより左サイドに出来上がる広大なスペース。
そしてそれを当然のように新保が突き、ドリブルからクロスを上げると、ファーサイドで宮市が合わせヘディングシュート。
GK伊藤がセーブするもゴール前に力無くこぼれたのが運の尽きで、詰めてゴールネットを揺らしたのは松原亘。
美味しい所を持っていった形となりましたが、前節もチャンスと見るや最前線に上がる動きが目立っていた松原亘ならではのゴールともいえるでしょう。
ともかく勝ち越しに成功した岩手、キックオフの前にさらにカードを切り李・チャンヒョンス→弓削・桐へと2枚替え。

再び追う立場となった今治、37分に楠美・松本→パクスビン・冨田へと2枚替え。
その後も距離を取ってのビルドアップから裏抜けを狙うのは変わらずと、この日の後半は最後までショートパス攻勢へと移行する姿勢は見られませんでした。

しかしそれはオフサイドを取る事に長けた今季の岩手ディフェンスの思う壺、といった風でもあり。
36分の(ドゥドゥが左奥を突いてのカットインからの)安藤のシュートを最後に、パタリとフィニッシュシーンは途絶えてしまいます。
無理矢理な攻撃を余儀なくされた結果、冨田のロングスローに頼らざるを得ない状況を強いられ。

こうなるとパワーで勝る岩手は、負ける要素が無いといった格好に。(41分に新保→加々美へと交代)
次々と今治の攻撃を切っていき、時間はとうとうアディショナルタイムへと突入します。

紛れを起こしたい今治、再び冨田のロングスローモードへ突入し、跳ね返りをさらに冨田がヘッドでエリア内へ送られるボール。
GK丹野が抑えにいくもこぼしてしまう紛れが発生するもシュートは撃てず。
再び冨田のスローインとなり、クリアボールを拾った近藤がミドルシュート(ブロック)と攻め立て。

時間も押し迫り、強引に断ち切らんとした岩手は焦ったか、右からのスローインを直接カットにいった松原亘がハンドを犯し。
これで右サイドからのFKとなり、GK伊藤が上がって最後の攻撃を敢行する今治。
しかしクリアされ、その後のスローインからの攻撃が途切れた事で試合終了の笛が鳴り。
2-1で勝利に辿り着いた岩手、やはりパワーサッカーは健在といった所でしょうか。

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