<両軍スタメン>
- 選手の表記はyahooスポーツナビに準拠。
- 韓国・蔚山文殊サッカー競技場(フットボールスタジアム)で行われた第1戦は、1-0で蔚山の勝利。
- スタメンでACL仕様の背番号の選手はポープ(本来は1)・マテウス(11)・ロペス(10)の3名。
マリノスベンチメンバー=GK飯倉 GK白坂 エドゥアルド 加藤蓮 加藤聖 井上 水沼 吉尾 山根 天野 宮市 村上
前回のACLの記事 -ラウンド16第2戦・甲府 vs 蔚山
ともに、週末のリーグ戦(4/20)を順延させて挑む事となった世紀のキックオフ。
1戦目はホームの蔚山の勝利となったものの、スコアは1点差のため、マリノスサイドにもチャンスは十二分に残されている。
かくしてマリノスのホーム(横浜国際総合競技場)に、平日かつ悪天候ながら16,098人の観衆が集まる事となりました。
順調に勝ち抜いてきた蔚山ですが、その最中に監督の洪明甫(ホンミョンボ)氏が、代表チームの新監督にまつり上げられそうになり。
日本においては、千葉の監督であったイビチャ・オシム氏の半ば引き抜きともとれる就任が今でも記憶に残りますが、その悲劇は他国でも無縁では無いといった所でしょうか。
現在代表監督は黄善洪(ファンソノン)氏が勤めているとの事ですが、依然として代行の立場故に今後どうなるか。
それはさておき、マリノスが追いかける立場で始まったこの試合。
まずはトータルスコアで同点にすべく、縦に速い攻めを仕掛けるマリノス。
前半4分に松原の裏へのミドルパスでマテウスが抜け出し、カットインで右ポケットを突いてシュートしますがオフサイドで無効となり。
一方の蔚山の立ち上がりは、ロングボール主体での組み立てで、必然的に前掛かりとなるマリノスの背後を突く意識を高め。
それ自体には成功したものの、怒涛ともいえるマリノスの押し込みに尻込みしてしまったでしょうか。
8分にマリノスの攻撃をエリア内で切った蔚山でしたが、ここでイギュソンはクリアでは無く持ち上がりを選択し、その結果マリノスのゲーゲンプレスで奪われる事に。
右ワイド深めという絶好のショートカウンターになりかけますが、奪ったマテウスのクロスは中央のロペスに僅かに合わずクリアされ。
普段はボールポゼッションに長けている(と思われる)チームだけに、それを捨てきる事が出来なかった感があり。
ここから攻撃権を独占するマリノス、迎えた13分。
上島の縦パスを受けた植中、倒されながらもポストプレイで繋いで右ワイドからマテウスが前進。
そして切り返しから中央へパス、ロペススルー→ナムテヒで急所を突きに掛かり、ディフェンスに遭うもエリア内へこぼれた所を拾ったのは植中。
GKの眼前まで迫って放たれたシュートがゴールネットを揺らし、待望の先制ならびに同点弾に辿り着いたマリノス。
先程倒れた所からの立ち直りが早かった植中へ転がったボールに、ファンソッコ・キムヨングォンのJリーグになじみ深いセンターバックコンビがお見合いしてしまった事が高く付いた蔚山。
完全に対応の面で明暗分かれたという先制点で、早期に追い付いたマリノスは勢いに乗り。
前線の助っ人3人(マテウス・ロペス・エウベル)のコンビネーションもさる事ながら、それに気を取られると他選手がゴールを襲い。
16分には右サイド奥をマテウスが取り、ポケットへの横パス(クロスでは無い)を受けた植中、自分で狙わずにポストプレイで後方へ。
そしてミドルシュートを放ったのは榊原(ゴール上へ外れる)と、選手全員が得点を狙いにいく事で攻撃サッカーの神髄を発揮します。
その後、両チームとも相手コーナーキックからのカウンターというシーンを1度ずつ作り、落ち着くと思われた試合展開。
しかし21分、蔚山が敵陣で繋いでいる最中にエウベルがプレスバックでボール奪取。
すかさずトランジションとなり立て直す蔚山ディフェンスに対し、榊原から受け直したエウベルも右へ展開し、遅攻に入ると思われましたがマテウスはロングパスを左サイド前線へ送るという具合にあくまで速い攻めを繰り出し。
そしてそれが実り、パス&ゴーで上がっていたエウベルがこのパスを受け、中央で溜めを作ったのち託されたロペスがミドルシュート。
ブロックされたこぼれ球をマテウスが繋ぎエウベル→マテウスと経由し、またも溜めを作ったのちエリア内のロペスへ送られるパス、それに応えて再度シュート。
ゴールネットを揺らし、今度は助っ人3人の綺麗なコンビネーションで逆転弾に辿り着きました。
これで攻めなければならなくなった蔚山ですが、その流れは決して良くなく。
一度マリノスの縦パス→フリックをカットして好機に持ち込む(24分、左からイギュソンがカットインからクロスも合わず)も、それだけに終わり再び繰り広げられるマリノスの攻勢。
縦パス・スルーパスを駆使して素早くアタッキングサードを突き、途切れてもすかさずのゲーゲンプレスで奪取し二次攻撃と、ホームの環境も手助けし完全に自身のペースに持ち込みます。
27分には相手のクリア気味のパスをカットした植中、そのまま右ポケット奥へ切り込んでマイナスのクロス。
ロペスのポストプレイを経てエウベルが中央からシュートを放ちましたが、ゴール右へ惜しくも外れ。
まだまだ得点の気運は十分で、それをモノにしたのが30分でした。
蔚山が後方から縦パス→フリックで運ばんとした所を、送られた先で畠中がカットして反転攻撃に入るマリノス。
ナムテヒの1タッチパスに入れ替わった植中、そのまま前進を経てミドルシュートを放つと、強烈にゴール右上へと突き刺さるボール。
前半のみの3得点で、勝利へのムードを最高潮へと持ち上げます。
一気に窮地に追い込まれた蔚山、反撃の手立てが欲しい状況。
31分、キムヨングォンの対角線のロングパスから、ターゲットのオムウォンサンを越えて流れたボールをソルヨンウが拾った事で好機。
ここからスルーパスに走り込んだオムウォンサン、角度の無い所からクロス気味に強烈なシュートを放ち、GKポープが何とかセーブ。
多少強引なやり口を突破口としましたが、これで得た右CK、キッカー・イドンギョンはサインプレーでグラウンダーでのクロスを選択。
これをソルヨンウがスルーと意表を突いたはずが、あろう事かロペスにカットされてマリノスのカウンターとなってしまいます。
ロペスのドリブルで敵陣に持ち込み、並走して彼のパスを受けたマテウスが左から対角線のミドルパスをエリア内へ送り、エウベル折り返し→ロペスでゴールを狙うもクリアされて撃てず。
未だ流れが悪いといった蔚山、その後マリノスのプレッシングによりプレス回避もままならず(サイドに出されたボールが直接タッチを割る、33分)と、このままでは無残にも逆転敗退といった状況であり。
ベンチはそれを強引に采配で変えに掛かり、上記のミスの直後にイギュソン→ダリヤン・ボヤニッチへと交代します。(同ポジション)
すると早速、35分に再びキムヨングォンの対角線のロングパスからの好機で右CKに持ち込み。
今度は素直にクロスを上げたイドンギョン、ニアサイドを突いたボールにサレスがヘッドで合わせ、フリックでは無い強烈なヘディングシュートがGKポープの腕を弾いてネットを揺らします。
1点を返し、マリノスの流れを断ち切る事に成功した蔚山。
すると投入されたボヤニッチも本領を発揮し、37分に中盤でのパスカットから好機に持ち込み。(左からエリア内へスルーパス、走り込んだルドヴィグソンのクロスにイドンギョンが走り込むも僅かに合わず)
マリノスもその直後に植中のミドルシュート(ゴール左へ外れる)でゴールを脅かすなど、点の取り合いの雰囲気が高まった所で、事件は発生します。
それを齎したのは再びボヤニッチで、ドリブルからのスルーパスで完全に裏を取り、受けたオムウォンサンが右ポケットへ切り込み。
これをスライディングで阻みにいった上島ですが、オムウォンサンが切り返した事により、ボールを開いた右腕に当ててしまいハンドを告げる笛が鳴り響きます。
誰が見てもPKなのは言うに及ばずですが、同時に決定機阻止andボールにチャレンジしていないという一発退場を告げる赤いカードが突き出される事態に。
これには納得出来ずに紛糾するマリノスサイド、「中東の笛」というワードが思い起こされる事となりましたが、嘆いても判定は変わらず。
すかさず、ピッチ脇で戦術ボードを広げて指示を送っていたハッチンソンコーチが警告を貰う(異議か、この指示出しが対象となったか)という具合に二次的な被害も齎され。
結局このPKは、チームに流れを齎したボヤニッチがゴール右へと決め、2点目を挙げてたちまちトータル同点に。
依然スコア的には開始時より浮上しているマリノスですが、数的不利でここからどうするかという課題が新たに突き付けられました。
急場として、4-4-1のフォーメーションで松原がセンターバック・榊原が右サイドバックを務める事で凌ぎを図り。
そしてこの機を逃さず、長期となったアディショナルタイム(+7分)で攻勢に入る蔚山。
再度キムヨングォンの対角線のロングパスからの好機で、右奥での繋ぎを経て中央からイドンギョンのミドルシュートがゴールバーを直撃。
その後も押し込み続け、エリア内へのパスに駆け込んだイドンギョンが永戸に倒されるもノーファールに終わったり、CKも3本得るなど相手のお株を奪う猛攻を仕掛けます。
しかし耐え凌いだマリノス、何とか3-2のまま前半を終わらせ。
そしてハーフタイムで2枚替え、エウベル・ナムテヒ→エドゥアルド・山根へと交代。
CBの補充により、松原・榊原が元の位置へ。
ロペス・マテウスの2トップとした4-3-2へとシフトし、アンカーは最初は榊原でしたが、後半途中から山根へとポジションチェンジ。
これで攻撃姿勢を保ちたかったマリノスですが、やはり数的優位を存分に活かす蔚山。
いきなりの後半2分、ロペスのポストプレイをデュエルで阻止したファンソッコから攻撃を仕掛け、右ワイドをソルヨンウ・ボヤニッチの2人で攻略した末に右ポケットへ切り込み。
ソルヨンウの戻しをダイレクトでシュートしたボヤニッチ、GKポープの左足を掠めてゴール右へと突き刺さるボール。
同点ならびに再逆転のゴールに沸き上がる蔚山サイドでしたが、オフサイド確認のVARチェックの時間が採られた事で雰囲気は一変。
ボールには関与せずも、オフサイドポジションかつGKポープの視界内に居たルドヴィグソンの存在が映像に映し出され。
重大な局面という事で、OFRまで入るという念入りな確認を経て、告げられるオフサイド判定。
マリノスはまさに命拾いの格好となりました。
それでも一向に好機に持ち込めず、蔚山がボールを握る事でひたすら耐え凌ぐ展開を余儀なくされるマリノス。
7分にはスルーパスに走り込んだチョミンギュのペナルティアークからのシュートをGKポープがセーブ。
11分にも右サイドでの細かな繋ぎを経て、ポケット奥を取ったイドンギョンのシュートをGKポープが上半身でセーブと、次第に守護神の集中力も高まりを見せてきたのが救いだったでしょうか。
17分に縦パスを受けたロペスが反則を受けたというタイミングで、ここまで好機すら皆無(後半)のマリノスはベンチが動き植中→加藤蓮へと交代。
すると直後の18分、敵陣でパスを繋ぎ左へ展開すると、永戸が左ポケットへ切り込んで上げられたクロスがファーサイドへ。
これをマテウスがヘディングでネットに突き刺し、不利を跳ね返す追加点、と思ったその直後にオフサイドを告げる笛が鳴り響きます。
(VARチェックもあっさり終わり)無情にもノーゴールとなり、ぬか喜びを強いられたのち、再び繰り広げられる蔚山のポゼッション。
蔚山は2CB+アンカー(サレス)という後方を貫き、中央を固めるマリノスに対しサイドの人員を増やす事であっさりとアタッキングサードに進入。
しかしそこからの崩しには難儀し、単純なクロスのみではゴールどころかマリノスのカウンターの機会も増えかねないため、ショートパスでポケットを突きにかかる攻めを中心に。
それでもフィニッシュはクロスからヘディングシュートが2発(23分・24分)と、揺さぶった末に上げられるクロスは相手も対処に難儀するものであり。
そんな流れを貫く蔚山、24分にFWの2枚替えを敢行します。(チョミンギュ、イドンギョン→マルティン・アーダーム、イチョンヨン)
この後は積極的に降りて受けるイチョンヨンにより、ポゼッションはより強固なものとなりますが、反面ボックス内での好機はやや減少傾向となり。
29分に左サイド奥からルドヴィグソンがマイナスのクロス、これをペナルティアーク内でイチョンヨンが合わせシュートするも榊原がブロック。
32分にはクロスのクリアボールを拾ったボヤニッチがミドルシュートを放ちましたが、これもエドゥアルドがヘッドでブロックと、ディフェンスも堅さを発揮するマリノス。
36分にマリノスが2枚替え(マテウス・榊原→宮市・水沼)を敢行すれば、続く37分に蔚山も2枚替え。(サレス・オムウォンサン→コサンボム・キムミヌ)
蔚山はやはり単純なクロスを避けたい思いが強く、39分の左CKではショートコーナーを経て、ボヤニッチがカットインからミドルシュート。(宮市がブロック)
続く40分にもアーダームがミドルシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、遠目から狙うシーンが増幅。
しかしそれではゴールを奪えず、やはりポケットを突かなければビッグチャンスはやって来ず。
迎えた42分、左サイドでのパスワークからコサンボムがポケットへスルーパス、受けたルドヴィグソンがグラウンダーでのクロス。
脚から跳び込んだキムミヌが合わせたそのシュートは左ポストを直撃し、その後も繋いだものの追撃出来ずと、またも決定機を逃します。
それでも一向にマリノスの反撃機会は訪れず、41分に裏へのロングボールから、ロペスのヘディングシュートが生まれた(枠外)のが唯一の矢となり。
最終盤には、宮市が一列(左サイドハーフに)降りて4-4-1の形を取り始めるなど、守備意識を高めるに至ります。
突入したAT、蔚山もクロスの割合を増やすなど、時間内でどれだけ好機を作るかという意識へシフト。
ほぼセンターフォワードとしての振る舞いに徹して来たアーダームも2本ヘディングシュートを放つなど、見せ場を膨らませましたがゴールを割る事は出来ず。
結局、あれだけスコアが動いた前半とは打って変わって、ノーゴールのまま後半の終了を迎えました。
トータルで3-3故に、延長戦突入の運びとなり。
相手の猛攻を耐え凌いだマリノスですが、あと30分追加された事でどうなるか。
始まった延長前半(以下延前)、早速の延前2分に蔚山は左ワイドを突いてから戻しを経て中央へ。
そしてミドルシュートを放ったのはCBのキムヨングォン(GKポープセーブ)と、意表を突くとともに、数的優位が織り成す総員攻撃体制を見せ付けます。
対するマリノスも、4分にミドルパス攻勢で敵陣に切り込み、遮断されるも相手のパスミスもあり好機。
しかし加藤蓮の左ポケットへのスルーパスに宮市が反応できずと、やはり苦しさは隠せません。
すると5分に蔚山ベンチが追加されたカードを使い、ルドヴィグソン→ケルヴィンへと交代。
マリノスの堅守により膠着する展開の中、左ワイドからの彼の仕掛けで打開を図りに来ます。
9分、マリノスは珍しくゴールキックを短くリスタートさせ、畠中縦パス→水沼フリック→ロペスで好機を狙い。
これは蔚山に阻まれるも、直後にクリアが逆方向に向かうミスとなり、右ポケットに駆け込んだ水沼がダイレクトでクロス。
しかしこれがクリアされ改めて蔚山のカウンターと慌ただしい流れになるも、期待通りにワイドでボールを持ったのちにカットインを仕掛けるケルヴィン。
放たれたシュートはエドゥアルドがブロック、浮いたボールをヘッドで合わせんとするもGKポープに抑えられて実らず。
しかし可能性があったのはこの入って間もない時間帯で、次第にマリノスも対処した事で再び膠着状態。
即ち蔚山がボールポゼッションを繰り広げるも、ゴールは割れないという状態に。
マリノスも15分に、永戸→天野へと交代し6枚目を使いきり。(加藤蓮が左SBに回る)
そしてそのまま終了した延前。
僅かなインターバルの間に、戦術ボードを広げて選手に確認させるマリノスベンチ。
しかしその輪に主審が入り込むと、監督のハリー・キューウェル氏に警告を突き出す事態となります。
詳細は不明ですが、前半のPKシーンでのハッチンソンコーチの事象同様に、ピッチ脇に戦術ボードを広げる行為が癇に障ったのでしょうか。
ともかく始まった延長後半。(以下延後)
その入りで早速好機に入る蔚山、右ポケット角での攻防のなかソルヨンウが加藤蓮に倒されるも、拾って継続させた末にボヤニッチがシュート。
ブロックを掠めて枠外となるも、ここでVARが介入。
加藤蓮の反則か否かで、またもPKかという懸念が頭を過るマリノスサイドですが、ノーファールに終わり命拾いします。
何とか一糸を掴みたいマリノス、延後3分に蔚山を最後方に追い詰めるプレッシングに持ち込み、天野が左ワイド奥でボール奪取に成功。
そしてポケットへのパスを受けた水沼がシュートするもGKチョヒョヌがセーブし、乾坤一擲の勝ち越し点とはいきません。
長らく守備機会の無かったチョヒョヌ、急に訪れた危機でしたが見事に防ぎ。
その後のCKもモノに出来ずに終わると、当然のように再度突入する蔚山の攻勢。
8分左からのイミョンジェのクロスが跳ね返されるも、コサンボムが空中戦を制して継続。
密集のなかの繋ぎを経てケルヴィンの左からのカットインに持ち込むと、放たれたシュートはGKポープの腕を掠めて左ポスト外側を直撃。
肝を冷やしたマリノスサイドですが、この際にポープが足を攣らせてしまい倒れ込み、GKの負傷という事で2分程ブレイクとなり。
当然交代は出来ず、ポープが起き上がり左CKで再開すると、またもグラウンダーでのクロスにイミョンジェが合わせるというサインプレー。
今度はシュートが放たれ、コース上のキムヨングォンが触りコースを変える二重攻撃で、GKポープがセーブしたこぼれ球にキムミヌが詰めてシュート。
ゴールネットを揺らしとうとう勝ち越しか、と思われましたがオフサイドとなり、またも幻に終わります。
度重なる被決定機に、とうとうマリノスサイドはこの後5バックシステムへとシフト。
山根が右SBに回り、センターバックは右から松原・エドゥアルド・畠中という並びになります。
GKポープも痛みを堪えながら、ラインアウトで途切れれば再度倒れ込むなど、時間とともに頭も使うプレーでチームに落ち着きを還元し。(ある時はわざと脛当てを落とすというプレーもあったらしい)
そして4度目のATに突入し、その頭でマリノスが好機、一度は途切れるも天野のパスカットで継続と良い流れ。
右ポケットからロペスのクロスが上がり、ファーサイド奥で宮市が脚から跳び込みましたが惜しくも合わず。
これでマリノスの攻撃は完全に打ち止めとなり、反転直後の蔚山の攻撃、右からのクロスが流れたのち左ポケット奥で持ったケルヴィンがマイナスのカットイン。
そして中央からシュートが放たれ、松原がブロックした跳ね返りをさらにコサンボムがシュートと連撃を浴びせるも、これもセーブして防いだGKポープ。
チームが苦境の中、完全なるヒーローというような働きを見せます。
そして試合終了、ならびにPK戦突入を告げる笛が鳴り響き。
ここまで来れば数的不利は無関係となり、選手レベルでもいかに一対一を制するかという戦いに。
先行を取った蔚山ですが、ゴールサイドはマリノスサポーター側で行われる事となり。
先陣を切ったのはCFのアーダームで、利き足方向の左へ強烈なシュートを放ち、GKポープは反応するも届かず。
一方のマリノスもCFのロペスが務め、こちらは持ち前のフェイントから、利き足とは逆の右へと蹴り込んでGKの逆を突き。
対照的なエースのキックながら、ともに成功で幕を開けました。
2本目、蔚山はケルヴィンが中央上部へ強く蹴り込んでゴール。
水沼は右足で右へと蹴り込んで逆を突きゴール。
3本目、コサンボム・松原ともにGKの逆を突いて決めるという具合に耐久戦は続き。
そして4本目、蔚山はイチョンヨンが務め。
ケルヴィン同様に中央へのシュートを選択するも、動じなかったGKポープがこれを弾き。
ストップかと思われました、威力を殺しきれずゴールに突き刺さります。
惜しかったマリノスサイドですが、天野がしっかりGKの逆を突いて決め、同点のまま5本目へ。
運命の最後(かどうかは判らないが)のキッカー、蔚山はキムミヌ。
利き足とは逆の右方向へ、グラウンダーで大事に蹴る事を選択したキムミヌ。
しかし読みきったGKポープがこれをセーブし、雄たけびを上げます。
威力的にもやや物足りず、悔やまれるキックだったでしょうか。
そしてマリノスはエドゥアルド。
左足でゴール中央へと蹴り込み、ネットに突き刺さった事で決着。
これで「チャンピオンズリーグ」と釘打たれて(2003年より)以降、初の決勝進出を果たしたマリノス。
移行して間も無い時期が丁度2003~2004年の連覇時と被っていただけに、この大会を制する事を誰よりも渇望していたと思われますが、長い年月を経てついに実現する時が来たでしょうか。
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