※前回の岡山の記事はこちら(18節・千葉戦、1-2)
※前回の仙台の記事はこちら(20節・長崎戦、2-2)
<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン
- 負傷離脱中のグレイソンが、治療に専念のため20節(熊本戦、1-0)をもって登録抹消。
- 育成型レンタルから復帰の山田が19節(鹿児島戦、1-1)から登録される。
- ユース所属の末宗が2種登録選手となり、前節(清水戦、1-3)から登録される。
<仙台スタメン>
- 梅木が山口から完全移籍で加入が決定。(選手登録は7/14以降)
- 實藤がJ1・マリノスからレンタルで加入が決定。
丁度プレーオフ圏内に居るクラブ同士の一戦。(仙台4位・岡山5位)
それでも3位・清水との差は大きく、次第に残り試合が少なくなるこの後半戦、結果に一喜一憂する戦いを強いられる事でしょう。
この日の岡山のホーム・シティライトスタジアムはチケット完売という事(放送席の談)で、そんな立ち位置が市民の熱狂ぶりを生み出しているものの、それが数年続いている状況故に殻を破りたい所であり。
そんな訳で、内容よりも結果という意識が一層高まる事が予想される試合。
それを象徴するように、ロングボールの蹴り合いで中々形にならない時間が続く入りとなり。
最初に敵陣でボール確保して攻撃機会を得たのは仙台(前半4分)ですが、この時も最終ラインへの戻しから組み立て直すも、小出の縦パスが強くなりオナイウが収められずと連係面で乱れてしまい。
中心となったロングボールにも差異が見られ、仙台がとにかくラフなボールという印象なのに対し、岡山は裏狙いのボールを何度も送るという具合に明確な意図を醸し出します。
仙台の乱れは、7分にラフプレーという形でも露呈してしまい、仙台のクリアボールに対し拾いにいった松井とルカオが交錯。
ルカオの頭部に松井の足が入ったように見えた(足裏は見せなかったためカードは出ず)その絵図通りに、1分程倒れ込むルカオ。(その後ピッチ外→復帰)
ルカオ復帰直後の9分、オナイウがドリブルで仕掛けた仙台ですが、岡山は鈴木がその推進を完璧に止めて矢印を反転させ。
そして中央→右へとサイドを変えながらの前進を経て柳貴のクロスが上がると、ファーサイドで高橋がボレーで合わせにいくもミート出来ず、しかし岩渕がそれを詰める体勢に。
これによりエリア内で乱戦が生まれ、その末に掻き出されたボールを輪笠がミドルシュート(枠外)と、相手の乱れを突かんと攻め込む岡山。
立ち上がりの時間が過ぎると、仙台は地上での組み立ての姿勢を採り始めて落ち着かせんとします。
しかし岡山もハイプレスで対抗し、柳貴・岩渕が前に出ての4-4-2での守備布陣の前に、前進を果たせない時間が長く続き。
前節(栃木戦、3-2)からサイドバックを両方とも代えた影響か、中々本来の右肩上がりの布陣を採れず、それがパスワークの乱れに繋がっていた感がありました。
一方の岡山も地上での繋ぎの割合を増やしますが、高めに位置を取る柳貴を活かしながら立ち回り。
3バックが幅を広く取っての繋ぎで、相手サイドハーフ(主に左の相良)を釣り出して柳貴にボールを届ける攻撃が形となり、主導権を握ります。
優勢となる岡山に、アクシデントが襲ったのが22分。
仙台の攻撃がクリアされ、ルーズボールを拾いにいった所で菅田がルカオに倒されて反則。
これで菅田が倒れ込むも、同時にルカオもスプリントした事で筋肉系トラブルを発生させてしまい、治療を受ける事となり。
先程の松井との交錯の影響は不明ですが、ともかく倒れて担架で運ばれ交代ととなってしまったルカオ。
グレイソン不在ななか、これでFWの人材不足が一層深刻となる恐れが高まり。(早川と交代で、岩渕が1トップに回る)
嫌な流れを強いられる岡山、25分にプレスを嵌めて岩渕が菅田からボール奪取するも、その刹那菅田に引っ掛かり倒れ。
これに笛が鳴らずとなった事もそれを加速させ、どよめきとブーイングに包まれるスタンドの大観衆。
しかし依然として仙台の攻撃は形にならず、SHのオナイウ・相良の仕掛け頼みという状況。
それに救われたでしょうか、迎えた32分にクロスの跳ね返りを中島が拾うも、ゲーゲンプレスで鈴木が前に出てボール奪取に成功。
すかさず拾った竹内がエリア内へミドルパスを送ると、柳貴が合わせボレーシュートにいくも眼前で菅田がブロック。
しかしこぼれ球がGKとDFの間に入った事で、反応した岩渕がフリーでシュートという決定機を創出します。
これもGK林が至近距離でセーブした仙台ですが、再度素早く反応した岩渕の2度目のシュートは防ぎようが無く。
仙台ディフェンスは岩渕の抜け出しでのオフサイドを主張するも、ブロックに当たってのものなため空しく終わる事となり、岡山が先制点に辿り着きました。
追い掛ける立場の仙台ですが、相変わらず前進する機運は高まらず。
岡山はルカオの負傷退場以降、5-4-1での守備の色を強めたものの、それでも1人減った形の岡山の前線を回避するのに精一杯。
何とか本来の右肩上がりの布陣を取り始めた事で、形式上では「ワイドに張る相良が柳貴をピン止めしている」状態に見えなくも無く。
しかし主体的に行っているのか疑問符が付くため、その状態を活かす手法に乏しく、一向にフィニッシュに辿り着けずに時間を潰していきます。
個人的な意見を述べると、知念と相良の間に誰かが流れ、パスを引き出すという立ち回りをして欲しかった所ですがその場面も一度のみ。
しかも敵陣故に岡山がリトリートしている場面だったため、さしたる効果も無く終わってしまいました。
硬直する仙台のビルドアップ。
41分にはその影響か、引き付けて縦パスを送らんとした小出が、その引き付けた田中にパスを当ててしまうという目も当てられないショートカウンターに。
そしてドリブルに入った田中がそのままミドルシュートまで繋げ、菅田がブロックするもこぼれた所を拾い直した田中、今度はエリア内でシュートと先制点の場面にも酷似した決定機。
しかしこのフィニッシュはゴールバーを直撃、浮き球を詰めにいった早川の前でGK林が抑え、何とか命拾いという形になります。
アディショナルタイム、中盤で工藤蒼が竹内に反則を受けた事で、仙台へ針が傾く試合展開。
これまでオナイウに右で仕掛けさせていたのを囮とし、右に開いた松井が縦パス、中島フリック→郷家レイオフと中央から前進。
受け直した中島がエリア内へ進入してシュート(ゴール上へ外れ)と、流れるようにゴールを脅かし。
そして前半終了と、最後の好機で何とか後半に希望を繋ぐという形になりました。
しかしハーフタイムで2枚替えを敢行する仙台。
小出・オナイウ→真瀬・エロンへと2枚替えし、空いたセンターバックには本職で無い高田が回るという手法を選んだ森山佳郎監督。(また郷家が右SHへと回る)
右サイドの2人を揃って入れ替えた事で、後半の立ち上がりはそこから攻める仙台。
そしてロングスロー(高田)→コーナーキック→ロングスローと、セットプレーによる押し込みでペースを掴まんとします。
前半はアバウトさが目立つだけとなったロングボールによる攻撃も、後半4分にGK林ロングフィード→エロン落とし→郷家中央からミドルシュート(枠外)と、ターゲットが加わった事で良化を見せ。
しかし続く5分、岡山もゴールキックからロングフィード→柳貴フリックと同じ手法でやり返し、クリアボールを拾って右サイドから前進に入り。
早川のエリア内へのパスは誰にも合わず回収されるも、仙台の前進をその早川がプレスバックで奪取して再度岡山の攻撃、1タッチパスの連続で素早く前進し田中がエリア内を突いて右へ横パス。
そして輪笠がカットインからシュートを放ち、工藤蒼がブロックするも右CKに。
このセットプレーからも、ファーに上がったクロスを田上が折り返し、さらに阿部の落としを経て鈴木がシュート(ブロックに当たり再度CKに)とCB3人の連係によるフィニッシュ。
テコ入れをしても、岡山優勢の流れを変えられません。
そして慣れない最終ラインの形により、岡山のハイプレス(後半からまたも柳貴が前に出ての4-4-2が中心となる)に苦戦の色が強まり。
9分に深めに追い込まれ、菅田→高田へのミドルパスで脱出せんとするも、果たせず田中に奪われて左サイド深めからショートカウンターの開始。
そして細かいタッチでの前進を経てポケット奥に送られるスルーパス、走り込んだのはプレスにより前に出ていた竹内で、入れられたマイナスのクロスを岩渕がヒールで合わせてのシュート。
緩いながらも心憎いシュートがゴールに向かうも、ラインの前で何とか菅田が掻き出して防ぎ。
際どい凌ぎを果たした仙台ですが、続く10分にもパスミスから岡山の攻撃を浴び(田中の前進を)、反則で止めた高田が警告を受け。
ベンチがさらに動きを強いられるのは必然で、12分に工藤蒼→長澤へと交代します。
(高田は12分にも左サイド深めで岩渕に反則を犯し、岡山サイドに2枚目をアピールされる危機に)
ボランチが本来の形となった事で、長澤・松井の2人が盛んに動き回ってボールを運ぶ橋頭堡となり。
サイドに流れたり岡山選手の間で受けたりと、様々な手を使い流動化を果たさんとします。
盤石に見えた岡山ですが、19分に高橋(今季初スタメン)が足を攣らせた事で動きを余儀なくされるベンチ。
高橋・田中→本山・木村へ2枚替えを敢行するも、ここからペースダウンし仙台の跳梁を許す事となり。
その後の仙台はやはり右サイドに投入された真瀬を活かす立ち回りで、その推進を松井・長澤がサポートする形で好機を作り。
24分に相良→名願へと交代した事で、更にファーサイドのターゲット強化を図ります。
25分その形での好機が生まれ、中島のスルーパスに走り込んだ真瀬のクロスが上がり、ファーで名願が跳ぶも惜しくも合わず。
それだけに相手にペースを渡したくなかった所ですが、26分にGKブローダーセンから攻撃を始めると、最終ラインへのプレッシャーが緩い仙台。
その隙に左サイドを素早く運ぶ岡山、スルーパスに木村が走り込んでクロス、ブロックされて左CKに。
そしてこのセットプレー、キッカー早川のクロスがゴール近め中央に上がると、予想以上の伸びを見せたためかGK林はキャッチできず弾いてしまい。
これを林が抑える前に田上が拾い、左にかわしながら放たれたシュート、林と郷家の2人掛かりでブロックにいった仙台ですがボールは無情にもゴールへとこぼれ。
またも追撃される形でのシュートが決まり、岡山がリードを広げるに至りました。
それでも諦めずに攻め込む仙台、31分には狙い通りにまたも右からの真瀬のクロスを、ファーサイドで名願が合わせヘディングシュート。(GKブローダーセンキャッチ)
FKでは素早くリスタートして裏へボールを送るなど、岡山の堅守を崩す試みは様々に行われますが実らず。
岡山はその楼閣を強化せんと、34分に最後の交代。
柳貴・岩渕→柳育・齋藤へと2枚替えし、阿部が右ウイングバックへシフト。
後列の5人がいずれもCBという、傍らから観て盤石の布陣となります。
しかもその交代から、流れが反転して攻撃機会を増やすおまけも付き。
37分にワイドで阿部の縦パスを受けた早川がカットインし、右ハーフレーンからミドルシュート。
菅田がブロックするも拾った本山がさらにミドルシュート、これがゴール上部を襲うもGK林が何とかセーブ。
しかし尚も右CK、キッカー早川のクロスを中央で柳育が跳び込んでヘディングシュートを放ち。
豪快にゴールネットを揺らして3点目……と思われましたが、高田に圧し掛かる形でのヘディングとなったため反則で無効とされてしまいました。
仙台は38分に最後の交代、中島→菅原。
純粋なストライカーの2トップと化し、それを活かさんと攻め上がり。
39分に郷家のラフな裏へのロビング、エロンが走り込んだためクリアが小さくなり、拾って好機。
そして中央での繋ぎを経てエロンがミドルシュートを放つも、田上がヘッドでブロックとこの強烈なフィニッシュを防ぎ。
岡山も堅守に阻まれるなか、時間も押し迫る事による焦りもあり、だんだんとロングボールへ傾倒していく仙台の攻撃。
44分のCKから、GKブローダーセンのパンチングしたボールを真瀬がダイレクトでボレーシュートにいきましたが、クリアした早川を蹴ってしまう形となり反則・警告を受け。
そしてATになると、完全に2トップ+パワープレイで上がった菅田狙いのロングボール攻勢に入る仙台。
それを凌ぐ岡山も、マイボールの際はラフに裏へボールを蹴るのみとなり、期せずとも試合開始直後の状態に立ち返る事となった展開。
その中で岡山は、阿部縦パス→早川ワイドから中央へ流れる→鈴木前進と地上での運びに成功。
そしてそのまま鈴木がペナルティアークからシュートを放ち、ゴール左へ際どく外れとあわや追加点というシーンを演出。
最後まで岡山有利の流れは変わらず、といったATになりました。
結局2-0のまま試合終了となり、順位で仙台の上に立った岡山。
次節から夏の補強選手が登録可能となりますが、既に2人補強している仙台に対し、岡山はいわき・嵯峨の獲得が発表され。
それでも薄いFWの穴埋めが待たれる所で、今度こそ昇格への道を歩む事が出来るでしょうか。
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