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DAZN観戦 2023年J1リーグ第27節 アビスパ福岡vs名古屋グランパス

2023-09-19 16:01:18 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

福岡が2021年にJ1復帰して以降、このカードは名古屋が5戦全勝と圧倒的優勢との事であり。
思えばちょうど1年前の対戦では、プレゼントボールを掻っ攫ってのゴールなど事件性溢れる内容となってしまったのが強く印象に残り。

このシーズンを辛うじて残留した福岡ですが、今季の成績は周知の通り、その揺り戻しが来たかのように鰻登りに。
カップ戦(天皇杯・ルヴァン杯)でも勝ち残って、クラブ規模の増長の切欠となり得る(かもしれない)に至る今シーズン。
その成果を、名古屋に初勝利(といっても2000年に勝利していますが)を挙げる事で見せつけたい一日となりました。

1年前の試合では、後半頭からミラーマッチに変更して奏功した事からか、この日は開始からミラーマッチで挑んだ福岡。
立ち上がりのロングボールの蹴り合いを経てペースを掴むと、いち早く最終ラインからショートパスを繋ぐスタイルへと移行して攻撃権を握ります。

こうしたミラーマッチでは、マンツーマンが常態化する中でどう前線へボールを運ぶのかがカギとなり。
そしてその体勢を先んじて作り上げた方が有利になるのは明白。
決して洗練されているとは言い難いながらも、名古屋FWの間を通してボランチにパスを出す等、チャレンジ精神は確かであった福岡のビルドアップ。
それに対し名古屋は遮断出来ずに結局ハイプレスを諦める姿勢に入ると、福岡の優勢はほぼ約束されたものとなったでしょうか。

それでも前半9分、和泉が中盤で奪った事でショートカウンターに持ち込む名古屋。
永井から森島へのパスが遮断されるも、即時奪回にいった永井が小田のチャージを受けた事で倒れ反則となり、良い位置での直接フリーキックを得ます。
横軸は右ハーフレーンの中央寄りで、名手・森島が直接狙い壁の左を抜けたものの、あろう事かコース上に居た中谷に当たってしまい跳ね返り。

失点危機を凌いだ福岡、以降も主体的な攻撃を繰り広げてゴールに迫り。
そんな福岡の姿を見て、名古屋サイドも最終ラインから繋ぐ事を試みるものの、それに対するプレッシングの動きも良い福岡。
8分に井手口のボール奪取から、拾った紺野がミドルシュートを放つ(GKランゲラックキャッチ)など、ショートカウンターでの得点の機運も高まります。

結局は最終ラインで福岡のプレスを誤魔化しつつ、ロングボールを送るしかやれる事が無くなる名古屋の攻撃。
それでも22分、GK村上のロングフィードを河面が跳ね返したボールが直接ユンカーに渡る好機が生まれ、そのまま遠目からシュートを放つユンカー。
ブロックされて左コーナーキックに持ち込むと、ショートコーナーを挟んでの森島のクロスをファーサイド奥で藤井が足で折り返して混戦に持ち込み。
そしてクリアされたボールを稲垣がミドルシュート、奈良がブロックで防ぐも再度右CKと波状攻撃の体勢を作ります。
ここからもキッカー森島ニアにクロス→永井フリックでエリア外に流れた所を、稲垣がダイレクトでシュート。(枠外)

しかし偶発性で得た好機故に、得点出来ずに終わると再び福岡のペース。
ここから右サイドで攻勢を強め、カットインか奥へ切り込むかの二択が良く効き。
29分には前嶋がその体勢に入ると、奥へと走り込む紺野に出すと見せかけてカットインと、名古屋ディフェンスを揺さぶりに掛かります。(その後は逆サイドへパスを繋ぐ過程でカットされて終了)

このままではいけないとばかりに、再びハイプレスを試みる名古屋。
33分にはそれが実って小田にロングボールを蹴らせて回収するなど成果はそれなりに見られましたが、結局は福岡からペースを剥がすには至りませんでした。

40分過ぎから攻撃権を独占する福岡。
そのうち1度がカウンターによるもので、あと(5度)は最終ラインからの前進というポゼッションスタイルによるものであり。
この試合(13節・鳥栖戦、0-0)での「主体的な攻撃に入った際の無策ぶり」から完全にかけ離れた姿は、感銘を受けずにはいられない?ものでありました。

結局名古屋サイドは、アディショナルタイムにボールを握って攻め上がったものの、崩せずにキープしたまま前半終了の笛を聴く羽目となり。
内容的には相手が上回る、と言わざるを得ず。
この名古屋はじめ、神戸・マリノスが勝ち点を伸ばせていない事で優勝争いも混沌としてきた上位陣。

名古屋で言えば、夏の移籍市場でマテウスが去ってしまった(サウジアラビア・アル タアーウンFCへ完全移籍)のが大きすぎる痛手となり。
更に噂されたユンカーの移籍話こそ無くなったものの、以降は殆どの試合で1点勝負を強いられるほど得点力不足は深刻に。
この辺りは長谷川健太監督がFC東京時代、久保建英(現スペイン・レアル ソシエダ)の移籍で失速・優勝を逃してしまった2019年と被って映ってしまうようですが、打開はなるかどうか。

後半に突入し、巻き返したい名古屋。
ヒントとなったのは前半最後にボールを握った局面で、右サイドでユンカーが稲垣の縦パスをポストプレイで繋いだシーンだったでしょうか。

後半2分、中谷からの縦パスを永井がダイレクトでさらに前へ送り、ユンカーがそれをポストプレイで繋いで敵陣で攻撃開始。
そこからは永井とユンカーの2人のみでの、素早く力強い運びで中央突破を果たし、最後はエリア内で永井がGKと一対一となってのシュート。
しかしGK村上のビッグセーブに阻まれ先制とはいきません。

その後もストライカーのユンカーは最前線に張ったままでは無く、度々降りてポストプレイでボールに絡み前進を円滑化させにいきます。
ようやく名古屋にボールを運ぶ体勢が出来上がった事で、福岡サイドも引いて守らざるを得ない局面が膨れ上がり。

10分に河面のロングパスをユンカーが落とし、拾った森島がミドルシュート。(枠外)
続く12分にも敵陣での稲垣のボール奪取から、永井が中央からミドルシュート(エリア内で奈良ブロック)と、そんな相手を崩さんと遠目からのフィニッシュで脅かす名古屋。

名古屋のサッカーがアグレッシブになって来た事で、福岡サイドは球際の強度を高めて対応に掛かります。
勢いを得ていた名古屋はそれに乗って来ない訳が無く、デュエル勝負を制し、そこから好機を作る事で再びペースを得ようとする立ち回り。
14分に小田が反則気味に奪ったのち、拾った金森が内田宅に倒されるも井手口が繋いだ事でアドバンテージと、ここでのデュエルは福岡に味方。
そしてアタッキングサードへと運んだのち、後方からグローリのミドルシュート(ブロック)と、こちらも遠目から撃って打開を図り。
17分にも自陣での前のボール奪取から前へ運び、一度はカットされるも右サイドで山岸が奪い返して継続。
奥を突いたのちポケットへスルーパスを送り、前のスライディングでのクロスで(ブロックにより)右CKをゲット。
そこでのキッカー紺野のクロス、GKランゲラックが飛び出して弾いた所を井手口がダイレクトでシュートしましたがブロックに防がれます。

選手の実績では上回る名古屋ですが、その分スタミナ面の不安も大きく、こうしたデュエル勝負を強いられ消耗も早くなっていったでしょうか。
先に動かざるを得ない長谷川監督、19分に永井・森島→前田・森下へと2枚替えし、和泉が左シャドーへとシフト。
また前田がFWに入る事で、稲垣をアンカーとしての3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジします。
左ウイングバックに入った森下、ユンカーの助力を得ながら前進するも、肝心のクロス精度に欠ける部分があり好循環を齎せず。

一方の福岡が動いたのは24分で、早くもジョーカーとなり得るウェリントンを投入します。(紺野と交代、山岸がシャドーにシフト)

ターゲットになり得る一方、ポストワークに衰えが見られるウェリントンをどう組み込むかがキーとなる福岡の攻撃。
27分、後方での繋ぎから宮がミドルシュート、ブロックされるも拾った小田が左サイドを前進して奥からクロス。
いかにもウェリントンにお誂え向きのボールがファーに上がったものの、ここはGKランゲラックに抑えられ。

名古屋は交代以降勢いを失い、さらに31分にユンカーを諦め。(中島と交代)
前線のスタメンは往々にして消耗激しく、最後まで引っ張れないのはある意味当然なのですが、代わりに入る選手がどうにもサブらしい活躍が出来ないのは困りものであり。
中島は得点感覚に優れた存在ながらも、この日ユンカーが務めていたタスク(主に前線の守備・ポストワーク)で甘い部分があるのは札幌時代でもおなじみで、やはり流れを変える事は出来ません。

そんな中で32分、福岡陣内でボールの奪い合いが発生するも、制したのは福岡。
陣形が乱れているうちに一気に前進を果たし、金森のアーリークロスは逆サイドへ流れるもののここからクロス攻勢に入り。
3本目の井手口の右からのクロス、これも流れましたがエリア内左で金森が拾い、即座に放たれたシュートは左ポストを直撃。
着実に名古屋にダメージを与えていた所に、34分にはCKからウェリントンがヘディングシュートを放つ(ゴール右へ外れる)など、主砲の威力も唸り始めます。
たまらず名古屋は最後の交代を36分に敢行し、野上・和泉→久保・吉田へと2枚替え。
(福岡は34分に小田→湯澤へと交代、前嶋が左サイドに回る)

そんな名古屋の必死の策も空しく、攻撃権を握る福岡。
そして39分、敵陣でボールポゼッションを高めつつ、左サイドからの攻めを選択。
ポジションが移った前嶋からクロスが上がると、巧みなポジショニングで中谷を出し抜いてヘディングシュートを放ったのはやはりウェリントンでした。
ゴール右へと突き刺し、ジョーカーの役割を綺麗に務め上げて欲しかった先制点を齎しました。

その一方で、勝利ならびに優勝に黄信号が灯った感が強まる名古屋。
ショックからか、キックオフからのビルドアップは金森に奪われた事であっさり攻撃が途切れ。(同時に藤井が金森に対し反則となり福岡サイドもショートカウンターできず)
以降も福岡の攻撃が続き、あっという間にATも目前となります。

既に細かな繋ぎに拘る余裕は無く、44分にGKランゲラックの裏へのロングフィードに久保が走り込み。
何とか左スローインに持ち込むと、それを妨害した奈良に警告が付き出され。
これにより、残り時間はパワープレイに舵を振る事が決定した(と思われる)名古屋サイド。
中島をターゲットとして、次々とロングボールを放り込むも当然ながら苦肉の策の域を出ず。
ATに突入した所で福岡も最後の交代を使い、キング・城後を投入。(山岸と交代、同時に金森→鶴野へと交代)

そして時間も最終盤となり、宮が足を攣らせて倒れ込んだ際、担架が入った事で目安時間(当初5分)から長引き。(宮は自力でピッチ外へ→復帰)
右サイド手前から藤井のクロスが上がり、ファーサイドで中島が合わせて上空に上がると、こぼれ球を森下がシュート。
ブロックされてCKで最終局面を迎えた名古屋、GKランゲラックも最前線に上がり同点を目指します。
その2本目の右CKでのクロスに、ランゲラックが合わせにいくもクリアされた所で、試合終了を告げる笛が。

ウノゼロで勝利した福岡。
これで勝ち点41の8位と、カップ戦はおろかリーグ戦でも賞金ゲットできるかも……という位置にまで着け。
サッカーの内容も着実にレベルアップしている印象で、J1定着への風格が漂って来たでしょうか。

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