※前回の千葉の記事はこちら(41節・群馬戦、2-1)
※前回の長崎の記事はこちら(41節・仙台戦、2-1)
<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン
- 契約満了での退団が内定している福満がスタメン出場。
- U-18所属の東(2種登録?)が初のベンチ入り。
<長崎スタメン>
- プレーオフ進出の条件は、勝利が絶対条件でかつ山形vs甲府が引き分けの場合のみ、3チーム勝ち点で並び得失点差で上に立てる。
- 前節はドイスボランチシステムの4-2-3-1を採用したが、元のアンカーシステムに戻す。
- 前節コンディション不良で欠場(放送席の談)したギリェルメがスタメン復帰。
激戦のPO出場権争いを、前節一足先に制した千葉。
そのためメンバーを微調整し、今季限りでの退団が決定的となった福満が(10節・ヴェルディ戦以来)久々のスタメン。
ベンチにはユース所属の東も入るなど、昇格に向けてのテンションを一時落ち着かせた感のあるホーム最終戦となりました。
他方、現在8位の長崎はこの試合に全てを賭ける状況。
逆転で6位に滑り込むには勝利以外許されないという最終節で、ベストメンバーを揃えて挑み。
そんな双方の状況の違いが、序盤の展開に影響を齎す事が予想された前半戦。
確かにそれはあったものの、ハイテンションで挑んだはずの長崎が押されっぱなしの内容に。
つまりは負けられないというプレッシャーに屈するかのようなものとなります。
常時敵陣でサッカーをする千葉に対し、長崎は後手に回って反則で止めざるを得なくなったり。
やっとマイボールになっても、パスミスで失ってショートカウンターを浴びたりとで、勝利に向けて一丸と……という機運を感じられず。
長崎が一度も攻撃機会を得られないうちに、前半9分に千葉がセットプレーの好機。
出足良くこぼれ球を拾いにいったドゥドゥが(増山に)反則を受けた事でのフリーキック、キッカー日高のクロスがクリアされてさらに左コーナーキックに。
ゴール前に人数を集める千葉、ドゥドゥとギリェルメのポジションの取り合いで長らく時間が掛かった末に、キッカー田口のクロスをニアサイドで鈴木大がフリック。
これで浮いたボールに対しGK波多野がパンチングにいくも、ドゥドゥとの競り合いを強いられ小さく弾く事しか出来ず、こぼれたボールをすかさず見木がヘッドで詰めてネットを揺らします。
ガチガチな相手に対し、しっかりと先制点をモノにした千葉。
何とか試合を落ち着け、最終ラインからのビルドアップを図る長崎。
それでもその硬さは、「いかにもサイドで詰まりそうな運びだな……」と思わざるを得ないものであり。
プレッシャーによるものでは無く、構造的な欠陥を抱えてのものという疑惑を強くします。
つまりはアンカーシステムにありがちな、アンカーへのパスコースを切られる事でサイドからの運びをするしか無いという状態を常時強いられている。
そして前進に成功するのは、相手の素早い寄せをダイレクトパスでいなす時ぐらいのものと、シーズン中目立っていた問題は最終節でもしっかり健在であり。
そんな流れを変えようと、14分にはセンターバックの白井がドリブルで持ち運び、敵陣に進入した所を呉屋に倒されて反則。
16分には前線のプレッシングで、GK鈴木椋にフィードを蹴らせてスローインという形で回収するなど、何とか攻勢の流れを掴まんとします。
しかし千葉の攻撃は止まず、それを無理に止めにいって反則が膨らむという立ち上がりの症状は直す事が出来ず仕舞い。
16分にはや鍬先が(日高への反則で)警告を受けるなど、反則ポイントリーグトップのクラブの本領というべきか。
終盤でサスペンドにリーチという選手も数多居ましたが、退場にならない限りPOには持ち越されないのでその点は安心か。
光明が見えないっぽい長崎でしたが、21分には前述のサイドからのダイレクトでの繋ぎから好機。
左サイドでの前進で、米田のダイレクトパスを受けたギリェルメ、ターンからのスルーパスを澤田に通して独走態勢に。
果敢にプレスにいく千葉の逆手を綺麗に取った格好で、GKと一対一に持ち込んだ末にシュートする澤田。
GK鈴木椋の右を破ってゴールに突き刺し、劣勢のなかタイスコアに戻す事に成功します。
長崎はこれでファイティングポーズを取り直した……とはならず、依然として千葉の一方的な展開に。
29分には澤田と増山が味方同士交錯する形でボールを失い、拾ったドゥドゥがエリア内へ縦パス→呉屋ポストプレイ→福満と繋がる所を何とかクリアして防ぎ。
守備がままならない以上、攻撃で何とかしたい状況。
しかしフアンマというゴールゲッターを抱えながら、それに対しクロスを供給する事すらままならず。
それだけ千葉のプレッシングに対し前進出来る術が無く、申し分程度にアーリークロスを何度か上げるのみだった前半戦。
31分にはフアンマが左に開いてスルーパスを受け、奥からマイナスのクロスを入れるという逆のパターンで崩し。
澤田のポストプレイを受けた増山がラストパスを送るも、ギリェルメとは合わず。
37分にはGK波多野が、フアンマでは無くジェズスをターゲットとしたロングフィード。
これが奏功し、セカンドボールからギリェルメがドリブル→ミドルシュート(ブロックに当たりCK)とフィニッシュに繋げ。
フアンマがターゲットの逆を突く姿勢から、何度か好機を生み出します。
数多好機を迎える千葉ですが、悠々ボールを回せる事もあり、そのフィニッシュは殆どがミドルシュートとなり。
つまりは前節と同様の現象を起こし、長崎がボールを奪えずリトリートを強いられるのもあり、気付かないうちにその沼に入り込んでしまったでしょうか。
そんな中で45分、自陣でのこぼれ球を佐々木がダイレクトで縦パスを送った事で、相手守備が整わないうちに前進に入り。
そして呉屋がスルーパス、田中が走り込んで右ハーフレーン・エリア手前で受けると、それを防ぎに前に出て来たGK波多野を左にかわし。
後は無人のゴールに蹴り込むだけとなりましたが、放たれたシュートは眼前で白井がブロックと、決壊寸前で何とか防いだ長崎。
守勢を強いられながらも、こうしたプレーで勝利への機運は持ち上がり。
結局1-1のまま前半が終了。
ともに交代は無く、残りシーズンも最後の45分を残すのみ……とはなりたくない長崎。
しかしその入りの1分、いきなり千葉がドゥドゥの突破からエリア近辺での展開と、何ら変わらないという流れに。
入れられたクロスはブロックするも尚も繋がれ、パスを出した見木へのアフターチャージでジェズスの反則を取られ。
これにより絶好の位置での直接FKを与える事となり、左ハーフレーンという横位置から、キッカーには田口・日高の2人が立ち。
入念に壁を作って防がんとする長崎でしたが、それを嘲笑うかのように田口から放たれた直接シュートが越えていきゴール左へ。
しかしポストを直撃し、跳ね返りを鈴木大に詰められるも何とかクリアと、またも瀬戸際での防御を強いられました。
6分にも、スローインを受けにいったドゥドゥがカイオのチャージを受けて反則、先程と似た位置(やや外側)での直接FKに。
この反則により、ドゥドゥのユニフォームのパンツが破損するという事態も起こり、カイオへの警告並びに2枚目による退場(前半36分に警告を受けている)を猛烈アピールする一幕もあり。
このFK、今度は日高が直接狙うも壁を直撃し、二次攻撃で鈴木大狙いのロビングからのこぼれを繋ぎ。
そして拾った鈴木大がシュート(鍬先がブロック)と、攻勢を維持する千葉。
流れを変えたい長崎は11分にベンチが動き、鍬先・カイオ→松澤・中村へと2枚替え。
ともに警告付きとなっていた2人を退かせ、ジェズスをアンカーの位置に入れたうえで配置を調整します。(インサイドハーフに澤田・中村、サイドハーフが右にギリェルメ・左に松澤)
13分には中村→澤田→ギリェルメ→松澤と、変わった選手同士で繋いでいきクロス攻勢に持ち込むなど、一定の効果を齎し。
しかしその後持ち込んだCK(15分)から、千葉がカウンターに持ち込む事となり、ドゥドゥが日高とのパス交換を経て抜け出しドリブル。
これを反則で止めたギリェルメが警告を受けるという具合に、依然として千葉優勢の流れに見えました。
千葉も交代カードを切る時が訪れ、17分に福満・ドゥドゥ→風間・椿へと2枚替え。
様々なサイドでボールを受けて攻撃を流動化させる、本来レギュラーの風間の役割に徹していたこの日の福満、これでお役御免となり。
そして攻勢を維持したかった千葉ですが、その後に最後方が乱れるまさかの展開に。
18分にGKからショートパスで繋ぐビルドアップを試みるも、内切りで追い込まれた末に右サイド深めで奪われるという事態を招き。
そして奪った松澤が左ポケットを突き、さらに奥に切り込む所を鈴木大が倒してしまい反則、よりによってPK献上となってしまいます。
キッカーは当然フアンマで、フェイントを交えてのシュートでGKの逆を突いてゴール左に突き刺し。
しかし主審の笛が鳴り、あろう事かギリェルメが蹴る前にボックスに入っていたという判定でやり直しに。
再び蹴る破目となったフアンマですが、今度は素直なキックで逆の右に蹴り込み、またもGKの逆を突いて正真正銘のゴールゲット。
逆転を果たし、PO進出へ希望の光を灯します。
圧倒的優勢から一転、という状況となった千葉。
選手交代もあり、長崎の積極的な姿勢に徐々に押されるようになった感じであり。
22分には一旦最終ラインに戻して繋ぐ千葉、それに対して松澤が激しくチェイスする長崎。
何とか右へ展開していなしきり、松澤により長崎が陣形を乱した所を前進する攻撃でエリア内まで進んだもののシュートには繋がらず。
リードした長崎ですが、それでもそのサッカーの印象は変わらず。
前に出れば上記のような状況を突かれ、後ろを固めれば前半のような蜂の巣状態を招くという守備。
それにより攻撃機会も著しく減少するなど、良好な流れは自発的に生み出せないというのが全体的な感想。
相手によって左右され、それが前節もそうだったように、体力勝負となる終盤での巻き返しという展開に繋がっていく感がありました。
まあ外国人枠を大幅に越える助っ人の獲得という編成面から問題を抱えているのですが
再び押し込む時間帯に入る千葉ですが、やはり前半からハイプレスを果敢に仕掛けるそのスタイルは、時間が進んだこの段階ではキツくなり。
29分に高橋壱が前に出てロングパスをカット、そこからパスワークで右奥を突き、戻し→右ポケットを突いた末に風間がクロス。
流れた所を左奥で拾った日高が再度クロスを入れ、呉屋のフリックでファーへ浮かんだ所に風間が合わせにいき。
クリアでこぼれた所を高橋壱がシュートと、重厚な攻めを見せたものの枠を捉えられません。
攻勢が止んだ32分、長崎は自陣からの左スローインで白井サイドチェンジ→増山落としでギリェルメが抜け出すという単純な流れで好機に持ち込み。
そのままエリア内まで切り込んだギリェルメから、横パスを受けた松澤がシュート(田口がブロック)に持ち込み。
この単純な攻めを防げなくなってきている千葉、体力の低下は明らかであり、それが3失点目に直結する事に。
33分に双方選手交代。
長崎は澤田・ギリェルメ→名倉・岡野へと交代し、増山が一列上がって右SHに。
千葉は呉屋→小林祐介へと交代し、見木がFWに回り。
その後も千葉は攻め続け、セットプレーの量産に鈴木大も上がりっぱなしとなる状況に。
しかしそれが途切れ、再び長崎の単純な攻撃の受けに回るとあっさりと決壊します。
37分ゴールキックから、GK波多野のロングフィードが誰にも合わず、かつ誰もクリアにいけずに中央をバウンド。
一気にエリア内まで転がり、GK鈴木椋と鈴木大が前後から抑えるという状況になるも、躊躇ってお見合い状態となる隙に鈴木大の後方から走り込んだ増山が足を伸ばしてシュート。
コースを少し変えただけというシュートでしたが、そのままゴール内へと転がって致命的な失点を与えてしまった千葉。
一方長崎は、ゴールを決めた増山がユニフォームを脱いだ事で警告を受け、これでこの日チーム4枚目。
2点差となり、勝利に大きく前進した長崎。
後半の2点は相手のミス絡みというスッキリしないものながら、この最終盤では「勝てばよかろう」の精神以外に望む物は無く。
3点目とほぼ同じ時間に、山形vs甲府は山形が同点に追い付いた事もあり、このまま行けば……という状況に。
尚も攻め上がり、敵陣での展開を続ける千葉。
しかし既に体力も運気も残されておらず、そんな状態で2点リードは重くのしかかり。
45分に最後の交代、日高・田中→メンデス・西堂へ代える(佐々木が左サイドバックへ)も、流れを変える事は出来ません。
7分と長くなった目安のアディショナルタイム。
その最中に長崎もフアンマ→セリンサリウへ交代と、最後のカードを使用。
諦めずに攻め上がる千葉をいなしながら、松澤がドリブルで持ち運び時間を使い、勝利に向けての歩みを見せ。
そして試合終了の笛が鳴り、勝利というミッションを達成した長崎。
しかし他会場は、ATに山形が勝ち越してそのまま逃げきったため、最終順位は山形5位・千葉6位に。
それに届かず7位となった長崎、残念ながらPO出場を果たせずここでシーズン終了となってしまいました。
何とも無念という締めとなりましたが、サッカーの内容に触れると、前述の通り前半の一方的な展開を何とかしたい所。
つまりは構造的な欠陥を改善して来季に臨みたいですが、それは果たして現政権に出来るかどうかという選択も迫られる事でしょう。
一方、敗戦ながら6位でPO出場とシーズンはまだ続く千葉。
2017年以来の出場で、当時のメンバーも高橋壱・熊谷アンドリュー以外皆無という全く異なるチームで挑む事になり。
2戦ともアウェイという厳しい戦いとなりますが、大外からの逆転昇格を狙いたい所です。
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