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2月16日: 噴出する巨大プロミネンス/お知らせ

2018年02月16日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

1992年7月31日(世界時)、乗鞍コロナ観測所のコロナグラフで巨大プロミネンスが上昇・噴出する様子がとらえられました。プロミネンスは最初、秒速30キロメートルのゆっくりとした速度で上昇し始めてから次第に加速し、高さ59万キロメートルの巨大なアーチ状の形状となりました。プロミネンスの先端部で、細い磁力管が複雑によじれ絡み合い、らせん構造を形作っている様子が鮮明にとらえられています。プロミネンスは、その後、さらに外側へと噴出しています。

多波長でとらえた巨大プロミネンス噴出

乗鞍コロナ観測所では、濃霧が消えた0時43分から観測を開始。秒速30キロメートルのゆっくりとした速度で上昇し始めたプロミネンスは、次第に加速し、1時37分には高さ59万キロメートルの巨大なアーチ状になりました。アーチ状のプロミネンス頂上の一部では、秒速220キロメートルまで加速されています。プロミネンスの頂上部は、その後、さらに外側へと噴出しています。また、プロミネンスの先端部では細い磁力管が複雑によじれ絡み合ってらせん構造を形作っており、プロミネンス内部の複雑な磁場構造を反映していると考えられます。

乗鞍コロナ観測所ではこれまでにも何度かこのようなプロミネンス上昇を観測してきました。しかし、この現象は、「ようこう」衛星(1991年8月打ち上げ)、野辺山電波ヘリオグラフ(1992年6月観測開始)でも観測され、Hα線、X線、電波など多波長による同時観測で、プロミネンスの上昇・噴出の様子をとらえることに成功しました。Hα線や電波で観測されたプロミネンスの足元には、X線ではアーケード状の磁気ループ構造が観測されており、プロミネンスの周囲の磁場構造の理解へとつながりました。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

<大判>: イメージをクリック

<お知らせ>: ① 13日に打上げられた国際宇宙ステーションプログレス69号貨物船は、日本時間15日午後7時38分に、国際宇宙ステーションとドッキングしました。詳細は 「ホームページ」の「国際宇宙ステーションは今」から。

② 明日16日午後9時過ぎ、金井飛行士達による船外活動が予定されています。中継放送時刻等は 「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。詳細は 「国際宇宙ステーションは今」 から。

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