のあ いちい ワールド

ここは、物書き「のあ いちい」の、人間世界とそれ以外の宇宙人について多くふれるブログです。

黒か白かを決める生き方

2012-11-05 20:58:23 | エッセイ
柳田邦男著「壊れる日本人」を読んでいて、



黒と白の二者択一に選別するだけでは問題だというくだりがありますね。


医療現場で、医師はインフォームドコンセントが義務付けられることから、



患者に、

あなたは癌であと2か月の命です、

と告げる。



これは、待ったなしの宣告で、患者の気持ちを理解出来ていない。

黒か白かをそのまま告げることは実に問題がある、

と私も思いますね。



そのような医師が現実に存在するわけです。



その場合、

あなたは悪い腫瘍におかされてしまいましたが、私と一緒に闘っていきましょうね、

と伝えれば、患者の気持ちもだいぶ違うのではないかと思われます。



その患者さんがどのようなタイプの人なのか、感じやすい人か、そのようなことを総合的に判断して伝えるべきだと私も思いますね。



柳田邦男さんは、日本人の持っている体質というか、

黒でも白でもない、曖昧なグレイゾーンに真実があることがある、と。



私も、このことは以前から思っていたので、共感しましたね。

黒白と選別してしまえば、効率よく物事が進むかもしれないけれど、

人の大切な心の部分がそぎ落とされてしまう。



話は異なりますが、

私は、あのバイブルの箇所を思い出していました。



イエスが家を訪れたとき、迎えた姉マルタが接待のことで忙しく立ち回っていたのに対し、

妹マリアはイエスの語る言葉に聞き入っていた件りですね。



行動を通して神に奉仕するマルタの態度と大切な言葉に耳を傾けることに注視したマリアの姿。

私はどちらもりっぱだと思いたいですね。



私の住まいをずっと下って行くと、「マルタの家」というような、認知症の方たちのグループホームのようなところがあります。



そして、立ち回りつつイエスの言葉に耳を傾けるありようのことも考えました。

(神さま、私の表現がまずかったらお許しください)

後者は、私が浮かんだことで、例としてではなく、個人的連想です・・


事に当たり、AかBかと二者択一のみですべての物事を振り分けると、柳田邦男さんがおっしゃるように、技術的には行動しやすいけれど、

抜け落ちてしまう物事があるように思います。

医療機関と医師



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