3日付けの各紙が一斉に「金正日の後継は三男」と報じている。朝日は1面トップに据える力の入れようだ。中国大使館から直接取材できたことで「確度は十分」と判断したためだろう。だが、どの新聞を眺めてみても、なぜこの時期に後継指名なのかとなると、依然闇の中である。
《北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(67)が三男正雲(ジョンウン)氏(25)を後継者に指名した、と朝鮮労働党幹部が中国共産党幹部に伝達していたことがわかった。正雲氏が今年初め、党や軍の人事権を握る党組織指導部長に就任したとの情報も伝えられた。労働党幹部と関係が深い北京の中朝関係筋と、両国を往来する金総書記に近い北朝鮮筋が明らかにした》=朝日com=
《韓国の情報機関、国家情報院が、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(67)の後継者に三男の正雲(ジョンウン)氏(26)が選ばれたことを示す情報を入手したとして、一部国会議員に報告したことが2日、明らかになった。
同院が入手した後継者に関連する具体的な情報が表に出たのは初めて》=読売ONRINE=
読売は韓国国家情報院→韓国国会議員のラインで情報を入手している。情報院がどこでキャッチしたかについては「インテリジェンス」として触れていないが、北と国交がある国の大使館筋だということは書いてある。おそらく、中国なのだろう。
金王朝が動揺している。正日のこうした焦りが、後継作業を急がせていると見るのが順当なところだ。だが、正妻の子ではなく、少年期にスイスに留学して安逸な暮らしを楽しんだ正雲が国民の尊敬を集められるだろうか。きわめて疑問だ。
中国は35年前の正日継承の際も、「社会主義と世襲は両立しない」と異を唱えた。正雲後継となると3代続きだ。中国指導部がすんなり認めるわけがない。
各紙の報道によると、北国内では後継についての指令は電話などで行われたという。これもおかしな手続きだ。国家的大事の伝達が事務連絡とかわらないとは…。
朝鮮労働党の党内手続きを一切経ないで後継が決まった可能性が濃厚だ。正日は継承時には党の枢要ポストに就いており、ナンバー2の地位にあった。正雲は国防委員会に配属されたとも伝えられるが、はっきりしない。
軍と正日の義弟・張成沢が正日の意を受けて強引にことを進めていると考えられる。その意図は後継をスムーズに進めるためというより、王朝の未来図を示すことで正日自身の権力基盤を安定させたいということだろう。
安定を求めるとは、現在が不安定であることの裏返しだ。北は今、大きく動揺しているのではないか。
《北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(67)が三男正雲(ジョンウン)氏(25)を後継者に指名した、と朝鮮労働党幹部が中国共産党幹部に伝達していたことがわかった。正雲氏が今年初め、党や軍の人事権を握る党組織指導部長に就任したとの情報も伝えられた。労働党幹部と関係が深い北京の中朝関係筋と、両国を往来する金総書記に近い北朝鮮筋が明らかにした》=朝日com=
《韓国の情報機関、国家情報院が、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(67)の後継者に三男の正雲(ジョンウン)氏(26)が選ばれたことを示す情報を入手したとして、一部国会議員に報告したことが2日、明らかになった。
同院が入手した後継者に関連する具体的な情報が表に出たのは初めて》=読売ONRINE=
読売は韓国国家情報院→韓国国会議員のラインで情報を入手している。情報院がどこでキャッチしたかについては「インテリジェンス」として触れていないが、北と国交がある国の大使館筋だということは書いてある。おそらく、中国なのだろう。
金王朝が動揺している。正日のこうした焦りが、後継作業を急がせていると見るのが順当なところだ。だが、正妻の子ではなく、少年期にスイスに留学して安逸な暮らしを楽しんだ正雲が国民の尊敬を集められるだろうか。きわめて疑問だ。
中国は35年前の正日継承の際も、「社会主義と世襲は両立しない」と異を唱えた。正雲後継となると3代続きだ。中国指導部がすんなり認めるわけがない。
各紙の報道によると、北国内では後継についての指令は電話などで行われたという。これもおかしな手続きだ。国家的大事の伝達が事務連絡とかわらないとは…。
朝鮮労働党の党内手続きを一切経ないで後継が決まった可能性が濃厚だ。正日は継承時には党の枢要ポストに就いており、ナンバー2の地位にあった。正雲は国防委員会に配属されたとも伝えられるが、はっきりしない。
軍と正日の義弟・張成沢が正日の意を受けて強引にことを進めていると考えられる。その意図は後継をスムーズに進めるためというより、王朝の未来図を示すことで正日自身の権力基盤を安定させたいということだろう。
安定を求めるとは、現在が不安定であることの裏返しだ。北は今、大きく動揺しているのではないか。