「政権担当能力の違いを見せつける」という麻生首相の狙いは、大はずれ。というより、「これでは鳩山さんの方がまし」との感想を国民に抱かせてしまったのではないか。麻生vs鳩山の党首討論2回戦のことである。
《麻生首相と民主党の鳩山代表の2回目の党首討論が17日、国会で行われた。鳩山氏は日本郵政の西川善文社長の人事について「私どもが政権を獲得した時には、西川社長にはお辞めになっていただくしかない」と明言し、次の総選挙で政権交代が実現すれば、解任する考えを示した。
これに対し、首相は「民営化された株式会社に対して政府の介入は最小限にとどめるべきだ」としたうえで、「(対応が)ぶれているとか、いないとか(ではなく)、結論が出るまでの間、いろいろな意見を聞くのは当然のことだ」と反論した》=朝日com=。
麻生の反論は一般論に過ぎない。規制改革会議議長だった宮内が君臨するオリックス(不動産)がかんぽの宿を一括落札した時点から国民は胡散臭さを感じているのだ。単に価格の問題ではない。麻生はこうした点が全く分かっていない(ふりをしている?)。これでは、まともな論議にならない。
機転の利かなさも相当なものだ。おそらく麻生は財源問題と安全保障問題で攻め立てようと考えていたに違いない。そのチャンスもあった。例えば鳩山が先手を打って「船舶検査新法」を持ち出したときだ。なぜ、これに絡めて民主党の防衛政策を槍玉に挙げないのか。時間切れ間際に慌てて「(日本防衛が)第7艦隊だけで十分とはいかがなものか」などと突っかかるのは、みっともないだけだ。
財源論議はさらにひどかった。官僚の発想から抜け出して予算の大胆な組み直しや見直しを行えば、無駄が見つかり財源が出てくる、と鳩山民主党は主張する。その見直しに要する期間が4年間、この間は消費税は上げない、というのである。次の総選挙で民主党が勝てば、直ちに予算編成だ。このときの財源はどこに求めるのか。来年、再来年、その次の年はどうか。麻生はここを聞くべきだった。でも、できなかった。能力も余裕もない。指導力はもはや皆無に等しい。
後は身を引いてもらうしかない。麻生らしく威勢のいい啖呵を切って官邸を去っていただきたい。「友愛」の由紀夫クンも頼りないが、まだましだろう。
《麻生首相と民主党の鳩山代表の2回目の党首討論が17日、国会で行われた。鳩山氏は日本郵政の西川善文社長の人事について「私どもが政権を獲得した時には、西川社長にはお辞めになっていただくしかない」と明言し、次の総選挙で政権交代が実現すれば、解任する考えを示した。
これに対し、首相は「民営化された株式会社に対して政府の介入は最小限にとどめるべきだ」としたうえで、「(対応が)ぶれているとか、いないとか(ではなく)、結論が出るまでの間、いろいろな意見を聞くのは当然のことだ」と反論した》=朝日com=。
麻生の反論は一般論に過ぎない。規制改革会議議長だった宮内が君臨するオリックス(不動産)がかんぽの宿を一括落札した時点から国民は胡散臭さを感じているのだ。単に価格の問題ではない。麻生はこうした点が全く分かっていない(ふりをしている?)。これでは、まともな論議にならない。
機転の利かなさも相当なものだ。おそらく麻生は財源問題と安全保障問題で攻め立てようと考えていたに違いない。そのチャンスもあった。例えば鳩山が先手を打って「船舶検査新法」を持ち出したときだ。なぜ、これに絡めて民主党の防衛政策を槍玉に挙げないのか。時間切れ間際に慌てて「(日本防衛が)第7艦隊だけで十分とはいかがなものか」などと突っかかるのは、みっともないだけだ。
財源論議はさらにひどかった。官僚の発想から抜け出して予算の大胆な組み直しや見直しを行えば、無駄が見つかり財源が出てくる、と鳩山民主党は主張する。その見直しに要する期間が4年間、この間は消費税は上げない、というのである。次の総選挙で民主党が勝てば、直ちに予算編成だ。このときの財源はどこに求めるのか。来年、再来年、その次の年はどうか。麻生はここを聞くべきだった。でも、できなかった。能力も余裕もない。指導力はもはや皆無に等しい。
後は身を引いてもらうしかない。麻生らしく威勢のいい啖呵を切って官邸を去っていただきたい。「友愛」の由紀夫クンも頼りないが、まだましだろう。