酔眼独語 

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「非核」決議と核の傘

2009-09-25 05:57:16 | Weblog
 国連安保理の首脳特別会合が「核兵器なき世界」の条件づくりを目指す決議を全会一致で採択した。米国のオバマ大統領が議長を務める異例の会合での、画期的な決議である。だが、次の展開は? となると途端に先が見えなくなる。

 《国連安全保障理事会は24日午前(日本時間同日夜)、核不拡散・核軍縮に関する初の首脳会合を開き、米国提案の「核兵器のない世界」を目指す決議を全会一致で採択した。議長のオバマ大統領は「この歴史的な決議は、核兵器のない世界を目標にした我々の共通の誓いだ」と述べ、核軍縮の理念を各国が共有し取り組むと宣言した。非常任理事国の日本の鳩山由紀夫首相も出席、「唯一の被爆国として果たすべき道義的責任」を掲げ、非核三原則を堅持し、世界の先頭に立って核廃絶に取り組む決意を表明した。

 米大統領が安保理首脳会合を主宰したのは初。同首脳会合は92年からこれまでに計5回開催されたが、核不拡散と核軍縮に特化したものは前例がない》=毎日jp。

 この決議で注目されるのは、非核地帯条約を設けることに賛成、と表明していることだ。アメリカはこれまで非核地帯構想や条約に反対の立場だった。米軍の核戦略と絡むからだ。これを一変させた。東欧MDを中止したことなどと同一線上にあると考えられる。オバマはかなり本気で「核廃絶」を考えているのではないか。

 そうはいっても、列強の安全保障戦略が核兵器を前提に組み立てられていることも事実だ。廃絶までの長い長い道のりが続くことになる。アメリカの核の傘に依っている日本の立場も問われそうだ。

 だいたい、「核の傘」などという言い方がおかしい。「核の傘」と聞けば防御的なイメージが沸くが、軍事の世界では防御と攻撃は等価だ。核先制使用の放棄に関して、自民党政府が「米国にそのようなことを求めることはあり得ない」と述べていたのは記憶に新しい。

 核の傘は敵国への威嚇でもある。「わが国の核兵器開発は“抑止力の強化”のためだ」という北朝鮮の主張も、全く的外れとはいえまい。

 鳩山政権が「核の傘はいりません」などと口に出すことは100%ないだろう。それを前提に、唯一の被爆国としての断固たる決意を打ち出す。かなりアクロバット的な論理と決断が求められそうだ。
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