警官の不祥事が相次いでいると思ったら、今度は弁護士だ。いったいこの国の司法関係者の遵法意識はどうなっているのかと疑わざるを得ない。今回の弁護士のケースは、要するに詐欺である。こうした行為を働いた人物の名前も公表せず、「国選の指名停止」程度で済ませることにも合点がいかない。
≪逮捕された容疑者や起訴された被告に国費で弁護士を付ける国選弁護制度をめぐり、2006~09年に全国で少なくとも157人の弁護士が接見や公判の回数を水増しし、247件で報酬計約450万円を過大に請求していたことが、日本司法支援センター(法テラス)の調査でわかった。
法テラスは、この157人に水増し分の返還を請求し、弁護士が破産手続き中などのケースを除き、計436万円を回収した。不正が特に多かった19人は3カ月~1年間、国選弁護人としての指名を停止した。
08年に岡山弁護士会の弁護士による過大請求が発覚したことを受けて調査していた。06年10月~09年8月に計約3700人の弁護士が担当した約1万6千件のうち、約9千件を抽出して警察署の接見簿や裁判所の記録と照合。過大請求の主な原因は「不正確な記憶に基づいて申告した」「別事件の接見と混同した」などだったが、中には「強盗強姦(ごうかん)事件で1回しか接見していないのがまずいと思い、3回にした」という故意のケースもあった≫=朝日degidal=。
調査は抽出であり、実際どれぐらいの不正が行われていたかは不明だが、157人・247件より多いのは間違いあるまい。接見の際の手続きは09年から厳格化され、警察と裁判所の「出席証明」を突き合わせて費用を支給する方式に改められた。それまでがいかにずさんだったかと証拠だろう。
本仮屋ユイカが主演した弁護士ドラマ「そこをなんとか」で、主人公の改世楽子が「弁護士だって生活苦しいんです!」と叫んでいたのを思い出す。どんなに貧しくても悪事は働かない―これは弁護士としてというより、人間としての規範だ。それすら守れない人物は、バッジを外してもらうしかない。
≪逮捕された容疑者や起訴された被告に国費で弁護士を付ける国選弁護制度をめぐり、2006~09年に全国で少なくとも157人の弁護士が接見や公判の回数を水増しし、247件で報酬計約450万円を過大に請求していたことが、日本司法支援センター(法テラス)の調査でわかった。
法テラスは、この157人に水増し分の返還を請求し、弁護士が破産手続き中などのケースを除き、計436万円を回収した。不正が特に多かった19人は3カ月~1年間、国選弁護人としての指名を停止した。
08年に岡山弁護士会の弁護士による過大請求が発覚したことを受けて調査していた。06年10月~09年8月に計約3700人の弁護士が担当した約1万6千件のうち、約9千件を抽出して警察署の接見簿や裁判所の記録と照合。過大請求の主な原因は「不正確な記憶に基づいて申告した」「別事件の接見と混同した」などだったが、中には「強盗強姦(ごうかん)事件で1回しか接見していないのがまずいと思い、3回にした」という故意のケースもあった≫=朝日degidal=。
調査は抽出であり、実際どれぐらいの不正が行われていたかは不明だが、157人・247件より多いのは間違いあるまい。接見の際の手続きは09年から厳格化され、警察と裁判所の「出席証明」を突き合わせて費用を支給する方式に改められた。それまでがいかにずさんだったかと証拠だろう。
本仮屋ユイカが主演した弁護士ドラマ「そこをなんとか」で、主人公の改世楽子が「弁護士だって生活苦しいんです!」と叫んでいたのを思い出す。どんなに貧しくても悪事は働かない―これは弁護士としてというより、人間としての規範だ。それすら守れない人物は、バッジを外してもらうしかない。
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