優緋のブログ

HN変えましたので、ブログ名も変えました。

親の会交流誌

2006-03-29 15:51:34 | おもいつくまま
これまでにも何度か書いてきたとおり、我が家の次男は北海道の高校へ行っている。
そこは音威子府村という人口約1000人余りの北海道で一番小さい村にある村立高校だ。
北海道おといねっぷ美術工芸高校という。
http://www5.ocn.ne.jp/~otokoh/

各学年一クラス、在校生約90名という小さな学校で、生徒のほとんどが村外から来て寮生活をおくっている。

一月の中旬、親の会の役員の方から「親の会で文集を作るので原稿を書いて欲しい。」と連絡があった。
自分の書きたいことを書くのは、それほど苦にならないので、さっそく書いてファックス。
先日子どもの通信簿、事務連絡の手紙とともに「THANKS」という保護者交流誌が送られてきた。

15歳で子どもを手放した親たちのそれぞれの思いがそこには込められていた。
その中で共通した思いは「感謝」。「THANKS」の名のとおりである。

全部を皆さんにお見せしたいくらいだが、そうはいかないので、私が文集に寄せた文章だけ掲載させていただく。(自分のだからいいよね。)

  
 親として音威子府高校の学校生活に寄せる思い
               
「俺たち、めったにできない貴重な体験をしているよなぁって友達と話しているんだ。」
冬休みに帰ってきた息子の言葉である。
それはそうであろう。ほとんど二十四時間、親兄弟より、先生より、誰よりも長く一緒にいて、共に学び、遊び、時には喧嘩やいさかいもあることではあろうが、それでもそこから逃げずになんとか切り抜け、密度の濃い時間を過ごしているのだから。
家に帰れば、相変わらずゲームをしたり、漫画を読んだり、後は食べてごろごろ…といった、中学生の頃と変わらない生活ぶりだ。
しかし、今の自分の学校生活を“貴重な体験”と感じ取ることが出来るようになったこと、また、いかに鉋(かんな)の刃を研ぐのが難しいかを語る彼の眼の輝きからは、少しづつかもしれないが成長の後を感じることができた。

同級生同士、“これはまずい”と思う友達がいれば、お互い、先生や先輩の「指導」が入らないように注意しあっているともいう。
半分不登校だった彼が、だ。

今学んでいる科目や技術は、すぐそのまま仕事や就職には、あるいは結びつかないのかもしれない。
しかし、「自分さえよければ」という風潮が蔓延している世の中で、お互い励ましあえる仲間を持つことができただけでも彼らは幸せと言えるのではないかと思う。

進級、就職、あるいは進学と、これからまだまだいくつもの壁を乗り越えていかなければならない。
時にはうまくいかず、挫折を味あわなければならない時もあるだろう。
それでも負けない強い心と、自分の幸せだけではなく、人の心を思いやれる心を、音威子府高校での学校生活で掴み取ってくれることを切に願っている。

また、道内の、特に地元音威子府、旭川、札幌の保護者の皆様には、様々な面でお世話をおかけしていることと思う。
この場を借りて御礼申し上げたい。