還暦を過ぎ、シニア部門に突入してからは、
本は図書館で借りることが多くなりました。
一ヶ月に、ほんの1~2冊くらい借りて、ぼちぼちと負担なく読んでいます。
録りためたテレビ番組も、友人が送ってくれた大量のDVD(清朝モノ)も消化しないといけませんからね。
しないといけないわけではないです
今回は2冊。
垣谷美雨著「あなたのゼイ肉、落とします」
よし、ダイエットする~と思って借りたのではありませんよ
魅力的な題名ではありますが…
主人公は、前回借りた「あなたの人生かたづけます」の主人公、大庭十萬里の妹、大庭小萬里。
同じく、マスコミには一切登場しない謎の女性。
その小萬里(こまり)さんが、依頼人のゼイ肉だけではなく心の悩みを解決してゆくのです。
痛快な心温まるお話です。
垣谷美雨さんの本は、くすっと笑えて、読み終わると温かい気持ちになるので好きです。
時代に即した話を取り上げ、関連した物語になってゆくのも面白いです。
いや~な気分になるのは避けたいですね。
もう1冊は、
須賀しのぶ著「革命前夜」
この革命前夜というのは、
ベルリンの壁が崩壊する1989年の東ドイツ、ドレスデンが舞台の物語です。
日本人の音大生、真山柊史は敬愛するバッハを育んだ地でピアノに打ち込むために、
ドレスデンにある音楽大学に留学します。
東ドイツの生活は西側と比べると物資も圧倒的に乏しく、
シュタージ(国家保安局)の監視など想像していたよりも厳しいものでした。
そして、人々の不満はついにベルリンの壁崩壊へ…
かなりの腕を持つ音大生たちの話なので、
曲をとても細やかな文章で表現されています。
ですが、専門家ではないので想像するのも限界があって難しかったです。
それよりも、
一昨年に行ったドレスデンが、あの美しいドレスデンが30年前は瓦礫の山だったなんて
「この教会は全て崩れ落ちました」
確かに、そう聞きましたよ、ガイドさんから。
フラウエン教会
「第二次世界大戦の空爆で破壊されましたが、
長い年月をかけて再建されました。
塔の上にはイギリスから贈られた新しい十字架、教会前にはルター像」
このように、当ブログのドイツ周遊旅行記には確かに書いております。
さらにご丁寧に、
「戦争で壊された記憶の石」
これも、ちゃ~んと覚えていますし記しておりました。
でも、実際にはわかっていなかった。
あ~、なんという
「そうなんだ~」と思っただけだったのです。
今回、この本を読んで初めて、
ベルリンの壁崩壊前のドレスデンの、東ドイツの惨状がわかったように思えます。
この美しいと思ったツヴィンガー宮殿も、本の中の1989年当時の描写ではひどいものです。
アルテマイスター美術館も登場します。
本来の読書とは違うのでしょうが、とても興味深く読みました。
訪れたことのある場所が舞台となった物語。
そんな本に出会えると、
自分の撮った写真と照らし合わせながら読み進めてとっても楽しいです。
それではまた~