理想国家日本の条件 さんより転載です。
転載、させていただいた記事です 2015/07/15 00:31 http://s.webry.info/sp/dogma.at.webry.info/201507/article_4.html
死地に送られたウイグル人…中共が“難民強奪”の暴挙
悪名高い特警部隊を海外に派遣させ、ウイグル人を大量拘束。前代未聞の“難民強奪劇”が起きた。中共が「テロ容疑者」と連呼するのは、農園で細々と働いていた一家だった。
男たちは手にした石で窓ガラスを叩き割ると一斉に内部に乱入した。7月8日深夜、トルコ最大の商業都市イスタンブールのタイ総領事館がデモ隊の襲撃を受けた。
乱入したのは、東トルキスタン教育連合を名乗るグループのメンバー数人。敷地内に掲揚された国旗を引きずり降ろし、オフィスの備品を破壊した。
▽タイ総領事館にデモ隊突入7月8日(EPA)
トルコ国内にショッキングなニュースが伝わってから間もなくの突入劇だった。この日、ウイグル人難民109人がタイから支那に移送されたことが判明したのだ。
これまでトルコ政府は、東トルキスタンを脱出し、東南アジアの国々に辿り着いたウイグル人難民を受け入れてきた。6月末にも複数の難民一家が無事、タイからトルコに到着したばかりだった。
▽トルコに到着したウイグル難民6月30日(RFA)
タイ国内のウイグル人難民は順次、希望する国に出国できると見られていた。それが一転、中共のチャーター機に詰め込まれ、支那国内に移送されてしまった…悲劇的な結果に繋がることは確実だ。
トルコでは東トルキスタン支援の輪が年々広がっている。ウルムチ大虐殺から6周年となる7月5日には、首都アンカラとイスタンブールで中共に対する大規模な抗議デモが行われた
▽イスタンブールでの反中デモ7月5日(AFP)
この時、一部のシナ料理店が襲撃を受けた他、南鮮人観光客がシナ人と間違われて暴行されるケースも見られた。ウイグル人への圧政をめぐり、嫌中感情そのものが拡大しているのだ。
ウイグル人大量送還の悲劇は、中共がトルコ国内の動きに神経を尖らす中で起きた。報復・見せしめの色合いが濃かったのである。
【“囚人移送映像”の波紋】
「中国に戻されれば法的手続きのないまま、残酷な扱いを受けるおそれがある」
米国務省のスポークスマンは7月9日の定例会見で、そう批判した。最初に槍玉にあがったのは、送還を手助けしたタイ軍事政権だ。明らかな難民の保護を認めた条約に違反する行為だ。
▽拘置されるウイグル難民’14年3月(RFA)
「ウイグル族の人たちは中国への強制送還を望んでいなかったとみられる。今回のタイ政府の対応に衝撃を受けている」
UNHCR(UN難民高等弁務官事務所)も9日付けで緊急声明を発表。国際法に反する強制送還と断定し、タイ軍政を非難した。送還されたウイグル人が「条約難民」に該当することは間違いなかった。
「条約難民」は、経済的な理由や戦禍を逃れてきた難民とは区別される。人種・宗教などを背景に迫害を受ける恐れが高い難民だ。本国への送還は拷問・虐待に留まらず、死を意味する場合もある。
▽移送されるウイグル人の子供’14年5月(AFP)
「中国は法的な手続きに従うと確約している。野蛮な国ではない」
国際社会からの反発に対し、タイ軍政のプラユット暫定首相は弁明に追われた。送還したウイグル難民の「安全」は確保されてると言い訳したのだが、中共側が公開した映像は、その主張を覆すものだった。
▽特警に囲まれる機内のウイグル難民(CCTV)
中共のチャーター機に乗せられたウイグル難民は全員が手錠を掛けられた上、頭に黒い頭巾を被せられていた。更に、胸には識別番号とおぼしき札も確認できる。
中共側は移送段階から既に凶悪犯として取り扱っていたのだ。
【特警部隊の“海外派兵”】
「ウイグル族が抵抗したり、飛行機をハイジャックしたりするのを防ぐために必要な治安措置だった」
タイ軍政のスポークスマンは7月12日、映像公開を受けてそう弁明したが、批判は更に高まった。中共の特警がマンツーマンで配置される機内で、ハイジャックなど出来るはずがない。
中共の特警が大挙してタイに入ったことも問題視される。ウイグル難民の移送は7月8日、電撃的に行われた。拘置施設にいた難民はバンコクの軍用空港に連行され、そこで中共側に引き渡されたのだ。
▽強制送還中のウイグル難民(CCTV)
中共はタイ国内で主権を行使した格好である。強制送還に使用されたのは中国南方航空のチャーター機だったが、搭乗員を含め中共公安あるいは軍の管理下にあったと見られる。
「北京の圧力に屈し、人々から身の安全を奪った」
米国の人権団体は、タイ軍政と中共の取引を非難した。タイは昨年5月のクーデターで、親中派で華僑のインラック政権を倒し、軍が全権を掌握。今の暫定首相は、タイ陸軍司令官だ。
▽北京に招かれたプラユット首相’14年12月(新華社)
しかし反中共には舵を切らず、欧米各国が軍政と距離を置く中、隙を見て中共が接近。潜水艦の購入計画が取り沙汰されるなど、北京との関係を深めている。
事前にどのような交渉があったのか詳細は不明だが、専用機による難民の大量強制送還は前代未聞だ。中共の弾圧機関である特警が海外に派遣され、難民を拘束したのである
▽手錠を掛けられたウイグル難民(CCTV)
東トルキスタンから命懸けで出国し、辿り着いた先の国にも中共の弾圧機関が現れる…新天地を目指したウイグル人にとって、それは悪夢以外の何ものでもない。
【農園で働いていたウイグル一家】「私たちはトルコ人です」
昨年3月、タイ深南部のゴム農園で200人余りの密入国者が見つかった。多くが子供連れの家族で、8日に強制送還されたウイグル難民とほぼ重なっていると見られる。
トルコ人を自称していたのは支那への送還を恐れた為で、UNHCRなどが介入すると自らがウイグル人であることを認めた。出国した理由について男性の1人は、こう話していた。
「故郷ではもう、昔から守ってきた生活ができない。自由な国に住みたいだけの思いで家族と共に住み慣れた土地を捨てる決心をした」
▽農園で働いていたウイグル一家ら'14年3月(AP)
経済難民ではない。中共による狂気の弾圧から逃れてきた者たちだ。近年、東南アジア各国でウイグル人が「保護・拘留」されるケースが増加。雲南からメコン川沿いを南下するルートである。
だが、タイ深南部で「発見」されたウイグル人は例外的だった。彼らはゴム農園で働いていたのだ。ブローカーが介在し、農園での仕事を斡旋されたと見られている。
▽拘置されるウイグル難民'14年7月(AP)
さらに現地は、ロヒンギャ族の不法就労者が多数発見されているエリアだった。そのことから、ビルマ沿岸部からマレー半島に到着したと指摘する専門家もいる。
後続の安全確保の為にも脱出ルートの詮索は無用だが、彼らが一般のウイグル人勤労世帯であることは確実だ。それを中共政権はテロリストと断定して、処刑台に送ろうとしている。
【脱出口にも網を張る卑劣中共】
「密入国者はトルコを経てシリアやイラクに行き、いわゆる“聖戦”に参加しようとした他、テロに関わって逃亡した者もいる」
中共の宣伝機関=CCTVは7月11日、黒頭巾姿のウイグル難民の映像をバックに公安当局者のコメントを発表。シナ国民に向けてテロ容疑者を拘束したかのような捏造報道を行った。
▽連行されるウイグル難民(CCTV)
ジハード参戦を志して出国した人物が、なぜ低賃金のゴム農園で淡々と働いていたのか…相変わらずの雑な捏造宣伝だが、今後、テロ計画を“自供する容疑者”を出演させてダメを押すだろう。9・11テロから暫くは、ウイグル人とタリバンの連携を煽っていたが、IS(イスラミック・ステート)が国際社会の注目を浴びると、直ぐに乗り換える。余りの節操のなさに逆に驚く。
▽トルコでの反中抗議デモ7月4日(AFP)
一時、ISにウイグル系兵士が参加しているとの報道も散見されたが、個人の活動はあっても、ISの思想が逆輸入されることはない。東トルキスタンではムスリムが最低限の戒律を守ることすら不可能なのだ。
それが今や、弾圧から逃れるようとする人々までもが標的になっている。昨年5月には、ベトナムとの国境地帯で大規模なウイグル人狩りを実施。当局発表だけでも852人が拘束された。
▽ベトナムで拘束されたウイグル母娘’14年
数少ない出口さえも封じられ始めている。さらに今回、国境を抜けて難民と認められたウイグル人が死地に引き戻される事態となった。絶望的な状況だ。
ショッキングな強制送還劇から3日後、タイ当局はウイグル難民8人のトルコ移送を認めた。
国際社会からの反発に慌てた格好だが、まだ残る52人の処遇が決まっていない。
▽移送されるウイグル難民'14年7月(AP)
瀬戸際である。UNHCRが強権を発動する時は今だ。同時に、周辺諸国や先進国は、タイ軍政と中共を強く牽制し、支援策を打ち出す必要がある。これ以上、悲劇を繰り返してはならない。
そして、難民を生み出す東トルキスタンの窮状を改めて直視すべきだ。
〆
参照:
日本ウイグル協会HP7月11日『タイ政府のウイグル難民強制送還に抗議する声明』
参考動画:(注 敵性映像)
100-plus Stowaways, "Snakeheads" Repatriated from Thailand