石森則和のSEA SIDE RADIO

ラジオマンの
石森則和がお届けするブログです!

王子の敗北~その孤独な戦い。

2005-10-19 | ラジオ 音楽
近くのステーキハウスに行ったら
食事の前のスープが
「コーンスープ」と「スープカレー」が選べるという。

僕はカレーの王子さまなので当然カレーを頼んだら
50代ぐらいのウエイトレスさんが
「たいへんスパイシーですけどいいですか?」という。

「はい大丈夫です。」
・・・と答えたがウエイトレスさん、
ものすごく心配顔。

しばらくしてコーンスープが向かいの席に置かれたが
僕のスープカレーがない。
「?」と思っていると、
「スープカレーは、とても辛いので
ライスと一緒にお持ちしたほうがいと思いまして」

ああそうですか。
そんなに気を使って頂かなくても
辛いの大丈夫なんだけど・・・
と思いながら待っていると
やっと運ばれてきた。
でも「ぬるい」

これは
冷めてしまった、というよりも
辛さ対策のような気がする。
辛さは・・・まあ、辛いけどだいじょうぶ。
おいしい。

これはレストランの方針なのか、
それともこのウエイトレスさんが個人的に
ものすごく心配性なのか?と思っていたら
次にいったとき、別のウエイトレスさんも
同じ対応だった。

そんなある日。
川崎市内のラーメン店に一見で入った。
ぼくはカレーの王子さまなので
またもやカレーライスを注文する。

すると、様子が変だ。

その店のオヤジさんとオバサン、
そして娘か嫁の3人がじっと並んでこちらを見る。
そして3人口を揃えて
ユニゾンで聞いてくる。
「・・・本当にいいんですね、お客さん」

「・・・いいんですね?というのは?」
「うちのはね、辛いんですよ」

またかよ。
いいよそんなに気を使ってくれなくて。
世の中過保護だぜ。

「ああ、あーいいですよ」(ニュアンスわかる?)
王子様をなめるなよ。


しばらくして運ばれてきたソレは、
豚ばら肉、とたっぷりの玉ねぎで丁寧に作った
「中華屋さんのカレー」である。
最近では缶詰を使うところが多い中
しっかりと仕事がしてある。
しかも
この玉ねぎの量からいえば
むしろ甘味が出ているはずだ。

そうして口に運ぶ。
とろみのついたルー。
コクのある味。
いやあ、今時珍しい
懐かしい味だ。
辛いとか言ったって・・・・






「フォーーーーーーーッ!」
(HG語録より抜粋)

はい、予想通りでございます。
お花畑の中を流れる川の向こうで
放送作家の大和田君が手を振っているのが見える。
まだ生きているのに。

なんか子供のころからの人生がくるくる回り始めた。
ふうん走馬灯ってこんななんだー。
あわてて水のコップに手をやるが
ふと3人分の視線に気づく。

あ、オヤジ(以下略)らが
こちらを見て「ニヤリ」
少なくとも
そう見えた。

男の意地という言葉がある。
コップへの手は引っ込めた。

緊急避難として
「脳内でなんとかする」ことにする。

「・・・水の味ってどんなだっけ・・・」
思い出せない。
「味がないってどんな味だったっけ・・・」

最後のひとさじを口に運んだときには
何かに復讐するような気持ちであった。


「これはきっと
話題づくりじゃなければ
客への挑戦状にほかならない・・・
味見したことあるのかも
あやしいぜ。」

そう思ってお金を払い
振りむいたとき

店主ら3人が
昼休みらしく





あのカレーの大盛りを
モリモリ食っていた。

俺は心の中で
ひざから崩れ落ちた。