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事実は「小説」よりも奇なりんこ。

2007-10-28 | Weblog
僕は25歳の時に、
放送局入社と同時に
群馬県警察本部の記者クラブに加盟する記者になった。

当時の上司が
NHKの叩きあげの記者出身で
僕は「アナウンサー兼記者」第一号として採用されたのだ。
もうひとり「報道記者」として採用されたTくんとともに
徹底的にしごかれた。

「ひとくちゲ○」が出るほど何度も原稿の書き直しを命じられ

インタビュー先に頭を下げ
「やりなおしインタビュー」をしにいったこともある。
(今から思えば、そんなに悪い内容ではなかったような・・・)

2時間のDJ番組をやりつつ、
高校野球中継もどーにかやりつつ
(試合後の放送席からDJやったこともあったな)

それ以外は記者クラブに通い、
夜中だろうとなんだろうと現場に飛ぶ、という生活。

なのに当時、太ったのはなぜじゃ
・・・なんとか20キロ落としました。


事件を担当すると、多かれ少なかれ
犯行の経緯や犯人像にいくつかの仮説を立て
それをもとに取材時の質問等を考えたりする。
(ただし思い込みや先入観はだめよ)

群馬には戦後唯一の未解決の身代金誘拐事件があり
その検証番組なども作ったが

そうした経験を重ねるうちに
犯行には一定のパターンがあるような「気が」してくる。

ところが取材しているうちに、
そうした推測を根底からひっくりかえすような展開もあって
「事実は小説より奇なり、というのは本当だ」と学んだ。

「小説より・・・」と言っても
だからと言って推理小説などを読まないわけではない。

子供の頃から、学校の屋上に続く階段の踊り場で
江戸川乱歩などを
「表紙の絵にびびりつつ」読んだワタクシメ、

(なんで「踊り場」かってゆーと
「薄暗い&人があんまりこない」から。雰囲気から入るタイプなのだ)

だから大人になってからも

「あれ?本当の事件ではこういう捜査はないぞ?」
・・・という疑問は、強引に「なかったこと」にしつつ、
その世界に「にゅうっ」と感情移入しちゃうのだ。

あるとき先輩のK上N子アナから薦められたのが
「検視官」シリーズで有名な
「パトリシア・コーンウェル」だった。
(今更かもしれまへんが)

「いやー、洋モノ(?)は苦手なんだよなー。
登場人物の名前がカタカナばっかで覚えられないもんなー(笑)」

・・・と思っていたが。

やがて、僕の中で
その本を持ち歩く場所全てが
作品の舞台である「リッチモンド」になった。

検屍官ケイ・スカーペッタが
連続殺人事件の犯人に迫るのだが、

謎解きもさることながら
主人公を初めとする人間描写が巧みで
登場人物の関係性が
シリーズを追うごとに「変化、成長」していく様も面白い。

医学的な専門用語も多いが、
相原真理子さんの訳のおかげか、そこでストップしない。

ほぼ全シリーズ買い、
ニューヨークやニューオーリンズなど修行に出たときにさえ
持っていってホテルのロビーや飛行機で読んだ。

すると、
あっちでも
「お?それ読んでるの?」なんて言われたりした。
(日本語版だけど表紙でわかるのだ)

あの本ね?
別の意味でのスリルもあるぞ。

寝ながら読んでいる時に
顔の上に落とすと・・・メガネが曲がるからな。(厚いからな)

しかし、最近
電車の中で本を読んでいる人を見ると
殆どの背表紙に「○○図書館」と書かれたシールが貼ってある。

う~ん、どうなのかなあ。

確かに図書館は便利、無料でたくさんの文学に出会えるし。
・・・でもねえ、「物語を所有する」喜びも捨てがたいぜ。

数百円から千円なんぼで何時間も楽しめ、
しかも場所を(あんまし)選ばずに、
作品世界にひたれるんだ。安いもんジャン。

全部とはいわないけど
好きな本は買って手元も追いとくのがいいと思うよ

・・・なんつって、ある取材相手に話したら

「本が無料で読めるから図書館に行くんじゃないの。
買っても置く場所が無いからなの!」

じゅ、「住宅事情!?」

・・・あ、そういえば僕の家も本を置くところがそろそろ。
皆どうしてるんだい?


・・・さて、
オモロそうなイベントを見つけました。


来月11日に行われる、
日本推理作家教会のイベント

「作家と遊ぼうミステリーカレッジ」
そーそーたるミステリー作家が参加するらしい。


なんで会場が立教大学なのか?と思ったら
最新の「R25」の巻末「空は今日も青いか?」の中で
協会の理事である石田衣良さんが
立教は
「江戸川乱歩の蔵書を管理、公開しているミステリーと縁の深い大学なのである」
と書かれている。知らなかった。

う~ん、さすがだ。
「サイン会」「トークショー」「ミステリー検定」
「ミステリー落語」など
数々の催しの中に
「最大の謎」が仕掛けられているのを発見したぞ。

「作家達の囲碁対極」

なぜだーーーーーっ!?

ちなみに逢坂剛さんの「フラメンコギターの演奏」もあるらしい・・・
ああ、もう謎は深まるばかりである。


※詳しくはここ↓
ここをクリックすればいいじゃん。

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2 コメント

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Unknown (あっこ)
2007-10-30 22:36:09
どえりゃー、楽しそうなイベントですね。
でも、もうチケット販売終了。(T_T)
ちぇーっ。

私、どちらかと言いますと、翻訳物の
ミステリーの方が好きです。
メアリ・H・クラーク、スー・グラフトン、
シャーロット・マクラウド辺りは、おぼれました。
女流作家で、女性が主人公なのが特に好き。
女性作家のって、食事とか、服装についての
記述が楽しいのです。

友人が、翻訳のお仕事をしていますので、
毎年、彼女が翻訳した本を頂きます。
これが、とても楽しみ。
自分では、多分、絶対にチョイスしない本を
読めるからです。


私の蔵書ですが、大変な事になっています。
漫画単行本だけでも、2万冊近く有りますし、
(1万2千冊辺りから数えるのを辞めたので、
正確なところはわかりません。(^_^;))
雑誌もほとんど捨てない方針なので、一部、
床が下がりました。
そろそろ、映画のパンフレットをしまっている
スペースが危ないです。
以前は、きちんと作家別に棚に分類していましたが、
今は、どうにもなりません。
渋々、面白くなかった本を近所の郵便局の
”みんなの本棚”コーナーに勝手に持って
行ってます。
でも、20~30冊減ったところで、変化は無いです。
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あそ? (いしもり)
2007-10-30 22:55:23
ありゃ、大人気なんだな。このイベント。

>友人が、翻訳のお仕事をしていますので、
>毎年、彼女が翻訳した本を頂きます。

うーまらーやすぃー。

>漫画単行本だけでも、2万冊近く有りますし、
>一部、床が下がりました。

あぶなーい!(笑)
すごいですねー。

本は思い入れがあるから
どうにも捨てるのはできないし
売るのも抵抗があるんだよねー。
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