文化放送は1952年に開局したが
「ニュースパレード」は7年後の1959年から始まった超長寿番組。
今ではネット局が33局に増え、月曜日から金曜日までの夕方5時から、
ニュースの最前線から記者らが生々しい音で伝えている。
毎年夏に全てのネット局(33局)が、ひとつのテーマに沿って、
地元ならではの話題をお届けしている恒例企画が
「ニュースパレード夏企画」。
ひとたび事件や事故、災害などが起きれば、
通常でも各局とつないでお送りしているが、
この時期は各局の記者から、
地元ならではの3分間のミニ・ドキュメンタリーが毎日届く。
各地方で暮らしながら、様々な人とのつながりを持ち
定点観測とでもいうような取材を続ける地方局のレポートは
他では聞くことのできない血の通った情報だ。
「その町の住民でないとわからないようなユニークなネタ」を聞くことができる。
今年のテーマは「アフターコロナの時代へ」。
新型コロナが5類に移行して歓迎の声が上がる一方、
不安や葛藤を抱えている人もいる。
ひとりひとりの生活の場で何が変わったのか。
地元に密着して、自分もそこで生活をしながら取材を続ける地元局の記者ならではの視点でお伝えする。
夏企画のスタート前に予想していたのは
「地元恒例の祭りなどが4年ぶりに復活して盛り上がっている」というような話題だったが、
そんなに簡単な話ではなかった。
コロナで祭事を休止している間に後継者を失ってしまったり、ノウハウが継承されなくなったりして復活がままならない。
また、大規模な祭りの復活で観光客の増加が期待されるが、その客を運ぶタクシーのドライバーがこの期間に減ってしまい、混乱が懸念されていたりする。これらは、実際にその町で地元密着の取材をしていないとなかなかわからないことだ。文字通り足で稼いだ記事である。
お聴きになれば、その町に行って、その町の人に出会ったような気持ちになると思う。
ラジオはヘッドフォンで聴くなど、ひとりで聴いている人が多い。
たくさんの「ひとり」に語り掛けるメディアがラジオであり
それだけに取材対象とリスナーさんの感覚的な距離が近いのだ。
アフターコロナと言ってもコロナがなくなったわけではなくて
むしろ増加していたりもする。もうコロナ流行の前には戻れない。
そんな中で、各地で市井の人々がどう暮らしていこうとしてるのかを知ってほしい。
そこには地方の事情もあれば県民性もある。自分の暮らしにとって
これまで気が付かなかったヒントが見つかるかもしれない。
それ以前に、お国言葉で、今や未来を語る人々の言葉は良いものだよん。