ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

Starbucks の宣伝

2012-05-13 15:17:19 | 雑感
島から東京そして上海へ移動の時間、アメリカ中が涙したというベストセラー
"How Starbucks Saved My Life"(邦題『ラテに感謝!』)を読みました。
感想は、甘ったるいケーキをいくつも食べさせられるような本。
Readingの素材としてはいいかもしれませんが、64歳の幼児は気もち悪いです。

”With respect and dignity”が仕事の合言葉としてくりかえし登場します。
従業員どうしも接客でも「礼節をもって」という感じでしょうか。
中国が開放経済を推進したときの「文明礼貌」を連想し、
アメリカが中国にならうようになったのかと思いました。

"dignity"の日本語訳には「威厳・品位」などが辞書であげられていますが、
仕事の場では、ときには「徳」が相当する気がします。
道徳の徳というより、人間力という意味で。

日本のビジネス書に『論語』がよく利用され、「徳」ということばがいろいろな場で使われます。
国家の形が整っていった天平の昔から今日にいたるまでまで、
日本の政治経済を担う人たちの思考・行動指針が「徳」だったかもしれません。
そして「徳」は<なくたってかまわないもの>に祭り上げられてしまっているように思います。
よく地位ある人が失敗したときに言う「不徳の致すところ」。
不徳=人間として成熟していないのなら、そんな地位からおりなさいと言いたくなります。

 各章の冒頭には、コップに印刷されていることばが紹介されています。
第一章は"The humble improve." 
英語の本は、辞書をていねいに引きながら読むのがおもしろいと思っています。
いい辞書があるからで、わたしは『ランダムハウス』が好きです。



デザインと機能

2012-04-23 13:22:59 | 雑感

 

羽田空港の椅子。
明るい大きな窓のそばで遠くから見ると読書に絶好に思えて行ったら、
形は危なくて長く座れない形だし、素材も冷たくて、腰掛ける気にもならない。
逆にRobby中央の大きなソファは、どういう役割をさせようとした形なのだろう。
靴を脱いで、子どもが遊んだり、Strecthするのによさそうだけど・・・。

書(しょ)というExercise

2012-02-07 20:32:17 | 雑感
更年期の体調不全に苦しむ中国人の友人から
「このところ書をやりなおしている、
書は気功と同じ、精神と肉体を総合的に制御する力をよびさます」
と聞き、書店で目にした≪字帖≫(習字の練習帳)を買ってしまった。

手本はだいたいが漢詩、したがって一字一字のもつ意味・感覚が、
形以上に美しく立ち現われてくる。

欄外に「間架結構」とある書き方の解説がさらに興味深い。

1 「首点居正」
 首となる点は文字中心の上に、はっきり・さっそうと元気よく打つ。
 (など)
2 「通変顧眄」
 複数の点の配置と変化は、布石を打つように全体を見わたすこと。
 (など)


なんとなく仕事・組織の話に通じるような気がしてきた。
ビジネス書コーナーにならぶたくさんのマネジメント本が、
いろいろな考え方やノウハウを提供しているが、
その数十ページに相当する内容をたった4文字できちっと表現しているように思う。

3 「点竪直対」
 上に点、下に縦棒は、まっすぐ対置する。
 (など)
8 「底竪斜位」
 下までおろす縦棒は、字の真ん中ではなく右か左、
ふつうは右にわずかにかたよらせる
 (など)
9 「上収下展:上展下収」
 上部がまとまる形なら下を展開させる、上が展開するときは下がまとめる。
 (など)


小さいときから漢字を書く訓練を積んだ人たちは、
こんなバランス感覚を文字どおり身につけてきて、
ビジネスの現場で発揮しているのではないだろうか。
中国がもつ大きな自信は、こんな漢字文化の持つ力によるところもあると思う。

中国の友人たちは押しなべて達筆だった。
しかも速い!
筆画数の多い漢字もあっというまに正確に美しく書いていく。
入門の≪字帖≫だけで28の書法が紹介されている。
(最後の28法は「古来さまざまな技法があるが、乱造するな、練習し理解して深めよ」というもの。)
数千の漢字を、智を働かせ身体を操って習得する過程は、
大きな人間力を育てたはずだと推測する。
が、コンピュータ普及のあと若い人たちが驚くほど悪筆になっている。
いま中華民族の培ってきた力の一部が失われかけているのではないだろうか。

祝島の映画

2011-07-02 22:11:41 | 雑感
若い女性の監督作品というと、いままでに見た4-5本がどれも「討嫌」で、
敬遠していたけど、「祝の島」 は芯からよかった。
祝島は、上関原発の建設に反対し続けて28年という、人口300人の小さな島。
映画のテーマは、原発より、謙虚な島の暮らしから伝わってくるたいせつなもの…ことばに表せないなぁ。

ポレポレ(東中野駅北側)で9月半ばまで上映中、DVDもできたみたいなので、多くの人に見てほしい。

虚と実

2011-01-25 17:02:34 | 雑感
Facebookと小ざゝでは、虚と実を考えさせられた。

太極マークのポイントは小さな点で、
虚と実が恒(つね)に動いて入れ替わっていくことを象徴する。
虚が実を生みだし、実が虚を生みだす。

インタネットが拡大する仮想世界が、
どんな世界を実現していくのか。

ひところ「戦後民主主義の虚構」という論があった。
虚構であっても実に転化させていける。
実にならなかったとしたら、原因はどこにあったのか……

Refreshing in Shanghai

2011-01-18 19:30:48 | 雑感

「ひとりでいるときは何をしている?」

上海ではテレビの芸能番組が楽しい。
伝統芸能のチャンネルもあるし、
「スター誕生」のような番組でも、
すごい才能の人たちが競うので見ごたえ・聴きごたえがある。

でも日曜日には 上海博物館 に出かけた。
外観は別として、中の造りは明るく落ち着く。

もう4-5回めだけれど、
「よいもの」にじかに触れる楽しさがある。

1万2千年以上前の土器破片の模様や、
数千年前の陶器(無傷)表面の滑らかさにも
惹きつけられる。

  「ゆっくり見ている時間はないからね!」
  静かな展示室に大きな声の日本語が響いた。
  7-8人の日本人グループだったが、
  行儀が悪い人は、どこにもいるものだ。

せっかくきて「よいもの」をしっかり見ていかないなんてもったいない。
技術の高さ・素材の良さを判断できないまま、
土産店で玉の工芸品などを見て、
  「これは博物館にあったな!」
と高い値段で安物買いをしてしまいかねない…。


土曜日には近所を散歩して、科学会堂に展示館を見つけた。

小さな展示館だが、思いがけないことに、そしてうれしいことに、
見たかった上海万博「清明上河図」と同じ技術を用いたものが…。

上海科技発展展示館のサイトhttp://www.sest.org.cn/
で「漫遊上海科技発展展示館」をクリックすると、
出てくる館内の案内図で中央の部屋の水色部分です。
(盧湾区)南昌路57号 电话:53822040
「新天地」にも近く、大きな復興公園もあるこのエリアは、
歩くことが好きな人にはいいかもしれない。

この展示館も無料だったが、上海博物館も無料だ。
そのまま、日本の真似をせずに無料を続けてほしいもの。

上海博物館には広いTeaRoomもあるが、
コーヒーや茶など500円弱で、
ケーキが300円くらいと高いから、利用客は少ない!
しかし、方法はあるもの。
水(ペットボトル)40円也を買えば、堂々とゆっくり休める
 

土日の出費 地下鉄1区間往復 約90円
 外食:「東方既白」(ケンタッキー系のファストフード店)で 約350円
    「呉越人家」(麺類が多い)で 約500円
 博物館TeaRoomで 水 約40円
 肉饅・野菜饅など10個(保存用も) 約140円
 朝市(非公開)でミカン3個とトマト4個 約70円
ほかに
 湯沸かしPOT(SANYO制) 約1800円
 書籍4冊 約1000円

上海のちょっといい人たち(7)

2011-01-18 19:12:39 | 雑感
きょうの上海は雪が舞い、夕刻に事務所から見下ろすと屋根が白くなっています。

ちかごろカメラを持ち歩かないし、
携帯のカメラは使えても処理がなかなかめんどうで・・・
上海の雪景色もパス……カメラと言えば:


この週末に上海博物館で小学生の団体に会う。
たぶん小学5年生ではないかと推測。
そろいの赤い帽子をかぶって、
20人くらいの組が3-4グルーフ。

日本の美術館や博物館で小中学生の団体が来たら、
うるさくて逃げ出さなきゃならないけれど、
そんな心配は無用だった。

どのグループも、大きな声を上げることなく、
とても静かに行動している。

ただ、3人に一人は小さなデジカメを持って撮影していて、
そのFlashには迷惑したけど。

「写真に撮ったとたんに、心から消えちゃうよ。
 撮影より、眼にしっかりやきつけたらどう?」

と言いたかったが、この語学力では通じるはずもなし。

団体ばかりでなく、親に連れられた小さな子もいたが、
そういえば、みんな静かにしていたっけ。

家族の形が変わっていく中で、
昔のわんぱく小僧が消えていっているような気がする。

上海のちょっといい人たち(6)

2010-05-09 12:13:05 | 雑感
新しくなった外灘の公園ですが、トイレも整っていました。
flash「冲洗」の文字は見当たらず、水道栓の上には「手一伸 水自来」と、自動化されていても、いつも人がいて清掃しているのがいちばん安心です。

人民公園のトイレでは、係りの人が奥でひとりごとを言っていると思ったら、トイレの中で用を足しているお婆さんとおしゃべりしているのでした。もちろんドアは開いています。

事務所のトイレでは、係りの人がトイレットペーパーを持って立っていました。残り少なくなったトイレットペーパーが切れるのを待っているのです。

外灘へは太極拳のイベントに出かけたのですが、休日朝の公園や歩行者道路はいたるところ太極拳やダンスや、青空カルチャーセンターです。
バレエのレッスンもしていたし、バドミントンは植木にネットを張ってやってるし・・・。

近くの公園で、どう見ても80歳前後の太極拳の師匠、ちらっと見えたそのバッグの中には、英会話のカセットテープがありました。
この公園入り口で野菜の朝市でにぎわう長屋の門が閉まっていて落胆しかけましたが、別のところから人が出入りしています。万博で取り締まりが厳しくなった影響か、表立たないようにしているだけでした。

パジャマファッションも、病院が近いせいか、よく見かけます。
そんなにおかしくないものです。
きのうは、前からかっこよく歩いてきた女の子、近くで見たら、黒いパンティストッキングをいちばん外側にはいているのでした。
(カメラを持っていなかったのが残念・・・きっと撮らせてくれたはず)


PC守から解放

2009-07-27 17:44:55 | 雑感
ずっと考えていたパソコン置き、やっと実行。
大工さんがつくってくれた棚に置いて、
PC操作は立って行うことにしました。
2日たっての感想は・・・大正解!

だいたいPCは起動したとたんに、お守り仕事ばかりでうんざりする。
待つ時間がとても多いけれど、座り込むとPCから離れられない。

立っての操作だと、ほんの数十秒でも、すぐに離れてほかのことができるし、
眼が疲れても、画面を見続けることがなくなる。
足を動かしながら操作できるし(青竹を足元に置こう)、
必要な本などもすぐに取りに動けて、Net情報だけに頼ることがなくなる。
熟考が必要なときは、場所を変えて気分も変えて集中できる。

息子のPC台を見たときから考えていたことだけど、
決定的だったのは、ヘミングウェイのタイプライター。
書斎ではなく、寝室の棚に、さらに本を重ねて、ちょうど立って打つ位置にあった。
「彼は痔を病んでいたらしい」というのがガイドの説明だったけれど、
そうではないと思う。
立って原稿をタイプするほうが機能的だったのだと思う。

すでに会社の改革策の中に入れている企業もTVで報道していた。