ちょっと待って!

見たこと聞いたこと、すんなり納得できません。あ、それ、ちょっと待って。ヘンじゃありません?  ヘンです。

ネコ難

2017-10-06 00:41:52 | 災厄
  忙しくてなかなか書けなかったネコの話の続きです。
 ネコというのは、人の都合や思惑など全く考えない。お腹が空いたら夜中でも早朝でも来て、玄関ドアの前に座っている。朝6時に来ても、私は自分たちの食事優先で、7時半ごろまでネコを待たしておく。この日、クロが嫌いな太刀魚の骨や小骨の多いヒレ部分の身が沢山あった。4日前の固いご飯に湯をかけて柔らかくして、太刀魚をトッピングしてやった。1時間ほどあとで外へ出ると、玄関マットの上にクロが「苦情」を残してあった。ねばっこそうな緑便で、プラの芝生の中に3か所めり込んでいる。「もおっ。こんなことするんやったら、もう絶対にご飯やれへんで。次来たら、箒でどついたるわ」
 パンひとかけらもやったことないのにクロを可愛いがっているショーにクロがしたことを報告した。ショーははははと笑った。
 マットを散水栓に近い溝端まで持って行った。ついて来たショーは、「ここもついでに洗ろて」と、車の踏み板を横へずらした。なんにも手伝わないばかりか、私の仕事を増やすことしか考えない。
 マットを洗って車の横に干し、車の踏み板の下の泥や草も除き、溝蓋の柵の下から出ている草を抜くことにした。溝蓋は重いから、簡単には開けられない。片方の端を溝の縁へ乗せ、もう一方も乗せようとしたら、先に乗せた方が溝の中に落ちた。手に持っている方もうまく乗らなくて、全部がゴンッと溝の底に落ちてしまった。無理だとは思ったけど、一枚を持ち上げたら、よろめいて尻餅をついた。パンツもパンティもオシリもマットを洗った水でびしょびしょになった。頼むのはイヤだけど、溝蓋を元に戻すのはショーにして貰わなければならない。隣の蓋は開けられたから、まず先に気になる草を抜いた。
 ショーを呼びに行くと、「要らんことせんでもええのに」としぶしぶ立った。車の運転以外のことは、自分には全く関係ないと思っている。溝蓋を元通りにしただけで、急いで家へ入ってしまった。
 私は二階の自分の部屋へ行って、着替えた。今朝は涼しかったから、少し厚地のパンツを出して穿いたばっかりだったのに。猫の糞を洗い流した水にシリモチだから、ほかのものとは一緒に洗濯できない。手間だなあ。
「ネコのヤツ、来たら絶対に箒でしばいたる!」
 ところがクロは、次の日来なかった。その次の日も顔を出さなかった。3日目の9時過ぎ、庭の植木に水を撒いていたら、そばへ来て「にゃー」と言った。「おはよう」か「ごはん」か「こないだはごめん」か判らないが、手じかに箒が無かったから家へ入ってネコのごはんを作った。近所のヴェランダから見えない植え込みの陰にハッポウスチロールのお皿を置いてやると、クロは私の顔を見てもう一度「ニャー」と啼いてから、じゃこ飯をむしゃむしゃ食べた。



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