「母の日」と大きく書いたカラフルなちらしが新聞に入っていた。
一枚は花屋のちらし。「花とみどりのギフト券『3.000円』を抽選で1500名様にプレゼント」という窓がまず目に入った。そしてずらりと並んだ花束花篭の写真。「カーネーションの花束3.000円(税別)」「百合とバラの花束5,000円(税別)」「ピンク百合の花束4.000円(税別)」「アレンジメント・花ブーケ スイート、高さ25×巾28×奥行20cm 3.000円」「ピンク百合のバスケット 高さ30×巾20×奥行23cm 35.00円」「小さなブーケいろいろ 3.000円」「ふくろうのマスコット付き、3.500円と4.000円」。「ボックスフラワー 高さ13×巾23×奥行23cm 4,500円」。「幸せたっぷりアレンジメント・思いをたっぷりこめて8.000円」「ゴージャス 豪華なアレンジメント10.000円」などなど。
何歳ぐらいの子が幾つのお母さんにあげるのだろうか? お年玉を取り上げられて貯金させられた小さな子供には買えない。毎月のお小遣いを少しづつ貯めた子供でも、こんな贅沢な花は買わない。40歳過ぎた子供が70歳前後のお母さんに贈るのか? 70歳前後のお母さんなら、歌舞伎のチケットとか温泉旅行なんかの方がいい。
もう一枚のちらしは、イオンモールの「母の日ギフトコレクション。
「ストール4100円(税込4,428円)」「バッグ27,593円(税込29,800円)」腕時計31,297(税込33.800円)」「靴6,650円(税込7190円)」「マグカップ2,484円」
「エプロン3,291円」「一台四役の電気釜9,400円」「口紅4,104円。5,940円」。
こういうものを贈られて喜ぶお母さんが、世の中に何人いるだろうか? 母と子だけの『母の日』に、子供からお金をふんだくろう商売人の企画はかなしい。
リカちゃん人形が買ってやれなくて、私の手作りのだっこちゃん人形を大事にしていた幼稚園の娘が、赤いカーネーションを一本くれた日のことをよく覚えている。