たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

灌漑とミニ水力発電 <北海道初の農業水路で小水力発電、売電収益で農業を守る>などを読んで

2017-08-09 | 農林業のあり方

170809 灌漑とミニ水力発電 <北海道初の農業水路で小水力発電、売電収益で農業を守る>などを読んで

 

やはり台風ノルーの豪雨は当地でも相当な量だったのでしょう。今朝、花に水をやろうとしたのですが、まだ水分がたっぷりといった感じで、これ以上水をやるとげっぷ?がでるなんてことになりかねないといった、ありえない心配をしてしまいそうです。

 

庭のはるか下には田畑がありますが、その両脇に用水路?が流れています。ま、三面コンクリート張りで、排水路といっていいかもしれません。この用排水路、豪雨の時はゴーというような轟音が響いてきたように思います。ただ、灌漑用水としては深い底ですので、田んぼに給水する構造にはなっておらず、田んぼのそばにある小さな溝が用水路だと思われます。

 

ところで、大規模な圃場整備がされたところでは、灌漑用水路も容量があり整備されていて、給排水も自動的な制御装置すらあるところもあるようです(北米だと20数年以上前にはその状態でしたが)。

 

では再生可能エネルギーはどうでしょう。昨日は太陽光発電について書きましたが、今日はスマート・ジャパンから小規模水力発電施設について紹介メールが来ていたので、取り上げようかと思います。

 

再エネとしては各地でさまざまなチャレンジをしていますが、私はまだ実際のものをみたことがありません。太陽光発電やその他の再エネと比較すると、土地利用の問題はまず生じないので、農地転用とか、自然公園法とかの許可規制の問題はないですね。その意味では手軽にやれるかもしれません。

 

ところで、水量発電といかいうと、日本では大きな高低差のあるダムを想定しがちですが、水力発電の盛んなカナダでは、水量は多いですがあまり高低差のない河川で行われていて、ダムもいくつか見学したことがありますが、あまり高いのを見ませんでした。これでアメリカに売電しているのですから、水量の多さというのがエネルギーとしては重要なのでしょう。

 

さて、見出しの記事は<北海道初の農業水路で小水力発電、売電収益で農業を守る>がキャッチコピーでしょうか。

 

北海道のように河川流量も多いところで、なぜと思ったら<冬期はほとんど農業用水を使用しないため、施設の稼働期間が限定されてしまうという北海道特有の問題を、水利権の確保の工夫でクリアした。>とやはり気温と用水利用が関係するんですね。

 

<北海道旭川市および上川郡当麻町に位置する「当麻永山用水地区」に、農業用水路を活用した小水力発電所「当永発電所」が完成した。北海道開発局の旭川開発建設部が国営かんがい排水事業のもとで建設した発電所で、旭川市内と土地改良区が北海道電力に売電を行い、その収益を用水路の維持管理費に充てる計画だ。>

 

こういった古い改良区は施設の維持管理に四苦八苦していますね。<農業水利施設の多くは、建設以来30年以上を経過しているものが多く、さらに凍害などによって老化が進行。漏水や分水位の低下などで安定した用水供給が困難になることを防ぐための改修費が増大していた。>

 

それは当地の水利組合でも同じというか、もっと大変かもしれません。より小規模ですし、まさに零細錯圃の中にほんとにちいさな灌漑用水路を縦横に走らせていますが、水漏れはどこでも起こっていて、維持管理が容易でないのが実態でしょう。

 

上記でも指摘されていましたが、<北海道内には多くの農業水利施設があるものの、小水力発電の導入が進んでいない。冬期はほとんど農業用水を使用しないため、施設の稼働期間が限定されているためだ。>というのですが、冬期に農業用水を使用しているところは日本全国でも2期作でもしているところ(どこかしら)以外はどこも水は流れていないように思うのですが・・・

 

ともかく<かんがい期間の前後に新たに発電用水利権を確保することにした。通常の58月の水田かんがい期間に加え、4月及び911月の非かんがい期間の発電用水利権を取得した結果、年間を通じて十分な発電量を得られるめどが立った。1年のうち約8カ月間稼働する計画だ。>

 

慣行水利権以外は、基本的には、許可水利権でしょうから、灌漑期以外に用水を確保しようとしたら、新たに水利権を取得する必要があるというのはわかります。それはやはり法的な制約かもしれません。これが慣行水利権が主流と思われるため池灌漑だと、ただ、冬期に樋を開けて流せばいいのでしょう(冬期はまず、水抜きをして堆積土を取り除くとか、その後湛水する必要などあり、簡単とはいかないかもしれませんが)。

 

また水路に改良を加えて発電量をアップする工夫もあるようです。<「当永発電所」は石狩川に設置してある大雪頭首工から取水した後、導水幹線用水路を流下する過程で発電を行う。流水はかんがい期間は農業用水として利用し、非かんがい期間は石狩川に放流する。

 発電所の最大出力は139kWで、最大使用水量は6.25m3/s、年間発電量は708000kWh(キロワット時)を見込んでいる。FITを利用して売電することで、年間2000万円以上の収益が得られる見込みだ。

 当初の水路の落差は1.5m程度だったが、落差工の統廃合や水路敷高を上げることにより、総落差を3.5mにかさ上げし、発電量の増強を図った。損失落差を差し引いた有効落差は3.15mである。>

 

こういった小規模水力発電施設でも費用がやはり問題になりますね。その点に配慮したのが次の<「水路で発電」を低コストに、3人で設置できるマイクロ水車>です。

 

<日本の各地に広がる用水路。規模は小さいものの、その水流を活用して発電する取り組みが広がっている。NTNは農業・工業用水路に設置しやすい、プロペラ式の小水力発電機を開発した。このほど福島県須賀川市の「新安積疎水」での実証を終え、201612月から販売を開始する予定だ。>

 

< NTNが同社の小水力発電機の大きなメリットの1つとするのが、設置コストの低さだ。小水力発電機の重量は130150kg(キログラム)。移動式クレーン車1台と3人の作業者のみで、1台当たり1時間程度で設置できるという。>

 

さらにこのプロペラを改良して、より発電量を増やす工夫をしていますね。こういった試行錯誤は期待したいです。

 

落差1メートルの水路でも発電可能、設置も簡単な小水力発電機>も、小規模農家が多いわが国にあったもののように思います。これだとどこでも使えるかな。あとは費用対効果のよりアップを望めば、事業化の見通しも明るいように思うのです。

 

さて今日は紹介だけにして終わります。いつか水利権問題についても触れてみたいと思いながら、なかなか頭の整理ができません。課題が多いので、死ぬまでやることも多い?簡単に死ねない?なんて気分でこのブログも続けいます。

 

今日はこの辺でおしまいです。