たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

これからの薬剤師 <地域密着 サポート薬局>などを読みながら

2017-08-12 | 医療・介護・後見

170812 これからの薬剤師 <地域密着 サポート薬局>などを読みながら

 

昨夜というか今朝は気持ちのいい朝を迎えることができました。まいえば、涼しいの一言です。いや、ちょっと寒さを感じるほどでした。それで温度計を見たのですが、25度かとおもったら27度ですから、決して低くない。湿度も70%以上だったと思います。最近、こういった数値はすぐ忘れてしまうのです。大事なことはメモしないといけません。認知症予備軍になりつつあるといったら、仕事になりませんが、メモをしっかりとる方が仕事の正確性を高めることは確かですので、心がけています。

 

それとメールが便利ですね。東京で仕事をしていた20年くらい前から私の依頼者層はだいたいメール愛用者でしたので、これですぐ連絡していましたから、ファックス時代に比べ即応性や大量の図面や写真の送信が格段によくなりました。

 

話題を元に戻して、温度も湿度も高いのになぜ涼しいのか、これが不思議です。風も微風程度でひんやりした風とはいえないのです。わが家がある谷地形とその底を流れる河、背後の広大な森のおかげでしょうか。これはいつか解明できればと思うのですが・・・

 

いまその20年前くらいの事件記録を少しずつ整理しつつあるのですが、なかなか進みません。それで今日も夕方過ぎにこのブログを書く時間になったと気づき、しばらく悩んだ末、見出しの薬局、薬剤師を今日のテーマにしたのです。

 

薬局、薬剤師と聞かれても、医師の処方箋を持って薬局に行き、薬剤師から簡単な説明を受けて薬をもらうという、なんとなく機械的な作業を思い浮かべてしまいます。市販の薬だと、スーパーマーケット内にある薬局というかその区画で、こういう症状だけどちょうどいい風邪薬をくださいといった簡単な会話で似たような薬から選ぶ程度でしょうか。

 

そんなイメージですから、楽天でしたか、薬をネットで販売することを協力に推し進め、ようやく認められたのでしたか。厚労省の平成262月付け<一般用医薬品のインターネット販売について>はネット販売できる医薬品とか、その方法などをわかりやすく解説しています。

 

当然ながら、一般に見かける(いや私がそう見てしまっている偏見かもしれませんが)薬局・薬剤師は、このままだと医師の処方箋による調剤をする以外、将来的には必要なくなるのではと一瞬、思うこともないではありません。

 

でも、薬剤師は本来、薬の専門家です。医師以上に専門的知見を有している場合も少なくないように思うのです。私のかつての依頼者でありよき相談相手であったAさんは元製薬メーカーの研究所所長でしたが、彼は医師は薬のことをまったくわかっていないとよく愚痴をこぼしていました。それはともかく法的にも次のような規定があることをあまり知られてないかもしれません。

 

医師法では医師の業務を割合詳細に規定していますが、22条では、「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。」と定めています。

 

そして薬剤師法は全体でも33条しかなく割合簡単ですが、23条で「薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。」と医師依存の業務構造になっています。

 

ここで私が指摘したいのは24条です。「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」と医師の処方に機械的に従うのではなく、薬剤の専門家として、疑義がないか独自にチェックする役割を任されているのです。

 

当然と言えば、当然ですが、それを的確に行っている薬剤師こそ、本来の役割を果たしているといえるでしょうし、患者を的確に継続的に見ていれば(この見るは観察などさまざまな要素を含んだものだと思うのです)、処方薬剤の複合効果や累積効果などにより、禁忌ないしはそのおそれに気づくこともあると思われるのです。

 

それには単に窓口での簡単な会話ではそのような的確な判断をすることは容易でないことは当然でしょう。

 

私が首都圏に住んでいたとき、日常的に頼りにしていた薬局・薬剤師がいました。彼はまだ若かったですが、研究熱心で、私の生活なども詳しく聞いてくれ、親身になって対応して、適切な薬を提供してくれました。漢方薬もあったと思います。むろん処方箋がないので、調剤まではしてもらっていませんが、彼のような薬剤師なら通っていく気持ちになります。

 

市販の医薬品だと、別に薬剤師は必要ないと考える人もいるかもしれません。しかし、さまざまな病気を抱えている人の場合などは、現在服用している薬の影響を踏まえたうえで、市販医薬品の選択も検討される必要があるのではないかと思うのです。いや、慢性的な病気を抱えている人は、何種類といったレベルでなく何十種類といった薬を処方されている場合もあると思います。

 

その場合、その処方どおりに服用することが簡単ではないと思います。いや、それ以上に、処方が過剰になっているおそれもあるでしょう。その副作用によって健康を悪化させているかもしれません。

 

いろいろ書いてきましたが、要は、見出しの記事にある「健康サポート薬局」は将来の方向性を示すものではないかと期待しています。

 

いま毎日朝刊連載の<ドキュメント 訪問診療の暑い夏>は、医師、看護師、ケアマネなど介護職などがチームを組んで在宅医療・介護に取り組んでいる大変な様子をリアルに活写しています。その中で<2 薬の種類、徐々に減らす>では、多種多量の薬が放置されている現状が明らかにされています。

 

<東京都大田区の訪問診療医、高瀬義昌先生(60)は、・・川崎市内にある2Kのアパートに向かった。80代と70代の老夫婦は、最近訪問を始めた新患。・・「いい話があんの。糖尿病はよくなった!」。12種類もの薬が出ており、見直しに着手する頃合いだ。まず三つの糖尿病薬、念のため一つ残して二つを消す。高脂血症薬も同様に減らせると判断した。後でクリニックから薬局にファクスを入れれば、2週間分の薬が届けられる。高血圧薬も四つあるけれど、食事の見直しなどでさらに減らせそう。でも、急にはやらない。相手の気持ちを考えて徐々にやっていく。>と過剰な薬服用に気づいても細やかな配慮を示します。

 

<看護師が「お薬いっぱいあったよね?」と水を向けると、タンスから出てくる出てくる、薬の袋。「飲み残し」は珍しくないが、よく見ると、「朝食後」と書いた袋に違う種類の薬が入っていたりする。「訪問服薬指導してもらおう」。薬剤師が1回で飲む数種類の薬を1包にまとめ、日付ごとに朝・昼・晩用に「お薬ポケット」に収めてくれる。

 高齢者に関する医療で、いま注目は「多剤併用」の問題だ。厚生労働省が本腰を入れる前から、先生は指摘してきた。6種類以上の薬を飲むと意識障害や肝機能障害などが出やすくなるとの研究結果がある。>

 

私も訪問診療を続けている医師を知っていますが、終日ですし、病院や医院での診療と異なり大変です。知り合いの医師はとっくに高瀬医師より高齢になっているので、体力的にもきついでしょう。今後もこのような訪問診療は必要とされますが、少数の医師・看護師のチームだけに頼っていくのでは成り立たないでしょう。

 

完全な代替機能とはいえませんが、薬剤師も、上記のような問題は訪問すれば、すぐに問題視して、対応することができるでしょう。

 

さて見出し記事では<健康サポート薬局は、かかりつけ薬剤師がおり、地域住民の健康促進を積極的に支援する機能をもつ薬局のこと。国の医薬品医療機器法に基づき、昨年10月から届け出が始まった。>とあります。

 

<具体的にはどんな薬局か。東京都台東区浅草の下町にある「ケイ薬局」をのぞいた。玄関には「健康サポート薬局」の大きな文字が見える。待合室には高血圧、糖尿病予防など各種健康冊子が置かれ、壁にはいろいろな食品に含まれるビタミン・ミネラルの一覧表、塩分摂取の目安が分かる張り紙もある。現在、4人の薬剤師が約360人の患者を受け持つ。介護の相談にも応じるおむつフィッターや管理栄養士もいて、食事や健康食品の指導、介護の活用法なども教える。災害時には安否の確認も行う。>

 

より具体的な業務としては<薬局長の宮原富士子さんは約100人の患者を受け持ち、夜中でも電話相談に応じる。患者の家まで出掛けて薬を届けたり、病状を尋ねたりすることも。他県に嫁いだ女性から「年老いた私の親をよろしくね」と気軽に頼まれ、状況をまめに報告することさえある。「健康サポート薬局は地域住民の健康を支援する情報拠点。自分より年老いた周囲の人たちの面倒を最後まで見るという気持ちと覚悟でやっている」と宮原さん。>

 

こういった薬局ができれば、ネット通販の対象となる医薬品はネットで購入すればよく、薬局は独自の地域密着型の患者サポートを担う一員として強力な助っ人になり得ると期待しています。

 

<厚生労働省によると、健康サポート薬局は全国約5万7000の薬局のうち、398カ所(6月末時点)と少ないが、大手薬局チェーンも参入しており、今後さらに増えていきそうだ。>ということで、経済的メリットもないようですから、まだ進捗率は低いですが、上記の厚労省が問題にする事態の改善になりうるとしたら、より患者側も薬局にアクセスしやすくなるのではないかと思うのです。

 

参考までに厚労省の<薬局・薬剤師に関する情報 かかりつけ薬剤師・薬局について>を引用しますが、この中の<患者のための薬局ビジョン~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~>や<地域包括ケアシステムにおいて薬剤師・薬局が参画している好事例集>は、薬局・薬剤師の皆さんにも新たな方向性として取り組んでもらいたいと期待するものです。

 

今日はこの辺で終わりとします。