たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

大正生まれの免許更新 <運転は元気に生涯を全うする有効手段ではないか>

2017-11-28 | 地域力と多様な価値

171128 大正生まれの免許更新 <運転は元気に生涯を全うする有効手段ではないか>

 

さきほど、最寄りの警察署に免許更新のためでかけていました。ちょうど月末で時間もよかったのか、とてもすいていました。私の他は高齢者のお二人だけ。

 

私の方は最近買ったスマホの自分の番号がわからず、やむなく110番して電話番号を確認してもらったという、ていたらくでした。記憶していた番号はやはり間違っていました。

 

適格検査なるものがあって、私も高齢者運転の一員ですから、当然でしょうか、幸いこの頃体調が戻ってきていますので、事なく終わりました。

 

それで待っているとき、高齢の女性二人がお話ししていたのですが、どうやら一人は大正生まれということで、もう一人の方、後期高齢者でしょうか、びっくりして、とてもお元気ですねと声をかけていました。

 

私もつい気軽に、その大正生まれ(生まれも年齢も正確にきちんとお話になりましたがプライバシーもあるので遠慮します)の女性の方、免許更新大変でしょうとうかがうと、やはり何度も足を運びましたとのこと。

 

でもとてもお元気で、会話もスムーズです。まるで日野原さんのように柔和な応対で、すてきな方でした。しかもお一人で車に乗ってやってきているのですね。誰も家族の方が付き添っていません。しっかりされた方でした。私の審査は、高齢者の肩書きだけみたいな感じで、スマホの電話番号を知らない程度は大目にみてもらい、さっと終わってしまいました。

 

知り合いの警察職員の方もいましたが、別に遠目で挨拶する程度で、むろん「忖度」などありません。

 

でもこの大正生まれの方は、丁寧に慎重に審査されているのでしょうね。でもしっかりされた方で、きっとパスして免許更新皆伝でしょう。最後に頑張ってくださいと声をかけると、ありがとうと会釈されました。いい出会いでした。

 

こういった高齢女性ドライバーは、今後もがんばって乗り続けて、認知症も、さまざまな病気も克服して、長寿をお元気で全うしていただきたいと思うのです。そういう方の運転はときにはぎごちないかもしれないですが、あおり運転などもってのほかで、そういう方が心地よく運転できる町の環境を誇ることこそ、これからの行政の役割の一つではないかと思うのです。


補足

 

以前、カナダ東部を5000kmくらいドライブしたことがあり、そのときのさまざまな多様な景観美や人との触れあいは語り尽くせないほど多いものがありますが、一つ気になったことがあります。それはモントリオールで経験したことです。とてもきれいな都市ですが、その運転はとても乱暴に思えました。まさにヨーロッパ流というのでしょうか、狭いところでも自分の車を先行させようとぎりぎりの運転をします。とても高齢者ドライバーに優しいところとは感じられませんでした。

 

仮にこれからのまちづくりの一つとして、高齢者ドライバーや土地勘のない運転者、不慣れな運転者に、気配りがされ、そういう運転者を優しく見守るドライバーマナーが徹底しているようなローカル意識なり、ルールが定着できれば、それこそ日本中に、いや世界中に誇れるのではないかと思うのです。




ドイツの魅力 <NHK旅するドイツ語で懐かしい人を発見>

2017-11-28 | 都市のあり方

171128 ドイツの魅力 <NHK旅するドイツ語で懐かしい人を発見>

 

そろそろ寝ようかと思いながら偶然、NHK2放送の画像が眼に入りました。登場人物に見たことのある女性が映っています。はてと見るとキャプチャーに「ラプシュ 麻衣」さんの名前が出ていました。

 

そう、10年前、日弁連の調査で、欧米を訪問した際、ドイツ・ミュンヘン調査で、通訳と事前準備をしていただいた魅力的な方でした。たしか当時は大学生でした。

 

もう一人ドイツ在住の有能な日本人通訳がいましたが、彼女もサポート的な役割を果たしてくれたのです。調査は欧米の都市計画の現状と市民団体の関与と言ったことが対象でしたので、普通の通訳ではなかなかコミュニケーションがとれない中、二人のマッチングでいい調査になりました。ミュンヘン市都市計画局のトップや地区で行政と協働して活動している団体の活動など、ドイツ特有の制度を理解していないと通訳が困難でしたので、ほんとに助かりました。

 

とりわけ麻衣さんの笑顔と巧みな日本語、さらには伝統的な日本女性の配慮を、異国の地で堪能させていただき、参加メンバーみんなが感動しました。麻衣さんのお母様が日本人と言うことで、家庭では日本文化をしっかり身につける環境にあったそうです。

 

むろんドイツ人女性も魅力的ですが、やはり日本人女性の古き良き伝統を備えた日系ドイツ人の魅力は異国では格別でした。

 

その麻衣さん、どうしているかなと思っていたら、NHK番組で活躍しているので、驚きました。当時の雰囲気とはまた違っていましたが、普段ほとんど見たことのない語学番組、しかもドイツ語番組でしたが、ついつい最後まで見てしまいました。お元気で活躍しているようで、安心しました。

 

私も三日坊主の各種語学勉強の過去がありますが、久しぶりにドイツ語の勉強を続けてみようかと一瞬、思ってしまいました。人の魅力で自分の心の中に新たな意欲を生み出させるものかもしれません。さて続くかどうか。

 

それとは別に、麻衣さんの笑顔を見ながら、10年前の都市計画の調査研究した報告書のことを、なんとなく不憫に感じてしまいました。400pくらいになり、出版を検討したのですが、結局断念したまま、メンバーや関係者の本棚の奥深くに埋もれていることでしょう。

 

 

できれば、細切れでも、連続でその一端を紹介するブログを書いてみるのもどうかと思っています。

 

私自身、長く都市景観問題に取り組んできて、いまはあらゆる対象を漠然と気の向くままブログで取り上げていますが、過去の一時の成果の検証も大事かなと思いつつ、果たしてはじめることができるか、明日以降の天候次第かもしれません。

 

今朝は麻衣さんの思い出を忘れないうちに一言。


自分が決めること <頭髪黒染め強要>と<型にはまらない生き方>と<愛なき夫と・・>を読みながら

2017-11-27 | 心のやすらぎ・豊かさ

171127 自分が決めること <頭髪黒染め強要>と<型にはまらない生き方>と<愛なき夫と・・>を読みながら

 

今朝のわが家から見下ろす谷間景観は心安まる思いがしました。霧が深く降りてきて、ほとんど何も見えない。底の方に柿畑の実が最近取られたのがわかる程度ぼやっと見えるくらいです。当たり一面霧の世界。まるで長谷川等伯の「松林図屏風」のよう、というとオーバーですけど。でも以前、等伯の人生を綴る小説を読んだことがありますが、地方から出て大変な努力研鑽を積んで、斬新な画法を生み出した天才画家の一人でしょう。とりわけこの絵は私の好きな一つです。

 

そういえば、式子内親王の和歌は恋の歌も好まれますが、私は次のような認識できない対象を見事に活写して永遠の景観を歌い上げるようなのもあこがれます。

 

色々の花も紅葉もさもあらばあれ冬の夜ふかき松風の音

 

さてと、仕事をいろいろやっているうちに、いつの間にか業務終了時間となり、帰宅準備に入らないといけませんが、このブログを書かないと終われません。30分程度でなんとか書き上げたいと思います。

 

今朝の毎日の記事を3本取り上げようかと思います。実は日経ビジネスで記事になっていたヴァーチャルリアリティが面白いかと読んでみたのですが、今ひとつぴんとこず、ピーターや高橋源一郎氏の語りの方に魅力を感じたので、こちらにしました。

 

その二人を取り上げる前提に、いま話題の学校指導のあり方を扱っている<教育の窓「誰のための学校なのか」 頭髪黒染め強要>を少し紹介しておこうかと思います。すでに私の前のブログで取り上げているので、詳細は省きます。

 

ある生徒の事例を引用します。<埼玉県立高3年の女子生徒(17)は昨年11月の修学旅行前に突然、進路指導担当の教諭から頭髪を黒く染めるか、短く切ってくるよう指導された。頭髪はくり毛色に近い茶色だが、母親と同じく生まれつきで、髪染めや脱色をしたことも、ヘアアイロンをあてたこともない。入学時に頭髪の色を登録する制度があるため、髪の色について担任に相談した際にも「問題ない」と言われていた。

 にもかかわらず、進路指導担当の教諭は「旅行先で他校とのトラブルを避けるためだ。風紀を乱しているので、このままでは修学旅行に参加させない」と言い、再三呼び出しを受けて指導された。最後まで拒否したため修学旅行には地毛のまま参加できたが、教諭らから常に行動を監視され、楽しめなかったという。>

 

なんとも情けない指導状況ですね。それは黒髪統一化といったレベルにとどまらず、あらゆる生徒の身なりから生活全般にわたって、風紀指導という名の下に、学校側が強制しているのですね。それが学校のカラーになる、評判になるということなのでしょう。情けないと思いませんか。

 

髪の形や色、化粧の有無、衣服から靴、それは軍隊や刑務所で行ってきたことと大きく変わらないのではないでしょうか。個人を尊重し、個人の豊かな感性を育てるのであれば、もっと異なるやり方があるのではないでしょうか。

 

こういうと風紀指導担当や校長・教頭から保護者多数も、猛反対があるかもしれません。いや、意外と惰性?でやっていて、あるいは横並び式にやっていて、それぞれ重荷になっているので、ようやく重荷がとれたと賛同してくれる方もいるかもしれませんね。ま、まだ少数派でしょうけど。

 

こういった学校による指導が、大学、さらに就職先で、ほんとに成長の糧となっていると思いますか。ある指導が有効かどうか、きちんとデータで示してもらいたいものです。データばかりを求めることでもないですが、少し考えればほんとそこまでやっていいのと、生徒個々の成長を思うなら、真剣に考えて欲しいと思うのです。

 

そんな形式的なことより、礼儀や作法ということを大事にするのであれば、そういう指導は別の内面に訴える方法で可能でしょう。また、コミュニケーション能力がひつようとされているとき、個性を殺し、自由な発想を外形から壊していくやり方が有効とは思えません。

 

この議論はこの程度にします。

 

週刊サラダぼうる・MyWayわたしの生き方 型にはまらず自由に 俳優・ピーター(池畑慎之介)さん>の記事によれば、ピーターさんは、まさに自由奔放だった生き様を体現してきて、今後も一人生活を独自に開拓していくのでしょうね。でも実際は大変な軋轢の中で苦労したと思います。でも自分という個性をしっかりとらえ、その個性に忠実に生きてきたのでしょうね。父親が人間国宝とは知りませんでした。母親が寛容な方だったようで、やはり相対立する両親の性格を自分の中でうまく切り盛りして生きてこられたのでしょうか。

 

<私は一人です。家族は楽しいけどわずらわしくもある。一人なら楽です。寂しいと思ったことは一度もありません。両親の結婚は不幸でした。芸能をやりながら家族を持てば子供が寂しく傷つく。自分の子供に経験させたくないと、家庭を持たないことを決めました。>

 

すごい覚悟ですね。若い頃から時々TVで見ていましたが、やはり映画「乱」で変わったのでしょうね。黒澤監督の役者を育てる力でしょうか。

 

<よく「孤独死」と言われますが、一人で生きている人を孤独と決めつけるのは大間違いです。あえて一人でいたいと思っている人もいる。独居老人も、せいせいしているかもしれませんよ。楽しんでいる一人暮らしはいいんです。>

 

そう、自分の生き方を前向きにとらえることが大事でしょうね。

 

最後に<人生相談愛なき夫にどう向き合うか=回答者・高橋源一郎>です。この回答が私には少し意外でした。

 

相談は<・・その後、別の人と結婚し、子供もできましたが、愛のあるキスは今の夫とはしていません。夫は、私が持病で苦労して病院に行ったとき、車から降ろそうともしませんでした。他人からは、ご主人は良い人ですねといわれますが、私はどう思えばいいのですか。(69歳・女性)>というもの。

 

で源ちゃんの回答はというと、まず<ほんとうには好きではなかった、大切にしてもらえなかった人とどうすればいいのか。「そんな人とは別れなさい」と答えるのも間違いではありません。>といつものきっぱりとした割り切り方を予想していました。

 

ところが全然違いました。

 

< パートナーは、自分の鏡でもあるのです。あなたが、夫を不満をぶつけるだけの存在と考えるなら、同じものが返ってくるだけです。

 慈しみの感情で接してあげてください。愚かで鈍感なのは、あなたの夫だけではありません。あなたも、わたしも、同じです。残りの時間を豊かなものにするために、ほんとうは同じように苦しんでいるかもしれない、その人に、ひとりの人間として手を差し伸べてください。>

 

慈悲ですね。仏の心。源さんも、やはり単純ではないですね。残された人生、愛がないから別れればいいと簡単にはいえないこともあります。むろん経済的な理由もあるでしょうけど、それ以上に、お互い、愛がなくても慈しみの心を自分の中で育てることができれば、意外と変わるかもしれないと期待する、のではなく、慈悲とは一方的な行いですね。無功徳ですね。高齢者の立場になると、そういう無功徳の思い、行いこそ大事になってくるように思うのです。難しいですけど、頑張ってみたいです。

 

私のような仕事をしていると、離婚の相談、というより決まっていて後は法的経済的対応を求めるばかりの人がほとんどです。それでも何度も何度も心の中では行ったり来たりする人もいます。法的解決なんてものは、ほんとの救いになるわけでなく、心はもっと奥深いところに幸いがあるのでしょう。

 

なんだか今日も趣旨不明の内容となりました。30分が過ぎました。今日はこれでおしまい。又明日。


競技指導のあり方 <過度な減量 選手生命に影響 女子競技指導の問題点>などを読んだり見たりして

2017-11-26 | スポーツ

171126 競技指導のあり方 <過度な減量 選手生命に影響 女子競技指導の問題点>などを読んだり見たりして

 

人を指導するというのはどの世界でも難しいことですね。いやいや家庭内で子どもを指導するなんてことはとてもとても大変な事。これはマニュアルもなにもありませんね。他方で、競技の場合、一定のマニュアルがあり、それが世界標準と比較され、次第にわが国の指導方法も見直されているように思います。

 

私が高校野球をやっていた頃、練習中一滴の水も飲むなと言われていまして、我慢していました。よく熱中症にならなかったといまでは不思議に思います。練習が終わった後の水は何よりも美味であり最高でした。最近のスポーツ選手(学生)は外食したり、そうでなくとも自動販売機でいろいろな美味なものを飲んでいますね。私の時代は自動販売機自体がなかったのですが、そういう飲み物があってもさほど興味をそそられることもなかったですね。

 

ところがその後遺症がやはりあるようです。長い間飲み物は、仕事後ビールなどを飲む以外あまり飲みませんでした。ジョギングなどでも何かを飲むと言うことはなかったですね。それと以前はリサイクル法がなく、ペットボトルの取り扱いに疑問があったので、これをもたない意識が強すぎたことも影響しました。そろそろ後遺症の話をしないといけません。その結果でしょうか、肌の乾燥がひどくなりました。かゆくなるのですね。それで最近は飲み物をできるだけとるようにしていますが、後の祭りでしょうか。老齢化の影響もあり、瑞々しい肌にはほど遠いだけでなく、声も以前にも増して枯れてしまい、ときどき発声できなくなるくらいですから、困ったものです。これらが飲み水制限の後遺症とまで断定できませんが、練習中は飲み水を飲まないという習性が仕事でも長く続いたことで、少なからず体の不調に影響しているような気がします。

 

さてそろそろ本論に入ります。今朝の毎日記事<ぷらすアルファ過度な減量 選手生命に影響 女子競技指導の問題点>では、<万引きをしたとして窃盗罪に問われた女子マラソン元日本代表選手(35)の初公判が今月開かれ、元選手は現役中の食事制限による摂食障害に長年苦しんできたことを告白した。>としています。この選手は119日付けの記事で取り上げられていた<アクセスマラソン元日本代表が万引き 摂食障害、追い詰められ 厳しい食事制限、指導で横行>だと思われます。止められない万引きはこういった病気なり、異常な体質なども影響することが多く、個人の主体的判断ではコントロールがきかなくなる場合が少なくないことを私も事件で数多く経験しました。

 

中川聡子、坂根真理の2人の女性記者が取り上げたのは、<陸上界では厳しい食事制限を課す指導が依然として残っており、専門家は「特に成長期に正しい食習慣を身につけることが競技継続や強化の上でも重要」と改革の必要性を強調する。>と問題提起しています。

 

この問題は<女性アスリートは食事制限や減量指導が将来、けがや障害につながる傾向が強いことが、約10年前から海外で指摘されるようになり、日本でも問題意識が広がる。>と最近になって海外で取り上げられるようになり、わが国でも問題になってきたのでしょうか。トップアスリートの有森裕子、高橋尚子、野口みずきといった方々は、独自の練習で、むろん食事療法も取り入れて、堂々とやっていたように思っていました。たしか高橋さんはもりもり食べていた映像を見たことがあり、そうなんだなんて感心しましたが、これは例外中の例外なんでしょうね。

 

この減量指導については、<女性アスリートの陥りやすい障害(Female Athlete Triad、通称FAT)として、エネルギー不足・無月経・疲労骨折の三つが上げられる。トレーニングの量や質に合わせ、バランス良く、十分な量の食事を取らなかった場合、「エネルギー不足」になり、月経が止まったりなくなったりする。そこから骨の形成に欠かせない女性ホルモンの分泌が減り、疲労骨折や靱帯(じんたい)損傷を引き起こし、将来的に骨粗しょう症になるリスクが高まるのだ。>とすでに科学的なデータがあるようです。

 

わが国でも科学的な指標により現状把握を始めているようですね。<順天堂大スポーツ健康科学部准教授で陸上競技部女子監督の鯉川なつえさん(45)は、FATが疑われる状況にあるかチェックするための「FATスクリーニングシート」=表=を作り、選手らに活用を呼びかける。

 鯉川さんが15年に大学女子駅伝出場選手314人に調査した結果、72%が体重制限、73%が無月経、46%が疲労骨折を経験していた。また、27%が鉄注射をしたことがあると答えた。

 「ご飯を食べるな」という誤った指導がなされる一方、選手自身が「太ったら成績が落ちる」という恐怖心から食事に消極的になるケースも多い。順大の新入部員が合宿の食事を前に「こんなに食べるんですか」と驚く様子を何度も目の当たりにしてきた。「勤勉で期待される選手ほど自分を追い込みがちだ。親やコーチの介入が欠かせない」と、周囲がFATへの問題意識を高める必要性を訴える。>

 

高校でも始まっています。<練習後には必ず、部員に体重測定を課す。顧問への報告や記録の義務はなく、選手自身で体重と健康を意識するよう習慣づけるためだ。体重が増えたら食事内容を自分で見直し、豆腐や納豆を食事に取り入れるなど対策が取れる。

 栄養指導にも力を入れる。強化練習会では、松井顧問やコーチらが栄養学を部員に教える。疲労回復にいい食事や、体重増加につながりやすい食べ物の知識を伝える。「自分で考え対策を取るよう促している」と狙いを語る。

 体重測定や栄養指導以外にも、無月経が3カ月続いた場合は、病院の受診を勧めている。女子部員の一人は「松井先生はどんなケアをしたらいいか教えてくれるから、無月経や貧血になったことはないです」と話す。>

 

トップアスリートを目指すレベルだと、<松井顧問は五輪を目指すジュニア選手を集めた合宿にもコーチとして参加。食事はバイキングで、同行する栄養士が選手の選んだ食事内容をチェックし、栄養バランスをアドバイスする。「子どもが試合で結果を出せないのは、コーチの責任だと思っている。しっかり健康を管理できたら結果を残せる。選手も陸上の楽しさを感じ、練習に励むことができる」と強調する。>ということで、次第に改善の兆しが見えることは期待したいと思います。

 

ただ、気をつけておかないといけないことは、大学生以下だと、ほとんど指導者の指導に従う傾向が大ではないかと思うのです。それが問題かもしれません。自分で考えてよりよき健康管理と技術・能力アップを行う個々の意識改革も必要ではないかと思うのです。むろん指導者も。当然、指導者や健康管理スタッフの方が情報が多いわけですが、それを一方通行するのではなく、選手・学生と意見交換しながら、よりよき選択をするそういった指導法を目指してもらいたいと思うのです。

 

高橋尚子さんと小出義雄監督との関係などを見ていると、見事な師弟関係が成立していたのかなとの印象を受けます。

 

そこで場面ががらっと変わって、昨夜ちらっと見たNHKの<奇跡のレッスン「ラグビー編~エディー・ジョーンズ~」>を取り上げたいと思います。ラグビーの試合は割合好きで時折見ますが、どうもゲームの戦術や成り行きがわかりにくいスポーツとの印象をいつも抱いていました。

 

でもエディーコーチの考えは違うようです。ものすごい頭脳プレーなのですね。今回は東京の強豪校・目黒学園の学生をたしか4日間でしたか、指導しただけですが、がらっと選手の意識や行動が変わるのですね。その秘訣は、選手同士のコミュニケーションをその場その場で具体的に指導するのです。

 

ラグビーというと、つい力勝負、あるいは素早いパスワークと巧妙なステップによる切り込みなどを、言葉を超えた前進の体をフルに使う、肉体美みたいなものに見とれてしまいますが、勝負の決め手は別のところにもあったのですね。

 

ディフェンスなり、オフェンスで、各選手が相互に他の選手の位置を指示しながら、チーム全体で有効なフォーメンションをとることで、一糸乱れぬボールさばきができ、トライに結びつけることができることを見事に証明してくれました。

 

指導の成果を見せるため、専修大学(これは選手の体格からみて失礼ながら控えの方ではと愚考してしまいましたが)と試合をしたのですが、最初は大学生の勢いに押されながらも、指導の効果が現れ、逆転勝利を挙げていました。

 

その中で注目したのは、選手は皆大きな声で威勢良く動いていましたが、エディーコーチいわく居酒屋の騒ぎだというのです。たしかに意味のないかけ声をいくら大きな声で叫んでも、チームの機動力を機能させることにはつながらないでしょう。まさに肝心のポイントです。その意味で、適宜適応の言葉を選び、それに応じて各選手が動けば、言葉は一糸乱れずの塊として巨大な力を発揮することができるように思えます。

 

そして重要なもう一つは、それぞれの選手が自分の考えを示すことでした。チームプレーというと、昔教えてもらったのは、黙ってチームのために、脇でも働くといった風に感じていたこともあります。しかし、ここではチーム全体のために、自ら主体的に意見を述べることが求められ、それは試合中でも発揮する動きが必要となるのだと思います。

 

わが国のスポーツ競技、とくにチーム競技では、コミュニケーション技術が重視されてこなかったと思うのですが、エディーコーチの指導はその意味で、今後、採用を検討してもらいたいと思った次第です。

 

その言葉が、TVなどの高感度マイクで拾うことができると、ラグビーの魅力がもっとますのではと期待しています。

 

そして再び、個々のアスリートの健康管理を改めて、指導者には求めたいと思うのです。そういえば、たしか西武ライオンズの藤田監督が野菜食を重視して導入したといったことが昔話題になったように思いますが、他のスポーツでも食事や健康管理・筋トレなど、さまざまな観点から、最低限度、アスリートの将来を考えた健康管理だけは確保して欲しいと思うのです。

 

今日はこの辺でおしまい。また明日

 

 

 

 

 

 


医療の進化と情報の壁 <キズとカタチの総合医 「何針縫う」はナンセンス・・・>などを読みながら

2017-11-26 | 医療・医薬・医師のあり方

171126 医療の進化と情報の壁 <キズとカタチの総合医 「何針縫う」はナンセンス・・・>などを読みながら

 

昨日、白鵬関が早々と優勝を決め、40回目という隔絶した天井を開けて新たな世界を一歩踏み出したようです。

 

他方で、日馬富士暴行事件の行方が今後関心の的になるというのも皮肉なものでしょうか。そんな中、今朝の毎日記事は、<キズとカタチの総合医 「何針縫う」はナンセンス=桜井裕之・東京女子医科大学形成外科教授>という内容で、外科医の世界では常識かもしれませんが、縫合技術の進化をビジュアルに説明されていて、参考になりました。私自身、この年になるまで縫合の経験は中学生くらいに一度あった程度で、ほとんど記憶はないですが、ここで語られている縫合後の消毒のため毎日のように通院したり、抜糸の際の痛みを思い出しました。

 

桜井医師もあえて指摘していますが、いま騒がれている日馬富士暴行事件では、東部裂傷について10針縫ったとかの情報がどこからともなく流れていて、その重症性が話題の一つになっています。そのことと関連して、10針も縫っていたとしたら、当日、巡業に参加した貴ノ岩関が元気に相撲をとっているだけでなく、髪結いがきちんとされていることから、その際頭髪を強く引っ張るので、果たして縫合していたのだろうかとか、縫合していたらとても痛くてきちんと髪結いができないのではないかとか、いろいろな意見があったのをTVで垣間見ました。

 

でもこの点は桜井医師の話では、<確かに、治すだけが目的で、どんな傷も同じ針や糸を使っていた時代では、何針縫ったかは、けがの大きさの指標でした。しかし、その点で、今や意味のない数字になったと言ってもいいでしょう。>とのこと。

 

<現在の形成外科医は、細い糸で表面の縫合部分をピタリと合わせ、下層の組織も別の特殊な糸を使って丁寧に合わせます。この特殊な糸には、組織に残っても徐々に分解される性質があります。>

 

私が受けた負傷の縫合例は50年前のもので、現在では細い糸で皮膚の深くまでする必要がないため、目立たないようです。その比較の断面図も示されています。

 

ただ、夜間に急患で訪れた?貴ノ岩関に対して、大学病院や専門医が対応したら、上記のような最新の技術が採用されたかもしれませんが、どのような治療方法がとられたかは、担当医が判明していないので、まだおぼろげです。ただ、たしか三日後に広島の医師の診断を受けていることから、毎日消毒のため通院するような古いタイプは当然使われていなかったのでしょう。

 

で、もう一つの問題点、髄液漏の疑いについて、別の医師のいろいろな発言があり、これは確定診断だといった話を取り上げている記事もありました。え、それほんとと思ってしまいました。実は交通事故で、脳脊髄液減少症・脳脊髄液漏出症の勉強を始めたばかりで、先日も専門医の医師から教授を受けてきたばかりでして、多少の知識を培養中の私としては、その確定判断という医師の説明に?を感じてしまいました。

 

従前、外圧による(起立性)頭痛やめまい、耳鳴り、視力の低下、四肢の痺れなど多様な症状が起こることはない、とりわけ頭痛との因果関係は医学界は否定的でした。

 

国際頭痛分類では、従前は外圧によるものは認めていなかったそうです。それが交通外傷などで頭痛など上記の多様な症状の患者について、MRI見えろグラフィーや脳槽シンチグラフィー、CTミエログフィーによって、髄液の減少とか、低髄液圧といった診断が少しずつ広まっていき、その症状を改善するため、ブラッドパッチの措置をすることで軽減することが各地で先進的な医師によって成果があがるようになったそうです。

 

ただ、大半の医師は、その事実を認めず、画像診断でも否定的な意見が出たため、交通事故外傷などで、各地の裁判所で後遺障害の有無程度が争われてきました。

 

まだ裁判例の多くを調べていませんが、平成2961日の名古屋高裁判決では、一審名古屋地裁が全面否定した結論の一部を認め、脳脊髄液減少症を認め、後遺障害等級も変則的に、症状固定後7年間を9級相当、その後14年間を12級相当とする画期的判断をして、原告は主婦ですが、相当高額な損害を認めています。

 

この裁判長の藤山氏は、東京地裁時代にいろいろ小田急線連立事業訴訟、圏央道土地収用事件訴訟など多数の著名事件で、原告勝訴の画期的判決を下しており(国や行政を敗訴させている)、なかなかの判断をされる方です。私も土壌汚染事件で、和解を強力すすめていただき、大満足とは言えませんが、この種の事件としては画期的な和解をしてもらった記憶があります。優秀な方なので最高裁判事にならなくても、どこかの高裁長官にでもなっているかと思っていたら、まだ現役で活躍でした。最高裁の人事からすると、出世コースには乗らない方でしょうね。他方で、別の事件で担当した方は、有能かつ審理も如才なかった方は、最高裁判事になっています。こういうのを見ると、違いが最高裁のメガネにかかるかどうかがわかる感じがします。

 

いろいろ脱線しました。NHK囲碁戦を垣間見ながら書いているので?、脇道に堂々とそれています。

 

で、本論に戻りますと、この髄液漏出については、2000年代に入り、次第に厚労省も医師会も対応を迫られていたようです。それで、まず2007年に、厚労省は、<脳脊髄液減少症ガイドライン2007>を発表して、「減少症」という診断の基準を示しました。

 

しかし、診断をめぐっては反対派も賛成派もさらに議論が起こったようでして、続いて厚労省が厚労省研究班により、<CTMRIなどによる漏出所見で診断「脳脊髄液漏出症」の診断基準>をまとめ、従来の減少症などの科学的根拠がないとして、「漏出症」で統一したわけです。

 

その基準<脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準>は、画像そのものがないため、定性的な基準の記載で診断するような意味合いになるかと心配します。少なくとも素人の第三者的な視点は排除されています。というか、画像自体は、先日に相談させていただいた医師が指摘する画像の中に漏れ認めることができるのです。

 

それは上記画像判定基準でいえば、<硬膜外に脳脊髄液の貯留を認める。」というのは次の場合ですが、

 

    硬膜外に水信号病変を認めること。

    病変は造影されないこと。

    病変がくも膜下腔と連続していること。

 

   だけだと、「疑」所見

   だと、「強疑」所見

   も「強疑」所見

さらに②と③があれば、「確実」所見とのこと。

 

で、貴ノ岩の診断書は「疑」ですね。これは上記判定基準からすると、レベル的にはまだ疑いにすぎず、主治医が相撲協会に対する回答では、脳脊髄液漏出を認めたわけでなく、疑いに過ぎず、そんな重傷とは考えず、相撲をとることは可能との判断を示したとのことでしたか。

 

たしかに判定基準に従えば、そのとおりかもしれません。入院も検査入院で妥当なものでしょう。

 

しかし、先の私が相談した専門医によると、この判定基準は、この症状について消極派が体勢を占めた研究班により意思形成がなされ、そのため、基準はきわめて厳しい内容となり、本来なら脳脊髄漏出症の症状があり、画像判定でも認めることができるのに、ハードルが高くなってしまったと批判的に述べられていました。

 

となると、貴ノ岩の症状がいまだにはっきりしませんが、安易に2度目の医師の協会に対する回答(しかも協会が伝え聞いた内容)だけで、相撲が取れるはずだとか、休業届けは虚偽であるとか、そういった安易な判断はさけるべきではないかと思います。

 

私の依頼者も事故当初はさほど重くない症状でしたが、その後ひどくなり、たちくらみ、視野がぼける、重い頭痛、耳鳴り、吐き気、手の痺れなど、多様な症状が持続的に続いています。ようやく専門医の診察を受け、平成284月から保険適用となったブラッドパッチを施行して、かなり軽減してきたということです。

 

このような従来の医学基準で診断が容易でない(認められにくい)症状はたくさんあります。私たちも報道などのさまざまな情報によって安易な結論や意見を述べるのは避けたいものです。たとえば、報道では、診断書など・・・として、診断書と別の情報源を一緒くたにして、いろいろ症状を重く述べたり、軽く見たりしていますが、これは不適切な記事です。私も「など」を使いますが、それは情報源をアバウトにしたいとか、内容自体に漠然差が必要なときなど、さまざまな理由で使いますので、要注意ですね。

 

とながながといろんなことを書いて、またまた論旨不明瞭となりました。ま、ブログですのでご勘弁を。もし手の痺れが強くなければ、少し休んでもう一件書いてみようかと思います。続きがなければ、今日はこれでおしまいです。