こんにちは。バレンタインデーも過ぎ、今日はすっかりあったかい陽気。
遅ればせながら、勝手に命名した結晶月間2月の記事を投稿します。
(霜柱も結晶だったし、温度が低いから液体や気体よりは固体の世界の気がしています)
チョコレートの原料となるカカオの木の学名は
ギリシャ語では、「テオブロマ(神の食べ物)」とも言われ、
飲料の形で薬と考えられてもいたそうです。
今も、ポリフェノールが体に良い、等聞きますよね。
チョコレートはカカオマス、ココアバター、砂糖などの混合物なのですが、
成分であるココアバター分子の並び方で、6つの結晶系をとると言われています。
I, II, III, IV,V,VI型。
このうちの、V型の結晶が、くちどけも良く、見た目にも光沢があっておいしい。
でも、このV型は準安定状態なので、徐々に、最も安定なVI型になっていき、
くちどけの今一つな、ちょっと残念なチョコレートに変化します。
表面にも大きめの結晶が徐々に成長してきて、見た目にも白っぽくなって、
ブルーム現象とも呼ばれます。
このあたりの詳しいお話は、
KEK(高エネルギー加速器研究機構)の「チョコレートをおいしくする物理」の記事や
広島大学 上野教授らの論文・寄稿にもあります。
また、化学工学会の夢化学21委員会で作成したビデオにも
上野先生のご協力もいただき、この内容を取り上げました。
(その節は、広島大学にもお邪魔させていただきました)
https://www.youtube.com/watch?v=AoH2jRSd03w
チョコレートの原料は、温かい地域で作られ、
自然の発酵工程を経て、複雑に多様な成分が含まれる香りが出来上がります。
でも、そのあとの工程には、やや寒いくらいの温度が適しているようで、
チョコレートメーカーは、北欧に多かったりします。
また、汎用品になっているチョコレートは1枚100円以下で買えますが、
ブランド品のチョコは、一粒で500円以上になることも。。
マーケティングや、文化と地理・気候などの問題とも絡めて、
チョコレートでたくさんの学びが得られる素材だとも感じています。
(一時期チョコレート塾やろうかと思ったこともありました)
チョコレートサイエンスのイベントは、知人のMさんの尽力もあって、
たくさんのところで開催されて本にもなっています。
身近にある、科学の例、おいしさを解き明かすことにも最先端の分析技術が使われてもいます。
まだまだ、語りつくせないチョコレートの科学、
興味を持ってくださった方は、調べてみてください。
大好きな素材です。
写真は、こちらも遅ればせながら少しだけ作った手作りチョコ。
娘と一緒に20年以上作ってきてますが、
相変わらず、テンパリングがきっちりできない私です。。。
(加えて、最近携帯のカメラがキレイに撮れない。。)