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メモ: 8ミリ映画

2011-07-29 01:25:49 | Weblog
ダブル8フィルム (レギュラー8フィルム) は1932年にコダック社から家庭用ムービーフォーマットとして登場。

16ミリフィルムのパーフォレーションを2倍にして8ミリのコマに合わせてある。

片道撮り終わったら上下をひっくり返してもう一回撮ることで、16ミリフィルムに8ミリの映像をとる仕組み。

秒16コマが標準で、25フィートリール往復で3分強の撮影ができる。

撮り終わったフィルムを現像に出すと半分に切ってつないだ50フィートリールで返ってくる。

それ以前にも9.5ミリ (パテ・ベビー) などのフォーマットがあった。

どちらにしろリール式なのでフィルムの装てんが面倒で、明るいところでは光線曳きの恐れがあるといった問題があった。

また、撮影機、映写機、フィルムそれぞれが高価で、大きく普及するには至らなかった。

スーパー8フィルムおよびシングル8フィルムは1965年に登場した。

ダブル8とは異なり8ミリ幅のフィルムを使用している。

また、ダブル8よりパーフォレーションのサイズを小さくして、映像記録部分のサイズを拡大している。

スーパー8は50フィートリールを同軸に配置してほぼ正方形のカートリッジに収めた形状、シングル8は50フィートリールを縦に並べた英字のBに似た形状。

どちらもカートリッジ式でフィルム装てんが非常に簡単になっている。

日本国内では「私にも写せます」のテレビコマーシャルでシングル8が大流行したように、簡単に扱えるカメラとフィルムを安く提供することで一気に普及した。

8ミリフィルムの登場により撮影は個人でも簡単にできるようになった。

それに対して映写はスクリーンと映写機を用意して暗くした部屋で行う必要があり、個人で鑑賞するというよりも家族で鑑賞するという形式が普通であった。

そういう点で、8ミリ映画はプライベート映像ではあったが、パーソナル映像ではなかった。

スーパー8とシングル8の違い。

スーパー8は同軸リールであったため、巻き戻しが難しいという問題があった。

このため、多重露光や逆転撮影などのトリック撮影はシングル8の独壇場であった。

スーパー8とシングル8はフィルムベースの厚みが異なるため、つなぎ合わせると映写時にピントがずれるという問題があったらしい。

8ミリ映画の特徴。

1本のフィルムで3分しか撮れないことと、サイレントであれば編集自体は割と簡単 (スプライサーさえあればなんとかなる) ということから、撮った映像は編集して10分ぐらいにまとめるのが基本。

フィルム自体が高価なこともあり、撮りっぱなしてきな撮り方ではなく、素人なりに映画を撮影していた。

高価であること、編集が必要であること、映写が必要であることなど、8ミリ映画は映画を製作することを楽しむホビーであったといっていいと思う。
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