いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

梨泰院クラス 16話(最終話)

2025年03月03日 | 梨泰院クラス
死にかけた男があれだけの大乱闘に耐え抜けるのか?
過労で倒れた女があれだけの逃走劇を完遂できるのか?
フツー無理だろ……と思いますが、火事場の馬鹿力って言い方もあるので……。
ふたりはお似合いのパワーカップルだと思います。

あー、やくざが飛び道具持ってなくて本当によかった!

【あらすじ】

ひざまづいたセロイを前に、チャン・デヒは勝ち誇ったように笑う。
あざけりの言葉にも、セロイは動じない。

「何の価値もない土下座だぞ?
 君は負けを認めたんだ。
 こんな土下座のために、俺はまた息子を捨てるのか」

笑いながら、廃倉庫の住所を手渡そうとしたチャン・デヒは、
セロイとスングォンの様子に違和感を覚えた。
ふたりにはまるで悔しそうな様子がない。

「君は敵にひざまづいた。今の気分は?」
「情けないです」

セロイの返事に、チャン・デヒは満足する。
だが、セロイの真意は違った。

「会長の気分はどうですか?
 こんな風に土下座をさせてうれしいですか?爽快ですか?」

セロイは続ける。

復讐だけを望んで生きてきた。
長家会長チャン・デヒ。
自分を地獄に落とした男でありながら、価値観は違えど、
すごい男だと尊敬していた。
だからこそ、人生のすべてを懸けた。
この闘いにはそれだけの価値があった。
それほどの男が勝つために、人質事件を利用するなんて。
十数年もこんな老いぼれの背中を追っていたとは、
情けなくてたまらない。

セロイの侮蔑の表情に、チャン・デヒは顔色を変え、
さらに言い募ろうとしたが、セロイはもう相手にしなかった。

一方、イソとグンスは拘束を解き、逃げ出そうとしていた。
しかし、倉庫を出たところでグンウォンとやくざたちに囲まれてしまう。
「武器を持って。せーので飛び掛かるわよ」
そう言ったイソは、いざ飛び掛かろうというタイミングで、グンスを残して
走って逃げてしまう。
「踏ん張るのよ!チャン・グンス!」

遠ざかっていくイソの背中を見送りながら、グンスは覚悟を決めた。
可能な限り、こいつらを足止めしてやる。

イソは必死に走った。
グンスのがんばりもむなしく、ヤクザたちとグンウォンが追いかけてくる。
そこへあらわれたのは、セロイとスングォンだった。

イソを抱きしめるセロイ。
スングォンは、自分が防波堤になり、ふたりを逃がそうとする。
セロイもためらわない。優先順位は確認済みだ。

ふたりはスングォンにあとを任せ、ただ走った。
極限状態のなか、セロイはイソを抱きしめ、愛を伝える。
だが、グンウォンが彼らに追いついた。

セロイはイソに携帯を持たせ、警察に場所を伝えるように言い含め背中を押す。
絶対に生き抜く。
セロイが死んだらイソも生きていられないというのだから、そうするしかない。
どんな卑怯な手を使ってでも、生き残らなくては。

死闘の末、ふたりが力尽きたとき、セロイは、
以前イソと交わした会話を思い出していた。

1日として同じ日がない毎日。生きてれば何が起こるかわからない。
つらくかなしい日もあったが、楽しい日もある。
生きることはつらく、イヤになることもあるけれど、
イソができてからというもの、気持ちは晴れやかで毎日ワクワクしているんだ。

いま思えばあのとき、自分はすでにわかっていたのかもしれない。
自分の望む人生を。自分がこれからどう生きていけばいいのかを。

事件は収束した。
スアは10年分の証拠を持ち、長家を告発。
グンウォンは拉致監禁・殺人未遂で逮捕された。
チャン・デヒも、近く検察に出頭しなければならないだろう。

「オリンピックまでは持ちこたえろ」

チャン・デヒはまだ強気だったが、状況が悪すぎた。
長家ブランドの価値は地に落ち、加盟店が賠償を求めている。
株式上場廃止も検討された状況で、理事会は長家グループの売却を考えているという。

「いま売れば、二束三文じゃないか、なにを考えている」
「よい条件で買収を提案している会社がひとつあります」

チャン・デヒは、その提案をしている会社が誰のものなのか、理解した。

パク・セロイにだけは、渡せない。
チャン・デヒはなんとか融資をうけようとあがくが、
所詮は利益だけで結びついた関係でしかない。

「あんたが頭を下げるべきなのは、あたしじゃないだろう?」

最後の頼みの綱だった旧知の仲のスルレにも断られたチャン・デヒは、
セロイの店を訪れた。

「ようこそおいでくださいました」

セロイは手ずから豆腐チゲを作り、チャン・デヒをもてなした。
父譲りの味は、余命僅かな老人の食欲を刺激し、
身体を温めてくれた。

「うまい料理をいただいたのに、カネを忘れてきた」
「困りましたね」

セロイは苦笑した。

「ほかのもので払ってもいいか?」

そう言って、チャン・デヒはゆっくりと店の床にひざまづいた。

「なにをしているんですか」
セロイはやさしさすらにじむ声で、ゆっくりと老人を問いただす。

「没落寸前の長家を買ってなんの得がある。
 悪いのはすべてこの俺だ」
チャン・デヒの目には涙が浮かんでいる。

「復讐目的ではなく、よい企業だから買収するんです」
セロイは変わらず冷静だ。

「余命僅かな年寄りだ。もう欲もない。
 心から君に謝る。パク部長と君にひどいことをした。
 これで許してくれ……」
チャン・デヒは、すすり泣きながら両手をつき、額を床に擦り付けた。
セロイは少なからず、心を動かされたように見える。

椅子から立ち上がると、老人の前に立った。
一部始終を眺めていたイソに向かってうなずくと、セロイは言った。
「夢にまで見た光景なのに、素直に喜べない。
 グンスに対して面目ない。頭をあげてください」

チャン・デヒは、顔を上げると期待を込めた目でセロイを見た。
「パク・セロイ……」
セロイは困ったようにうつむいて、自分の頭を何度か撫でた。
そして顔を上げると、眉根を寄せてこう言ったのだ。

「僕を甘くみてますね」
「え……」
「僕は商売人です。すべてを失った人間の土下座ごときで
 買収をやめるとでも?
 これは、ビジネスです。会長」

セロイはイソと出ていき、ひとり取り残された老人は力なくすすり泣いた。

長家は株式会社ICに買収された。
セロイは、株主総会であらためて、自分の商売の理念を話した。
商売とは、人と信頼である。利益より人、お金より信頼を大事に、
新しい繁栄を目指しましょう、と。

グンスはけじめをつけて会社をやめ、アメリカにわたることになった。
セロイとも、イソとも、渡米前に話をすることができて、
自分なりに気持ちの整理がついたように思う。

スアは梨泰院の一角に店を出し、さっそく人気スポットになっている。
セロイのことは、イソに任せよう。彼女なら、セロイを幸せにしてくれる。

イソとセロイは、梨泰院の街でデートを楽しんだ。
つらい日々もあったけれど、セロイはいましあわせを噛みしめている。
これからもずっと仲間と一緒にいよう。しあわせであるために。

仲間と一緒に、酒を飲んでいると、ふと父の声が聞こえたような気がした。
「酒の味はどうだ?」

セロイの返事は、満面の笑顔だ。

(完)

いやー、よかったよかった。
誰も死ななくて無事に終わったね!

わたし的にはエピローグは別にいらないけどぉー。

ははは、でも笑った笑った。
イソがグンスを置いて逃げたときには、
もうスアのことはいいや!
イソが最高!と思ったよ。

ドラマの最終回は、大団円。
それぞれの想いがうまく浄化されて、みんな前を向いているラストは
やっぱりすがすがしいね。
悪党はきっちり地獄に落ちてるし。

わざわざキム室長(会長秘書)の
「サラリーマンだから」発言とか
トニーの英語力発揮とか、こまかいメンバーのエピも
回収されてて仕事が丁寧なドラマですね。
タンバムの従業員、スアが学校辞めさせた女の子たち?
これは気のせいかも知らんけど。

スアは大好きな街で、自分の夢を追いかけることにしたんだね。
イケメンシェフも唐突に登場して、なんか恋の予感だしな。
わたしは好みじゃないけどね。(毒)

なんかぁ、セロイとイソが年の差カップルだからなのか、
スアにも年下のイケメン男子を用意しました!って感じでイヤ!
実際、別れた男が自分よりはるかに年下の女の子と結婚したりするの
正直イヤですけどね。
だからっていって自分も年下と恋愛とか……ヤダッ。
個人的には、スアの件はセロイアボジのお墓の前で終わってても
よかった気がするわ~。

パジンに左遷されてたミンジョン専務も無事返り咲き、
元刑事さんとしあわせになるでしょう。
ヒョニとスングォンは恋人同士にはならないけど、
なんだかんだ仲良くやっていくような雰囲気。

グンスは筋を通して長家をやめて、アメリカへ。
イソは最後、ソシオパスらしくあっさりバイバイするのかと思ったら
ちゃんとグンスを抱きしめて謝って、感謝もしたね。
バカだな、グンス。
あれくらいでちょっとうるうるすんなよ。
お前けっこうひどい扱い受けてたぞ。

こうしてみると、恋愛なんてタイミングでしかないな、って思う。
スアやグンスは、自分の心に正直になれないまま、
タイミングを逃しちゃったんだなー。
イソは自分の心に正直なまま、ハマるタイミングをものにしたんだね。

たぶんどこかのパラレルワールドでは、
スアとセロイ、グンスとイソがしあわせになってるだろうと思うと、
自分が失恋したみたいなモヤモヤとした気持ちも晴れていきました。

だが、復讐は違うぞ

チャン・デヒとセロイの復讐劇は、タイミングなんかの問題ではない。
これはやはり、運命……いや、宿命。

いやー、重かったぁぁぁぁあぁ。

ドラマ冒頭、セロイの
「なんやねん、お前こんなもんか。必死になって損したわ」的な
余裕ぶっこいた表情と、チャン・デヒの置いてけぼりにされたような表情。

そして中盤のチャン・デヒの土下座。

正直、この涙、また嘘ちゃう?とちょっぴり不審に思った。
でも、死にかけで食欲だってそんなにないだろうおじいさんが、
ひとさじ、またひとさじとチゲを口に運ぶ姿を見て、
やっぱりこの味に心動かされたチャン・デヒの涙は本物だろうな……と思ったよね。
セロイも、本当に心を込めてチゲを作ってもてなしたということがわかる。

まさか、まさかここでセロイは情を持ってチャン・デヒをゆる……
すかと思いきやの

悪い顔!

「会長は俺を甘く見てますね」

きたね、きたきた。

だって全盛期の会長が本能的に敵とみなした男だよ?
憎みながらもチャン・デヒを尊敬していた男だよ?
んでもって、復讐の総仕上げだよ?

買うわー、ふつーに長家買うわー。

やっぱり人間、情が大事、とか丸めず、
きっぱり復讐は復讐としてやり遂げました!でスッキリ。

怖い男ですねー、セロイは。
「ビジネス エヨ」とか言って、あのヤクザの親分と一緒ですね。
こういうところが気に入られたんだろうな~。

だからさー、チャン・デヒをリスペクトしてたっていうのもそうだけど、
セロイの本質ってあいつらとあんまり変わらないんですよ。
ただ、情と正義感が強かったおかげでまっとうな人間になれてるだけで。
お父さんの教育が本当によかったんだと思います。

結局セロイもチャン・デヒも土下座をしたわけだけど、
会長の前で、セロイは膝をついたけど頭はつかなかったでしょ。
でも会長は頭をついて、すすり泣いた。

このへんの差のつけ方も、視聴者の気持ちをわかってるねー。
セロイのほうが人間的に上だし、心は負けてないってわかってても、
チャン・デヒの前で頭までついた土下座をしてる姿は見たくないじゃん。

一方、デヒは店の床に両手をつき、額をこすりつけて最大級の土下座。

溜飲が下がりましたわ。

「パク部長と君には本当に悪いことをした」とまで言ってたもんね。
心から謝るって。よっぽど長家を渡したくなかったんだね。
きっとこのあと間もなく、絶望しながら死んじゃったんだろうなぁ。

しょうがないよね、弱肉強食だもんね。
こんな4文字熟語をありがたがってる奴なんか信用できないよ。
自分が強いときだけ好きな言葉だもん。

すっかり忘れられてかわいそうだったホジンも、
グンウォンに面会に行き、自分の存在を知らしめました。
そして「許してやるよ」とスッキリ。

「どこで間違ったんだろう……」と言ってたグンウォン君、
ホジンをいじめてパシリにしたところから間違っちゃってたんだねぇ。

それぞれが、おさまるところにおさまって、
お父さんの「酒の味はどうだ?」という問いにラストのセロイの笑顔。

これはよいラストでした。

だからこそ!エピローグいらないよ~!と重ねて申し上げて、
視聴・感想を終了しますねー。

ヨロブン、スゴハセヨ~


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