いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

梨泰院クラス 10話

2025年02月21日 | 梨泰院クラス
【あらすじ】

グンウォンの自白をボイスメモに録音したイソは、店を飛び出した。
すぐさま追いかけたグンウォンは、イソの頬を平手打ちしてスマホを奪おうとする。
だが、外国人も多い梨泰院の街中のこと、すぐに人が集まってきた。
グンウォンは、とっさに札入れから金を出してバラまいた。

「この国ではな、カネがすべてを解決するんだ」

金を拾い出した人々をしり目に、勝ち誇るグンウォン。
彼を殴り倒したのは、パク・セロイだった。

興奮してセロイに成果を報告するイソだったが、
セロイが見ているのは彼女の赤く腫れた頬と、切れた唇だ。

状況を察したセロイは、グンウォンの胸倉をつかむ。
「殴りたきゃ殴れ!また刑務所に入れよ!」
煽るグンウォンに怒りが募る。
だが、イソがセロイを止めた。

グンウォンは駆けつけた警察に連れていかれ、
セロイは自分のために傷ついたイソを優しく抱きしめた。

もちろんイソは情報を放出。
マスコミは10年前の轢き逃げ事件について大きく報道した。
このチャンスを逃す手はない。

動いたのは、専務カン・ミンジョンだ。
作戦会議にはイソも参加し、ミンジョン、ホジン、セロイと
膝を突き合わせて状況を分析した。

この機会に、臨時株主総会を開き会長の退任動議を提出する。
クーデター成功のための条件はふたつ。
まず、オ・ビョンホン元刑事が証人として証言すること。
つぎに、チャン・デヒ会長が息子を擁護すること。

元刑事は、セロイとミンジョンが説得に行くまでもなく、
すでに心を決めていた。

しかし、チャン・デヒの動向が読めない。
セロイは、チャン・デヒはグンウォンを切り捨てると思う。
ホジンは、これまでの動向から判断して、切り捨てはないと言う。
セロイは、グンウォンを刑務所に送ることだけで満足すべきだと言うが、
意見は割れた。

そのころ、スアは会長に進言していた。
グンウォンを切れ、と。
しかし、チャン・デヒは怒った。
自分が長家を作ったのは、家族を飢えさせないためだ、と。
貧しいなか死んでいった弟たちの無念を思うからだと。
「二度と私に、家族を捨てろと言うな」

結果、GOを出したのはミンジョンの判断だ。
この期に及んでボンクラ息子をかばう男など、
長家のトップとしてふさわしいわけがない。
多くの株主が、解任動議に賛成してくれるだろう。

チャン・デヒは、検察に向かおうとするグンウォンを抱きしめる。
「お前は後継者だ。だから厳しく接してきた。すまなかった。
いままで、父親としてお前を抱きしめたことさえなかった……」

10年前の事件、多くの証拠はすでに検証が不可能だ。
弁護士の言う通りにすれば、無罪で帰ってこられるようにしてある。

グンウォンは、父の抱擁の温かさに涙する。
「いってきます。父さんもがんばって」

息子を秘書に託し、チャン・デヒは背筋を伸ばした。
「さて、行くか」

同席していたスアは驚いた。
「まだ4時間もあります」

そう、会長の座を追い落とされるであろう株主総会まで、まだ間がある。

長家会長チャン・デヒがおもむいたのは、自らが開いた記者会見会場だった。
多くのマスコミが集まり、フラッシュがたかれるなか、チャン・デヒは口火を切る。
「不肖の息子が騒ぎを起こし、恐縮です。父親として深くお詫び申し上げます」

グンウォンは、検察へと向かうタクシーの中で、
スアは、記者会見会場に同席して、
ミンジョン、ホジン、セロイはミンジョンの執務室で、
この記者会見を見ている。

「あのたぬきおやじ……なんの魂胆が?」

ミンジョンのつぶやきが宙に漂う。

チャン・デヒは、弁護士の言うように証拠不十分で息子は無罪になると思うが、
実際は息子は有罪である、とカメラの前で証言した。
先日はじめて、罪を認めた息子の告白を聞いた、と。

彼は息子を切り捨て、会社をとった。
自分の罪を隠し、息子にすべてを背負わせ、告発したのだ。
彼は自分と会社を守るために、息子を売った。
親として、子どものためにどうすべきか悩んだ挙句、
息子の告白を聞いたその日、すべての証拠を検察に提出したという。

「やられた……」

ミンジョンの予測は外れた。動議は否決されるだろう。
チャン・デヒの茶番は続く、

「罪は自分で償わせます」

セロイはこみ上げてくる吐き気を我慢できず、トイレに駆け込み嘔吐した。

「息子のせいで亡くなった被害者と遺族のみなさんに、心からお詫びいたします。
一生、心のなかで謝り続けます。本当に申し訳ありませんでした……」

チャン・デヒの謝罪がテレビモニターから響く。
彼は会見場の床に手を着き、頭を深く垂れて土下座した。

車から飛び出したグンウォンは、急いで社に戻り、会見場を後にした父親と対峙する。
彼を見つけたマスコミが、マイクを持って群がっていく。
父親のなんの感情もこもらない目を見、黙って車に乗り込み去っていく姿を見たグンウォンは、
涙をながして言った。
「全部、僕のあやまちです」

クーデターは失敗に終わり、ミンジョンは左遷の憂き目にあった。
会長秘書のひとりが、彼女のスパイだということがばれていたのだ。
彼女はまんまと罠にかかり、虎の喉笛に噛みつく前にとらえられてしまった。

ミンジョンとホジン、セロイは長家ポチャで酒を飲んでいる。
慰労会か、やけ酒か。
どちらにしても、ミンジョンはもう牙を抜かれてしまった。
会長への追撃は、絶対にあきらめないセロイに託すことにする。

酒の席で、セロイは思わぬ話をきいた。
1997年の通貨危機で長家の経営が危うくなったとき、
長家を救った会長のレシピは、セロイの父パク部長が考案したものだというのだ。
セロイがここぞというときに身に着ける父の遺品である腕時計は、
そのときの褒章としてチャン・デヒから賜ったものだった。

セロイとチャン・デヒは、グンウォンの裁判の席で顔を合わせた。
グンウォンに下されたのは、懲役7年の刑だ。
奇しくも、セロイがグンウォンに対する殺人未遂で服役した年数と同じだった。

「うれしいだろう?」

チャン・デヒの言葉に、セロイは言う。

「いいや。あんたがまだそこにいる」

「君は度を越した。いいだろう、君をこのチャン・デヒの敵だと認めよう。
お前をぶっ潰してやる」

「僕も、自分のすべてをかけて同じことを誓います」


セロイは、グンウォンの判決文がのった新聞を手に、父の墓参りに行った。
思えば、葬式の途中でグンウォンの元に行き、そのまま刑に服することになったわけで、
父親の墓に詣でたことがなかったのだ。

不肖の息子だが、いい仲間に恵まれた。もう心配せず、安らかに眠ってほしい。
そして焼酎を注ぎ、墓前で乾杯する。
すると父の声が聞こえたような気がした。

「酒の味はどうだ?息子よ」

セロイは涙をこらえながらつぶやく。

「まだ……苦いよ」


(つづく)


ぐ……はッッ(喀血)

血、血を吐いたぜおれは。

鬼!あんたは鬼や!

血も涙もない長家の鬼や……。

ほんでもってお前の長家伝説自体、嘘八百やんけ。
長家の味、会長の味、とかなんとか言いくさってから
それパク部長のパクリやないかい。

「長家とは、俺だ」

ほなお前が死んだら長家そのまま終わっとけや!

チャン・デヒ!もう身震いするほどの悪!
グンウォンが可哀そうに感じちゃうほどの人非人。
にんぴにんですよ、にんぴにん。

このっ……ひとでなしッ!

だってそうでしょ?
4人兄弟の長男で、貧しい生活の中、弟たちは腐ったものを食べて死んだから
もう家族が飢えないように長家を作った、とか、
父親として息子を抱きしめたこともなかった、すまない、ぎゅっ、とか、

えっマジなん?会長、誤解しててごめんやで

とか思わせといてかーらーの、裏切り記者会見。

息子の顔面をバッシバッシしばきたおしてたあの顔が、
会長の本来の姿なんですね。

これでわかっただろう、スア。
お前の悪い子ぶりっこなんか目じゃねえんだ、
「人間の本性は悪!」の見本がこの男なんだ。

不思議なもので、チャン・デヒを宿敵と憎み続けているセロイだけが
会長の本質をよーく理解しているんですわ。
「息子を切り捨てるだろう」って。
「会長ならそうするだろう」って。

ゆうてもセロイは、「専務だけ犠牲にしてすんません」とシレっと言う男。
そしてグンスにも、「お前に配慮はできない」とはっきり言う男。
元刑事の娘ちゃんを泣かしても、「自首してください」って言える男……。

つくづくセロイは警官向きの性格なんだなーと思います。
おまわりさんってさ、優しくないとダメじゃん。
弱い人や困ってる人を助けようと思ってくれないとさ。

でも、優しいだけでもダメじゃん。
弱いからって法律守らない人を野放しにしたら秩序が守れないもん。
ここで葛藤したり悩み過ぎちゃうような人は向いてないんだよ。
セロイみたいに、それはそれ、これはこれ、って心から思える人でないとさ。

いやー、でも騙されたねー。
あのときさ、スアだけ残してキム秘書に「茶を出させろ」っていったじゃない。
会長は、スアが「グンウォンを切れ」っていうのを見越してたんだね。
そして、否定して怒る自分の姿を、いつも茶を出してくれる女性秘書に見せたかった。
彼女がミンジョン専務のスパイだって知ってたから……。

このおっさん、第1話からずーっと、大事な客のときは茶を出させてたからさ~。
「茶を出させろ」ってわざわざ言ってたけど、
また大事な話なんだね?って思うくらいでスルーしてたんだよ。
くそー、丁寧につくってあるなぁ、このドラマ。
いやいや、おもしろいからいいんだけど。
賢い視聴者さんは、この悪だくみ、気づいていましたでしょうか?
わたしはちっとも気づきませんでした。

スア、血は水より濃いってことわざ、会長には通用しないよ。
あの人、自分だけが大事なの。

まあもしかしたら、もしかしたら、あの「ぎゅ」にはちょっとだけ親心があったのかも
しれないけどさ、
記者会見の嘘と震え声と涙と土下座の演技を見たら、
吹っ飛ぶよね。

腹心の部下は、もうひとりの秘書キム室長(男性)なのだけど、
あの人だけはこの猿芝居、知っていたのかな?

知っていたような気もするし、知らなかったような気もする。
もし知らなかったとしても、まったく動じずにグンウォンを検察に送っていけるくらい、
会長に忠実な部下であり、会長のことをよく理解している人なんじゃないかな。

さて、クライマックスの記者会見。
夢にまで見たチャン・デヒの土下座のはずが、
セロイは直視することができず、トイレで嘔吐してしまいます。

これはねー、ドラマ内で直接言及はないんですけど、

息子にすべての罪をかぶせ保身をはかるという、
チャン・デヒのあまりの醜悪さに耐えられなかったのではないかな、と感じました。

息子を切ることは予想してたけど、土下座までするんかい、と。

自分は、自分の信念のために土下座ができず、父を失うことになった。
その原因を作ったあの男は、自分の権力を守るためなら平気で土下座をする男だった。

チャン・デヒの腹黒さ、罪深さ、グロテスクな欲望を目の当たりにして、
セロイは吐いちゃったんじゃないかなー。

セロイが本当に欲しい謝罪じゃないもんね。

でも、どんなにセロイががんばっても、あの人が心から悔やむことはないと思う。
息子が刑務所行ったって平気なんだよ。
見た?グンウォンが息せききって記者会見場に駆け付けたときの冷たい目。
グンウォンも必要ならひと暴れしたるッ!って勢いだったけど、
あの目を見てすべてを悟ったよね。
そして絶望したよね。

グンウォンに下された判決は、くしくもセロイが服役したと同じ年数、懲役7年でした。
たぶん交通刑務所のほうが治安はいいだろうから、
グンウォンは7年間で更生するチャンスがあるかもしれない。
もともと、おじさんを轢いた事は悪かったと思ってたわけだし、
何度も「人殺し」とののしられることに耐えきれなかったみたいだし。

セロイを恨むよりも、父親に見捨てられた絶望のほうが深くてそれどころじゃないでしょう。

チキン、食べれるようになるといいね。
韓国のチキン、うまいじゃん。
韓国人なのにあれ食べられないの、損失だよ。

ま、セロイがやめとこうと言ったのにチャレンジしたのは専務だし、
左遷はしゃーなし。
しかしこれで、とうとうチャン・デヒがセロイを敵と認定しましたので、
苛烈な攻撃がはじまることになるでしょう。
たぶん、グンスはタンバムを辞めちゃうだろうしな~。

う~ん、そうなると最終回はどういうところに行きつくのかな?
セロイの目標は、チャン・デヒを失脚させて長家を超えて、
自分が外食産業のトップに立って金持ちになってスアを開放することでしょ?

あと6回で行けるかなぁ。

グンスが長家の跡継ぎになって、内部から会長を追い落とすの?

グンスとセロイが対立する図は見たくないし、あり得ないよね。
イソがらみでなにかあるかもしれないけど、それこそイソ次第だもん。

個人的には、もうちょっと飲食店サクセスストーリー的なエピソードが見たいかな。
タンバム自体はまだまだだしね。
長家秘伝のタレの話が出たから、ちょっと料理の話題とかになるのかな。
「最強の居酒屋」まだ出演してないし。

ああでも本当にお父さんが気の毒。
グンウォンがすぐに通報してたら、助かっていたのかな……。

【追記】

どんだけ飲んでも顔色が変わらないセロイや専務の横で、
ぽわーと頬をピンクに染めたイ・ホジンがかわいかったです。
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