なんつーか、
一体何に惹かれて
私はこの映画を観てしまったのか。
もう2時間前の私をこづきまわして問い詰めたい。
《あらすじ》
幼児誘拐殺人の罪で、13年服役したクムジャさん。
刑務所内では、事故を装い横暴な囚人を死に至らしめ、
「親切なクムジャさん」と呼ばれるようになっていた。
しかし、クムジャさんはある事情から無実の罪を背負って服役していたのだ。
刑期を終えたクムジャさんの復讐劇が幕を開ける……。
映画前半の刑務所シーンから胸のムカつきを抑えることができず、
吐き気をもよおしながら視聴しました。
ええ、もちろんいい意味で。
いい意味の吐き気ってなんなんだ、てな感じですが、
このテイストは嫌いじゃないので。
この監督さんの復讐三部作の最終話ということで、
泥臭さ、生臭さは三部作の中でもぬるい方だ、という前評判。
これでぬるいなら、全編見るには覚悟がいりますね。
基本、おすすめはしません。
血だとか暴力とか、即物的なそういうことが苦手な方はもちろん、
幼年のお子様をお持ちの方や、負のオーラにすぐあてられちゃう方は
絶対にみてはダメです。
んー、映画でいうと
「パフューム~ある人殺しの物語~」とか
「サンタ サングレ 聖なる血」とか
私は好きなのですけど、この2本お好きな方は大丈夫と思います。
美しいケーキの映像でお茶を濁しますが、
以下ネタバレありで感想を少し。
クムジャさんがデコレーションしました。すごくステキ。
後半の展開には驚きを禁じえません。
こんなんありなのか?
復讐に逡巡する被害者遺族と美しいクムジャさん。
そうせざるを得ないようにある意味追いつめられる被害者遺族と
満足そうなクムジャさん。
ひとり、復讐に参加しながらも、
ビニールで衣服を保護することもなく、
淡々と復讐を遂げるおばあさまの持ってきた武器。
圧巻です。
監督ご自身が、映画のテーマや演出意図について
いろいろ語られているものがあるようですが、
私はできれば見たままの自分の印象で感想を書きますので、
「監督の意図はそうじゃない!」などのご指摘はご容赦ください。
コメンタリーもあまり好きじゃないので見てません。
クムジャさんの壮絶な美しさが、この映画を支配していると思います。
ほかの女優ではあり得なかったなーという気がします。
鈴木京香さんがリメイクしてくれるならいいな、と思ったりして。
映像美というほどの画面の美しさは無い、と思うのですが、
クムジャさんの美しさのせいで、映像美があふれているような
錯覚に陥りました。
確かに画面に汚れ感はないし、綺麗に綺麗に撮られてますが。
(このへんは見る人の感覚によっておおいに異論ありだと思います。許してね)
パク先生はただの快楽殺人者というカテゴリには当てはまらず、
身代金を要求して、まんまと受け取っているようですね。
それで捕まらない、というのはよっぽど賢いのではないでしょうか。
ちょっとそのあたりは疑問ですが、
捕まえられなかった元刑事さんの罪悪感は倍増でしょう。
クムジャさんが犯人じゃない、とわかっていたはずだし、
真犯人に接触のチャンスはあったはずなのですから。
彼のターゲットは6歳前後のこどものようですから、
乳児だったジェニーをさっさと養子に出したというのはうなずけます。
めんどくさかったんだね。
おそらく近所の人にも赤ちゃんの存在は知られてただろうし、
いなくなっちゃったらクムジャさんが刑務所でおとなしくしてないだろうし。
復讐後にみんなで食べるケーキ。中はムースっぽい。
最後、遺体を埋めるシーンでクムジャさんがみんなに
「下がってください」というでしょう?
あのとき、自分も自死して穴に落ちるのかと思いました。
いたしかたなかったとはいえ、彼を告発しなかった罪、
刑務所内で犯した罪、
なにより彼女のこどもだけは生きている、という事実がありますから。
自分はけして救われることはないと知りながら、
復讐を決行した彼女の行きつく先は死ではないかと思ったのです。
しかしどうも、クムジャさんには「けして赦されない」という悟りは
なかったみたいです。
すべてが終わった後、ウォンモ君に赦しを請おうとするクムジャさん。
しかしその言葉は、当のウォンモ君によって拒否されます。
クムジャさんは赦してもらおうと、復讐を果たしたのですが、
そうはいかなかったんですねー。
遺族が沈黙の中に天使になった愛児を見たようには、いかなかった。
クムジャさんは赦されなかった。
ウォンモ君の亡霊が、クムジャさんにだけ見える幻だったら、
「なんだかんだ言ってクムジャさんは、
深層心理では赦されないということはわかっていた」という
解釈もなりたつな、と思いましたが、
彼はジェニーにも見えてしまうので。
霊がいるかいないかは知りませんが、この映画でのウォンモ君は
意思を持った自立した霊だったわけですね。
そしてクムジャさんの謝罪なんか聞きたくない、と拒否ったという。
彼の本当に恨むべき人はパク先生なんですけど。
そこもハテナ?な感じなんだよねー。
娘に「オンマ」と呼ばせず、「クムジャシ」と呼ばせるクムジャさん。
自分には母親の資格は無い、と自覚しているのかな。
高校生の時に思わぬ妊娠をし、どうも両親は離婚しており、
母親ともうまくいっていない、複雑な家庭環境。
唯一助けてくれると思ったパク先生を頼ったのが不運でしたね。
若いケーキ職人を誘惑したのも、
今は亡きウォンモ君を投影して、そうした経験をさせてあげたかったからなのかな。
出所時の豆腐を模したケーキ?クムジャさんがむさぼり喰います。
終わるまでは、うぇぇぇと思いながら画面を凝視していましたが、
観終わった後、じわじわといろんなことを考えました。
一時的には救われた感のある遺族たちも、
今後死ぬまで何かを背負って生きていくことになるんでしょうかねー。
主演のイ・ヨンエさんの演技は素晴らしかったです。
「三回以上はあやまってほしい」と書いたジェニーが、
クムジャさんの謝罪を指折り数えていた様子に、
脈々と流れる血筋を見たような気がしてぞっとしました。
優しい養父母に守られて、すくすく成長してね。
いつもは2~3回観ちゃうんだけど、さすがに2度は観れませんでした。
パッケージがコミカルな作品みたいに見えるのはずるくない?
これと裏面のあらすじだけ見ただけじゃ、こんなグロイ内容だとは思えません。
この映画大好き!とは言えませんが、一生忘れません。
復讐三部作の残り2作品はたぶん、観られません……。
評価は高いけど。
一体何に惹かれて
私はこの映画を観てしまったのか。
もう2時間前の私をこづきまわして問い詰めたい。
《あらすじ》
幼児誘拐殺人の罪で、13年服役したクムジャさん。
刑務所内では、事故を装い横暴な囚人を死に至らしめ、
「親切なクムジャさん」と呼ばれるようになっていた。
しかし、クムジャさんはある事情から無実の罪を背負って服役していたのだ。
刑期を終えたクムジャさんの復讐劇が幕を開ける……。
映画前半の刑務所シーンから胸のムカつきを抑えることができず、
吐き気をもよおしながら視聴しました。
ええ、もちろんいい意味で。
いい意味の吐き気ってなんなんだ、てな感じですが、
このテイストは嫌いじゃないので。
この監督さんの復讐三部作の最終話ということで、
泥臭さ、生臭さは三部作の中でもぬるい方だ、という前評判。
これでぬるいなら、全編見るには覚悟がいりますね。
基本、おすすめはしません。
血だとか暴力とか、即物的なそういうことが苦手な方はもちろん、
幼年のお子様をお持ちの方や、負のオーラにすぐあてられちゃう方は
絶対にみてはダメです。
んー、映画でいうと
「パフューム~ある人殺しの物語~」とか
「サンタ サングレ 聖なる血」とか
私は好きなのですけど、この2本お好きな方は大丈夫と思います。
美しいケーキの映像でお茶を濁しますが、
以下ネタバレありで感想を少し。
クムジャさんがデコレーションしました。すごくステキ。
後半の展開には驚きを禁じえません。
こんなんありなのか?
復讐に逡巡する被害者遺族と美しいクムジャさん。
そうせざるを得ないようにある意味追いつめられる被害者遺族と
満足そうなクムジャさん。
ひとり、復讐に参加しながらも、
ビニールで衣服を保護することもなく、
淡々と復讐を遂げるおばあさまの持ってきた武器。
圧巻です。
監督ご自身が、映画のテーマや演出意図について
いろいろ語られているものがあるようですが、
私はできれば見たままの自分の印象で感想を書きますので、
「監督の意図はそうじゃない!」などのご指摘はご容赦ください。
コメンタリーもあまり好きじゃないので見てません。
クムジャさんの壮絶な美しさが、この映画を支配していると思います。
ほかの女優ではあり得なかったなーという気がします。
鈴木京香さんがリメイクしてくれるならいいな、と思ったりして。
映像美というほどの画面の美しさは無い、と思うのですが、
クムジャさんの美しさのせいで、映像美があふれているような
錯覚に陥りました。
確かに画面に汚れ感はないし、綺麗に綺麗に撮られてますが。
(このへんは見る人の感覚によっておおいに異論ありだと思います。許してね)
パク先生はただの快楽殺人者というカテゴリには当てはまらず、
身代金を要求して、まんまと受け取っているようですね。
それで捕まらない、というのはよっぽど賢いのではないでしょうか。
ちょっとそのあたりは疑問ですが、
捕まえられなかった元刑事さんの罪悪感は倍増でしょう。
クムジャさんが犯人じゃない、とわかっていたはずだし、
真犯人に接触のチャンスはあったはずなのですから。
彼のターゲットは6歳前後のこどものようですから、
乳児だったジェニーをさっさと養子に出したというのはうなずけます。
めんどくさかったんだね。
おそらく近所の人にも赤ちゃんの存在は知られてただろうし、
いなくなっちゃったらクムジャさんが刑務所でおとなしくしてないだろうし。
復讐後にみんなで食べるケーキ。中はムースっぽい。
最後、遺体を埋めるシーンでクムジャさんがみんなに
「下がってください」というでしょう?
あのとき、自分も自死して穴に落ちるのかと思いました。
いたしかたなかったとはいえ、彼を告発しなかった罪、
刑務所内で犯した罪、
なにより彼女のこどもだけは生きている、という事実がありますから。
自分はけして救われることはないと知りながら、
復讐を決行した彼女の行きつく先は死ではないかと思ったのです。
しかしどうも、クムジャさんには「けして赦されない」という悟りは
なかったみたいです。
すべてが終わった後、ウォンモ君に赦しを請おうとするクムジャさん。
しかしその言葉は、当のウォンモ君によって拒否されます。
クムジャさんは赦してもらおうと、復讐を果たしたのですが、
そうはいかなかったんですねー。
遺族が沈黙の中に天使になった愛児を見たようには、いかなかった。
クムジャさんは赦されなかった。
ウォンモ君の亡霊が、クムジャさんにだけ見える幻だったら、
「なんだかんだ言ってクムジャさんは、
深層心理では赦されないということはわかっていた」という
解釈もなりたつな、と思いましたが、
彼はジェニーにも見えてしまうので。
霊がいるかいないかは知りませんが、この映画でのウォンモ君は
意思を持った自立した霊だったわけですね。
そしてクムジャさんの謝罪なんか聞きたくない、と拒否ったという。
彼の本当に恨むべき人はパク先生なんですけど。
そこもハテナ?な感じなんだよねー。
娘に「オンマ」と呼ばせず、「クムジャシ」と呼ばせるクムジャさん。
自分には母親の資格は無い、と自覚しているのかな。
高校生の時に思わぬ妊娠をし、どうも両親は離婚しており、
母親ともうまくいっていない、複雑な家庭環境。
唯一助けてくれると思ったパク先生を頼ったのが不運でしたね。
若いケーキ職人を誘惑したのも、
今は亡きウォンモ君を投影して、そうした経験をさせてあげたかったからなのかな。
出所時の豆腐を模したケーキ?クムジャさんがむさぼり喰います。
終わるまでは、うぇぇぇと思いながら画面を凝視していましたが、
観終わった後、じわじわといろんなことを考えました。
一時的には救われた感のある遺族たちも、
今後死ぬまで何かを背負って生きていくことになるんでしょうかねー。
主演のイ・ヨンエさんの演技は素晴らしかったです。
「三回以上はあやまってほしい」と書いたジェニーが、
クムジャさんの謝罪を指折り数えていた様子に、
脈々と流れる血筋を見たような気がしてぞっとしました。
優しい養父母に守られて、すくすく成長してね。
いつもは2~3回観ちゃうんだけど、さすがに2度は観れませんでした。
パッケージがコミカルな作品みたいに見えるのはずるくない?
これと裏面のあらすじだけ見ただけじゃ、こんなグロイ内容だとは思えません。
この映画大好き!とは言えませんが、一生忘れません。
復讐三部作の残り2作品はたぶん、観られません……。
評価は高いけど。
でも5枚で1000円なので
借りてみました。←
思ったより、大丈夫でした。
大丈夫ってなんだよ(笑)
とにかく、イ・ヨンエさんが美しくて圧倒されました。
壮絶なまでの美しさが、クムジャさんの
絶望を象徴していたような
気がします。
復讐しても、虚しいことをクムジャさんは
わかっていたのかもしれません。
現に、ウォンモ君には拒否されちゃったし。
復讐しても虚しい、しなくても許せない。
だったらする方を選んだクムジャさん。
ラスト、ジェニーに縋り付いて泣いていたクムジャさんの胸には
どんな想いが溢れていたのでしょうか…
でもジェニーの足がしもやけになっちゃう!と見ててハラハラした私…www
大丈夫でしたか、よかったよかった。
ではほとんどの韓国映画大丈夫ですね、きっと。
これ観て書いた当時は自分なんにもわかってなかったな~と思います。
今読むと赤面する部分もあるんだけど、あえて感想は書き直してません。
衝撃だったもんね。
軽々しく他人にはおすすめできないっていうのは変わりませんが、
やっぱり好きだし、観てよかったし、また観たい作品です。
パク・チャヌク監督すごい。
そしてヨンエさん、ものすごく美しい。
「壮絶」ってほんとそうですね。
しもやけ!ははは、なっちゃいそうですね~。