王様役のハン・ソッキュ……スゴすぎる演技に脱帽です。
あの、神のクイズ主演のリュ・ドックァンも、
こういう役者になってほしいと密かに願っているんだよね。
ちょっと顔の印象が似ていて、いいなぁと思うんです、わたし。
《あらすじ》
チェユンは、ソイと広平大君を助けた。
そして強引に彼女を連れて去ろうとする。
「どこに行くの?」
チェユンの態度に戸惑うソイ。
大君はチェユンに刀を突きつけて、彼をとめた。
「一緒に来なくてもいい。今やっている仕事から手を引け」
チェユンは、ソイのことを心配しているのだ。
いつだって、彼女が危険な目にあっている。
王様は、命令を下すだけ。
ソイの才能も、心も、命も、王に利用されているだけじゃないか!
大君は、王がこの事業に命を懸けている、と主張するが、チェユンは信じない。
タムや父のような人間を犠牲にできても、
自分の息子の命を犠牲にできるわけがない。
しかし大君も、一歩も引かない。
父は、わたしと文字のどちらかを選べと言われたら、もちろん文字を取るだろう。
自分の命より、民の命を大事に思うからこそ、文字創製を目指されたのだ。
お前のようなものにはけして理解できない。それが王の座だ。
ふたりは、賭をすることにした。
もし、王が文字を取れば、チェユンは再び王宮に戻り、王のために尽くそう。
もし、王が大君を取ることになれば、家族を失う悲しみを味わってもらう……。
そのころ、カリオンら密本組織は窮地に立たされていた。
大君確保を確信し、檄文を貼ったはいいが、肝心の大君がいない。
いったいどうなっているのだ。
王の元には、大君の命と引き替えに文字創製の撤回を求める檄文が届いていた。
ムヒュルは捜索隊を組織して大君の捜索に全力を尽くす。
カリオンらは、カン・チェユンが大君とソイを連れ去ったことに気がついた。
そして情報の断片から、チェユンが王を暗殺するために都にきたのだと推察。
人質を返さないのは、復讐のためだと判断し、チェユンの捜索を命じた。
チェユンは町で檄文を読み、状況を把握した。
密本は、俺が大君を拉致したことを知っている……。
大君は、怪我を負っていた。
高熱が出て危険な状況だが、カン・チェユンを連れ戻すためには賭に勝つしかない。
自分の命をかえりみない彼の決意もまた、文字創製の大義のためである。
「父上が、文字創製に必要な人間だというのだから、必ずカン・チェユンを連れ戻さねば」
しかし、ソイは言う。
「文字のために、カン・チェユンが必要なのではありません。
王様も、カン・チェユンも心の病なのです。
王様には、カン・チェユンだけが、カン・チェユンには王様だけが、
お互いの病をなおせるのです」
そこへ、チェユンが檄文を持って帰ってきた。
宮廷では、危険な密本が、大君を人質に取ったと考えているだろう。
「はたして王様はどう出ますかね?」
「王様は、けして文字を諦めない!」
「言い切れますか?」
からかうようなチェユンの物言いに、大君は笑った。
「世は父上を聖君と呼ぶ。
しかし皆は忘れている。
父上は、イ・バンウォンの息子だ」
「息子より文字を取る、ですか。あり得るかもしれませんが、
ご自分の命がかかっているというのに、よく笑顔で言えますね」
「イ・バンウォンはわたしの祖父でもある」
大君は胸をたたいて、にやりと笑った。
しかしチェユンは、感銘を受けた様子もなく、彼の言葉をせせら笑っている。
大義のためには命も捨てる。お偉方の争いはたいしたものだ。
だけどね、お偉方が文字を教えようとしている民の関心は、
大君様がさらわれたということだけ。
民にとっては文字なんてどうでもいいことなんですよ。
「王が正したいのはそこだ!
お偉方の争いが、自分たちの生活に深く関係していることを理解してほしいのだ!」
大君は熱くチェユンに訴える。
字を覚えたらそれがわかるというんですか?
それ以前に、文字を公布したら民が使うと?
両班は勉強が仕事なんだから覚えるでしょう。
わたしも1000字ほど覚えましたよ。それがどれほどたいへんだったか。
頭が悪いから?ちがいますね。時間がないんですよ。
生きるために夜明け前から働いているってのに、いつ字を覚えろと?
「まだ始めてもいないのに!覚えられる!」
へぇ?1000字覚えるのもたいへんなのに?
王様が作った文字はいったい何字ですか。
5000字?3000字?1000字ですか?
「28字だ」
1028字ですか?
「いや、28字だけだ」
その数のあまりの少なさに、チェユンは衝撃を受ける。
ソイを見やれば、彼女もまた力強くうなずいている。
にわかには信じられない。
文字はすべてを表せなければならないのに、1万や2万の言葉を表現できるわけがない。
「1万2万どころか、10万20万の言葉も表せる!」
ソイは、下着を破り、28字の言語体系をサラサラと書き付けた。
「この28字の組み合わせで、兄さんが得意な悪態も、方言も、すべての音が書けるの」
「お前は身分は卑しいが、聡明だときいている。きっと1日で覚えられる」
「わたしはそうは思いません。兄さんなら、半日もかかりません」
チェユンは半信半疑で、不思議な記号とふたりを見つめた。
その頃王は、自首してきていたユン・ピョンに会っていた。
「ここでわたしを殺せ」
何も言うつもりのないユン・ピョンを前に、王は言う。
「もし、広平大君とソイの身になにかあれば、
義禁府、羽林衛、内禁衛、別侍衛、兼司僕の全勢力を総動員して
貴様らを討伐し、市場通りにて民たちが見ている前で車裂刑に処してやる。
そして更に、遺体を裂いて、国本をただすために貴様らの一族を抹殺して、
徹底的に戒めてやる!」
その激しい口調と恐ろしいまでの気迫に、ユン・ピョンは表情を変えず、ただ震える。
すると、王の態度は一変した。
「いや、違う。余が悪かった……。頼むから大君を返してくれ……」
ユン・ピョンの口元が、軽蔑に歪んだ。
「余が、余がすべてを諦めるから……」
王はユン・ピョンの前ですすり泣いて見せた。
「……などと言うと思ったか?よく聞け」
ユン・ピョンの喉が上下する。
「お前たちなど、どうでもよい。
また、お前たちの望みも余には関係ない。
断言できるのは、何があろうとお前たちは望むものを一切得られない。
余がそうしむける。だから取引はしない。
また、殺し合いもしない。ただ、思い知らせてやる。
お前たちがどう失敗するか、覚えておけ」
チェユンは、地面に文字を書いている。
(これは本当に可能なのか?皆が字を読み書きできる世が実現するのか?)
タムが傍らにやってきて、チェユンの書いた文字を読んだ。
「俺はタムに会えた。父さんに、会いたい」
「あってるか?これであってるか?ほんとに?」
タムは優しくうなずいた。
「兄さんは半日で覚えたのよ」
「おれたちの言葉……俺たちが話す言葉を全部書けるのか?本当に全部?」
勢い込んで話すチェユン。
「もう書いてる」
小屋の中で、物音がした。
大君が血を流して、とうとう倒れたのだ。
「いつからだ?どうして黙ってた?」
「どうだ、すぐれた文字だろう?お前ならあの文字を、諦められるか?」
大君は苦しい息の下でチェユンに言った。
「どうする?医院はしまってるわ」
「傷口を押さえてろ!」
チェユンはそう言って小屋を出て行った。
カリオンは、あせっていた。
まだ大君のゆくえがわからない。
ユン・ピョン不在で起きた失態が痛い。
彼の脱獄の手はずを指示し、カリオンは自分の家へ戻った。
と、そこへ現れたのはカン・チェユン。
チェユンは医療の技術を持つカリオンに助けを求めたのだ。
(自らやってくるとは……)
カリオンは手術道具を用意すると、チェユンについていった。
その頃ユン・ピョンは、差し入れられた鍵を使って脱獄に成功していた。
ちょうどよくつながれていた馬に飛び乗り、疾走する。
しかし、これはムヒュルら内禁衛の罠だった。
馬につけられた砂袋から漏れる白土跡が、彼らのアジトに案内してくれるだろう。
シム・ジョンスと右議政は、直後、この罠に気付くが、後の祭りである。
ムヒュルは密本のアジトにたどり着いたが、様子がおかしい。
大君はここにはいないようだ。
ソガン山?宮殿に使者を飛ばし、すぐに後を追う。
夜が明ければ、キョンヨンが待っている。
王の進退がそこで問われる。時間がない。
夜が明けた。
カリオンの指示で、小屋は密本の刺客に包囲された。
ユン・ピョンが戻り、襲撃に合流する。
しかし、中には誰もいない。
チェユンが見張りの存在に気付き、いちはやく小屋を脱出したのだ。
密本の動きを追ってきたムヒュルら、内禁衛も、その様子を眺めていた。
が、ユン・ピョンによってその存在を看破される。
戦いがはじまった。
チェユンは、怪我を負った大君を背負って山を下っていた。
襲いかかる密本の刺客を始末しながらの逃亡は至難の業だ。
「足手まといのわたしを置いて、ソイを連れて逃げろ」
大君はそう言うのだが、チェユンはもちろんうんと言わない。
「大君様の気概は買いますが、今はわたしの人質だ。必ず守る」
ムヒュルとユン・ピョンの一騎打ちは、ムヒュルに軍配があがる。
「大君様はどこだ?」
しかしユン・ピョンは不敵に笑った。
もうひとりの刺客、ケパイが背後からムヒュルに襲いかかる。
ムヒュルの剣がはじき飛ばされた。
内禁衛の部下は、たったひとりの刺客に、ことごとく倒されていた。
強い……。
しかしケパイもまた傷を負い、ムヒュルの強さに感嘆していた。
大君のゆくえがわからないまま、王はキョンヨンの時間を迎えた。
「文字の件は何も知らぬ、逆賊の檄文に惑わされるな、と
取りあえずお答えください。時間を稼ぎましょう」
進言するチョ・インジを退け、王はひとり慶成殿に残り、そして、泣いた。
集賢殿では、学士と大臣が議論を交わしていた。
大君の命をどうする?密本の要求を呑むのか?
ジョンスやシンジョクら、密本側の人間からは、過激な意見も飛び出した。
そこへ、王がにこやかに微笑みながら入ってくる。
「何を楽しそうに話しているのだ?
ああ、この檄文の話か。余からも面白い話があるが、聞きたいかな?
これにはいろいろ書いてあるが、要するにこういうことだ。
文字を創製したなら、諦めよ。さもなくば大君をどうこうする、と。
回答期限は今日だ。
では答えよう。
余の答えはこうだ。
笑わせるな、くそったれ。
これだ!」
王は大声で笑った。
居並ぶ人々は、その意外な言葉に一様に驚いている。
「密本のやつらは、大君をさらって脅せば、余が、言うとおりにします、
そう言うと思ったようだ。
はっはっは!恐れ多くも朝鮮と朝廷をここまで見下しているとは。はっはっはっは!
広平は、自分の命のために父が大義を捨てることを決して望まぬ自慢の息子だ。
それからあとは文字か。
余が内密に文字を作っている?作っているとも!
ほぼ完成している。余が言語と音を体系化させ、朝鮮の言葉を作った」
「王様!朝鮮の言葉をつくることなど、けしてゆるされません!」
マルリが大きな声をあげた。
「その件については、今後キョンヨンで話合おう。覚悟せよ」
王はそう言って、席を立った。
そして思い出したかのように、皆に告げる。
「ああ、密本だが。もしこの中に密本がいるなら、しかと伝えよ。
結局、暴力か」
王は、かつてチョン・ギジュンが自分を見下して言った言葉を思い出していた。
息子を見捨て、涙ひとつ流さず生きて行く父をゆるせ、とイ・ドは心で思った。
そして慶成殿に帰って、自分の目を疑う。
そこには、無事に立っている広平大君と、ソイ、そしてカン・チェユンがいた。
息子の無事を知り、ほっとするあまり、思わず膝から力が抜けた。
「広平……ソイ……」
「王の心を賭の対象にしただと?」
事情を聞いて王は唸った。
「して、何をかけた?」
「わたしが勝ったら、カン・チェユンは父上の元に戻ると」
「そうか」
「仰せの通りにいたします。しかし、条件があります」
「おい、それは約束が違うぞ」
大君は言ったが、チェユンは意に介さず、王の前にひざまずいた。
うやうやしく差し出した手には、一枚の紙片。
そこには、たどたどしい筆で書かれた文字があった。
「兼司僕カン・チェユンが、我々の字を覚えました」
「そうか……」
王は、驚きと喜びを同時に味わっているようだ。
「して、条件とはなんだ?ソクサムとはどういう意味だ?」
「ソクサムとは、父の名です。
どうか王様、その名前を……忘れないでください」
チェユンの思いは、王に届いた。
「ああ、わかった。けっして忘れぬと、約束する」
(つづく)
ふはー(ため息)
すごいよね-、王様。
本気ですごいわ。
この、唇に触れる仕草がすごくいい。薬指あたりってとこがまたいい。
「皆は忘れているが、父上はイ・バンウォンの息子だ」って、
正直わたしも忘れかけてたわー。
あの夜、こわいオヤジと堂々わたりあったイ・ド。
そうそう、あの時だってただのヘタレ王子じゃなかったもんね。
確実にお父さんの血を引いているのだわ。
前の時、ソイの挑発的な言動に興奮する、って言ってたでしょう?
ああいうところも血なんですよねぇ。
密本との戦いも、けっして譲歩しない。
敵だとすら認識してないよ、という態度を崩さない。
やっぱ王様だよ。すごいよ。
時間稼ぎなんてしない。
テロには屈しない。
たとえ最愛の息子を殺されても。
そのくらい、王の大義は重く、意味のあることなのです。
ユン・ピョンとの会見は、ぞくぞくしました。
見ているわたしも本気で騙されたー!
車裂刑にしてさらしものにしてやる!ってあたりは十分本音だったと思うけどね。
端正な顔立ちのユン・ピョンが、ふるふると震える様子がまた良くて。
カン・チェユンに、学士変死事件の解明を求めた時の王の姿を思い出しました。
あの時も、チェユンはその迫力に押されていたね。
王という立場の重さ、彼の力を見せつけられた。
イ・バンウォンとは違い、一見ソフトな印象のイ・ドなんだけど、
彼に流れている血は、まさしく王の血統であり、イ・バンウォンの血なのだわ。
ユン・ピョンの白い喉がひくひくと上下するカットがたまらないわ。
この無表情を貫く精神力もすごい。そしてそれでもにじみ出る感情表現がすごい。
気になっていたチェユンの動機、これもはっきりしましたね。
彼の変節を決定づけたのは、文字の素晴らしさ。
たった28字で世界を表す記号の完璧さでした。
これなら、本当に民衆のためになる。
お偉方の自己満足なんかじゃなくて、自分たちの力になる。
そう信じることができたから、チェユンは王のために働くことにしたんだね。
王の大義が、タムの大義になり、トルボクの大義になったんだね。
うう、感涙。
チェユンはやっぱりタムを置いてはいけなくて、
えいやっと担いででも連れて行こうとする。
危ない目にあわせたくないから。
ぐだぐだ言わずに実力行使なところが、かっこいい。
背負われたい。
手紙にはああ書いたけど、本当は話なんかなくて、
ただトルボクにそばにいて欲しいんだ、行ってほしくないんだ、っていうタムが、
なんかすごくかわいいです。
こんなこと言われたら、ほだされちゃうなぁ!
兄さんだって、わたしから離れられないはずだ、ってタムはいうんですけど、
お~、すごい自信だ。
き、きいてて恥ずかしい。
でも、それは別にうぬぼれとか自信なんかじゃなくて、
わたしたちはそうなんだ、という事実がそこにある、ってだけなんだね。
「これまでお前なしで生きてきたんだから、これからだって生きていける」
とチェユンは強がるんですが、
「じゃあなぜここに来たの?」とタムに言われて、口ごもってしまうんです。
あー、かわいい。
この人たちの愛情関係については、タムの方がなんかお姉さんなんだよなー。
素直さは力ですね。
互いに生きているとわかったんだから、ふたりは離れては生きられない。
ふー、なんか安心しました。
王様を支えるのは大義のためです。
その大義は死んだおじさんや父さん、兄さんのためでもあるのです。
兄さんにそばにいて欲しいのは、ただそばにいて欲しいから。
わたしたちは、離れては生きられないから。
あーよかった。
チェユンもわかったでしょ、彼女の愛情が。
ホントか?って子どもみたいに不安そうな顔。ピュアなやつ……。
今回は今までちょっと陰の薄かった広平大君が素晴らしくて、
見せ場でしたわね。
最初の頃、なんか悪い子なのかしらって疑っちゃってごめんね。
こんなにがんばれる子だなんて知らなかったわ。
次期王様ですもんね、強い子ですわね。
結果的に、王様が説得できなかったチェユンを連れ帰ったわけですから、
その功績は大きいですよ。
彼もまた、次代の良き王になってゆくのかしら。
ドラマ終わったら史実をしらべてみよっと。
密本の方もぐっちゃぐちゃで、
密本、内禁衛、カン・チェユン、と、それぞれの思惑が交錯して
スリリングな展開でした。
面白いねぇ、こういうの。
ユン・ピョンが逃げるとき、
こんなところに都合良く馬?ありえなーい!と思ったけど、
それもそのはず、罠だったんだもんねぇ。
ドラマによくあるご都合主義的展開と見せかけて、内禁衛の罠。
いやー、面白い。
携帯電話なんてもちろんない時代で、
いろんなタイムラグとか行き違いがあるじゃないですか。
そういうのが面白いよね。
もちろん、携帯電話が出来た時代には出来た時代なりの行き違いや
勘違いがあり、シナリオが作られていくわけですが……。
余談ですけれど、「シャーロック」ってドラマご存じ?
最近のヒットですごく面白いのですけれど、
こちらもコナン・ドイルの原作を現代に移して、
ハイテク機器を駆使するホームズの姿が描かれています。
でも筋立ては原作通りなの。
面白い話は、小道具が変わっても面白いのね。
(脚本家の腕次第だけど)
閑話休題です。
もちろん、カリオンが偶然通りがかってチョタクの話をきいちゃう、なんて
合の良い展開もあるわけですが、
コクセおじさんやトダム行首の話などから、チェユンの目的が王の暗殺だとばれちゃう。
(すでにその目的は消滅してるけど)
カリオン楽しそう。
チェユンの存在は、やはりカリオンにとっても重要ですね。
あなたがいなきゃ困るのよ、やっぱり。
これは、密本の本元としての顔。別人だよ、まったく。
そのカリオン。いやさチョン・ギジュン。
かつてイ・ドの暴力を軽蔑した彼が、卑怯な暴力を用いる。
その矛盾。
その変節。
カリオン自身は意識しているでしょうか?
長年の潜伏生活が、彼の思想をゆがめてしまったのでしょうか?
あなたはなんのために、密本を再結成するの?
なんのために、文字創製を阻止しようとするの?
愚かだ、と笑いとばした王の計画を放っておけない理由は?
すべては士大夫の力を強くして、宰相制を築くためなんでしょうけれど、
それは本当に民衆のためになることなんでしょうね?
カリオンがチョン・ギジュンだと知っているのは、
視聴者と密本側の人々だけ。
解剖も終わった今、王様がカリオンに何かを頼むことはないでしょう。
でもチェユンとかソイはね~。
同じ白丁だという結束感もあるしね~。
まだまだ彼にとっては有利な立ち位置ですよね。
あの、ソイが書いてた布もユン・ピョンに持って行かれちゃったし。
あれはヤバいんじゃないかな?
あの、神のクイズ主演のリュ・ドックァンも、
こういう役者になってほしいと密かに願っているんだよね。
ちょっと顔の印象が似ていて、いいなぁと思うんです、わたし。
《あらすじ》
チェユンは、ソイと広平大君を助けた。
そして強引に彼女を連れて去ろうとする。
「どこに行くの?」
チェユンの態度に戸惑うソイ。
大君はチェユンに刀を突きつけて、彼をとめた。
「一緒に来なくてもいい。今やっている仕事から手を引け」
チェユンは、ソイのことを心配しているのだ。
いつだって、彼女が危険な目にあっている。
王様は、命令を下すだけ。
ソイの才能も、心も、命も、王に利用されているだけじゃないか!
大君は、王がこの事業に命を懸けている、と主張するが、チェユンは信じない。
タムや父のような人間を犠牲にできても、
自分の息子の命を犠牲にできるわけがない。
しかし大君も、一歩も引かない。
父は、わたしと文字のどちらかを選べと言われたら、もちろん文字を取るだろう。
自分の命より、民の命を大事に思うからこそ、文字創製を目指されたのだ。
お前のようなものにはけして理解できない。それが王の座だ。
ふたりは、賭をすることにした。
もし、王が文字を取れば、チェユンは再び王宮に戻り、王のために尽くそう。
もし、王が大君を取ることになれば、家族を失う悲しみを味わってもらう……。
そのころ、カリオンら密本組織は窮地に立たされていた。
大君確保を確信し、檄文を貼ったはいいが、肝心の大君がいない。
いったいどうなっているのだ。
王の元には、大君の命と引き替えに文字創製の撤回を求める檄文が届いていた。
ムヒュルは捜索隊を組織して大君の捜索に全力を尽くす。
カリオンらは、カン・チェユンが大君とソイを連れ去ったことに気がついた。
そして情報の断片から、チェユンが王を暗殺するために都にきたのだと推察。
人質を返さないのは、復讐のためだと判断し、チェユンの捜索を命じた。
チェユンは町で檄文を読み、状況を把握した。
密本は、俺が大君を拉致したことを知っている……。
大君は、怪我を負っていた。
高熱が出て危険な状況だが、カン・チェユンを連れ戻すためには賭に勝つしかない。
自分の命をかえりみない彼の決意もまた、文字創製の大義のためである。
「父上が、文字創製に必要な人間だというのだから、必ずカン・チェユンを連れ戻さねば」
しかし、ソイは言う。
「文字のために、カン・チェユンが必要なのではありません。
王様も、カン・チェユンも心の病なのです。
王様には、カン・チェユンだけが、カン・チェユンには王様だけが、
お互いの病をなおせるのです」
そこへ、チェユンが檄文を持って帰ってきた。
宮廷では、危険な密本が、大君を人質に取ったと考えているだろう。
「はたして王様はどう出ますかね?」
「王様は、けして文字を諦めない!」
「言い切れますか?」
からかうようなチェユンの物言いに、大君は笑った。
「世は父上を聖君と呼ぶ。
しかし皆は忘れている。
父上は、イ・バンウォンの息子だ」
「息子より文字を取る、ですか。あり得るかもしれませんが、
ご自分の命がかかっているというのに、よく笑顔で言えますね」
「イ・バンウォンはわたしの祖父でもある」
大君は胸をたたいて、にやりと笑った。
しかしチェユンは、感銘を受けた様子もなく、彼の言葉をせせら笑っている。
大義のためには命も捨てる。お偉方の争いはたいしたものだ。
だけどね、お偉方が文字を教えようとしている民の関心は、
大君様がさらわれたということだけ。
民にとっては文字なんてどうでもいいことなんですよ。
「王が正したいのはそこだ!
お偉方の争いが、自分たちの生活に深く関係していることを理解してほしいのだ!」
大君は熱くチェユンに訴える。
字を覚えたらそれがわかるというんですか?
それ以前に、文字を公布したら民が使うと?
両班は勉強が仕事なんだから覚えるでしょう。
わたしも1000字ほど覚えましたよ。それがどれほどたいへんだったか。
頭が悪いから?ちがいますね。時間がないんですよ。
生きるために夜明け前から働いているってのに、いつ字を覚えろと?
「まだ始めてもいないのに!覚えられる!」
へぇ?1000字覚えるのもたいへんなのに?
王様が作った文字はいったい何字ですか。
5000字?3000字?1000字ですか?
「28字だ」
1028字ですか?
「いや、28字だけだ」
その数のあまりの少なさに、チェユンは衝撃を受ける。
ソイを見やれば、彼女もまた力強くうなずいている。
にわかには信じられない。
文字はすべてを表せなければならないのに、1万や2万の言葉を表現できるわけがない。
「1万2万どころか、10万20万の言葉も表せる!」
ソイは、下着を破り、28字の言語体系をサラサラと書き付けた。
「この28字の組み合わせで、兄さんが得意な悪態も、方言も、すべての音が書けるの」
「お前は身分は卑しいが、聡明だときいている。きっと1日で覚えられる」
「わたしはそうは思いません。兄さんなら、半日もかかりません」
チェユンは半信半疑で、不思議な記号とふたりを見つめた。
その頃王は、自首してきていたユン・ピョンに会っていた。
「ここでわたしを殺せ」
何も言うつもりのないユン・ピョンを前に、王は言う。
「もし、広平大君とソイの身になにかあれば、
義禁府、羽林衛、内禁衛、別侍衛、兼司僕の全勢力を総動員して
貴様らを討伐し、市場通りにて民たちが見ている前で車裂刑に処してやる。
そして更に、遺体を裂いて、国本をただすために貴様らの一族を抹殺して、
徹底的に戒めてやる!」
その激しい口調と恐ろしいまでの気迫に、ユン・ピョンは表情を変えず、ただ震える。
すると、王の態度は一変した。
「いや、違う。余が悪かった……。頼むから大君を返してくれ……」
ユン・ピョンの口元が、軽蔑に歪んだ。
「余が、余がすべてを諦めるから……」
王はユン・ピョンの前ですすり泣いて見せた。
「……などと言うと思ったか?よく聞け」
ユン・ピョンの喉が上下する。
「お前たちなど、どうでもよい。
また、お前たちの望みも余には関係ない。
断言できるのは、何があろうとお前たちは望むものを一切得られない。
余がそうしむける。だから取引はしない。
また、殺し合いもしない。ただ、思い知らせてやる。
お前たちがどう失敗するか、覚えておけ」
チェユンは、地面に文字を書いている。
(これは本当に可能なのか?皆が字を読み書きできる世が実現するのか?)
タムが傍らにやってきて、チェユンの書いた文字を読んだ。
「俺はタムに会えた。父さんに、会いたい」
「あってるか?これであってるか?ほんとに?」
タムは優しくうなずいた。
「兄さんは半日で覚えたのよ」
「おれたちの言葉……俺たちが話す言葉を全部書けるのか?本当に全部?」
勢い込んで話すチェユン。
「もう書いてる」
小屋の中で、物音がした。
大君が血を流して、とうとう倒れたのだ。
「いつからだ?どうして黙ってた?」
「どうだ、すぐれた文字だろう?お前ならあの文字を、諦められるか?」
大君は苦しい息の下でチェユンに言った。
「どうする?医院はしまってるわ」
「傷口を押さえてろ!」
チェユンはそう言って小屋を出て行った。
カリオンは、あせっていた。
まだ大君のゆくえがわからない。
ユン・ピョン不在で起きた失態が痛い。
彼の脱獄の手はずを指示し、カリオンは自分の家へ戻った。
と、そこへ現れたのはカン・チェユン。
チェユンは医療の技術を持つカリオンに助けを求めたのだ。
(自らやってくるとは……)
カリオンは手術道具を用意すると、チェユンについていった。
その頃ユン・ピョンは、差し入れられた鍵を使って脱獄に成功していた。
ちょうどよくつながれていた馬に飛び乗り、疾走する。
しかし、これはムヒュルら内禁衛の罠だった。
馬につけられた砂袋から漏れる白土跡が、彼らのアジトに案内してくれるだろう。
シム・ジョンスと右議政は、直後、この罠に気付くが、後の祭りである。
ムヒュルは密本のアジトにたどり着いたが、様子がおかしい。
大君はここにはいないようだ。
ソガン山?宮殿に使者を飛ばし、すぐに後を追う。
夜が明ければ、キョンヨンが待っている。
王の進退がそこで問われる。時間がない。
夜が明けた。
カリオンの指示で、小屋は密本の刺客に包囲された。
ユン・ピョンが戻り、襲撃に合流する。
しかし、中には誰もいない。
チェユンが見張りの存在に気付き、いちはやく小屋を脱出したのだ。
密本の動きを追ってきたムヒュルら、内禁衛も、その様子を眺めていた。
が、ユン・ピョンによってその存在を看破される。
戦いがはじまった。
チェユンは、怪我を負った大君を背負って山を下っていた。
襲いかかる密本の刺客を始末しながらの逃亡は至難の業だ。
「足手まといのわたしを置いて、ソイを連れて逃げろ」
大君はそう言うのだが、チェユンはもちろんうんと言わない。
「大君様の気概は買いますが、今はわたしの人質だ。必ず守る」
ムヒュルとユン・ピョンの一騎打ちは、ムヒュルに軍配があがる。
「大君様はどこだ?」
しかしユン・ピョンは不敵に笑った。
もうひとりの刺客、ケパイが背後からムヒュルに襲いかかる。
ムヒュルの剣がはじき飛ばされた。
内禁衛の部下は、たったひとりの刺客に、ことごとく倒されていた。
強い……。
しかしケパイもまた傷を負い、ムヒュルの強さに感嘆していた。
大君のゆくえがわからないまま、王はキョンヨンの時間を迎えた。
「文字の件は何も知らぬ、逆賊の檄文に惑わされるな、と
取りあえずお答えください。時間を稼ぎましょう」
進言するチョ・インジを退け、王はひとり慶成殿に残り、そして、泣いた。
集賢殿では、学士と大臣が議論を交わしていた。
大君の命をどうする?密本の要求を呑むのか?
ジョンスやシンジョクら、密本側の人間からは、過激な意見も飛び出した。
そこへ、王がにこやかに微笑みながら入ってくる。
「何を楽しそうに話しているのだ?
ああ、この檄文の話か。余からも面白い話があるが、聞きたいかな?
これにはいろいろ書いてあるが、要するにこういうことだ。
文字を創製したなら、諦めよ。さもなくば大君をどうこうする、と。
回答期限は今日だ。
では答えよう。
余の答えはこうだ。
笑わせるな、くそったれ。
これだ!」
王は大声で笑った。
居並ぶ人々は、その意外な言葉に一様に驚いている。
「密本のやつらは、大君をさらって脅せば、余が、言うとおりにします、
そう言うと思ったようだ。
はっはっは!恐れ多くも朝鮮と朝廷をここまで見下しているとは。はっはっはっは!
広平は、自分の命のために父が大義を捨てることを決して望まぬ自慢の息子だ。
それからあとは文字か。
余が内密に文字を作っている?作っているとも!
ほぼ完成している。余が言語と音を体系化させ、朝鮮の言葉を作った」
「王様!朝鮮の言葉をつくることなど、けしてゆるされません!」
マルリが大きな声をあげた。
「その件については、今後キョンヨンで話合おう。覚悟せよ」
王はそう言って、席を立った。
そして思い出したかのように、皆に告げる。
「ああ、密本だが。もしこの中に密本がいるなら、しかと伝えよ。
結局、暴力か」
王は、かつてチョン・ギジュンが自分を見下して言った言葉を思い出していた。
息子を見捨て、涙ひとつ流さず生きて行く父をゆるせ、とイ・ドは心で思った。
そして慶成殿に帰って、自分の目を疑う。
そこには、無事に立っている広平大君と、ソイ、そしてカン・チェユンがいた。
息子の無事を知り、ほっとするあまり、思わず膝から力が抜けた。
「広平……ソイ……」
「王の心を賭の対象にしただと?」
事情を聞いて王は唸った。
「して、何をかけた?」
「わたしが勝ったら、カン・チェユンは父上の元に戻ると」
「そうか」
「仰せの通りにいたします。しかし、条件があります」
「おい、それは約束が違うぞ」
大君は言ったが、チェユンは意に介さず、王の前にひざまずいた。
うやうやしく差し出した手には、一枚の紙片。
そこには、たどたどしい筆で書かれた文字があった。
「兼司僕カン・チェユンが、我々の字を覚えました」
「そうか……」
王は、驚きと喜びを同時に味わっているようだ。
「して、条件とはなんだ?ソクサムとはどういう意味だ?」
「ソクサムとは、父の名です。
どうか王様、その名前を……忘れないでください」
チェユンの思いは、王に届いた。
「ああ、わかった。けっして忘れぬと、約束する」
(つづく)
ふはー(ため息)
すごいよね-、王様。
本気ですごいわ。
この、唇に触れる仕草がすごくいい。薬指あたりってとこがまたいい。
「皆は忘れているが、父上はイ・バンウォンの息子だ」って、
正直わたしも忘れかけてたわー。
あの夜、こわいオヤジと堂々わたりあったイ・ド。
そうそう、あの時だってただのヘタレ王子じゃなかったもんね。
確実にお父さんの血を引いているのだわ。
前の時、ソイの挑発的な言動に興奮する、って言ってたでしょう?
ああいうところも血なんですよねぇ。
密本との戦いも、けっして譲歩しない。
敵だとすら認識してないよ、という態度を崩さない。
やっぱ王様だよ。すごいよ。
時間稼ぎなんてしない。
テロには屈しない。
たとえ最愛の息子を殺されても。
そのくらい、王の大義は重く、意味のあることなのです。
ユン・ピョンとの会見は、ぞくぞくしました。
見ているわたしも本気で騙されたー!
車裂刑にしてさらしものにしてやる!ってあたりは十分本音だったと思うけどね。
端正な顔立ちのユン・ピョンが、ふるふると震える様子がまた良くて。
カン・チェユンに、学士変死事件の解明を求めた時の王の姿を思い出しました。
あの時も、チェユンはその迫力に押されていたね。
王という立場の重さ、彼の力を見せつけられた。
イ・バンウォンとは違い、一見ソフトな印象のイ・ドなんだけど、
彼に流れている血は、まさしく王の血統であり、イ・バンウォンの血なのだわ。
ユン・ピョンの白い喉がひくひくと上下するカットがたまらないわ。
この無表情を貫く精神力もすごい。そしてそれでもにじみ出る感情表現がすごい。
気になっていたチェユンの動機、これもはっきりしましたね。
彼の変節を決定づけたのは、文字の素晴らしさ。
たった28字で世界を表す記号の完璧さでした。
これなら、本当に民衆のためになる。
お偉方の自己満足なんかじゃなくて、自分たちの力になる。
そう信じることができたから、チェユンは王のために働くことにしたんだね。
王の大義が、タムの大義になり、トルボクの大義になったんだね。
うう、感涙。
チェユンはやっぱりタムを置いてはいけなくて、
えいやっと担いででも連れて行こうとする。
危ない目にあわせたくないから。
ぐだぐだ言わずに実力行使なところが、かっこいい。
背負われたい。
手紙にはああ書いたけど、本当は話なんかなくて、
ただトルボクにそばにいて欲しいんだ、行ってほしくないんだ、っていうタムが、
なんかすごくかわいいです。
こんなこと言われたら、ほだされちゃうなぁ!
兄さんだって、わたしから離れられないはずだ、ってタムはいうんですけど、
お~、すごい自信だ。
き、きいてて恥ずかしい。
でも、それは別にうぬぼれとか自信なんかじゃなくて、
わたしたちはそうなんだ、という事実がそこにある、ってだけなんだね。
「これまでお前なしで生きてきたんだから、これからだって生きていける」
とチェユンは強がるんですが、
「じゃあなぜここに来たの?」とタムに言われて、口ごもってしまうんです。
あー、かわいい。
この人たちの愛情関係については、タムの方がなんかお姉さんなんだよなー。
素直さは力ですね。
互いに生きているとわかったんだから、ふたりは離れては生きられない。
ふー、なんか安心しました。
王様を支えるのは大義のためです。
その大義は死んだおじさんや父さん、兄さんのためでもあるのです。
兄さんにそばにいて欲しいのは、ただそばにいて欲しいから。
わたしたちは、離れては生きられないから。
あーよかった。
チェユンもわかったでしょ、彼女の愛情が。
ホントか?って子どもみたいに不安そうな顔。ピュアなやつ……。
今回は今までちょっと陰の薄かった広平大君が素晴らしくて、
見せ場でしたわね。
最初の頃、なんか悪い子なのかしらって疑っちゃってごめんね。
こんなにがんばれる子だなんて知らなかったわ。
次期王様ですもんね、強い子ですわね。
結果的に、王様が説得できなかったチェユンを連れ帰ったわけですから、
その功績は大きいですよ。
彼もまた、次代の良き王になってゆくのかしら。
ドラマ終わったら史実をしらべてみよっと。
密本の方もぐっちゃぐちゃで、
密本、内禁衛、カン・チェユン、と、それぞれの思惑が交錯して
スリリングな展開でした。
面白いねぇ、こういうの。
ユン・ピョンが逃げるとき、
こんなところに都合良く馬?ありえなーい!と思ったけど、
それもそのはず、罠だったんだもんねぇ。
ドラマによくあるご都合主義的展開と見せかけて、内禁衛の罠。
いやー、面白い。
携帯電話なんてもちろんない時代で、
いろんなタイムラグとか行き違いがあるじゃないですか。
そういうのが面白いよね。
もちろん、携帯電話が出来た時代には出来た時代なりの行き違いや
勘違いがあり、シナリオが作られていくわけですが……。
余談ですけれど、「シャーロック」ってドラマご存じ?
最近のヒットですごく面白いのですけれど、
こちらもコナン・ドイルの原作を現代に移して、
ハイテク機器を駆使するホームズの姿が描かれています。
でも筋立ては原作通りなの。
面白い話は、小道具が変わっても面白いのね。
(脚本家の腕次第だけど)
閑話休題です。
もちろん、カリオンが偶然通りがかってチョタクの話をきいちゃう、なんて
合の良い展開もあるわけですが、
コクセおじさんやトダム行首の話などから、チェユンの目的が王の暗殺だとばれちゃう。
(すでにその目的は消滅してるけど)
カリオン楽しそう。
チェユンの存在は、やはりカリオンにとっても重要ですね。
あなたがいなきゃ困るのよ、やっぱり。
これは、密本の本元としての顔。別人だよ、まったく。
そのカリオン。いやさチョン・ギジュン。
かつてイ・ドの暴力を軽蔑した彼が、卑怯な暴力を用いる。
その矛盾。
その変節。
カリオン自身は意識しているでしょうか?
長年の潜伏生活が、彼の思想をゆがめてしまったのでしょうか?
あなたはなんのために、密本を再結成するの?
なんのために、文字創製を阻止しようとするの?
愚かだ、と笑いとばした王の計画を放っておけない理由は?
すべては士大夫の力を強くして、宰相制を築くためなんでしょうけれど、
それは本当に民衆のためになることなんでしょうね?
カリオンがチョン・ギジュンだと知っているのは、
視聴者と密本側の人々だけ。
解剖も終わった今、王様がカリオンに何かを頼むことはないでしょう。
でもチェユンとかソイはね~。
同じ白丁だという結束感もあるしね~。
まだまだ彼にとっては有利な立ち位置ですよね。
あの、ソイが書いてた布もユン・ピョンに持って行かれちゃったし。
あれはヤバいんじゃないかな?
「根の深い木」楽しんでいらしゃるようで何よりです。
ほんとにハマりますよね~、このドラマ。
役者さんたちの熱演も見事で、引き込まれます。
ブログも楽しんでいただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。
密本……。
カリオンが国を思う気持ちにも嘘はないと思うんですよ。
ただ、国家のために人民がいるのか、人民のために国家があるのか、
そこの考え方が違うんじゃないかと。
「国民主権」って近代に確立された概念だし、とか
考えるといろいろ深いドラマですよね。
最後まで楽しんでください!
私は、つい最近韓流ドラマにハマった
新参者でして、
テレビ放送されていて、面白そうなのを
録画して見ています。
根の深い木は名作と名高いので
見始めたのですが、すっかりハマりました!
そしてこちらのブログに巡り会い、よりいっそう楽しめてます。
密本に対しての考えに激しく同意です!
朝鮮のためって言ってるけど、
それは果たして民のためなの?と疑問です。