……………………(型枠工事 その3)……
足元が不安定な状態から組立てるのですから精度確保は大変です。
切ったり穴を空けたりの作業がつきまとい、空中に垂直水平を原則に組立てていても金槌一つの打ち込みで5㍉程度は変化します。
「5㍉くらいズレたけど…」
と黙認のまま組立てていってしまうと、サッシを付ける時に建具が入らないとか、3㍉枠が下がっていたから網戸が動かない事にもなるのです。
釘の打ち方次第で5㍉は変動する型枠を固定し、垂直を管理する方法として、私は壁の各コーナーに「下げ振り」を常時ぶら下げておきました。
特に外壁面は垂直にならなければ窓もタイルも取り付かなくなるので重要管理ポイントです。
下げ振りが揺れているのは型枠が動いている時であり、静止している状態で5㍉以内になるように管理していました。
「打放し仕上げ」の型枠管理のコツについて話をしましょう。
化粧打放し面にはクラック(ヒビ割れ)対策として目地があります。
目地の位置は外観上からバランス良く配置させて目地が「一直線」になるように管理することから始まります。
1階と2階で縦方向の目地が5㍉ズレることはサッシの位置も正規ではなくて、打放しより『やりっ放し』の仕上げになったということです。
普通の工事はサッシから目地までの距離を測りますが、打放しの場合は目地を基準にして垂直水平を求めれば80%成功します。
建具~建具の間に目地を取り付けるのではなくて、目地を中心にして左右に窓があると考えるのです。
更に、通行に不便を覚悟してでも、出入口の開口部には60㌢以下になるようにバリ(支え)を縦横無尽に取り付けることです。
これはコンクリート打設時の側圧力・荷重に型枠が膨らむのを防ぐ為です。
垂直の枠が私のお腹のようになったらマズいですからね…(笑)
生コン打設の時はお相撲さんが型枠上にぎっしり座っても壊れない重さを想定して構造計算を行い、安全を確保します。
型枠とは、頑丈であり美しさを現すもので、まさに「躯体」そのものです。
型枠の精度管理には必要以上に《神経と時間を費やすもの》と心得てください。
《続く》・・・コメント待ってるからね~
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