ぶうちん村、風わたる。

風の吹くまま、気の向くままなんて、なかなかできませんが、楽しみを見つけながら過ごしたいものです。

原発依存のエネルギー政策からの転換を!

2011年03月29日 23時27分47秒 | Weblog
 東北大震災の津波によって壊滅的なダメージを受け、放射能の拡散という非常事態を招いている福島第一原子力発電所にかかわって、私の疑問と意見をアピールしたいと思います。

1 報道の問題
 「すぐに人体への影響はない」という表現が目立ちます。この言葉をめぐって基準値がどうこうとか様々な意見が寄せられています。
 私がここで疑問を呈したいのは、放射能の影響は5年、10年というスパンで人体をむしばむものだという点を見落としてはならないということです。
 「すぐに」影響が出るような急性的な事態は、即座に皮膚がケロイド状になったり、死亡したりというイメージを伴います。そんな事態は生じていないようですが、長いスパンで影響を与えるという点はしっかりとおさえておかないと、「基準値」がどうこうと訳の分からない数字の迷宮に陥ってしまいます。
 ですから、こう確かめたいのです。
 「半永久的に人体に影響はないのですね」「私の遺伝子を受け継ぐ子どもに影響はないのですね」と。

2 「想定外」の問題 Ⅰ
 これほどの大地震や大津波は「想定していなかった」がために「想定外」だという言い訳があります。
 これほど無責任な言葉はないでしょう。
 福島第一原発を設計した東芝の元社員は中日新聞の取材に対して、設計に甘さがあったと証言しています。
 というのも、東京電力が想定した津波の最大波高は5,5m。実際には14mを超える津波が押し寄せたそうです。
 多数の死者・被害者を出したチリ地震の時には6,3mを記録しています。さらに、1896年の明治三陸地震では38,2mもの高さを記録しています。
 渡辺美里の歌「BIG WAVEやってきた」(1993年)を自粛することになってしまった同年の北海道南西沖地震での津波は30mです。
 歴史と現実に学ぶ姿勢のないところで設定された想定は、「想定外」どころか十分すぎる「想定内」です。

3 「想定外」の問題 Ⅱ
 今回の事故でメディアへの露出の増えた原子力安全委員会の斑目氏。彼は2007年2月に中部電力浜岡原発運転差し止め訴訟で、複数の非常用発電機が起動しない可能性を社民党の福島瑞穂党首から問われました。今回の福島第一原発の事故が悪化した最大の原因です。
 これに斑目氏は「そのような事態は想定しない。想定したら原発はつくれない」と答えました。この発言を今回追及され「割り切らなければ(原発の)設計ができないことは事実。割り切り方が正しくなかったことも十分反省している」と述べたそうです。
 原発ってそんないいかげんな考え方で建てられているんだということを示す発言だと思います。

4 政府の対応の問題
 現地の行政組織が崩壊してしまっている以上、批判の集中している「対応が後手後手」の指摘は間違いと言わざるをえません。正確な情報を把握できないことには指示が乱れてしまうのは当然です。
 ただ、政府に言いたいのは、状況がそこまで拡大・深刻化しているかもしれないととらえて、避難指示を出すべきであって、「すぐには影響はない」とか「屋内退避でいい」とかいう言葉は、パニックを回避するためだけとしか受け取れません。
 パニックが起こるのか起こらないのかは分かりません。しかし、身体への危険を最小限にとどめる必要があるために、確実な場所までの退避をお願いしたいと言えばいいと思うのです。
 対応の違いによって、「汚染物質」になるのか、「人間」のままでいるのかは、大きな問題です。
 私が政治家ならば、まずは確実に影響を受けないところまで退避してもらいます。
 場合によっては、「人権」を守るために、「人権」を制約しなければならない事態もあるかもしれません。私はそれはやむを得ないと考えます。人間が生きるか死ぬかの瀬戸際のかかる問題だけに、厳しいのですが、そう判断しなければならないこともでてくるかと思うのです。


 もちろん、今回のような事態に至ってしまったのは、大地震のためというよりも原発による人災のためだからと言ってもいいでしょう。
 
 だからこそ、私は危険な原発依存のエネルギー政策はやめて、自然エネルギーの開発により多くの資金を投資すべきだと思うのです。


 
 
 
コメント
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