毎年ソメイヨシノを沖縄まで取り寄せて、
ライブと合わせたお花見をやろう…と始まった
粋な企画「お花見ライブ」。
ジョビンの"Aguas de Marco"をもじった「四月の水」だから、
四月は始まりの月であり、誕生月なのだ。
ブラジルでは「3月」は夏の終わりであり、
リオのカーニヴァルの終焉であり、大雨の季節だから、
すべてがリセットされる月…再生の月。
「夏にさんざん遊んだり、カーニヴァルでハメを外したり、
浮気したりした出来事を、大雨が上がるのと同時にリセットしつつ、
ちょっと反省して、さあ明日から真面目にやるぞ、と心の中で誓うこと」
そんな意味から見ても、今回の5周年ライブは
リオのカーニヴァル的躁状態で、とんでもない狂乱、狂瀾、競演…そして再生のライブだった。
マウントシュガーがしっとり歌い上げ、
今野英明が貴公子の振るまいで独唱し、
ハナレグモがすべてを鷲つかみに持って行った。
明け方の4時まで、狂瀾のライブは続いた。
…リオのカーニヴァルのようなカタルシスが起こり、すべてが無に帰した。
ソメイヨシノの花びらが、オキナワの湿気に耐えられず、はらはらと舞う。
白桜色の夢心地にさせてくれた、すてきな一夜だった。
新訳「三月の水」by 岩切直樹
マウントシュガー
今野英明