札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 末広町編④

2022-07-12 22:43:15 | 函館市

末広町のラストです

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

「カフェマリオドール」 

所在地 末広町12-8
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 営業時間:10:00~19:00/火曜日10:00~16:00
    定休:第3木曜日(但しお盆の時期又は祝祭日にあたる場合は翌週の木曜日)
 

この建物前に来た時が雨のピークで、傘を差しながらの撮影は苦しい
正面に出窓2つを配置し、胴蛇腹で1階は和風、2階が洋風の函館市典型的な和洋折衷住宅に思える。
 
とてもすっきりした佇まいだ。
現在のカフェマリオドールは2012年に移転してきたアンティーク喫茶店
ソフトクリームが人気だそうだ。
 

2022年6月撮影
 
 
 

 

「エビス商会」 

所在地 末広町17-11
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
現在のエビス商会は海産物などの食品卸会社で、竣工時の施主は毛皮商で、店舗兼事務所だったとのこと。

市電通りにあり古さでよく目立つ建物だ
鉄筋コンクリート造りで耐火建築となっており、その外壁は年期と歴史を感じる。
 
上部のロゴの装飾はエビス商会のものであろうが、なるほど囲む装飾に比べると新しく見える。
隣は大三坂で、少し登って裏や横からみるのもよいだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「来々軒」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和35(1960)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
エビス商会と市電を挟んで向かいにある
向かって左隣には「函館北辰電気」が2017年まであったようだが、解体された。
 
そのおかげというか、建物の奥行がかなりあることがわかった。
この建物は内部に魅力があり、中央の仕切りにアーチの連続を配し、バーカウンター状の上部も
曲線をつけている 元は水商売系のお店だったのだろう。
 
来々軒は残念ながら2016~2017年くらいで廃業したようだ。
もう中を見ることは叶わないのだろうか。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Beer Bar山下」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 20:00~2:00 定休日:日曜日
 

来々軒の隣にあるビル
建物の上部と横側に店名?があるようだが、一部は無くなっている
横側には「・・・YOFUKUTEN」と読めるので衣料の店舗だったのだろう。
 
2階の窓に円柱のような造りがあるのが特徴的
一応2階はテナント募集中のようだ。
 
隣の来々軒同様に奥行のある建物で
1階のバーはビールの種類が豊富らしく常連も多いらしい。
 
 
 

2022年6月撮影

 
 
 
 

「函館シーシャサロンコットンボーイ」 旧旧仁壽生命函館支店

所在地 末広町18-25
建築年 大正13~(1924~)年
指定等 伝統的建造物 都市景観賞
開館時 15:30~23:30 定休日:水曜日(函館シーシャ・cotton boy)
 
 
大三坂にありエビス商会とは坂を挟み向かいになる
正面からみると坂上部に蔵、間に入り口があり坂下部に白地に曲線が印象的な建物となる
 
上部のテラコッタ装飾や入り口庇の持ち送り金物などに特徴があった。
仁寿生命の後は海運会社の社屋として使われた。
 
その後、大三坂ビルヂングとして再生し、現在はテナントでコワーキングスペース、ゲストハウス
珍しい水煙草の店で函館シーシャ・cotton boyなどが入店している。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「A氏家住宅」 

所在地 末広町18
建築年 大正(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
大正10年建築で古い住宅だが補修、外壁の改修をしながら管理されている
屋根と玄関の持ち送り、またよく見ると屋根庇の蛇腹が歯飾りになっている

ちょっとした箇所が現存しており、歴史を感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「きんぎょ茶屋」 

所在地 末広町20-18
建築年 不明(築100年~)
指定等 なし
開館時 10:00~17:00(5月~10月)
    定休日:水曜日、第二、第四木曜日
 
 
市電通りにあり、黒字に赤の入り口、窓がよく目立つ
改装された外壁を横側にたどると、当時の造作らしき古い箇所があった。
 
もしかして1階部分の出窓は縁側で庭があったのかも?
2階は和風の出窓なのだろうか。
 
きんぎょ茶屋は岐阜県に本店があり、岐阜風のモーニングが味わえるカフェ、雑貨店で
いわゆる古民家カフェである。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「中村呉服店」 

所在地 末広町20-18
建築年 平成10年改装
指定等 都市景観賞
開館時 9:00~18:00
    定休日 日曜、祝日
 
 
中村呉服店は市電通りにあり「きんぎょ茶屋」の隣だ
明治36年創業で大正6年に現在地に移転している。
 
以前の店舗は函館典型の和洋折衷で1階が和風の店舗、2階が洋風住宅であった。
現在の建物は平成10年に改装されたものだ。

4つあった縦長窓は、当時の意匠と似せて今も正面を向いている。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「佐藤木公郎建築設計事務所」 

所在地 末広町21-12
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
末広町でもハジにあり、海のすぐそばで道路を渡ると相馬株式会社がある大町になる。
 
平屋で横に長く、いくつもある縦長窓と外壁の色が特徴
会社は1977年の創立だが、新築で入居 とは違う気がするが
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「SEC末広ビル」 旧函館貯蓄銀行本店 

所在地 末広町22-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
SECは函館のIT企業で、末広ビルの隣が本社、電車通りを挟んで電算センターがある。
 
元銀行ということでは、その電算センターもそうだし、道路を挟んで隣に旧安田銀行をリノベーションしたホテルがあり
各銀行が集約された地区だ。
 
縦長窓と正面入り口付近だけが銀行建築を思い起こせ
やはり隣の旧安田銀行と比べると少し寂しいか
後年に改修している可能性もあり。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23
建築年 昭和9(1934)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階正面に洋風出窓を持ち、2階には2連窓を持った建物で、外壁と隅柱を人造石洗い出しで仕上げている。

両開きの玄関ドアが素敵で、入り口の縁石もデザインがある
訪問時には人の住んでいる気配がなかった。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23-25
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階は玄関の格子建具、簓子下見板張りや胴蛇腹、2階は南京下見板張りで横長窓、軒蛇腹、持ち送りを持っており、
屋根は寄棟造で菱葺きである。

玄関廻りは新しい補修のようだ 2階出窓の窓桟が印象的
先の「S氏家住宅」とは隣同士である。

 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「川越電化センター隣の倉庫」 

所在地 末広町18-29
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

川越電化センターとの間は仕切戸があり、センターの所有倉庫と推測する
形状から倉庫かと思うが、市電通りに面して2階の窓桟が印象的な縦長窓が並び、
横側には1階に搬入口?と連窓がある。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「北方歴史資料館」 

所在地 末広町
建築年 昭和63?(1988?)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この資料館は高田屋嘉兵衛の北方航路開拓の拠点函館・末広町に高田家代々の遺品・史料を現代に伝える目的で
昭和63年に創立された。
 
市電通りにあり、レンガタイル?と石で堂々とした正面で、ツタが絡まり雰囲気もよい
しかし入り口のガラスが割れているのが気になり確認をしてみると
資料館は平成25(2013)年に閉館していた。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館カネサ商店」 

所在地 末広町15-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 11:00~18:00
    定休日 不定休
 
 

平成29年に外観が復原された建物で,1階は和風で堅繁格子の出窓,2階は洋風で縦長窓を等間隔に配している上下和洋折衷様式の建物である。

ご覧の通りきれいですっきりした建物だ
看板が無いのは伝統的建造物の指定がされているので取り付けが出来ないからとか

カネサ商店は、駄菓子、たい焼き、たこ焼きなどを販売しており
訪問時は修学旅行の生徒がいた。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

尾木咖喱」 

所在地 末広町14-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 [月~水・土・日]11:00~15:00 [祝前日]11:00~17:00 日曜営業
    定休日 木曜日
 

尾木カリーの情報はほとんどなく、周りが何らかの形で歴史的建造物になっているが
この建物だけが何もない
 
縦長窓とかで昔の建物に似せたのかと思ったけど
庇の持ち送りと、あったであろう庇の蛇腹の痕跡がある。
 
だとすると改修はしているが、古い建物かも知れない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧レストラン中央亭」 

所在地 末広町8-11
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
先の「尾木カリー」と共通しているのが、両隣が歴史的建物と認識されているのに対し
この建物は、あまり情報がない。
 
確かにこう並んでみると、ここだけが窓の形状も、壁の具合もまだ新しめである
以前は最上部の場所に装飾などあったのだろうか
ここは隙間なく4軒並ぶからよいと思う。 
1階右側から抜けると屋外駐車場があるようだ
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「農楽向かいの白い蔵」 

所在地 末広町18-4
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

探索中にとても綺麗な蔵を見つけたので。
 
小樽では敷地の奥に蔵があったと記憶しているが
函館はどちらかというと前面に出ている蔵が多いように感じる。
 
それもきれいな蔵が多いのは常に人の目があるからだろうか?
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「グリーンゲイブルズ」 

所在地 末広町20-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:00~18:00 日曜営業
    定休日 月曜日
 

グリーンゲイブルズとは、アンが住むことになったカスバート家の屋号のことで
「赤毛のアン」がモチーフ。

ツタやバラで全体のファサードはわかりづらいが、中央の入り口はアーチになっており
アプローチもあるが植物を這わせるためだろう。
 
入り口両サイドに窓、2階にも2つ窓がありシンメトリーである。
店内はアンティークで飾られている。

ここは函館出身の「元JUDY AND MARYのYUKI」がよく利用したカフェで
ファンからは聖地扱いとなっている。
函館には同じく出身のバンド「GLAY」の聖地もあるという。
 


2022年6月撮影
 

 
 
以上で末広町は終わります
元町以上に歴史的建物が多いと感じた。
 
元町より平地が多いのもあるだろうし、大火があれば都度、末広町から建て直しがあったからか
いずれにしても、もう一度歩けばきっと新たな物件が見つかるだろうと思う。
 
 

函館市の建築探訪 末広町編③

2022-07-10 19:54:42 | 函館市
末広町続きます
 
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
 

「旧箕浦公證役場」 旧imaizumi *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町8-11
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りにはレトロの特徴があるビルが並んでいる箇所があるが、ここがその一つ

元は公証役場だからか、3階建ての建物に装飾が多くある
シンメトリーなファサードで縦長窓の印象と中間のひし形の模様も素敵だ。
 
建物は、その後アンティークショップとなり現在は空き家のようだが
通りの重要な景観となっている。
 

 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Lサイズエールもりや」 旧市水商会 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14-5
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
この近辺は海が近いだけに海産物商が多く集まっていた
店舗兼住宅で海産物商に建てられたもの。
 
並びに守屋家や旧深谷米穀店などが現存しており、歴史を感じる通りである。
守屋家同様に1階は、ささら子下見板張りで格子を設けている
2階は洋風でやはり縦長上げ下げ窓、胴蛇腹などとても似ている。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「守屋家住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
正面から見ると典型的な和洋折衷住宅だが、奥行きがあり市内の一般的な町屋とは異なる。
1階は、ささら子下見板張りで、胴蛇腹に軒蛇腹、2階には縦長の上げ下げ窓を3つ設けている。
 
きれいに管理されて見えるが、訪問時は使用されているように見えなかった。
隣の建物と施主が同名だが、元々は別々の施主である。
 

 

2022年6月撮影


 

「日本最古のコンクリート電柱」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町15
建築年 大正12(1923)年
指定等 なし
開館時 なし
 

これはとても珍しい電柱で、高さ10メートル
角錘形で底辺が47センチ、上辺が19.5センチである。
 
現存する日本最古のコンクリート電柱で、函館は何度も大火に見舞われており
従来の木造から鉄筋コンクリート造りに変わったのだろう。
 
現在も現役で使用されており、場所は二十間坂を下った先の交差点近くにある。
 


2022年6月撮影

 
 


「金のこころ」 旧本久商店倉庫 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町16-13
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「H.M.Works ozigi 函館麦酒醸造所」
    営業時間12:00~22:00(LO21:30)
    定休日火・水曜日
 
 
元は函館を代表する酒屋であった、本久商店の酒蔵である。
酒、味噌、醤油などの貯蔵に使われていた。
 
隣が空き地になっているが、以前は店舗があったようだ
蔵は大きな屋号なのでとても人目に付く
さらにアーチの窓で外観がモダンに見える。

外壁はレンガ造りで青く塗られている
だからか白い枠などがよく映える。
 
その後、飲食店になり洋菓子店を経て現在のビールを中心とした飲食店になった。
 


2022年6月撮影
 
 
 


「箱館元町の宿 饗場」 旧旧饗場守三住宅兼診療所 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20-2
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 現在は「元町の宿 雪月花」が1日1組限定にて宿泊、3LDKの1フロア貸切。
 
 
饗場氏は市立函館病院の第七代院長であった
独立して住宅を兼ねて建設したのがこの診療所。
 
大正期までは診療所、その後住宅や寮、旅館を経て現在は貸し切り宿泊施設に改装中であった。
綺麗に塗装された外壁と白窓枠、赤い屋根とよく目立ちモダンさが伺える
おそらく外観のレトロさを活かした素敵な施設になるでしょう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「K氏住宅・付属土蔵・所有住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20
建築年 大正6(1917)年
指定等 伝統的建造物、歴風文化賞
開館時 なし
 

大図鑑には住宅・土蔵と所有住宅とあるが左隣にある所有住宅は、改築をされており
昭和前半の建築とされた面影はなかった。
 
施主は岐阜から来た海産商で、かなりの財を成していたそうだ。
住宅は全面がささら子下見板張りで、出窓も和風に仕立てられた純和風の建物である。

木曽ヒノキを使用し3年かけて建設したそうな 中の意匠も優れているとのこと。
土蔵の基礎は石積みで、やはりささら子下見板張りに漆喰塗り よく管理されているようで
きれいだった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「旧山口耳鼻咽喉科医院」 旧平野病院 

所在地 末広町3-2
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
パッと見は、そんなに古い建物に見えないが、近づいてみると外壁やタイルが剥がれたりしている
2階縦長窓の連続や階段室?のさらに細長い窓が印象的だ。
 
記録を見ると病院が続いたようだが現在は未使用のようだ
角地にある建物なので、何らかの形でも活用されないだろうか。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「操車塔」 

所在地 末広町5
建築年 昭和14(1939)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
函館市市電のポイント切り替えと電車信号標示を手動による遠隔操作をするために建てられた。
以前は市電の6か所のポイントにあったのだが、自動化に伴い廃止された。
 
この操車塔は市電で唯一現存する最古の操車塔だ
現役時は交差点の内側に設置されて、その後にここに移転、保存されている。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧カフェー三の糸」 

所在地 末広町7-14
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

大正10年の大火後に銀座通りには火防線の指定を受けて耐火建築の建物が建った
繁華街として「カフェー」がたくさん建ち、賑やかな街だったのだろう。
 
この建物も当時の1棟のようで、すっきりしたファサードで縦長窓を持つ
数年前までは左隣にも同じようなカフェが入ったビルがあった。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「宝来パン本店」 

所在地 末広町7-15
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

やはり大火後の耐火建築で縦長窓が多く、装飾もある
特に上部の装飾は当時でも洒落ているのでは。
 
ビル自体の所有者が宝来パンなのかは不明だが
残念ながらパン店は廃業したようだ。

60年以上は使われているショーケースや時代を感じる壁のポスターなど 
昔の写真に残るレトロな店内でパンを購入したかった。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「銀座天満つ」 

所在地 末広町7-15
建築年 平成
指定等 市都市景観賞
開館時 閉業
 
 
旧宝来パン本店ビルと旧カフェー三の糸ビルに挟まれており
その特異なファサードから当然、歴史的建物と思ったが竣工は平成だ。

しかし銀座通りであり両隣に合わせたようなデザインにしたのは、やはり調和を考えてかと思う
そんな意味で「都市景観賞」を授与されたのではないかと推察する。
 
正面上部のエビ天の装飾がとても面白いが、残念ながら「銀座天満つ」は閉業した。
 


2022年6月撮影

 
 
 
 

「旧マルダイストア」 

所在地 末広町7-16
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
昔の建物はビルの名前を表示することはなかったのだろう?
札幌では中心部のほとんどのビルにビル名の看板などが縦付けされている。
 
なんとも印象的な色のこの建物はスーパーだったらしい
昔は大店舗のスーパーなどなかったのでこのような規模の店が多かった。
ウチの実家の近くにもこんな感じのお店があったなあ
 
もっともモダンかレトロかなど思いもよらなかったけど。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧喫茶プロスパー」 

所在地 末広町7-16
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
宝来パン本店のように上部に装飾がある
銀座通りのレトロ建物が連なるのは、この建物までで後は単体だ。
 
計画的に残っているのか、地権者の絡みがあるのかはわからないが
よくこれだけの古い建物を補修しながらでも残しているなあと思う。
 
ここもカフェに使われたようだが、この通りがいかに繁華街だったかわかるようだ。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「松屋 金子商店」 

所在地 末広町8-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「Woodrow`s British Pub」が営業中
    18:00~24:00 定休日 月曜日
 
 
銀座通りのレトロビル群の一つ、ラッキーピエロの隣の各地にある
大正10年の大火後に造られた建物であろう
正面側の窓は金属?でふさがれているが以前は縦長の上げ下げ窓かなと思う。
 
上部には痛みが目立つがこの1列ではそんなに目立たない
以前は結納品やお祝い品を扱う金子商店も営業し、店舗として使っていた。

現在はブリティッシュパブが営業している。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「大二物産」 旧金森三星堂 

所在地 末広町10-3
建築年 明治27~(1894~)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この密着している2つの建物は、元は金森のものとのこと。
函館にはいくつの金森系の建物があったのだろうかと思うくらい目につく。
 
大二物産のほうは独特のファサードが目立つが明治時代のレンガ造りだそうだ
やはり大火を見越しての防火造りにしたのだろうか。
 
隣の本郷計測器㈱も元金森の建物で、大正時代の建物だ
どちらも正面をきれいにしてあるが裏手や内部には歴史を感じるかもしれない。
 

 

2022年6月撮影

 
 
 
 
 
「本郷計測器㈱」 旧一二堂

 
所在地 末広町10-3
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

本郷計測器㈱は創業100年を超える老舗だ
秤、温度計、測量機器などを扱い以前は金庫を製造していたそうだ。

建物は隣の大二物産と密着している これは竣工時はどちらも「金森」のグループだからだそうだ。

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函灯」 旧丸豆岡田製麺末廣工房

所在地 末広町11-11
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 休業中?
 
 
函館の典型的な1階は和風、2階は洋風の住宅かと思ったら
1階は製麺工房のようだった。

宿泊施設の「函灯(はこあかり)」となるまで数度の改修工事があったようで、サイトには乃村工藝社の施工と出ている。
また2019年秋にも工事をしており、外壁の塗装と2階は窓廻り、1階は入り口など造作も変わっている
 
しかし現在は宿泊施設として予約は受けておらず、次の使い方を模索中なのかもしれない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

函館市の建築探訪 末広町編②

2022-07-06 10:42:20 | 函館市
つづきです
 
 

「函館市末広町分庁舎」 旧今井百貨店函館支店 *函館の建築探訪NO47

所在地 末広町4-19
建築年 大正12(1923)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 9:00~21:00
    休館日  12/31~1/3
 
 
デパートとして建てられたこの建物は、電車通りに面しており
曲面を正面にした姿が実に美しい。
 
電車通り側の3階までが大正12年の建築で
4階と塔屋のある山側の5階建て部分は昭和5年の増築である。
 
デパート時代の名残りとして客用エレベーターが現役だ
これは1階の係の方に乗車を依頼したら快く乗せてくれる
戻りは階段を使って各フロアを見学しながら降りてくる。
 
階段も当時のもので、札幌の丸井今井一条館にある階段の滑り止めと
同様の物があるので確認を。
 
 
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「山田家住宅」 旧北洋相互銀行 *函館の建築探訪NO

解体済

所在地 末広町18-11
建築年 大正12(1923)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
 
 

「(株)エスイーシー電算センター」 旧百十三銀行本店 *函館の建築探訪NO50

所在地 末広町18-15
建築年 昭和元(1926)年
指定等 市景観形成指定建築物、歴風文化賞
開館時 なし
 
 
第百十三銀行は、明治11年創設の北海道で最初の地場銀行である。
 
建物は本店として電車通りに建てられ、現在にいたる
外観は古典建築と、近代建築の様式が組み合わされているそうだ。

円柱や屋上の手すり壁などがそのまま創建時からのもの
㈱エスイーシーは地元の企業で、このような建物を大事に使っている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ホテルニュー函館」 旧安田銀行函館支店 *函館の建築探訪NO51

所在地 末広町23-9
建築年 昭和7(1932)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「HakoBA THE SHARE HOTELS」が営業中
 
 
安田銀行の営繕係は大正末期から昭和10年代にかけて、全国各地に同じ形態の支店を設計した。
 
円形の柱、縦長窓などを設けている
施工は清水組で小樽市の支店も清水組が手掛けた。
 
昭和23年に「富士銀行」に改称、その後はホテルへと改装され、現在はホテルとして2代目の企業が運営しており、都度改装をしている。

しかし旧銀行の良いところを残し、かつお洒落なホテルになっていたので
一度宿泊されることをお勧めします。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「カリフォルニアベイビー」 旧特定郵便局 *函館の建築探訪NO53

所在地 末広町23-15
建築年 大正6(1917)年
指定等 歴風文化賞
開館時 〔月~水・金〕11:00~22:00
    〔土・日・祝〕10:00~22:00 日曜営業
    定休日木曜日 
    営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください
 
 
大正時代に簡易郵便局として使われていたそうだ
特徴のある正面からは郵便局もモダンな建物であったと彷彿させる。
 
現在はカリフォルニアベイビーが活用、営業しているが
開業は昭和52(1977)年で、もはやこの建物といえばこのお店になるのでは?
メニューでは「シスコライス」が名物に。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「金森美術館」 旧金森船具店 *函館の建築探訪NO54

所在地 末広町22-17
建築年 明治44(1911)年
指定等 市景観形成指定建築物、歴風文化賞
開館時 現在は「函館大学ベイエリアサテライト」
 
 
旧金森船具店は桟橋と道路を1本隔てた場所に店を建てた
目の前がすぐ海であり、当時の港の状態はわからぬが、いい場所に建てたと推察する。
 
ルネッサンス風の重厚なデザインであった。
その後、第二次大戦後に北海道船具用品㈱が使用し、社長さんにより
平成元(1989)年にバカラコレクションを展示する「金森美術館」を立ち上げた。
 
現在は函館大学のサテライトとして活用され、地元で活用し建物を活かす
そういう気概が函館人にはあるのではないか。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「尼崎製罐函館工場」 旧金森洋服店 *函館の建築探訪NO55

解体済

所在地 末広町22-9
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
 
 

「函館市文学館」 旧第一銀行函館支店 *函館の建築探訪NO56

所在地 末広町22-5
建築年 大正10(1921)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 【4月~10月】 午前9時~午後7時【11月~3月】 午前9時~午後5時
    休館日 カレンダーにて確認
    入館料 一般300円
 
 
堂々とした重厚な姿は花崗岩と茶色のタイルのおかげか
元は銀行の支店だ。
 
平成5年に改装されているので外壁はその時からかも知れない。
構造は鉄筋コンクリートで壁をレンガで積んでいた
鉄筋コンクリートが導入された初期の技術である。

銀行だけあって内部にも見るべきものがある
1階の吹き抜けは竣工時はもっと広かったそうだし
元金庫室を展示室にしていたりと、歴史的建物は建物自体が展示物なので
このような使い方は見学者にとってはベストかと思う。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「市立函館博物館郷土資料館」 旧金森洋物店 *函館の建築探訪NO57

所在地 末広町19-15
建築年 明治13(1880)年
指定等 道指定有形文化財、市景観形成指定建築物
開館時 4月~10月 9:00~16:30 11月~3月 9:00~16:00
    休館日 月曜日、毎月最終金曜日、祝日、年末年始
    入館料 一般100円
 
 
明治11.12年の大火後に豪商の渡辺熊四郎が小物洋品店として建てた。
壁は漆喰だが、側面の一部に製造年数が入ったレンガを見ることが出来るそうだ(未確認)
 
大火後の建物らしく防火に意識した造りとなっている
現在は博物館郷土資料館として内部見学も出来る。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「魚長食品所有建物」 旧平和石油(株)船舶事務所 *函館の建築探訪NO58

解体済

所在地 末広町22-16
建築年 明治40(1907)年
指定等 市歴史的景観賞、歴風文化賞
開館時 なし
 
 
 
 

「函館市北方民族資料館」 旧日本銀行函館支店 *函館の建築探訪NO59

所在地 末広町21-7
建築年 大正15(1926)年
指定等 なし
開館時 4月〜10月 午前9時〜午後7時 11月〜3月午前9時〜午後5時
    休館日 年末年始 ほかに整理日あり
    入館料 一般300円
 
 
この資料館も旧銀行跡なので内部に銀行時代の面影がいくつもあるそうだ。
今回は数をこなすのが第一だったので、多くの施設内部は見れなかった。
 
旧函館支店は関東以北で初めての支店であり函館市の重要性が伺える
当初は明治44年に竣工するが、大正13年の大火で焼失した。

今度は鉄筋コンクリートで建てられたが昭和9年の大火で再び危険にさらされたが風向きの変化で焼失を免れたという。
やはり函館の歴史に大火は切っても切れない。
 
日本銀行はこの建物を境に近代建築へ移行したとある。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「銀座通火防線」 *函館の建築探訪NO88

所在地 末広町、宝来町、豊川町
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りは大正10年の大火で一帯を燃えつくした後、不燃建築帯として誕生している。
場所は宝来町から豊川町までの海から海まで。
 
まだ黎明期にあった鉄筋コンクリート造りやブロック造りのモダンなカフェや商店などが
建ち並び大正ロマンを表現していた。
 
現在もいくつかの古い建物が健在しており見て歩く通りとして重要だ。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「梅津商店」 *函館の建築探訪NO89

所在地 末広町8-8
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 10:00~18:00 ※12/31~1/2は10:00~16:00
    年中無休
 
 
梅津商店は酒類・食料品で大きな財をなした商店。
元の建物は昭和9年の大火で崩壊したとのことで、同年に新築したのがこの建物。
木造ではあるが重厚な感じに見えるのは前身の「木骨コンクリート造り」を
そのまま踏襲して建て直したからとのこと。
 
平成24年には解体される危機にあったが建物を守ろうとする個人の力で
内装工事をし、再活用された。
 
現在は「はこだて工芸社」として雑貨やアンティーク、カフェなどを営業していて
見た目の重厚さに惑わされずに覗いてみたら楽しいかも
内部の意匠も当時のものを見ることが出来るので次回はぜひ寄ってみたい。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「ラッキーピエロ十字街銀座店」 旧対馬理容院 *函館の建築探訪NO91

所在地 末広町8-11
建築年 大正11(1922)年
指定等 歴風文化賞
開館時 10:00~21:00
 
銀座通りに面しているこの建物は3階建ての防火造り建築となっている。
当初は理容院としてオープンし、倉庫を経て、平成5年からラッキーピエロがオープンした
 
創建当時を考慮し外観をあまりいじらずに現在も銀座通りの街並みに貢献しているビルである。
ラッキーピエロは函館市を中心としたハンバーガーのチェーン店であり函館外食産業の
代名詞でもあるくらい有名な会社だ。
ちなみに全ラッキーピエロで2階に客席があるのは、この十字街銀座店だけ。
さらにレトロな雰囲気に浸れるかも。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
つづく

函館市の建築探訪 末広町編①

2022-07-04 23:36:36 | 函館市

末広町は元町から坂を下りて海との間にある街。

港湾商業都市では港側に倉庫群と問屋街があり
次に大型の金融施設がある
その周りにも小売店舗や関係者の住宅などがある

末広町にはそのような建物があり、小樽市の「北のウォール街」に近いと思う

 

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

 

「旧茶屋亭」 旧近藤商店 *函館の建築探訪NO31

所在地 末広町14-28
建築年 明治末期
指定等 伝統的建造物
開館時 7月~9月まで 11:00~17:00
    10月~6月まで 11:30~17:00
定休日 不定休
 

旧茶屋亭には2019年にカフェ利用をしている
家具調度品もそれに合わせたものを使用しており、メニューにも工夫がうかがえる。
 
2階も小物の展示室があるが、それを見ようと今回の旅行行程に入れたが
残念ながら定休のため見ることは出来なかった。

旧茶屋亭といえば建物左ハジにある1台分の駐車スペースと「うだつ」が創建時を表せている
ステンドグラスはカフェの開業時に入れたものらしい。

可能な限り様々な建物の屋内に入れるなら入りたいが、今回は数を増やすため
やむを得ず撤退した。
 
 
 
 
 
 

2019年5月、2022年6月撮影
 
 
 

 

「函館ヒストリープラザ(金森洋物館)」 旧金森倉庫1号2号 *函館の建築探訪NO32 

所在地 末広町13-8.16
建築年 明治42(1909)年
指定等 道指定有形文化財、伝統的建造物、歴風文化賞
開館時 【物販店】9:30~19:00
 

いわゆる「ベイエリア」の中心的建物として、波止場に向かい横一列に5棟並んだレンガ造りの倉庫が目に入る
これが旧金森倉庫で「函館の建築探訪」では2つに分けて掲載している。
 
歴史的建造物の一覧をみると「金森」と名がついたものが多いことに気が付く。

元々は「明治2年(1869年)初代・渡邉熊四郎、函館市大町に洋物店を開業。屋号を森屋、商標をとした。」と
金森倉庫HPに記されている。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館ヒストリープラザ(金森ホール、金森亭、函館ビアホール)」 旧金森倉庫3号4号5号 *函館の建築探訪NO33

所在地 末広町14-16
建築年 明治42(1909)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 【物販店】9:30~19:00   
    【函館ビヤホール】平日11:30~21:30(ラストオーダー21:00)
             土日祝11:00~21:30(ラストオーダー21:00)       
    年中無休
 
5号のホール以外は各種テナントが多く入居し、ベイエリアのランドマークになっている
夜はライトアップされた姿が美しいが飲食店以外は19時で閉まるので注意を。
 
特にビアホールは観光客に人気がある。
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「金森商船(株)倉庫」 *函館の建築探訪NO34

所在地 末広町14-13
建築年 大正5(1916)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 

金森倉庫群と連なって建っており、同一の建物のように見えるが
こちらは鉄筋コンクリート造りである。
 
鉄筋コンクリート造りの倉庫としては市内で最も古く
倉庫にしては特徴があるファサードだった。

右隣に少し映っているタイル地の建物が事務所。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「古稀庵」 旧渡辺商店 *函館の建築探訪NO35

所在地 末広町13-2
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 2022年6月現在休業中
 
 
外観も綺麗でライトアップもされていたが、現在の活用は中止中のようだ。
以前は全17室のペンションとロビー奥にはカフェバーもあった。

向かって左隣にあったペンション棟は解体され和洋折衷の部分だけ残っている
元は海産商である「渡辺商店」の店舗として建築された。
 
能登半島から職人を呼び、ヒノキを贅沢に使った建物であるそうだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「高田屋嘉兵衛資料館1号2号」 旧田中家コンブ倉庫 *函館の建築探訪NO36

所在地 末広町13-22
建築年 明治36(1903)年 大正12(1923)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 
9:00~17:00
木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、冬季休館の場合あり ※新型コロナウイルスの影響で、当面のあいだ休館
料金 大人(高校生以上)300円、小人(小・中学生)100円
 
 
北前船の高田屋嘉兵衛の業績と貴重な資料を展示している
 
元は江戸時代に高田屋の造船所があった跡地に明治になって田中家が
コンブ倉庫として建てた蔵。
 
有料ではあるが貴重な資料が多いようなので
次回は見学しようと思う。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ザ・グラススタジオイン函館1号2号」 旧宝興業・旧轟工業 *函館の建築探訪NO37

所在地 末広町14-2
建築年 明治43(1910)年 明治41年(1908)年
指定等 伝統的建造物
開館時 10:00~16:00(グラススタジオイン函館)10:00~17:00(いろは)
    定休日 不定休
 

レンガ造りの工房は、元は明治館(豊川町 旧郵便局)にあった古い倉庫を
移転して転用したものだ。
ここで製作したガラス工芸品を隣の店舗で販売していたが現在は未確認。
 
店舗は現在「いろは」になっており、和洋折衷建物は1階が和風、2階が洋風の函館に多い建物である
ささら子下見板や格子戸で和風を表現している。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「箱館昆布館」 旧田中商店 *函館の建築探訪NO38

所在地 末広町12-8
建築年 昭和5(1930)年
指定等 歴風文化賞
開館時 2022年6月現在改装工事中
 

田中商店は海産商で、ここは店舗であった
鉄筋コンクリート造りで重厚な感じをうける。
 
その後はマンション業者に買い取られたが、地元市民によって買い戻され
函館らしい建物にと平成3年に昆布の資料館となった。
建物の左ハジに大きな昆布のオブジェがあるのはこの時に作ったのだろう。
 
現在は「街角new culture」としてイベントの開催などを手掛けているようだ。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「深谷米穀店」 *函館の建築探訪NO39

所在地 末広町14-6
建築年 大正6(1917)年
指定等 伝統的建造物
開館時 現在はスペイン料理の飲食店「La Concha(ラ・コンチャ)」が入るが
    2022年6月現在休業中
 
 
この界隈はかつて問屋街であった
主に海産商が多いが、米穀店として問屋街を商売相手にしたのだろう
 
建物は典型的な函館の和洋折衷建物で、1階2階で違う下見板張りを使用している。
とても姿がよく背後の倉庫群と合わせると映えるのでは。
   
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館海産商同業組合事務所」 *函館の建築探訪NO40

所在地 末広町15-3
建築年 大正9(1920)年
指定等 市景観形成指定建築物、歴風文化賞
開館時 なし
 
 
大正から昭和期にかけて、この周辺は銀行や百貨店など函館経済の中心地であった。
この建物は当時でも現在でも目立つ存在ではと思う。
 
コンクリート造りに見えるが木造3階建てで、正面両側が緩いアーチになっており、中心は窓上に三角の装飾を。
一面に縦長窓を多用しており裏側も同様である
こうして裏側をみると中心部をくぼませているのが分かった。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「北斗ビル」 旧目貫商店 *函館の建築探訪NO41

所在地 末広町17-15
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 テナントによる
 
 
ビルは二十間坂の最下部、角地に建ちピンク色の外壁からよく目立つ。
昭和初期には婦人洋装店、戦後はホテルにも活用された。
 
十字街に面した部分を丸く造り、美しさとコンクリート造りで重厚さも醸し出す。
 
現在はテナントが入っており、やはり女性関係のお店が似合いそうだ?
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「青森銀行末広支店」 旧第五十九銀行函館支店 *函館の建築探訪NO42

解体済

所在地 末広町4-14
建築年 大正12(1923)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
 

「LOFT」 旧日本製網船具倉庫 *函館の建築探訪NO43

所在地 末広町4-11
建築年 大正4(1915)年
指定等 歴風文化賞
開館時 テナントによる
 
 
見た目通り、倉庫として建てられたもの
レンガ造平屋で、倉庫全体を覆うツタには驚く。
 
二十間坂を挟んで北斗ビルと向かい合うので対比が面白い
坂にある長い倉庫というのも珍しいかも。
 
以前には美術館として使用されたが現在はインポートセレクトショップが
USA物を中心に販売している。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「川越電化センター」 旧リューリ商会 *函館の建築探訪NO44

所在地 末広町18-23
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
川越電化センターのある場所は大三坂の上がり口にある
上部は元町に、上がり口は末広町の場合、歴史的建物が多いようだ。
 
一際目に付く3連の半円型アーチが素敵だ
坂を少し上ると横面と裏面も見え、特に1階の縦長窓の意匠が何とも言えない。
 
リューリ商会が建てた後に当時の川越電気商会が創建時のイメージで
復元した建物である。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「五島軒本店旧館」 旧五島軒ホテル *函館の建築探訪NO45

所在地 末広町4-5
建築年 昭和9(1934)年
指定等 国登録有形文化財、市景観形成指定建築物
開館時 11:30~14:30 17:00~20:00
    ※火曜定休(一部期間を除く)。12月31日は14:00L.O、15:00閉店。1月1日・2日休店
 
 
五島軒は函館を代表する洋食レストランだ
創立当時は八幡坂の下にあり、その後現在の場所に落ち着く。
 
外観はシンプルだが内部の装飾が見事だそうだ
よく見ると軒蛇腹や玄関の意匠などに歴史を感じさせる
今回の旅行では五島軒の利用は計画していなかったので
次回に機会があれば一番に考えたい建物である。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

函館市の建築探訪 元町編③

2022-07-03 16:19:22 | 函館市

元町編つづきです
ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

 

「カムイイコロ」 旧山田・太田家邸

所在地 元町30-5
建築年 不明
指定等 歴風文化賞
開館時 不明

 

隣に印象的な洋館の「函館カールレイモン」がある

1階は和風、2階は洋風の函館に多い和洋折衷住宅であった
近くまで寄らなかったのでよく見えないが1階の壁は簓子下見板張りのようだ
やはり2階の縦長上げ下げ窓がいい感じだ。

現在はアイヌ民芸品店の「カムイイコロ」が営業している
右側には昭和映画好きのマスターがいる喫茶「やまじょう」だが現在は休業しているようだ。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「佐藤理容店・藤山家所有建物

所在地 元町30-10
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

こちらは一棟二戸の建物である
外観の意匠は竣工時と変わっているとのこと。

パッと見はまったく別の住宅がくっついたかのようだが
元々は同じだったので理容院のほうが店舗に改修したときに一緒に2階まで変えたと推測する。

大きな建物ではないが坂の登り口の角地にあるため
目立つ建物である。


2022年6月撮影

 

 

 

「Y氏家住宅

所在地 元町7
建築年 昭和9(1934)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

横小路の入り口にある住宅で、壁は下見板張りで横長開口部、1階には連続した窓が続く
ここは和室のようだ。

2階に縦長窓で和洋折衷様式の建物である
綺麗に塗装して間もないのか赤屋根と相まってとても素敵な住宅だ。

 


2022年6月撮影

 

 

「T氏家住宅

所在地 元町10
建築年 大正11(1922)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

管理の行き届いた純和風住宅。

簓子下見板張り、軒裏化粧垂木、漆喰塗りの小壁などがまるで竣工時のようにきれいだった
隣の白亜の住宅、ピンクの住宅との対比が面白い。

前記したが、この横通りは歴史的建物の集中する重要な場所だ。

 


2022年6月撮影

 

 

「K氏家住宅

所在地 元町15
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

1階は簓子下見板張りに漆喰塗りの小壁の和風、2階は縦長の上げ下げ窓、持ち送りを持った和洋折衷住宅の町家である。

2階がピンクに塗られており1階との違いが歴然としている
この1列に並ぶ住宅群は本当に素晴らしい。

 

 


2022年6月撮影

 

 

「レディメイド

所在地 元町29-10
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 18:00~翌2:00 日曜営業    
    定休日月曜日

 

写真の通り正面玄関を挟んで左右対称になっている。
よく見ると2階縦長窓の下と四つ角軒下に装飾がある
これらから古くて趣のある洋館だが指定などは何も受けていないようだ。

現在は無国籍料理の「レディメイド」が営業をしているが
18時からなのでお酒を中心に考えて寄ってみては。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「OZIO」 旧精養軒

所在地 元町29-14
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 4月29日(金・祝)〜5月31日(火)9:30〜19:00(通常営業)、   
    6月1日(水)〜9月30日(金)9:30〜19:00(通常営業)

 

正面と両横面にある縦長の窓が特徴だが、よく見ると壁に装飾がある
詳細のわからない建物だが古いものだろう。

以前はパン屋さんだったの情報もあり、だとすると函館らしいお洒落なパン屋さんかと思う。

現在はバッグや革小物のお店「OZIO」本店として営業している。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「S氏家住宅

所在地 元町31
建築年 明治44(1911)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

平成13年までは、1棟2戸建となっていたが、現在は、1階が和風、2階が洋風の和洋折衷様式となっており、持ち送り、隅柱、胴蛇腹など特徴部分を残している。

玄関の窓桟がモダンさを醸し出す。

 


2022年6月撮影

 

 

「O氏家住宅

所在地 元町17
建築年 大正2(1913)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし

 

おそらく1階が和風、2階は出窓などで洋風の和洋折衷住宅と思われる。

外壁は下見板張りであったものと思われるが、現在は人造石になっているとのこと
石張りだけなら古いかはわからぬが、軒下の持ち送りでそれとわかる。

木造住宅が多く残っている町で、なぜ石に変えたのだろう
すっきりさと重厚感が増している。


2022年6月撮影

 

「I氏家住宅

所在地 元町32
建築年 昭和9(1934)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

竪繁格子付出窓、簓子下見板張り、漆喰塗りの小壁が黒白ですっきり見える
〇枠がお洒落なイメージがあるが後付けかもしれない?

こちらの一角にも紹介した2軒の住宅がある
とてもきれいにされた1棟2戸建ての、和風の建物として貴重である。
    

 

 


2022年6月撮影

 

 

「まるたま小屋

所在地 元町2-3
建築年 明治45(1912)年
指定等 なし
開館時 11:00~18:00日曜営業
    定休日火曜日・水曜日

 

建築は明治45年の記録があったが、本当だとすると幾度の大火から逃れたことになる
そのまま現存していたとしても補修はかかせないだろう。

写真を見ると入り口が二つあり密接している
中ですっぱりと半分づつの2世帯住宅だったのだろうか?

現在はピロシキが美味しそうな、「まるたま小屋」が営業をしているので
中が見れるし、建物の歴史を聞けるかもしれない。


2022年6月撮影

 

 

 

「聖ヨハネ教会・牧師館

所在地 元町3-23
建築年 昭和59(1979)年
指定等 都市景観賞
開館時 5月2日~11月3日は見学可能(要事前予約)

 

ハリストス教会のすぐ横にあるので、目につく建物だ
竣工は昭和59年なので町内の建物では新しいほう。

ただ最初に建てられたのは明治11年で現在の教会は3代目だそうだ
4つの尖塔アーチがある変わった造りで上から見ると十字架になるとのこと。

牧師館は教会の横にありハーフティンバーが目立つきれいな建物だ。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「K氏家住宅

所在地 元町15
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし

 

ほかの住宅に比べてわかりづらいかもだが、1階和風2階洋風の和洋折衷住宅であり、
1棟2戸の建物であった。

下見板張りの塗装の剝げ具合が逆に古さを表して好きだ
シンプルに出窓が一つの造りもすっきり見える。

お隣も歴史的建物だが境にある木造の戸がすごく懐かしい。


2022年6月撮影



「日和坂の家

所在地 元町13
建築年 平成29(2017)年
指定等 都市景観賞
開館時 なし

 

この住宅はなんと平成29年の建築であった。

確かにストリートビューで古い風景を見てみると空き地になっていた。
この場所は縦の坂道も横の通りも歴史的建物が凝縮されている場所だ

おそらく建築主は周りの住環境に配慮し、和洋折衷住宅を建てたのだろう
そんな建築主に対して景観賞が贈られたものと推測する。

何も知らずに古い家を撮影しようとこの地に来たら
きっとこの住宅も撮影するのではないか。


 


2022年6月撮影

 

 

「アトリエfiole

所在地 元町17-4
建築年 不明
指定等 なし
開館時 1階展示室/不定期  日程詳細はTOPページにてご確認下さい
    時間 11:00~18:00 (時間変更あり)

 

元町はどこの小道に入っても歴史のある建物に出会える可能性が高い。
この建物は最初に隣に建つ蔵があまりに古く見えたので近寄ってみたら見つけた。

詳細は分からないが結構歴史のある建物のようだ
入り口と3つ並んだ出窓が面しているのは函館山側で
おそらくきれいに見えそうな海側はどんな造りなのだろうか。

現在はfioleさんがアクセサリーショップと展示をしている。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「函館元町郵便局となりの洋風住宅

所在地 元町28-13
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし

 

ここは確か、旅行前にストリートビューで見つけた建物だったと思う
広い通りに面しているので知る人ぞ知る建物であるだろう。

この時は生活感がなく空き家に見えた
塗装の剥げかかった白地の下見板張り、胴蛇腹、玄関上の小窓の連窓とモダンな模様の窓桟に歴史を感じる。

隣に郵便局があるが、1代前の局もきっとモダンだったのではないか。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「トランジスターカフェ

所在地 元町28-18
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:00〜完売次第終了。お食事最終は14:00、パフェは15:00
    定休日:月火水。

 

築80年を超える元歯科医院の記載があった
それ以外の情報はなかったが2階は住宅だったかもしれない。

外観からはかなりの年季を感じる
最初は失礼ながら空き家かと思ったが、入店しているカフェは
ピザやパフェで地元民にも人気のある店のようだ。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「旧安田火災海上保険事務所

所在地 元町29-16
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし


元町港ヶ丘教会の隣にある洋館
以前はカフェがテナントで営業し2022年の春までパン屋が営業していたが現在は空き家のようだ。

保険会社の事務所として建てられたとしか情報は得られなかった。
妻部のハーフティンバーとシンメトリーの縦長窓がすっきりしている
横面の補修はされているようだ。

 


2022年6月撮影

 

 

 

「ブライダル プライム

所在地 元町30-12
建築年 不明
指定等 なし
開館時 不明

 

ここも以前はカフェが営業をしていた
函館に限らずだが、かつての古民家を再活用する場合、カフェが多い
だが、様々な理由で続かない場合も多い。

次に入居するなら別の職種がいいのかもしれない
ブライダルプライムは貸衣装やロケーションフォトなどで実績のある会社だ。


 


2022年6月撮影

 

 

 

「ピンクの洋館

所在地 元町29
建築年 不明
指定等 不明
開館時 なし

 

ストリートビューで偶然見つけた三角屋根、縦長窓、赤い玄関ドアとピンクの外装が
とても目立つ住宅だった。
古いか新しいかは、はっきりわからない。

現在は前面まで覆うツタに果たして住人は?

 

 

以上で元町編は終了です。