今、新作が出るのを楽しみにしている作家が、二人います。ひとりは工藤 美代子さんと、この、梯(かけはし) 久美子さんです。
梯 久美子さんは2006年、「散るぞ悲しき 硫黄島総司令官・栗林忠道」で大宅荘一ノンフィクション賞を受賞しました。
この「散るぞ悲しき」は面白くて、私は何人かの友達に本を買って、これ読んでみて、と送ったほどです。
さて、今回の「昭和二十年夏、子供たちが見た日本」ですが、これはシリーズ三冊目になります。 (角川書店 1700円)
1作目 「昭和二十年夏、僕は兵士だった」では、当時兵隊だった、三国蓮太郎さん、水木しげるさんなどが、
「もうねぇ、死体慣れしてくるんです。紙くずみたいなもんだな…」と、 生々しい戦争体験を語ります。
2作目 「昭和二十年夏、女たちの戦争」では、赤木春恵さん、緒方貞子さんなどが、「私が一番きれいだったとき、
私の国は戦争をしていた」と、青春時代の戦争体験を語ります。
そして今回「子供たちが見た日本」では、児玉 清さん、山田洋次さんなどが、子供の目から見た戦争体験を語ります。
戦争が終わって66年、平和な日々に感謝すると共に、もう10年もすると、戦争を語り次ぐ人もいなくなるのではないかと、
それだけが気がかりです。