日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

ドリル・フォームのこと

2018-12-11 15:20:06 | 活動方針

7ヶ月にわたって連載してきた『スイミング・マガジン』の「ドリルマニュアル」は2019年1月号で完結しました。

フォームをつくるうえで一番大切にしていることは、「大きな筋肉の力を発揮させる」ということです。

泳ぐときの形は大切ですが、形だけにこだわりすぎて速く泳ぐこととのつながりが失われては元も子もありません。

大きな筋肉とは、体幹を中心とした筋肉のことで、腰背部や腹筋、大胸筋のことです。

私がいつも想定しているのは、生活の場を陸上から海中へと移していったイルカやくじらなどの哺乳類の泳ぎ方です。

どこかでイルカを見る機会があったら、是非、泳ぐ姿をよく観察してみてください。

これらの動物は腕や足がほぼ失われ、体幹の力を使って泳いでいます。

最も効率よく、速く泳ぐ方法を身につけた動物たちです。

それに比べ、人間の身体は陸上で歩行するようにできていますから、泳ぐことは得意ではありません。

特に大きな頭がじゃまになりますし、肘や膝などの大きな関節も水中では動きの妨げになります。

それを考えて、いかにイルカやくじらの動きに近づかせるか、というのがフォームをつくるうえでのポイントとなります。

連載してきたドリルマニュアルや『身になる練習法』で紹介しているドリルはその一点に集約されています。

もっと簡単にフォームの要点をまとめると「大きな筋肉の力を小さな筋肉に伝えていくこと」ということになります。

陸上でのトレーニングに関しても体幹の強化が重要となる理由もここにあります。

このような理由からフォームをつくるときは、体幹に力を入れる練習とフィンを使ったドルフィンキックからはじめます。

そして最終的には、「魚になるまで泳ぎこむ」ではなく、「イルカになるまで泳ぎこむ」です。

竹村知洋

 

 

 

 

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文武両道

2018-12-10 08:00:14 | 活動方針

今回は高校時代に「文武両道」を実現した生徒を紹介します。

高校3年生の庄野敢大君です。

佐賀県出身の選手で、寮生活をしながら3年間学習とクラブの両立によく努力しました。

学習では常にクラスでトップ、学年でも特進クラスに入れる成績を保ち、全付属生で受験する基礎学力テストでも上位の成績を収めました。

高校2年生の夏以降は寮長を務め、合宿所では中心的な役割をしっかりと果たしてくれました。

水泳では高校3年生の関東大会でベストタイムを更新し200mバタフライで決勝に進出、インターハイに出場しました。

将来は教員になることを目指しており、来春からは日本大学文理学部の教育学科に進学します。

文理学部の教育学科は、日本大学の中でも大変人気のある最難関の学科で、学習で進学するのは大変なことです。

来年から日本大学水泳部に所属し、競泳も続けていきます。

大学時代にも身体と知性を鍛え、将来はどこにいっても通用する立派な教員になることでしょう。

将来のことを考えると水泳で就職することは難しいことであり、速く泳ぐこと事体が役に立つわけではありません。

あくまでも学習が第一であり、それとともに水泳で身体を鍛えて、チームとして人間関係を育むことを目指しています。

水泳部の練習は平日は18:30頃、土曜日は17:00頃には終わり、日曜日はOFFですから学習する時間は十分に確保されています。

Bチームは試験前の1週間から試験中は休みにしています。

そのため水泳部は水泳大会の実績のみならず、学習でも優秀な生徒が多いです。

特にBチームには特進クラスに在籍している生徒も多く、例年GMARCHの合格者がいます。

現在の鎌田コーチも早稲田大学の学生で、水泳部に中高の6年間在籍し、高校時代はマネージャーとして活躍した人物です。

日大豊山水泳部の出身者は、教員やコーチをはじめとして指導的な仕事をする卒業生が多いです。

私は社会科教員として授業を担当していますが教えられる生徒は限られていますので、おそらく先輩から後輩へと学習や就職に関することも伝わっているのでしょう。

在籍中のみならず卒業後もよい関係を保ち、学生時代の経験を生かして指導的な立場として活躍しているOBがたくさんいるというのは大変頼もしいものです。

これからも「文武両道」を実現できる水泳部であり続けたいと思います。

竹村知洋

 

 

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小指!

2018-10-03 15:52:25 | 活動方針

腰を安定させることができたら、次にその力を足先や指先に伝えていきます。

指先では特に「小指」に力を伝える感覚を強調します。

なぜ小指に力を伝えるかというと、小指の力を意識したほうがより強い力を発揮できるからです。

スポーツにおける小指の重要性は、インターネットで調べるとたくさんの資料が出てきます。

おそらく小指はしっかりと物につかまり、大きな力を発揮するときに使う指なのでしょう。

親指や人差し指は細かく、小さな動きに適しているようです。

腰と小指の大切さはどんなスポーツにも共通していると考えています。

4種目に共通していえることは、きちんと小指で水をとらえてキャッチすることです。

腰に力を入れ、身体の裏側を伝って足先や指先に力を伝える感覚を養うことでより強い力を発揮することができ、美しいフォームになります。

それができるようになれば無駄な力みがとれ、必要な部分に力を入れることができるようになります。

「力む」ことはその人が本来持っている力をだすことができなくなり、疲れやすくなることにつながります。

脱力することを口でいうことは簡単ですが、なかなか実行できないものです。

筋肉の動きを教え、自然に脱力するまで練習するしかありません。

頭でいくら考えるよりも体に覚え込ませることが大切だと考えています。

今日のBチームの様子です。

竹村知洋

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腰の大切さ

2018-10-02 18:34:34 | 活動方針

フォームの見直しをするときに常に言っていることは、腰の大切さです。

これはどんなスポーツにも共通していることだと感じています。

腰をしっかりと安定させることで良い姿勢を作り、強く大きな力を発揮することができます。

特に水泳の場合は水に浮いているため、身体を安定させる必要があります。

人間は陸上を歩くための身体として発達していますから、水の中で活動するようにはできていません。

大きな頭や膝、肘などの関節は、水中での動きの妨げになります。

その抵抗をできるだけ少なくし、スムーズに力強い動きをする必要があります。

一番参考になるのは、もともと陸上で生活していた動物が再び水中に戻っていった例です。

クジラやイルカ、シャチなどがそれにあたります。

そのため、腰に力を入れて、それを足先に伝える感覚を意識させるときに最初に練習するのは、「ドルフィンキック」です。

ドルフィンキックが上手くできると、とても心地よく水中を進むことができます。

クジラやイルカが乾燥していて身体が重く感じられる陸上の生活から、暖かく身体が軽く感じられる海に生活の場所を変えたのも少しは理解できるかもしれません。

体幹をしっかりと使う動きは、人間が本来もっている自然な動きの感覚なのです。

皆で練習後にプロテインを飲んでいる様子です。

竹村知洋

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フォームを見直そう

2018-09-26 18:10:24 | 活動方針

国体が終わり、来年へ向けて動き出しています。

今の時期は、練習をしながら各種目ごとにフォームの指導を行っています。

昨日は平泳ぎ、本日は背泳ぎです。

まずは腰に力を入れて、浮く練習からです。

それぞれの種目の特性に合わせて、一つずつできた段階で次に進んでいきます。

すぐにできる人もいれば、なかなかできない人もいます。

出来た人はお手本を見せて、できない人に教えます。

人に教えることで自分が気づくことも多いです。

今の時期だからこそ、フォームを見直し、より効率の良い泳ぎを作ります。

効率の良い泳ぎは大きく美しい泳ぎで、故障の予防にもなります。

日大豊山のドリルに関しては、スイミングマガジンのドリルマニュアルと『身になる練習法』にも掲載されています。

是非、ご覧ください。

竹村知洋

 

 

 

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夏、本番!

2018-07-25 18:07:36 | 活動方針

今年も夏季大会の時期を向えました。

いよいよ本番です。

しかし、今年は年度当初から心身ともに不調をきたす選手が多く、たくさんの問題に直面してきました。

多くの専門家の支えもかりながら、それぞれの問題に向き合ってここまできました。

現在でも解決が難しいこともあったり、解決まで相当の時間がかかることもあります。

そういうときにこそ、「55の教え」をいかす時であると考えています。

例えば、教えその14「困難があるのは当然である」や

https://blog.goo.ne.jp/buzanswim/e/a7e2054c44daeb5b40c4d0010a37fbcd

 あの言葉この言葉7「道を行ふ者は、固より困厄に逢うものなり」が支えとなります。

http://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/seitokai/club_org/swim/pdf/words_07.pdf

私は困難に直面したときにこそ、その人や組織の本性が試されるときであると考えています。

今までもすべてが順調にきた年はありませんが、それにしてもここまで様々な問題があるというのは珍しいことです。

それだけ日大豊山水泳部の本当の強さが試されているときだと思います。

私の座右の言葉は、「為すべきことを為せ」です。

あの言葉この言葉2にその意味を解説しています。

http://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/seitokai/club_org/swim/pdf/words_02.pdf

色々な問題を抱えながらも、今、私たちがやるべきことをひとつひとつやっていくしかありません。

覚悟を決めて、後悔しない夏を迎えたいと考えています。

竹村知洋

 

 

 

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ドリル・マニュアル1 「腰の大切さ」

2018-06-21 18:11:04 | 活動方針

スイミング・マガジンのFacebookにドリル・マニュアルの動画が取り上げられています。

身体の動かし方で大切なことは、腰に力を入れることです。

腰に力を入れることで身体が安定し、大きな力を発揮させることができます。

おそらくどのようなスポーツでも腰を安定させることは大切なことだと思います。

水泳の場合は水に身体を浮かせていますから、なおさらしっかりと腰の力を意識する必要があります。

腰に力が入っていないと身体が沈んでしまい、お尻をあげて水に浮くことができません。

そして次に大切なことは、腰の力を足先や指先に伝えることです。

大きな筋肉の力を小さな筋肉に伝えていくことで、強い力を発揮することができます。

その練習を下半身からはじめます。

この動き方は、生息場所を陸上から海中へと移した哺乳類(イルカやクジラなど)の動きに近いものになります。

つまり、陸上で生活する人間が水中で動くときの自然な動きなのです。

注意すべき点は、膝です。

膝は水中では意識して動かす必要のない関節なので、自分で曲げることをせず、自然な動きを心掛けます。

水族館などで泳いでいるイルカを見る機会があると、大変参考になります。

予想以上に猛烈なスピードだと感じられるはずです。

竹村知洋

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学校対抗へ向けて

2018-05-29 07:26:08 | 活動方針

JAPAN OPENでは谷口君が50m平泳ぎでベストタイムを更新し決勝に進出、第8位に入賞しました。

また、大倉君が100m平泳ぎで、北川君が200m個人メドレーでそれぞれベストタイムを更新しました。

今回の大会は強化練習をしながら出場しましたので、この時期にベストタイムを更新できたことは価値のあることです。

6月からはいよいよ学校対抗の大会がスタートします!

6月6日には日本大学体育大会が行われます。

この大会は60年連続の優勝を目標としています。

6月23・24日には東京都高等学校選手権が行われます。

この大会は51年連続59回目の優勝を目標としています。

日大豊山水泳部の諸先輩方が築いてこられた長い歴史と伝統を守るための戦いとなります。

昨年は中学・高校共に全国優勝という実績を残すことができました。

ここでもう一度初心に帰り、謙虚に、そして落ち着いて強化練習を積んでいきたいと考えています。

そして、日大豊山水泳部の歴史と伝統を守っていく所存です。

自分の果たすべき役割を見つめ、しっかりと取り組んでいこう!

竹村知洋

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最初のドリル

2018-04-25 07:36:44 | 活動方針

『身になる練習法』で最初に紹介しているドリルです。

腰に力を入れることが大切なので、その練習をしています。

今日は朝練習は休みですが、誰もいないプールで練習しているのは中田君です。

もう少しでできそうなところまできています。

とても地味な練習ですが、すべての基本となるものです。

動きの基本は腰と小指です。

この三日間、この練習に徹底して取り組んでいます。

竹村知洋

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日大豊山水泳部の歴史と伝統の力

2017-08-23 09:29:17 | 活動方針

日大豊山水泳部の活動を支えているのは、これまで諸先輩方が築いてこられた「歴史と伝統」です。

現在は竹村が監督として複数名のスタッフにより運営していますが、その活動方針に私個人の考え方というのはほとんどありません。

私は日大豊山の歴史と伝統を継続しようとしているだけであって、何か新しいことを取り入れているわけではありません。

水泳部の歴史と伝統はしっかりとした土台となっていますので、それを理解すれば安心して仕事ができるわけです。

その歴史と伝統とは、水泳部HPに掲載されている「55の教え」です。

http://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/seitokai/club_org/swim/introduction/tradition.html

「55の教え」は私が井上敦雄先生や上野広治先生から教わってきたことです(写真左から2人目が井上先生)。

それは水泳に関する強化の方法だけではなく、教育方針や道徳、チーム作りなど人間力の向上や組織の運営方法に関する教えです。

井上先生や上野先生もその時代や恩師、経験から学ばれたものだと思われます。

人間や組織にとって大切なことは普遍的なものであって、いつの時代でもどこの国でも変わらないものです。

例えば、挨拶の大切さは紀元前の孔子から現在にまで伝えられていますし、そもそも挨拶の言葉のない国はありません。

それは挨拶をすることの大切さは人間にとって普遍的であることを示しています。

歴史と伝統は長い時間をかけてつくられてきたもので、先人の知恵の宝庫といえるものです。

今生きている私たちにとって大切なことは、それを理解し実行することであると考えています。

1人の人が考えることはたいしたことではありませんが、先人の知恵の積み重ねは間違いのないものです。

(その理由は、「あの言葉この言葉1~10」のシリーズを参考にしてください)

私はそれを理解し、毎年のように同じことを生徒に伝えているわけです。

今年の水泳部の生徒は大きな成果を上げてくれましたが、それは水泳部に伝わる「55の教え」の力によるものです。

この教えを伝えていくために「学校水泳」を特色とする水泳部の存在があり、生徒の成長にとって大きな影響を与えているものと思います。

私はこれまでと同様、これからも「55の教え」に従って水泳部の活動を続けていきます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

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