日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

部活動は逆流から“滝登り”の時代へ

2022-03-16 10:25:24 | トピックス

文部科学省やスポーツ庁が推進している運動部活動の改革には“時代の流れ”を感じています。

近年、競泳選手のほとんどはスイミングクラブで練習をすることが中心となっていますが、私たちは時代の流れとは逆らうような形で「学校水泳」にこだわってきました。

しかし今回の運動部活動の地域移行という改革のなかで部活動を存続していくことは、逆流どころか、まるで滝を登って泳ぐような難しさを感じています。

時代は「体育」から「スポーツ」へ、「部活動」から「民間クラブ」へと流れていき、学校は全国的にその流れに乗っていくことでしょう。

私は文部科学省やスポーツ庁の施策に反対しているわけではなく、教員の負担を減らすためにはむしろ必要な措置であると考えます。

日本の教員は諸外国のように授業のみで他の業務は担当制になっているということがなく、学校内外のさまざまな業務を担当しています。

特に部活動は教育課程外の活動であり、土日に大会が入り、競泳のインターハイは夏季休暇の時期に開催されています。

献身的な日本人教員の努力で成立してきた部活動ですが、もはや気持ちだけでは限界にきているということです。

改革は“時代の流れ”として必要であるとしても、文部科学省やスポーツ庁も認めているように、「学校体育」としての部活動には固有の価値があるはずです。

今の流れでいくと数年後には学校対抗の大会がなくなり、参加選手の多くは民間クラブからの参加者となります。

そして全国の中学校や高校から部活動が消えていくことになります。

日本中学校体育連盟(中体連)や全国高等学校体育連盟(高体連)もその役割を変化させていくことでしょう。

部活動を存続させたいという思いがあったとしても、1人の顧問や1つのクラブ、1つの学校の気持ちだけで乗り越えられるものではありません。

部活動が楽しみで学校に行くという生徒もいるはずですし、それが進路を決定する重要な要素でもあるはずです。

実際に日大豊山中学・高校へ進学した生徒の志望動機の上位には、常に「クラブ活動が盛んだから」という理由が入っています。

私は個人的に部活動がやりたいからという気持ちで続けてきたわけではなく、110年間にわたる日大豊山水泳部の歴史と伝統を存続させようという思いでここまで務めてきました。

それは学校側の多大なるご理解の上に成り立ってきたものでありますが、国全体が部活動廃止の流れにあるなかで、部活動の意義を守るために気持ちだけで頑張り続けるというのは無理があるというものです。

続けることは大変ですが止めることは簡単であり、一度やめてしまえばもう2度と戻ることはないでしょう。

競泳では部活動で選手を育成してインターハイで活躍している若手の先生もおりますが、私たちを含めても風前の灯です。

私たちは「少数派」であることを自覚しており、それであるからこそ貴重であるとも考えています。

それぞれの競技には部活動で頑張りたいという「少数派」の先生もいらっしゃることと思いますので、色々な競技や各学校とも今後の部活動のあり方について情報共有をさせていただけると幸いです。

 

 

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1 コメント

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Unknown (いちずみ)
2022-08-12 00:05:46
愛知県の公立高校で水泳未経験ながら、水泳部の指導をしています。もともとは日大の体操部の出身で、専門種目はもちろん体操競技です。
先生の本やスイミングマガジンの動画を見て取り入れています。特に部員たちと世代交代を重ねながら、アセンディングキックやくの字伏し浮きをみんなで実践してしくみを研究しています。おかげさまで今は、入水前に陸トレ1時間と基本水中運動の徹底が定着するチームができつつあります。陸トレは基本運動はじめ、見本をみせながら教えるのは、たしかに自分の身体には堪えますが、選手らと活動するのは楽しみですし、いつか専門の指導者の方にチームをお渡しする日を心待ちに日々を過ごしています。最近は逆立ちの水泳での効果を実践しながら研究しています。
愛知県も水泳部衰退の波が強く、市内の対抗戦や、市民大会ですら運営見直しなどをしないといけない状況です。水泳未経験ながらも、水泳に出会ってから6年で今では体操競技に戻るよりも水泳でしっかりお仕事させていただきたいと思えるようにもなりました。今は専門の先生たちの輪に入って先生みなさんのご要望がかなえられることをまず第一に、市内の部活動が冬も練習できる道を探したり、市内のクラブチームの選手たちが地元の高校に通いながらクラブチームに残って競技する環境づくりや、自分の学校チームとクラブチームでどうやって協力して高体連大会のリレーオーダーを作っていこうかも、クラブチームの先生と連絡をとりあいながら模索したりしています。
高齢ながらも長年お勤めされている市の水泳協会の方々が運営する市民大会の今後の見直しも含めて、市内で行われる大会の存続ができるように、よい出会いとなった水泳でお力になれるように、中心になっている先生らと話しながら、よい方法を模索しています。
公立の部活動は確かにこれ以上はキツイかもしれませんが、実のところ先生のブログにあった「先人が続けた慣習をなくす」ことの危険性への認識の甘さを、上層部ではなく、職員室の教員が1番持っていることも事実だと、私は感じています。
先生のブログやコメントを各所でみて、私も部員たちも勇気づけられています。今後も日大豊山水泳部を応援しています!
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