日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

伝統の練習 番外編 「ザ・サバイバル!」

2017-01-27 05:04:12 | 活動方針

この練習は番外編です。

私がコーチに就任してから考案したものです。

1年間に1回か2回、主に試験中に実施する練習として約20年間ほど続けています。

「ザ・サバイバル」という、持久力・耐乳酸能力・スピード力のすべての能力を兼ね備えた選手しか生き残ることができない恐ろしい練習です(下記のサイクルは長水路バージョンです)。

100m×8本(1:30)

100m×6本(1:25)

100m×6本(1:20)

100m×4本(1:15)

100m×4本(1:12)

100m×4本(1:10)

100m×2本(1:08)

100m×2本(1:06)

100m×2本(1:04)

100m×2本(1:02)

100m×1本(59)

100m×1本(58)

100m×1本(57)

100m×1本(56)

100m×1本(55)

サドンデス

種目は全員自由形で、最後の1本までサイクル以内で泳ぎきることが条件です。

休息時間は適宜とるようにします。

途中でサイクルアウトしたら罰ゲームとして、1セットにつき50m×4本のバタフライになります。

この練習をすべてサイクル以内で泳ぎきった選手はすべてインターハイ決勝進出者であり、3位以内に入賞しているという実績があります。

最近では生き残った選手で最後にサドンデスを行い、真の勝者を決定しています。

まさに生き残りをかけた男の戦いなのです!

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習8 「基本を大切に」

2017-01-26 06:02:58 | 活動方針

練習で一番大切なことは、「基本を大切にする」ということです。

選手が大会で泳ぐ記録は昔に比べて大幅に向上していますが、練習内容が大きく変わったということはありません。

時代の変化と共に水着や道具が多様化し、泳ぎ方や陸上トレーニングが進歩したことは事実です。

しかし、練習で大切になる基本的なことは昔から変わりません。

新しいことを取り入れることも必要ですが、やはり基本的な軸がしっかりした上で取り入れるべきです。

その基本的な軸が「伝統の練習」です。

それを一言でまとめれば、「KICKを強化し、フォームを正し、専門種目で体力をつける」ということです。

練習は非常にシンプルであり、難しいことはありません。

水泳のこと以外にも、練習前の準備や身体作り、日常的なケア、栄養補給、水泳への心構え、チームのあり方など大切にしなければならない基本的な事柄はたくさんあります。

まずはその基本を大切にし、その上で新たなことを取り入れるようにしています。

日大豊山水泳部の基本となる伝統は、前監督である井上敦雄先生や上野広治先生から受け継いだ「55の教え」をもとに、「学校水泳の特色」を生かしながら活動しています(日大豊山水泳部HP参照)。

伝統には物事を安定させる力があります。

それは長年にわたる経験を元に、指導のなかで試行錯誤を繰り返しながら積み重ねてきたものだからです。

迷ったときには常にその原点に立ち返り、基本をもとに立て直せばよいわけです。

伝統に従えば、それほど誤った方向にいくことはありません。

これからも日大豊山高校水泳部は伝統である基本を大切にし、活動を続けてまいります。

そして、全国制覇へ!

写真は2011年、岩手のインターハイで総合優勝したときのものです。

竹村知洋 

 

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伝統の練習7 「SWIMはS1でHARD!」

2017-01-25 15:28:12 | 活動方針

試合で勝利するためには、常に実践的な練習を行うことが大切です。

基本的には大会に出場する専門種目(S1)で練習をすることが必要となります。

例えば、バタフライや背泳ぎの選手がいくら自由形でたくさん練習してもなかなか自信がつきません。

平泳ぎはあまりやりすぎると膝などに問題が発生する可能性があるので個人メドレーなどで体力をつけるのも良いと思いますが、やはり専門種目でしっかり鍛えることが基本です。

前監督である井上敦雄先生の練習で語り継がれているのは、ある合宿でウォーミングアップからダウンまですべてS1の練習だったというものがあります。

バタフライ選手にとってはEASYやダウンまでバタフライなわけですから、地獄のような練習だったことでしょう。

常識的には考えられないことですが、それだけ専門種目の大切さを強調した練習だったのだと思います。

さらに大切なことは、苦しさをごまかすような練習ではだめだ、ということです。

試合では100mや200mをすべて全力でHARDするわけであって、苦しさをごまかすことはできません。

レースの一番苦しいところでいかに粘り、最後までスピードを維持できるかを考えて練習を行うべきです。

例えば、Descending(ディセンディング)という練習がありますが、日本人はこの単語の訳し方と練習の取り組み方を間違えています。

「だんだん上げる」というように訳しており、例えば50m×4本を1本ごとに記録を上げていくという練習をしています。

しかしDescending(ディセンディング)の本来の意味は、 (高い所から)下(くだ)る、下りる、下りになるという意味であって、上げるという意味はありません。

この練習は、例えば50m×4本、50m×3本、50m×2本というように本数を下げたり、サイクルを伸ばしたりして1本目から全力で取り組み、それを維持するというのが本来のDescending(ディセンディング)練習です。

つまりDescending(ディセンディング)は、本来全部HARDであってそれを維持できるように本数やセットなどを減らしながら粘るという、ものすごくきつい練習なのです。

それがどこかで間違って伝わり、日本全国に広まってしまったのでしょう。

私もいちいち訂正するのが大変なため、間違ったものをそのまま使用していますがその練習で強化しようとは思っていません。

練習はS1でのHARDが当たり前であり、それができてこそ試合で勝負できるのではないかと思っています。

下の写真は、私が予想する井上敦雄先生の練習メニューです。

すべてS1でHARD、本来のDescending(ディセンディング)練習も取り入れられており、最後は400mS1でDIVEです!

この練習が頑張れたら、必ずベストタイムが出せるでしょう。

 

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習6 「DATA」

2017-01-25 07:46:39 | 活動方針

DATAの練習はだれもが取り組んだことのある練習だと思います。

50m×40本や100m×20本、200m×10本をS1でHARDする練習で、記録をDATAとして保存します。

サイクルは50mにつき1:00~1:30にし、休息時間も十分とります。

平均タイムを出すことで、今までの自分のDATAとの比較や他人との比較もできます。

この練習は乳酸に耐える力や持久力を高めるのに効果的です。

1週間のメイン練習として行うチームも多いと思います。

日大豊山でも特に冬場にはよく行います。

ただし、取り組む際の注意事項がいくつかあります。

①最初から積極的に取り組むこと

ただ単にアベレージをそろえるような練習では意味がありません。1本目から挑戦する気持ちで取り組むことが必要です。

②記録が落ちてきたとしても落ち幅を小さくすること

1本1本を全力で取り組んでいれば、記録が落ちてくるのは当然です。記録が落ちることが問題なのではなく、いきなり大幅に落ちることがよくないのです。

③常に高いレベルを維持すること

徐々に記録を上げるようなことや上下幅が大きいこと、最悪なのはラスト1本が一番速い記録であることです。

④自信がつく取り組み方をすること

終わった後に自分自身が納得し、力がついたという自信が持てるような取り組み方をすることです。

練習は常に実践を考えて取り組むべきで、練習のための練習では何の意味もありません。

DATAの練習は肉体的にも精神的にもきつい練習ですが、それを乗り越えることで体力も精神力も養うことができます。

また、この練習の利点として、チーム力を高めるということもあります。

DATAを一人でやるのはつらすぎます。

チームのみんなで声を出しながら、競い合って乗り越えるのです。

DATAの練習はどんな種目の選手にもあてはめることができるため、チーム全員で取り組むことができます。

一つの目的に向って、チーム全体の雰囲気を高めることができるのもこの練習の特色です。

昔の水泳部員たちの気合です!

つらい練習を乗り越えた後の笑顔です!

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習5 「バタフライで鍛える」

2017-01-22 15:01:03 | 活動方針

日大豊山の練習では、種目に関わらずよくバタフライの練習を行います。

その理由は、きついからです。

同じ練習であってもバタフライでやるだけでもきつく感じるのではないでしょうか。

バタフライは体力をつけるにはとても良い種目です。

最近はPULLが多いですが、50m~100m、時には200mのバタフライを全員で行います。

50×20本や100×20本など合計で1000~2000mです。

その際の注意事項として、すれ違う時やターンのときに片手のバタフライをしないことです。

片手のバタフライをするのは楽をしているからであって、練習の意味が半減してしまいます。

片手でバタフライをしないように、行きは1コースでそのままターンをして帰りは2コースでというように練習するのも昔から行っています。

特にバタフライで練習することが多い種目は自由形や平泳ぎの選手です。

自由形の場合、S1の練習はすべて自由形になってしまって単調になりますし、平泳ぎの場合、あまりやりすぎると故障にもつながります。

バタフライで泳ぐことは持久力を鍛えるのによいため、特に冬場に行うことが多いです。

冬はしっかりと体力をつけて、春や夏には試合に向けて徐々に実践的なスピードを高めていくわけです。

バタフライで頑張ることができれば、自由形は楽に感じるはずです。

今日もバタフライで強化しよう!

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習4 「基本は素手」

2017-01-22 14:59:36 | 活動方針

「基本は素手」とは、練習に取り組むときの方針です。

今はあらゆる練習道具が使用するようになっていますが、強化するときの基本は素手で行うということです。

日大豊山では昔からあまり道具を使用しません。

KICKのビート板とPULLのプルブイ、最近ではスノーケルぐらいです。

かつてはビート板も使用せずに前で手を組ませていたときもありました。

プルブイも使わず、ゴムで足を止めていたこともあります。

プールサイドがとてもすっきりしていたことを覚えています。

理由は試合では素手で泳ぐのだから、基本的にはそれで強化すべきだということです。

もちろん道具を使用することで高い負荷をかけることができるという利点もあります。

しかし、今まで道具を使用しなかったという理由で試合で結果が出ず、後悔したということは一度もありません。

私が道具を使用することが多いのはフォームの修正を図るときです。

スノーケルを使うのも片方だけに呼吸が偏らずにすむため、泳ぎのバランスを整えて正しい姿勢をつくるためです。

フィンやパドルを使用するとしたら、よほど高い強度でなければあまり意味がないと考えています。

それには高い負荷に耐えられる筋力が必要になることは言うまでもありません。

本来水泳は、水着とゴーグルだけあればできるものです。

今は水着も多様化していますが、私たちの時代はVパンでしたから本当に肉体勝負だったのです。

水泳はもともと肉体勝負であるべきで、道具のことでわずらわしいことを考える競技ではないと思います。

水着も男はVパンに戻してもらいたいぐらいです。

男は素手で勝負!

 

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習3 「400m S1 HARD!」

2017-01-22 07:28:54 | 活動方針

昔から伝統的に体力・精神力をつける練習として行っているのが、400mをS1でHARDする練習です。

誰でも長水路の200m種目はきつい種目であり、レース前には最後まで体力が持つかどうか不安になるものです。

それを克服するための練習が400mS1のHARDであり、これは大会で泳ぐ2倍の距離を頑張りきることが目標です。

この練習は体力的な面はもちろんですが、精神的な面を鍛えるという目的があります。

試合は200mですから、練習で400mを頑張りきれれば自信を持ってスタート台にたてるというわけです。

具体的には400m×5本をS1や、400m×1本をS1でHARDするという練習を行います。

昔はすべての練習が終わった後に、DIVEで400mを行っていました。

体力をすべて使い切ったあとに行うわけですから、特にバタフライや平泳ぎの選手にとっては地獄を見るような練習です。

最初からこれを頑張りきれる選手はそれほどいないと思いますが、やっていくうちに次第に体力や精神力がついて頑張りきれるようになるものです。

「心・技・体」でいうと、「体」と「心」が相当鍛えられます。

昔の選手は800mや1500mをS1でやっていたわけですから、400mはまだ短いほうだといえるかもしれません。

昔のコーチや選手は本当に強い精神力を持っていたものだと思います。

現在でも似たような練習をしているコーチはいるかもしれませんが、おそらくその効果を実感しているからでしょう。

この練習を書いたメニューを渡すと、選手はぐったりした顔をするか、なぜか薄笑いを浮かべます。

人はつらすぎることに直面すると、むしろ笑いたくなってくるようです。

 写真は旧校舎のプールや校庭でトレーニングをしている水泳部の様子です。

昔の先輩方が鍛えた場所、とても懐かしいです。

  

  

  

   

  

   

  

  

竹村知洋

 

 

 

 

 

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伝統の練習2 「フォーム練習」

2017-01-20 18:47:18 | 活動方針

日大豊山水泳部では、毎日「フォーム練習」を行います。

KICKやPULLのあとに行うことが多く、泳ぎを整えてからSWIMに入ります。

今日の練習メニューだと25m×16本のドリル・フォーム(D・F)練習が各チームに入っています。

日大豊山のドリル・フォーム練習は、全員が同じ練習をするということはほとんどありません。

フォームに関する問題点というのは選手によってそれぞれ異なります。

そのため、それぞれの問題に応じて個別に対応したほうがよいことや自分なりの泳ぎの整え方ができるという利点があるため、各自で取り組めるようになっています。

フォーム練習は技術力を高めるために必要な練習です。

同じ体力の選手であれば、フォームがよい選手のほうが体力を有効に使うことができて有利です。

筋肉の太さや体格が同じであっても、より力を発揮できる筋肉の使い方ができるかどうか、ということがポイントです。

私が考えている強い力を発揮できる筋肉の使い方とは、大きな筋肉(体幹)を手先や足先などにきちんと伝えることができるかどうか、ということです。

それができている選手は、大きなしぶきをあげることがなく、優雅で美しいフォームになります。

どの種目もフォームが重要であることに変わりはありませんが、特にフォームの改善が一番必要な種目は平泳ぎであると感じています。

その理由は、おそらく平泳ぎというのは自然な動きというよりもどちらかというと人工的な泳ぎであり、考えて作り上げるものだからでしょう。

最も抵抗の大きな泳ぎであることも関係していると思います。

そのため練習のすべてをドリルやフォームにあてて、泳ぎの改善をするようなことも必要となります。

体力はもちろんですが、技術の割合が他の種目に比べて大きいのが平泳ぎの特色ともいえます。

2015年4月に上野広治先生監修、技術指導竹村知洋の『みるみる上達! スポーツ練習メニュー 水泳』(ポプラ社)が出版されました。

水泳部の選手をモデルとして、4種目のドリルやフォームを中心とした解説をした本です。

小・中学生向けの本ですが、練習メニューの組み立て方なども掲載されています。

是非、参考にしてみてください!

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の練習1 「KICK、KICK、KICK!」

2017-01-20 07:46:10 | 活動方針

日大豊山水泳部で伝統的に行われてきた練習について紹介したいと思います。

まずは、KICK練習です。

KICK力はスピード向上やレース後半の粘りにとって大切です。

日大豊山では昔からKICK練習に力を入れています。

BS朝日のスポーツクロスでも取り上げられました。

伝統的に行われている練習は、100m×4本×5セットです。

サイクルを4チームに分け、それぞれの力量によって入るチームを判断します。restは徐々に伸ばします。

A(1:30)(1:25)(1:20)(1:15)(1:10)/1s

B(1:35)(1:30)(1:25)(1:20)(1:15)/1s

C(1:40)(1:35)(1:30)(1:25)(1:20)/1s

D(1:45)(1:40)(1:35)(1:30)(1:25)/1s

5セット目は1本でも多くサイクル内で泳ぐことを目標として挑戦するセットです。

Aのチームで4セットをすべてまわりきることが最終的な目標となります。

Aのセットをすべてできた選手は、日大豊山水泳部でも20年間で数名です。

他によく行う練習は、50m~200mのタイムトライアルです。

1本を全力で泳いでタイムを図ることで、KICKのベストタイムを知ることができます。

KICKのベストタイムを知っているといると色々な練習を行う際の目安となりますし、ベストタイムを縮めることも目標となります。

今まで見ているとKICK力が強い選手は背泳ぎに多く、ベストタイムはだいたい59秒台でした。

他にも800mから25mDIVE練習まで、KICKの持久力、耐乳酸、スピードを高めるための練習を毎日行っています。

ビート版は小さいものを使用し、前をつかまずに姿勢を正しくするようにしている指導方法も昔から継続しています。

スノーケルは使用しますが、足や腰の負担を考えてフィンを使うことはあまりありません。

KICKの強い選手はやはり有利です。

これからも日大豊山はひたすら「KICK,KICK、KICK!」です!

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

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「心・技・体」

2017-01-19 08:49:33 | 活動方針

スポーツの現場で昔からよく言われている「心・技・体」について感じていることをまとめてみます。

ここでは、心…精神力、技…技術力、体…体力ととらえます。

そのうえで「心・技・体」を重要だと思われる順番に並べるとしたら、どのような順番になるでしょうか。

日本人は全体的に「心」(精神力)を重んじる傾向にあると思います。

中学生や高校生に聞いても、「心」を第一に挙げる生徒が多いようです。

私が考えている重要な順番は、1、体 2、技 3、心です。

その理由は、いくら技術が優れていて精神力が強くても、それを生かす体力がなければ意味がないからです。

同じような体力であれば、技術が優れているほうがよく、体力と技術が同じようであれば、最後は精神力の勝負になると考えています。

欧米人と比べて体力的に劣ってしまう日本人が勝負するには、技術力を磨いて体力の不足をカバーするという考え方もできます。

フォームの作り方は日本人は優れていると思いますが、やはりそれを上回る体力を持つ外国人選手には勝てません。

もし最も大切なのが精神力だとすれば、じっと坐って座禅でも組んでいれば優勝できるはずですが、そんなわけはありません。

そのようなわけで練習においてまず第一に考えなければならないことは、「体力をつけること」です。

その体力を有効に生かすために技術力を磨くことも大切になってきます。

水泳でいえば、フォームの重要性はここにあるわけです。

精神力は、レースの最後に隣の選手と競い合っているときに発揮されるものだと考えています。

つまり、最後は選手の勝負魂にかかっているというわけです。

また、心を人格の修養ととらえることもできます。

指導者に求められることですが、泳ぐのが速いというだけでなく、優れた人格を持つ選手の育成が大切だという人もいます。

しかし、私が今まで現場で指導をしていて感じることは、人格が磨かれずして、強い選手になることはないということです。

人格に問題があっても一時的によい記録を出す選手もいるかもしれませんが、長期的には続かないと思います。

なぜならそのような選手には、周囲の人たちが協力しないからです。

挨拶もできず、感謝の気持ちももたないような選手を支え続けようというコーチがいるでしょうか。

一人で頑張って強くなるには限界があるのです。

人格について言う人に私がむしろ聞きたいのは、人格の修養を無視して強い選手を作る方法などあるのですか、ということです。

昔から言われているように「心・技・体」は、重要性には順番があると思いますが、すべてが備わって本当に強い選手になるということは間違いありません。

写真は私が持っている昭和4年発行の「小学生全集 修養絵本」の扉絵です。

下の絵は、蛍の光で学習する子供の絵です。

昔の子供たちが自己を修養している様子が描かれています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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