写真は,昨年のインターハイでメドレーリレーの第一泳者として活躍した,伊藤智裕くん(高1年生)です。
伊藤くんは,豊山に入学するまで一度も全国大会に出場したことが無く,6月には背泳ぎのレギュラーにすら入れなかった選手でした。
入学当初の100m背泳ぎのベストタイムは1:02.61でしたが,7月下旬の国体予選でいきなり58.94という記録を出し,メドレーリレーのメンバーに抜擢されました。
それまで,インターハイでは吉田くん(3年生)に背泳ぎを泳いでもらおうかと,色々苦慮していたのですが,急遽伊藤くんに任せることになりました。
そして,初の全国大会という大舞台で58.31という好記録で泳ぎ,チームに貢献してくれました。今回は,そんな伊藤くんについて紹介させていただきます。
豊山高校に入学するまでは,スイミングクラブに通っておらず,公立中学校の水泳部としての活動のみでした。
基本的には,夏は学校のプールで練習し,冬は市民プールで週に1回程度練習するといった環境でした。
中学時代は短水路の試合に出たことが無かったり,7月の国体予選まではレース用水着を使用したことが無かったりと,驚くことが多々ありました。
そして,夏が終わってからも順調に練習を積めており,今も継続してベストタイムを更新できています。
この冬は,まず日本選手権の標準記録を突破できるように頑張ってもらいたいです。
【長水路】
100m背泳ぎ 1:02.48 → 58.31
200m背泳ぎ 2:15.59 → 2:07.06
200m個人メドレー 2:17.06 → 2:09.97
【短水路】
100m背泳ぎ 55.26
200m背泳ぎ 1:59.33
記録が伸びている要因としては,もちろん身体能力や技術面が優れているということが考えられますが,それよりも,人が言ったことを素直に聞き入れられるという人間性の部分が大きいのではないかと思います。
我々も,スポーツにおける人間性の重要性を改めて実感しています。
豊山に入学してくれたので,もちろん水泳は全力で頑張ってもらいたいですが,水泳だけではなく,水泳を通じて様々なことを学び,成長していって欲しいと思います。
安村亜洲