2019年12月22日~2020年1月7日まで長野県東御市にあるGMOアスリーツパークで東京都オリンピック強化合宿が行われました。
選手は男女で5名ずつ合計10名、日大豊山からは3名の男子選手が参加致しました。
この施設は湯の丸高原にあり、標高が1750mにある国内最高地点のトレーニング施設です。
今までは高地トレーニングは外国に行かなければできなかったのですが、国内でその効果を得ることができる施設としてつくられました。
プールは全部で8レーン、東京都は4レーンをお借りしました。
プールサイドも広く、充分に補強を行うことができます。
プールから扉をひとつ開ければトレーニング場です。
私自身も練習前後に1日2回のトレーニングを課していました。
呼吸が苦しく、最初は平地と同じようなトレーニングはできません。
最初の数日は順応期を設けて練習します。
プールやトレーニング場があるトレーニング施設と宿泊施設、食堂が隣接しています。
宿舎は2階建てで、できたばかりなのでとてもきれいです。
ホテルではないので、清掃やシーツの取り換えなどは自分で行います。
洗濯機もあります。
風呂は大浴場で、岩の露天風呂もあります。
雪を見ながら温泉に入ることで疲れを癒すことができました。
食堂はアスリート食堂なので、栄養バランスがとれていてとても美味しかったです。
バイキング形式で、クリスマスにはケーキ、お正月にはおせち風の食事を出して頂きました。
オフの日が2日間ありましたので、軽井沢の散策と真田神社に初詣に行きました。
施設のスタッフの方の車で下山し、そこからは電車です。
帰りは再びチェーンをつけた車で山へ。
トレーナーの久保田さん(高島平中央総合病院)にはケアをして頂き、新しい補強などを教わりました。
隣はスキー場で、お正月にはたくさんの方がスキーを楽しんでいました。
プールからスキー場が見えるというのも珍しいのではないでしょうか。
この時期はとにかく雪が毎日のように降り続いていました。
一番寒かった日は、最高気温が-4℃でした。
毎日、除雪をして頂いてようやく歩くことができます。
雪山の中での厳しい練習となりましたが、特に大きな問題もなく、順調にトレーニングを行うことができました。
最初は皆、泳ぐだけでも苦しそうでしたが、最後は平地と同じようなハードな練習をこなせるまでになりました。
私自身も平地でトレーニングをして比較しましたが、確実にパワーアップしていることを実感しています。
合宿前と後に高島平中央総合病院で血液検査をしておりますので、血中のヘモグロビン濃度などの比較もすることができます。
この施設は外国に行くことを考えれば、言葉に心配がないこと、時差がないこと、食事が安心して食べられること、病院の不安もないことなどたくさんの利点をあげることができます。
これから先の日本水泳界にとっては、大変有効なトレーニング施設になることは間違いありません。
しかし、この施設の建設・維持には大きな問題があります。
それは施設の建設に大変大きな資金が費やされており、それは東御市民の多大なる努力によって成り立っているということです。
東御市の人口は約3万人です。
そのため寄付やふるさと納税がどうしても必要であるというニュースが流れていました。
これから先、この施設を維持するためにはそのような協力も必要であることを実感した合宿でした。
合宿の成果はこれからの大会にかかっています。
必ず恩返しができるように成果を出したいと考えています。
このような貴重な機会を頂いた東京都水泳協会、親切に色々と相談に乗って頂いた施設の方々に大変感謝申し上げます。
竹村知洋