学校水泳の特色の最後にお伝えすることは、「伝統の継承」です。
本校水泳部は、創部以来、数多くの大会実績を残してまいりました。
次にあげているのは、2015年度までの大会実績です。
日本大学体育大会(高校の部)は、58年連続優勝。
東京都高校選手権は、48年連続、56回優勝。
関東高等学校選手権は、41回優勝。
日本高等学校選手権は、優勝7回、準優勝21回、第3位11回(第3位以上が39回)。
オリンピック選手を現在までに11名輩出しています。
この伝統は、以前にお伝えした「55の教え」を基本として、「学校水泳の特色」を大切にしてきたその結果として継承されてきたものです。
現在、競泳選手の育成を担っているのはスイミングクラブが中心であり、学校のクラブ活動として選手を育成している教員は全国的に少数となっています。
その理由はいくつか考えられますが、主なものとして、学校ではクラブ活動はあくまでも課外活動であり、教員としての労働時間としてみなされていない点にあります。
そのため、どのような大会実績を残しても収入面に反映されることはなく、休日を満足にとることもできません。
あくまでも教員個人の自主的な活動にゆだねられているわけであって、学校水泳は全国的に衰退しています。
もともと教員としての仕事だけでもかなり忙しいので、とても課外活動まで手が回らないという事情もあるでしょう。
近年は中学校や高校だけでなく、大学の水泳部でもスイミングクラブに所属する選手が増えています。
そのような状況にあるからこそ、日大豊山の水泳部は学校水泳を存続していく意味があると考えています。
学校水泳として水泳部が盛んであることや男子校であることはそれだけでも貴重な価値として、学校の特色にもなっています。
何にでもあてはまることだと思いますが、やめることは簡単なことですが、続けていくことは大変なことです。
私たちはこれまで諸先輩方が築いてこられた伝統を継承し、日大豊山水泳部を存続していきます。
竹村知洋