私たちは毎日のように選手たちに接していますが、番組を通して改めて選手たちの思いに気づかされたという気持ちです。
競泳選手は幼少期からスイミングクラブに通っている人が多く、中学3年生や高校3年生は進学を区切りとして引退するという選手もいます。
2020年はコロナウィルスの影響で夏までの大会がすべて中止となる事態を引き起こしました。
今までの活動を考えると大会が中止となったからといって、そう簡単に「終わり」を告げるわけにはいきません。
またコロナウィルスは病気として怖いものというだけでなく、人間の活動を制限し「人とのつながり」を断つものでした。
そのなかで考えたのが、日大豊山を主催とした大会でした。
3年生の区切りとして、また「人とのつながり」を保つための大会です。
練習不足や部員のモチベーションの問題、7月に入ってからの感染者の増加や8月に入ってからの会場の変更など多くの問題に直面していましたが、学校側のご理解もあり何とか開催することができました。
番組では大会に至るまでの選手の葛藤がよく表現されておりました。
私たちは学校の1クラブとして活動していますが、現在も多くの人々がそれぞれの立場で悩み苦しんでいると思われます。
活動を諦めてしまえば楽なのかもしれませんが、それではコロナに負けたことになります。
コロナに勝つことまではできないにしても、せめて「コロナに負けない」取り組みはできるはずです。
大会を開催するというのは私たちにとって「不退転の決意」でした。
8月の大会で区切りを付けた3年生たちは、大学進学へ向けて次の歩みを始めています。
NHKの番組関係者の皆様方には、私たちの活動をご理解いただいたことを感謝申し上げます。
また、素晴らしい番組を作成して頂いたことに深く御礼申し上げます。
明日と明後日は東京辰巳国際水泳場にて東京都特別大会(共通の部)が開催されます。
本当に久しぶりの公式試合です。
選手や水泳関係者の皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
私たちも皆様と一緒にコロナに負けない活動を続けてまいります。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
竹村知洋