もう一つ、怒りへの対処法を教えてくれるのが、こちらの本です。
スターウォーズのマスター・ヨーダに有名な言葉があります。
「恐れは怒りへ、怒りは憎しみへ、憎しみは苦しみへの道となる」
ヨーダは今、手にしているものを失ってしまうのではないかという「恐れ」が「怒り」のエネルギーとなり、やがて「苦しみ」へつながることを説いています。
つまり自らの欲望が満たされないかもしれないという「不安」が「恐れ」となり、それを奪おうとする相手に「怒り」の感情が湧いてくるということです。
根本的には物事に対する執着を捨て、欲望にとらわれないことが怒りへの対処法ということになります。
しかし時には、感情的になり怒りを抑えられない時があるでしょう。
そのような時にどうするか。
「その場を離れよ。いったん頭を冷やせ。呼吸を整えるのだ。」
確かに興奮していると呼吸が乱れます。
ヨーダは瞑想の重要性を説きますが、そこまでいかなくても一旦はその場を離れ、呼吸を整えることを勧めています。
戦いとなってしまった場合、誰もが勝利を求めがちですが、時には敗北の方が意義深いこともあります。
実際にヨーダ自身が自分の光が強ければ強いほど、シディアスの闇も深くなることを知り、一旦は戦いの場から退きました。
ジェダイだからといって不安や恐れの感情がまったくないわけではなく、それは誰でも持っている感情なのです。
ダース・ベイダーはもともと悪の権化ではなく、ジェダイの騎士を目指して修業を積んでいた人物でした。
『ジェダイの哲学』で大切だとされていることは、「今」です。
何かを失うかもしれないという不安は、未来に対するものです。
誰も未来のことを正確に予測することはできません。
「今」、この時を大切にし、物事に執着しないこと。
どの道、死んでしまえばあの世に何も持っていくことはできません。
『ジェダイの哲学』のまとめです。
現実をありのままに受け入れること。
思考や感情にとらわれないこと。
執着はすみやかに手放すこと。
今、この瞬間に集中すること。
「物事は必ずしも自分の望んだ形となって現れるわけではない。鍵となるのは、それをどのように見て、どのような機会として受け止めるかだ。」
スターウォーズの哲学は、インド思想や老荘思想など東洋思想がベースとなっています。
映画からも学ぶことはたくさんあります。
竹村知洋