日本茶道塾 ブログ

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NY日本茶セミナーご報告2

2011年07月31日 | 行事報告
NYのセミナーでは、「新しい日本茶の楽しみ方」(アメリカ人向け)として、

四種の点前(パーティーの仕方など)を茶器セットをセレクトしてご紹介しました。

お茶と茶器は、アメリカで手に入れられるもの(静岡県の業者よりアメリカに輸出しているもの)の中でセレクトしました。

アメリカ人のアドバイザーとして、全米で消費者向けのお茶の専門誌 TEA A MAGAGINEの主催者パール・デクスター氏にお願いいたしました。

彼女を最初に日本にご招待したのは、静岡大学ALL ABOUT TEA研究会(私も所属)でしたので、長いご縁です。(お茶の郷博物館でのシンポジウム)

その後、世界お茶まつりの国際会議やなどの講師としても静岡に何度か足を運んでくださっている日本茶の世界に大変理解が深い方でもあります。(来年一月の静岡産業大学のシンポジウムにも講師として招待される予定だそうです)

彼女が主催するアメリカのお茶雑誌に、「新しい日本茶の楽しみ方」を紹介くださいました。


(各写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

日本茶の心を表す「和敬清寂」
四字の精神性を、一つずつ、点前(茶器セット)として形にしてみました。

和 Kawaii set

人と自然と調和するしていく日本茶の世界と、和顔布施(笑顔)を、小さい茶器セットで実践できるように。(枕草子「小さきものはみなうつくし(かわいい)」)

敬 Cha-Kabuki set

茶道の修練法「七事式」に残された「茶歌舞伎」(数種の茶を飲み、茶種を当てる)の精神を取り入れて。茶を通して自然、人への敬意を養う心の修練法を簡易な形で紹介。

また、茶道の「茶事」(懐石から日本酒、濃茶と薄茶の二種でもてなす)の短縮版としても活用いただけるように、二種のティーカップを膳の上に箸と共にサーブする形で紹介。

清 Aroma set

香で心身や場を清める茶道の手法から、茶の香りに焦点を置いた流れを紹介。
焙じ器や茶香炉を用いて、自ら茶を焙じていただき、「蓋なし急須」を用い、香炉を回すように客とアロマを愉しんでから淹れていただくなど。

冷茶では、オリジナルフレーバーをアイスキューブ(ハーブ香など)でご自身でブレンドいただきました。

寂 Zen set

伝統的な日本茶の淹れ方を紹介しながら、静寂な坐禅の時間を茶を愉しむ時間と重ねて、一日数分のmeditationのおすすめ。(茶道は三昧の修行でもあるという考えから、動く禅(点前中)と、静かな禅(待つ時間)を味わっていただく)

以上、茶道では、茶そのものだけではなく、点前をする亭主の心、修練者としての客の心から、茶室の室礼、茶器、茶庭などすべてを一碗として頂き、そのすべてが「味」であるため、そちらも日本茶の特色として楽しんでいただければと、基本に返ってご紹介させていただくセットを考案させていただきました。

kawaii set は、その場で即購入したいとお声かけてくださる方もありました。
(アメリカで手に入るものを組み合わせただけですが、セットになると、より便利さを感じていただけるようです)

こちらの点前のご紹介をまとめた冊子なども作成予定ですので、完成いたしましたら、またお声かけさせていただきたいと思います。

このような新しい点前(抹茶もありますが、中心は煎茶)を考えさせていただける機会を頂けたことに感謝申し上げます。

ニューヨーク日本茶セミナーご報告1

2011年07月26日 | 道場稽古
ニューヨークの日本茶セミナーから戻りました!

パソコンも無事復活してまいりましたので、お写真等、徐々にこちらにご紹介していきたいと思います。

朝日新聞の記事をご覧いただいた方もあるかと思いますが、ネットにも公開されていましたので、以下にリンクをつけておきます。

http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY201107150306.html


静岡県主催のニューヨークの日本茶セミナーにて、静岡県知事、NY総領事などからのお話に続き、新しい日本茶の楽しみ方をご紹介させていただきました。

全米茶協会(tea association in USA)のニュースレターで、良い評価を全米の会員に流していただいたようです。

(以下抜粋)
Japanese Tea Demonstration and Seminar

Dear Members:

On Thursday, July 14, 2011, a Japanese Tea Demonstration about new ways to
serve
and prepare Japanese Green Tea was hosted by the Shizuoka Prefectural
Government
and the Consulate General of Japan in New York, and other local Japanese
organizations.
The event was held at the Nippon Club located on 57th Street in New York
City.

The basic objective of the session was to allay concerns about the safety of
consuming
Japanese tea while highlighting the unique flavor and versatility of Green
Tea from
Japan. The event was attended by well over 100 people and many members of
the media.

The session started with a private luncheon attended by Joe Simrany,
president of
the Tea Association of the USA, Pearl Dexter, owner and publisher of Tea A
Magazine,
Governor, Dr. Heita Kawakatsu of Shizuoka Prefecture, Ambassador Shigeyuki
Hiroki,
Consul General of Japan in New York, and several other members of the
Shizuoka government.
The luncheon was an excellent opportunity to share thoughts on the safety of
Japanese
tea, tea trends in the USA and ways in which Japan could increase their
share of
market of tea consumed in America.

Following the luncheon, The Governor and Ambassador opened the public
sessions by
welcoming the attendees and summarizing the research conducted by the
Shizuoka government
and the Japan Department of Health & Welfare to ascertain the safety of tea
exported
from Japan.


Following their review of the ongoing analysis and testing of teas in Japan,
the
session was turned over to Pearl Dexter and Ako Yoshino, an instructor of
Japanese
tea ceremonies who took the group through a series of preparation
techniques, tea
tastings and contests. All told, it was a good session and we thank the
Shizuoka
government for their hard work in organizing the session for us.
(掲載許可申請済)

吉野亜湖
日本茶道塾

七夕釜ご報告

2011年07月09日 | 道場稽古
銀座、恒例の七夕釜 ご参加の皆様には御礼申し上げます。

老舗「はちまき岡田」の夏懐石を味わい、蝋燭の火の元、濃茶、薄茶と皆様と囲ませていただきました。

寄り付では静岡深蒸し茶の冷茶を召し上がっていただき、筆で書かれた短冊への思いは、はちまき岡田さんののれん掛けへ。


四つ椀、汁は赤みそ仕立ての冬瓜にからしを添えて。
向こうははちまき岡田さんらしく御つくりにて(三杯酢添えて)。





焼き物は取り回しにて。

そして、煮物は預け鉢にて(写真なし)。


冷たい「はちまき岡田の名物」蕎麦の実の箸やすめと続きました。

湯と香の物でしめられ、



恒例の七夕の主菓子(一幸庵製)を頂いてお席に。
(干菓子は麩の焼と朝顔の葉)




薄茶点前は塾生に担当くださいました。

季節の節目をご一緒できましたこと感謝を申し上げます。

******

ジャポニズムのうつわで楽しむお茶会」展が、

東京駅から徒歩圏の「三菱一号館」で開催されていましたので立ち寄りました。

日本の陶磁器に学んだ外国の器展、なかなか見応えございましたので、ご紹介させていただきます。

三菱一号館自体が、ジョサイア・コンドルによる設計が復元された建物ですので、雰囲気がぴったり合った展示でした。

http://mimt.jp/omotenashi/exhibition/


その他、東京では、出光美術館、畠山美術館にて、明代の陶磁器展が開催されているそうですので、夏は東京の美術館で学ぶこと多そうです。

ご報告まで

NYセミナー 和敬清寂 四種の新点前

2011年07月03日 | 道場稽古
7月14日 NY the nippon clubにて、
日本茶セミナーを行います。

そこで、新しい日本茶の楽しみ方として、
四種「和・敬・清・寂」の点前(パーティーの楽しみ方)を新しく考えてみました。

「和」の点前(茶が育てる和やかな心)の中で紹介する、小さい小さい茶器セット。

『枕の草紙』にもございます「なにもなにも ちいさきものは みなうつくし」という日本人の感覚を紹介しようと、初心者向けにセレクトしてみました。

静岡の茶文化を海外に紹介するためのこの四種の点前は、茶器も静岡のお店から海外に出せる物からセレクトしております。

千年以上も前の日本人が「小さいものは何でもかわいらしい」と感じている感覚が、NYでも通じたようで、このセットの茶器を見た方は、cute!(かわいい)と口々に反応くださいます。

一人用の小さな小さな急須ですので、個々に持ち手がそれぞれの思いを形にしていただいてもよろしいかと、静岡大学の学生さんにデコレーションを施していただいております。

緑は自然、春の花咲く茶畑を連想させます。


茶色はチョコレートケーキ
白のストロベリーケーキのイメージ
茶が飲みたくなるようなスイーツの形。


少しツヤある白は、シンプルに仕上げてくださいました。
(お写真ではサイズ感わからないと思いますが、おままごとのような小さなサイズです)

いつでもどこでも持ち歩いていただけるような自分だけの茶器に仕上げていただけ、使っていただけることになればうれしいです。

皆様のご意見もいただけましたら、有難く存じます。

(静岡県茶文化海外発信事業:今年は米国から静岡茶文化の紹介をしていくプロジェクトです)