日本茶道塾 ブログ

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南宗寺

2015年11月17日 | 茶の話


南宗寺から、風の知らせがやってきました。画像は南宗寺田島碩應(たじませきおう)老師の名が入った手ぬぐいです。
南宗寺は、弘治3年(1557年)に三好長慶が父元長の菩提を弔った、大林宗套(だいりんそうとう)開山の臨済宗大徳寺派の寺院です。大坂夏の陣で焼失しましたが、寺地を現在の場所に移し、沢庵宗彭(たくあんそうほう)らにより再建されました。枯山水の庭、国指定重要文化財の仏殿・山門・唐門、千家一門の供養塔、利休好み茶室とされる実相庵(じっそうあん)などがあります。


三階菱に釘抜紋(三好長慶の家紋・さんがいびしにくぎぬきもん)
三好長慶の銅像が新たに建てられたそうで、銅像の台座に彫られています

新春ご挨拶

2014年01月01日 | 茶の話
新年のご挨拶を申し上げます。



静(じょう)、それは物事の本質。
観る、観ないということではなく、
(静を観ると考えた自体が静観出なくなってしまうため)
静観はそのままで静観ということでないとならない。

日本茶道塾塾長 吉野白雲

風炉の手入れ

2012年07月19日 | 茶の話
暑さが厳しくなってきますと、釜を小ぶりにするなど、炭を少な目に次いで、少しでも席に涼を呼ぼうと変えることもあります。そこで、使い終わった風炉の手入れをいたしましたので、ご参考までにお書き添え申し上げます。

1.「じょう」(炭が灰になった白い部分)を取ります。(筆などを使うと集めやすい)


*じょうは別な器に保管し、篩を掛け、細かい灰になったものは、茶を掛けて育て、数年(理想は10年以上)したら、炉の濡れ灰などに用います。(さらに繰り返してから=やはり10年以上が良い、すり鉢に掛けて、風炉の灰に用いています)

3.前瓦も抜き、灰は刷毛を使って丁寧に落とします。


前画瓦は洗ってから、熱湯で湯通しし、風通しの良いところでよく干してから箱にしまいます。


4.五徳も丁寧に灰を落としてから、湯で洗い、最後に熱湯で湯通しして、よく拭いてから乾かしておきます。


5.灰を底取りや羽を用いて、すべてきれいに上げていきます。(茶道塾では、灰に「甲・乙・丙」とランクをつけ(甲の甲、甲の乙、甲の丙など細かく分ける)、保管し、風炉の「格」に合わせて用いていますので、別々に保管します)


6.風炉を湯で洗い、湯通し、後、よく拭き上げ、乾燥させます。



*風炉釜は、よく乾かしてから、木箱に納めますが、布などで包むと湿気が付くときがあるので、さけています。置き場所がある場合は、かえって、箱に納めない方が良いようです。

以上、風炉の手入れの一例でした。



横須賀茶楼に和紙展示中

2012年05月03日 | 茶の話
静岡茶室プロジェクト(文化庁共催)で作成した和紙。

藁を漉き込んで、雲の図案から下地窓のイメージを取った和紙がただ今、日本茶道塾の横須賀茶楼で展示中です。(白雲塾長好み)


写真は、塾長作の楽「韋駄天」と共に。

仏神の韋駄天が釈尊のために方々を駆け巡って食物を集めたということから、「ごちそう(御馳走)」という言葉が出来たと言います。

そのため、本来のご馳走とは、お客様をもてなすため、自ら走り自ら出来る限りを尽くすことで、高価な食材や豪華な料理を用意することではないのだと教えていただきました。

韋駄天様は、禅堂や茶室の入り口などにまつられること多く、客様を最初にお迎えしてくださいます。

(組立茶室プロジェクトの詳細は以下でご覧ください。貸出可)

http://www.geocities.jp/nihonsadojuku/chasitu1.html

炉から風炉へ

2012年05月01日 | 茶の話
八十八夜の新茶の時期、茶家では、炉から風炉へと茶室の趣が変わります。
今回は、炉を上げ、風炉畳の準備をご紹介いたします。

炉の灰を上げます。


炉縁をはずし、湯通しをして一週間程度乾燥させてから晴れの日に箱に入れ、炉の時期まで保管します。


炉壇を外し、金属製のものであれば熱湯で湯通ししてから乾燥させます。(写真は土もの)


炉壇を外し、炉の形を切った「鍵畳」(鍵の形をしているため)を外しますと、床下の土も見えてきます。


炉の穴に蓋(木)してから、風炉用の畳をのせます。


昔の茶人は、初風炉になると、この変えた畳一枚だけが茶室の中で青味があるため、初風炉のすがすがしい景色と喜び、歌に詠んだりしています。

炉の鍵畳は、また、炉の時期になるまで、お休みです。

風炉の炭切りについては、フェイスブックの日本茶道塾のページでご紹介予定です。
ご覧ください。
http://www.facebook.com/pages/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%8C%B6%E9%81%93%E5%A1%BE/192213774183058?sk=page_getting_started



台湾茶紀行 翻訳御礼

2011年06月14日 | 茶の話


(それぞれの画像をクリックいただくと、大きな画面となり、本文をお読みいただけます)

台湾の茶文化交流会でお世話になった方々への御礼を込めて、

また、台湾のお茶文化事情などを、日本の方々にもぜひご紹介したいとお書きしました「台湾茶紀行」(「月刊茶」五月号掲載)が、

台湾の茶業研究所の関係の方が読んでくださり、翻訳して台湾でご紹介くださるそうです。

このようなことで両国茶文化友好に少しでもお役にたてますこと誠にありがたく、

また、茶道塾の活動を支援いただける皆様のおかげと深く御礼申し上げます。


ニューヨークのティー・カフェ1

2011年03月01日 | 茶の話
ニューヨークのティー・カフェ情報 その一をお届けします。

初日はソーホーのティーカフェ調査をいたしました。

一店目は、Harney & sons。

静岡にも買い付けに来るという二代目のマイクさんが迎えてくださいました。
三代目もご活躍中とのことでした。

(初代はこのティービジネスを切り開いた方ですが、癌と闘病中とのことで、現在は二代目の方が活躍中です)



入ると、高い天井までずらっと茶缶が並ぶ前にティステイングカウンターがあり、定員さんはみなgood looking で、愛想がよく、お客様におもてなし用のお茶や試飲ご指定のお茶をすぐに出してくださいます。

高い棚の茶は、梯子で取ってくださるのですが、その姿も見ものです。

静岡からの一行と知ると、静岡茶をすぐに出してくださいました。



女性は、茶筅を振り、抹茶を点ててくださいました。

奥はカフェスペース。
ここでは抹茶茶碗より大きなティーカップで出してくれるのが名物。



写真では大きさが伝わらないと思いますが、両手で抱えないと持てないくらい、小鍋くらいの大きさなのに驚きました。

入り口入ってすぐは、ギフト&ラッピングスペースで、花束のようにすてきにラッピングされた茶を抱えて帰る女性客を見ました。


(写真点前のカラフルな丸いものは、茶缶です。)

ティスティングバーの前には、ティーグッズが並んでいます。



かわいらしいティーカップやティーライフを楽しむグッズ類。


(↑写真は、自分でティーバックを作るための紙バックです。自分でリーフを紙袋に詰め、ドリップ式にお茶をマグカップに淹れることができるようになっています)


(特に女性に人気だったカップはこの写真のものです。アルファベットが書いてあり、たとえば「Oはウーロン茶用」など、お茶名のイニシャルに合わせて使い分けていくカップのようです)

ここでは、日本茶もgyokuro,sencha,genmaicha,houjicha等の名前で出ており、産地uji,shizuokaなども明記されています。

ティステイングのとき、玉露や煎茶では、カクテルを作る時の容器を2つ湯冷ましとして使い、何回か湯を移し替えて、適温にしてから、淹れていました。

二代目にご挨拶をすると、私たちが出展するコーヒーとお茶の祭典に出展されるとか。
(隣の隣のブースでした。日本の着物にうっとりされてました。)

こちらの店舗は1年前にオープニングセレモニーがされて以来、NY土産に人気のあるお店だそうです。

日本にも進出しているということをお聞きしました。
以下の日本向けのホームページを見ると、歴史などもわかり、なかなかの老舗店であることがわかります。

http://harney.jp/

ニューヨークに行かれたら、ぜひ立ち寄ってみたいティー・カフェではないでしょうか。

今週の茶道塾稽古場にいらしてくださった方には、こちらの最新バニラフレーバーティーをお土産に差し上げています。お味(香り)はいかがですか?

茶柱倶楽部

2010年11月24日 | 茶の話
『茶柱倶楽部』という日本茶マンガを読ませていただきました。
ご覧になられた方いらっしゃいますか?

移動茶室で全国を回るという「運庵」に通じる、移動茶店で全国を旅される川根のお茶屋の娘さんが主人公のお話です。

それだけではなく、只今、静岡大学授業で、学生さんのレポートに「茶柱」という短編小説を書いてくださった方があり、

それをきっかけに、「茶柱文学賞」を立ち上げられないかな、と企画していたところでしたので、同じ「茶柱」タイトルで何か縁を感じ、勝手に感動し、茶柱倶楽部に入部したくなりました!

まだ読んでない方はぜひ、おすすめです。

拝読していて、大変丁寧な取材をされていることと思われ、静岡県袋井市のお茶は一巻にはでてこなかったので、ぜひ取材にいらしていただけたら~と思いました。

只今、袋井市の協働事業でお茶の歴史調査をしていますが、

袋井独特のお茶・・・

歴史ある鬼番茶
「白茶」のきら香(飲むと驚いていただけるかと)
袋井発の新「後発酵茶」
飲むと幸せな気分になるという「和紅茶」

・・・などなど、

袋井には、お茶博士(小泊先生)がいるお茶100種以上扱っている茶館「チャ茶」もございますので。

(ちなみに、12月は私のチャ茶の店番担当日は金曜日です。
茶道講座もございますので、ぜひお立ち寄りください。)

これと並行して掛川市協働事業で、掛川のお茶の歴史調査をしております。

以下のブログで、少しずつまとめはじめましたので、ご興味ある方はぜひご覧いただければありがたく存じます。

http://e-jan.kakegawa-net.jp/c.phtml?g=154239

茶グッズですが何かわかりますか?

2010年11月18日 | 茶の話
台湾茶紀行をこちらでまだ未報告ですが、

茶と禅の生活をすすめている台湾のお寺さんで、こちらを見つけました。

これは何に使うかご存知ですか?

会報会員の皆様で正解をお送りいただいた方、1名様に次回会報と一緒にお届けしたいと思います。

そこで茶杓も「抹茶にも煎茶(中国茶)にも使える」という面白いものを仕入れてきました。



後ろが細くなっているのは、急須の茶葉をかきとる時に使います。

太い竹でお寺で作られているそうです。

こちらは、在家も修行僧も茶畑を耕す作務をして、その茶で茶道をすることが一つの修行法になっている聖輪和尚様が開いた新しい禅寺です。



お寺やお庭も信者さんたちが手作りで作られていくところを拝見しました。

こちらで清寂を感じる点前所作に心打たれましたので、その報告は後ほど会報などでさせていただきます。

以下の写真は、発明賞をとったという便利なお茶ポットです。



台湾の生産農家などお茶屋さんもこのポットを多く使われてました。
(たくさんの人に一度にお茶が淹れられるので確かにとても便利です)



インドネシアの庶民の茶

2010年11月17日 | 茶の話
インドネシアの地元で一般の方が飲むお茶です。

世界お茶まつりで皆さんが見たようなインドネシアの輸出用のお茶は高価で、地元の方は常飲していないそうです。


(ブラックティー=つまり紅茶)

大きな茎や枝の塊も気にせず入ってます。


(グリーンティー)
ティスティングは未だですので、後ほどご報告しますが、葉の大きさは一般の日本茶の2倍以上に見えます。

インドネシアの大使にシンポジウムでお会いした時、輸出用のお茶と国内消費用の茶は違い、国内用の茶は非常に安いと言われていましたが、実際見ると、本当に簡易な紙だけの包装。


(これはなぜかペンチの絵が。会社のロゴでしょうか?)

紅茶を試飲すると、鼻にスンとくるようなお香のようなメンソール系の香りが強いです。

また、味は少し酸味もあり、日常濃いめに入れていただくようで、かなり日本人には、「強い」味です。

ちょうど、同席者の中に、カナダ人、オーストラリア人、韓国人(インドネシア人)が居たのですが、皆、「濃い」「眠れなそう」という感想が出てました。

ミルクよりも砂糖を入れて飲むそうです。

明日、日本茶インストラクター10期会で試飲会をしようと思ってます。

報告 吉野亜湖


世界のお茶

2010年11月05日 | 茶の話
世界お茶まつりで

三国融合点前の記念に、日中韓のブレンド茶を作成いただきました。
香り、味、水色ともに大変、和やかな茶で5煎いただいても十分楽しめます。



こちらは中国のお茶ですが、今年の世界緑茶コンテストに入賞されたお茶と聞いてます。


こちらも同じく韓国からの入賞茶


韓国訪問の時のブログにてご紹介しましたが、中身はチョコレートのようにカラフルな銀紙に包まれていて、かわいらしいので、見た目の評価高かったそうですが、

味になると、点数が下がったとか。
(まずいということではなく、見た目と比較してという意味です)

また、お茶処チャ茶(袋井市)で見つけた粉を固めたお香のようなにおいがする球体の茶は、韓国のお寺さんが製造されたそうで、見た目はマリモみたいです。味は・・・



(写真は小泊重洋先生のブログより)

茶処チャ茶の店主 小泊重洋先生のブログに、たくさんのお茶の写真(世界お茶まつりから)もアップされてますので、リンクさせていただきます。

http://blog.ichiwan.jp/

そのチャ茶さんで面白いお茶のお話を聞いてきましたので、それは次回のご報告に譲ります。

韓国茶報告12

2010年06月29日 | 茶の話
茶礼アカデミー主催の先生がまず抹茶のお点前でおもてなしくださいました。

韓国の伝統的な布を用いてのお点前。

日帝時代に学んできた日本茶道をベースに韓国の点前を工夫してきたそうです。

寺院で生まれた先生は、30年以上茶礼を学び、ここ10年で自身で点前を工夫して創作しているそうです。

最初、稽古をつけていただいた先生方に、「なぜこのようにするのか」点前について尋ねても的確な答えをいただけなかった、

そこで、ひとつひとつの所作について考えていったそうです。

茶筅を振るときは「心」という文字を描くようにすることも強調されていました。

湯で温めた茶碗を布で拭かずに抹茶を入れるのはなぜか聞きましたところ、韓国では器を洗って「拭く」という習慣がないため、それを取り入れたとのこと。

先方からは日本茶道が片手で茶碗を扱うが、韓国茶礼では両手で物を扱うというのが礼なのでどうしてでしょうか、という質問をいただき、

塾長と格や点前が生まれてきた歴史経緯についてお話しになられていました。

そのお話しを聞き、「私もそれについて最近深く実感するようになってきました」と、ひとつひとつの物の扱いについて考えが初心のころと変わっていっていること、それが成長であるということについて、お話しありました。

また飲み口の周辺を手で押さえる茶碗の扱いについては、韓国茶礼ではそれを避けるということについて、その考え方は同感であると、塾長がお話しされると互いににっこり。

点前について互いが「見せ合う」という交流ではなく、深い所作への思いや経緯について話し合え、互いが成長できることができたことは良い交流であったと感じました。


最後に煎茶のお点前もありました。

日本茶道の点前については次回二報告します。


韓国茶 報告11

2010年06月22日 | 茶の話
韓国茶 交流会のご報告つづきです。

韓国茶礼アカデミーでの

抹茶、煎茶、それぞれのお点前交流で、大変有意義なお時間をいただきました。

その前に、お約束の御時間まで少しございましたので、

伝統茶屋に立ち寄りました。

ここは、最近若者に人気のエリアで、
すぐ裏は山。

地図で後で調べましたところ、三清洞エリアではないかと思いました。

韓国の伝統茶屋は日本より多いように思います。

今回は、デザートにもいただける「白酒茶」の冷茶をいただきました。

日本のシロ酒と同じくアルコール分はありません。

また一緒に出てくる伝統菓子が気に入りました。

お米でできているそうで、お正月などにいただくものだそうです。

お土産に購入しましたが、やはり現地でいただくのが一番サクサクして美味しかったです。

お麩のような食感です。



そろそろお時間となり、

写真のような長い長い坂を、折り返しは上りては、また登り、折り返しては登りと、繰り返し、

思い茶道具を抱えて、やっと、茶礼アカデミーに到着しました。

こちらの先生は韓国のある茶人連盟の副会長を務められているそうで、お弟子様たちが、ソウル全土から集まって来てくださいました。

茶礼のお写真は次回に

つづく