油つきは、短檠と同じもので、楊枝は下皿の上に付けます。
露地行燈は腰掛に用い、春慶塗です。
台に奉書を四つ折りにして敷き、その上に楽焼の下皿を置きます。
この皿は、常の下皿に土器で台を付けた物です。
茶台のように、その上に油つきを置きます。
この油つきは、常の短檠の油つきを、二重口に焼いた物です。
下皿はなく、楊枝は下の皿に置きます。
風覆いの黒塗りの蓋は、風が吹く時に用いて、風のない時は、行燈の脇壁に立掛けて置きます。
石灯籠は、内露地の物です。
火をともす時は、竹の輪を置いて、常の土器を二枚重ねて用います。
竹輪は、おおよそ八分(高さ2.5センチ)ぐらいです。
また、傳法土器を用いる事もありますが、一般には常の土器二枚を用います。
語注
傳法土器は、小さな焙烙(ほうろく)の呼び名です。伝法を「でんぼ」とか「でんぼう」と呼びました。『嬉遊笑覧』(きゆうしょうらん)六下に、「でんほ今もあり小き炮烙の俗名なり、」とあります。喜多村節信(ときのぶ)著で、文政13年(1830)自序。