日本茶道塾 ブログ

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『道具置合 天然宗左口授』を読む30

2013年03月31日 | 茶書を読む



油つきは、短檠と同じもので、楊枝は下皿の上に付けます。
露地行燈は腰掛に用い、春慶塗です。
台に奉書を四つ折りにして敷き、その上に楽焼の下皿を置きます。
この皿は、常の下皿に土器で台を付けた物です。
茶台のように、その上に油つきを置きます。
この油つきは、常の短檠の油つきを、二重口に焼いた物です。
下皿はなく、楊枝は下の皿に置きます。
風覆いの黒塗りの蓋は、風が吹く時に用いて、風のない時は、行燈の脇壁に立掛けて置きます。



石灯籠は、内露地の物です。
火をともす時は、竹の輪を置いて、常の土器を二枚重ねて用います。
竹輪は、おおよそ八分(高さ2.5センチ)ぐらいです。
また、傳法土器を用いる事もありますが、一般には常の土器二枚を用います。


語注
傳法土器は、小さな焙烙(ほうろく)の呼び名です。伝法を「でんぼ」とか「でんぼう」と呼びました。『嬉遊笑覧』(きゆうしょうらん)六下に、「でんほ今もあり小き炮烙の俗名なり、」とあります。喜多村節信(ときのぶ)著で、文政13年(1830)自序。

世界大茶会

2013年03月26日 | 茶書を読む
世界お茶まつり2013春の祭典
「世界大茶会」5月2日~5日

(公式ホームページ)
http://www.ocha-festival.jp/spring/program01/#chakai

会場 石雲院(創建治承3年(1179)曹洞宗

 ・ 山門-嘉永年間-牧之原市指定文化財
 ・ 総門-慶長12年-牧之原市指定文化財
 ・ 龍門の竜の彫刻-天保14年-牧之原市指定文化財
 ・ 参道の丁石-牧之原市指定文化財

日本茶道塾の茶席がございます。
内容は、、、ただ今、構想中です。

お写真は下見にお伺いした時のものですが、山門から本堂、お庭、お茶席など、ゆっくりお茶を楽しんでいただけそうな雰囲気です。

楽しみにいらしてください。















お庭も使わせていただく予定で考えております。


こちらが茶道塾のお席になります。


天気がよろしければ野点も・・・良いかもしれません。





『道具置合 天然宗左口授』を読む29

2013年03月20日 | 茶書を読む
『道具置合 天然宗左口授』を読む28、の語注を忘れましたので、追加です。

語注
覚々斎原叟宗左(1678~1730)は、表千家六代。
久田宗全(1746~1707・正保四年~宝永四年)は、久田家三代。
天然宗左 如心斎(1705~1751・宝永2~寛延4)は、表千家七代

『道具置合 天然宗左口授』を読む29



油つきは、短檠と同じものを用い、足一本の方を前にする。
下皿は油つきの真下畳の上に、奉書を四つ折りに敷きます。
その上に下皿を置き、楊枝を添えます。
竹掛け燈台は、利休の好みです。
さびた座敷に用います。
油つきは、短檠と同じものです。
下が畳や板でも奉書を四つ折りにして敷き、その上に下皿を置き、楊枝を付けます。
これを一畳半に用います。
その時は下に下皿を置かないで、楊枝は油つきの後ろの方に乗せます。
三畳敷きには釘があり、二畳半でも用います。
木燈台は、勝手の物です。
水屋に用いる物で、利休好みです。
座敷行燈は、杉木地で利休好みです。
暁の茶の湯のほかには用いません。
台には奉書を四つ折りにして敷き、その上に下皿を置きます。
その上に竹の輪を置きます。


『道具置合 天然宗左口授』を読む28

2013年03月18日 | 茶書を読む



木燈台は、利休好みです。
侘びの物です。
常の油つき(油皿)です。
下土器を敷きます。
下皿へ楊枝を付けて、前へ置きます。
台の刳り込みへ、押し入れて置きます。
三畳半位より、下の(狭い)座敷に用います。
結構な座敷(広間)には似合いません。
四畳半には用いません。
菊燈台は、色々な座敷に用います。
二種類あります。
金箔の入った物は、原叟(覚々斎)の好みです。
金箔の入っていない物は、宗全の好みです。
これらは初めて作られた物です。
小座敷や書院などに用います。
油つきは、短檠の物と同じです。
菊燈台の大きい物は、金入りです。
書院だけに用いる物で、蝋燭を立てます。
竹檠は、小座敷や書院にも用い、古い形のものです。
茶の湯に用いるのは、原叟からです。
この竹檠は、結構な座敷(広間)には、似合いません。
結び燈台は、小座敷に用います。
もとは禁裏(宮中)だけで用いられていた物で、茶の湯には天然(如心斎)より用いるようになりました。


『道具置合 天然宗左口授』を読む27

2013年03月16日 | 茶書を読む



炭の時はいづれも、灰ほうろく(灰器)を持ち出す時、灯と共に一度に持ち出ます。
茶を点てる時は、建水と共に持ち出します。
または、まず初めに手燭だけを持ち出し、手燭の座に置き付けます。
そして炭斗を持ち出します。
濃茶の時は、手燭の後茶碗を持ち出します。
手燭を後に持ち出すのは、数寄屋(小間)の時と言われました。
また、始めに持ち出すのは、書院の座敷(広間)と言われました。
二通りの仕方は、どちらへも応用します。
短檠の真塗は、台の中へ油を入れておきます。
台の上には、奉書を四つ折りにして敷きます。
紙が大きいときには、端を折り込みます。
その紙の上に下皿を置いて、楊枝を付けておきます。
上には下土器を敷き、油次ぎを乗せます。
この短檠は、さびたる(侘びた)座敷には用いません。
しかし少し格の低い座敷であれば、用いてもよろしい。
不審庵二畳半は短檠を置き、一畳半へ置くこともあります。


三月の釜

2013年03月14日 | 茶書を読む
春、待合の掛物は「春来草自生」
(春来たらば、草おのずから生ず)

(修行を重ねていれさえすれば)、自然と”その時”が来るという。

中に入ると、「透木(すきぎ)釜」(炉壇に木を置いて、その上に釜の羽を乗せる)

温かくなってきて、少し炭の量を減らしても煮える釜。


炭手前の炭斗は曲げの造りに梅の画。


釜は、裏甲釜とも呼ばれ、炉から上げると、表面は大振りに見えるが、羽から下は小さいつくり。
よって、炭が少なくても煮えやすい。


また、春になると、炉中の灰がたまってくるので、「五徳」を炉から抜くことで、炉の灰が下がる(五徳の分)。茶席では、五徳が無くなれば、羽のついた釜か釣り釜となる。

そして、今月は、「軸飾り」の稽古。

軸の扱い、掛け方や上げ方について学びます。






春の茶のお知らせ

2013年03月14日 | 茶会のご案内
茶道塾の春のお茶席のご案内です。

① 三月二十三日(土)利休忌の茶事

場所:東京道場

亭主役と水屋の勉強をされたい方、客の作法の勉強をされたい方に分かれて、塾長のご指導の下、学び合います。

今年は、東京道場主の「はちまき岡田」ご主人が御亭主役です。

「11時おむかえつけ、ちょっとしたおしのぎつけてやりたいと思います。」と、ご案内いただいております。

塾生以外の方、また、茶事が初めての方、どなたでもご希望くださる方はご参加できますので、茶道塾までメールにてお声かけてください。


② 五月第二土曜日 銀座の端午の節句釜

薄茶と節句菓子を楽しむ会。

どなたでもこの日は、いらしていただけます。
ご参加希望くださる方は、茶道塾までメールにてご連絡ください。


③ ゴールデンウィーク楽茶碗作陶会

4月28日(日)神奈川県横須賀にて

楽茶碗の作陶会です。

参加費 八千円(赤、飴、白等)
*黒楽や茶碗以外の作陶をご希望の方は、ご相談ください。

④ 世界大茶会

静岡富士山空港周辺でゴールデンウィーク中に開催される「世界お茶まつり」。

5/2-5の期間中、石雲院「世界大茶会」に茶道塾の釜が掛かります。
どなたでも一服いらしてください。

→世界お茶まつりホームページへ(リンク)

『道具置合 天然宗左口授』を読む25

2013年03月12日 | 茶書を読む



手燭の事
手燭は、いつもの所へ置きます。
茶を茶碗へ掃くとき、水指の方へ置き直すこともあり、手燭を図の所に出すこともあります。
初めは勝手に準備しておき、茶を茶碗に入れる時に、立って勝手から持ち出し置き付けることもあります。
宗匠(如心斎)は、始め置き付けたままで、ほとんど置き直すことはありません。
茶を入れる前に、手燭を動かせば、もし蝋燭がゆがんだ時は直さなければならないので、置き直すのは一般的によくはありません。

『道具置合 天然宗左口授』を読む19

2013年03月04日 | 茶書を読む



向切逆の流飾
仕廻(片付)は、柄杓を建水へ取り置き、蓋置も取ります。
茶入と茶碗を初めの様に水指の前へ置き、柄杓蓋置建水を水屋へ下げます。
三畳敷の座敷などでは、中板のある座敷のように、縁より出して茶筅と茶入を置いてもさしつかえありません。
座敷が二畳の板無であれば、この仕方は良くありません。