日本茶道塾 ブログ

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容大千界

2012年03月22日 | 道場稽古
今月の稽古釜は、「軸飾り」


茶に深い縁ある栄西禅師、最澄も訪れた中国浙江省にある天台山国清寺の座主の書。

また、寒山拾得もここにいたというエピソードがあります。

塾長が国清寺にお伺いさせていただいたとき、最上階の「貴賓室」に泊めていただいたそうですが、鼠が駆け回っていたそうで、中国の修行寺は日本より生活感があると聞いたことがあります。

おしのぎに、地元の赤カブを摺り小麦粉でつなぎ、精進のさつま揚げのように仕立てて、静岡の焙じ茶と塩、昆布出汁を葛でといて椀にしてみました。


赤カブ料理というと、漬物くらいしか思いつかなかったのですが、思いがけず、たくさんいただいたので、少し工夫してみましたところ、赤色が幸いし、仕上がりが桜色になり、さらに、お味も評判が良かったです。

精進懐石のレパートリーに加えてもよいかと思われる、春の新作。

新玉ねぎのみじん切りやサクラエビなど中に入れれば、煮物椀にもなりそうです。

横須賀茶楼 準備物語その一

2012年03月21日 | 道場稽古
お茶の文化に親しんでいただける場をと、横須賀茶楼(神奈川県)を準備中です。


正座が苦手な方も茶道に親しんでいただければと、立礼卓(テーブルとイスでお点前)を常備しております。

広間以外に、二畳の小間では、静岡の茶箱を椅子に見立てて、坐っていただくことも。

静岡の楽焼窯で焼成した陶器類の展示も定期的に行っており、お昼は月替わりの粥膳に楽焼の新作を実際に使用して楽しんでいただけるようにしております。

たとえば、水指、茶碗だけではなく、
炉縁も楽焼の時も!

現在は、禅語の陶板が数種 展示中。


また、寄付きでのウエルカムティーも月替わりでお迎えいたします。

三月の寄付きのお茶は、塾生のお土産から、ハワイのマンゴーフレーバーティー。

三月の粥は、焙じ茶粥。
三つ葉と焼き春葱を添えて。
横須賀城の紋瓦から起こした赤楽の器にて。

現在は、茶庭の整備に取り掛かっております。
しかし、まだまだ土運びからのスタートですので、楽の立蹲をご用意したところで、今月はつづく。

菓子の茶事ご案内

2012年03月20日 | 道場稽古
茶道塾(銀座)では、初めての方にも茶に親しんでいただけるよう、どなたでもいらしていただける釜(毎月第一土曜日)を掛けております。

四月五月のご案内を申し上げます。

四月七日(土)13時~ 菓子の茶事
五月三日(土)13時~ 端午の節句釜

内容 

■菓子の茶事 若干名のみ募集

茶事の客の所作を説明しながら進めていきますので、初めての方も安心してご参加いただけます。

(当日の流れ)
 一、寄付きでの所作
 二、初座席入りの仕方
 三、初座挨拶、初炭(拝見の仕方)
 四、八寸(一献と季節の肴)
 五、菓子(頂き方)
 六、仲立ち
 七、後座席入り
 八、濃茶、薄茶(客の所作)
 九、退席の仕方、送り礼

茶事の流れを通して体験したい方もどうぞ。

■端午の節句釜

男子手前による季節の菓子と茶一服。

*茶道塾までメールにて参加お申込みください。




「お茶でボランティア講座」の茶会

2012年03月10日 | 道場稽古
東京都 目黒区の区民講座「お茶でボランティア」(3か月講座)の受講生の有志が、講座終了後も、「弥生会」という会を作り、お茶を自主的に続け、月一回施設などでお茶ボランティア活動をされています。

区民センター祭りにて、初の市民向けのお茶席も担当され、ご招待いただきました。

受付にて、ご挨拶に出てきてくださった時、皆様の生き生きとした表情から、心からお客様をおもてなししたいという御心を感じさせていただけました。

また、一歩、茶席に入ると、室礼も自分たちの精一杯の気持ちを表そうという姿を拝見することができました。

お点前は、短期間でよく修練されたと感動するほど、丁寧で心をこめた所作で一服くださいました。

この講座では、静岡から毎週、お伺いしておりましたので、毎回、ウエルカムティーにいろいろな静岡茶をご紹介しながら、広くお茶の世界にも親しんでいただいたり、茶の歴史にも触れていただきました。

点前の講習には、日本茶道塾の塾生の方々にも講師として参加いただき、受講生の皆様には、流派にこだわらず、茶道のお点前や茶の心について学んでいただく形をとりましたので、短期間でしたが、それを受け継いでいただけていることに感謝します。

「先生方との出会いがご縁で、お茶をやってみたい!」と思ってくださったと、御礼のお手紙を皆様よりいただき、本当に出会いを有難く思っております。

お茶ボランティア弥生会の今後の活躍を心よりお祈りして。
また次回のお誘いも楽しみにしております。




袋井茶 歴史産地マップ

2012年03月10日 | 道場稽古
日本茶道塾と静岡県袋井市の協働事業の

「袋井の歴史・産地お茶巡りマップ」が完成いたしました。


静岡新聞記事より

マップ入手をご希望くださる方は、
袋井市農政課0538-44-3133
袋井市観光協会までお問い合わせください。

また、袋井市ホームページよりダウンロードできるように、これから手配くださるそうです。

三月の釜

2012年03月09日 | 道場稽古
三月

東京道場では第一土曜日は、どなたでもいらしていただける「節句釜」を掛けております。

三月は雛の節句釜でした。

塾生の一人が釜を担当くださり、菓子(ひちぎり:お餅を引きちぎった形から)はお手作り。
ふくよかな草の香りに包まれます。雛飾りの菓子器にて。


*菓子ひちぎり:3月3日(上巳)の日に、もともとは川で禊(みそぎの修行)をし、邪気を払い、草餅を食すことで邪気を払う行事から。

また、今回のお席をご担当者は、昨年の三月、福島にいらしたことから、お気持ちをそちらに向け、いらしてくださったお客様へ「起き上がり小法師」(福島県会津市の名産品)を一人ずつ、お土産に手渡してくださいました。

なかなか倒れません!
しかし、本格的に倒れても、誰かが起こしてあげたり、、、寄付きでこのようなお話が交わされておりました。

道具組は、水指と茶碗の白を基調し、丁寧に一服ずつ点ててくださいました。

軸は「春来草自生」(春来たらば草自ずから生ず)に、
ご自身で削られた力強い茶杓の銘が「生きる」

跡見の席にて、席主の方が、被災後初めて茶を一服点て、「生きている自身」を自覚し、涙を落とされたことをお話くださいました。

善い一服をいただけた節句のお席に感謝しております。

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三月。

静岡道場では、来春の取り合わせにて稽古の常釜。
釜は、透木釜(すきぎがま)。


透木釜とは、秋から寒さを感じる時期になりますと、茶室では「炉」を開けます。
炉で炭を使い続け、濡れ灰もまきますので、春になると、炉の灰が上がってきます。(量が多くなるということ)

そのため、炉中の「五徳」を春先に炉から抜くと、五徳の分、灰が落ちるわけです。

五徳がなくなりますので、なくても掛かる釜を用います。

釜の羽のところに透木を置き、透木にのせて使う釜ですので、透木釜と呼びます。
また、羽があるので、羽釜とも呼びます。

さらに、本日用いた釜は、裏甲釜とも称します。

釜を裏返すと、表面よりも7割くらい小ぶりになっており、湯が炉の大きめの釜に比べると少なくなります。

そのため、炭も少なくても煮えるため、春、暖かくなってきてからに向いています。


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横須賀茶楼では、塾長の楽焼の新作、陶板などの展示の中、静岡茶を一服召し上がっていただくようご用意しております。第三日曜日、どなたでもどうぞ。

茶楼の方は、テーブルと椅子でおもてなしする茶道塾好の立礼席もございます。