日本茶道塾 ブログ

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雪竇寺 中韓日仏教大会の花 ご報告

2016年10月18日 | 行事報告
中国浙江省寧波市奉化雪竇寺

雪竇重顕(せっちょうじゅうけん、980~1052)という宋代の禅僧がいらしたお寺で知られています。
大変大きなお寺です。(全景)

現在建設中の佛教大学



雪竇重顕は、禅や茶道では有名な『碧巌録』というテキストの元を作られた方ですので、お寺には、碧巌録百則が彫刻された石碑がございます。



また、阿弥陀如来の化身と言われる大きな大きな布袋像も有名だそうです。
 

こちらの雪竇寺にて11月12-15日に開催された中韓日三国の仏教大会の献花を、日本茶道塾 白雲塾長が担当されました。
 

ステージや庭など外に大作を全12対。(三角の竹は、三国が固く結ばれて花咲く様子をイメージされたものです)
 

本堂など室内にも12対。
 

その他、竹を並べて中国の方たちにそれぞれ生けていただいたり、式典出席者の饗宴会場にも花を生けられたそうです。
(お写真は、岩茶の接待の様子)
 

(式典後は、館長、老師へ、白雲塾長が制作されている碧巌録百則を記した抹茶碗をお土産にお持ちし、老師からもお礼の品が交換されました)
 

(以下のお写真は昨年度の台湾訪問団の式典の様子)



寺の山に登り、竹や大枝を切るところからの作業だったそうで、町中から集まってきた多くの手伝いの方とご一緒に進めて行かれたそうです。
毎日、早朝から夜中日付が変わるまでの作業だったそうですが、大きなお寺ですので、寺内を歩くだけでも大仕事と聞きました。
茶道も華道も基本的には、体力仕事です。
(山から切ってきた竹)


花や茶を通じて、三国の心の交流が深まることに少しでも寄与できたのでありましたら幸いです。

日本茶道塾

報告者 吉野亜湖






五月の釜のご報告

2016年05月25日 | 行事報告
1.世界お茶まつり春の祭典 開幕式
    

日本茶道塾の塾生の皆様が呈茶の協力をくださいました。
昭和8年のシカゴ万博に人気を博した冷抹茶を再現し、乾杯にて世界お茶まつりが始まりました。

「世界大茶会」では、子供たちが熱心に取り組んでくれました。

日ごろの稽古を積み、自らを鍛えることが、すなわちお客様に対しての最大限のできうるもてなしであることを自覚しながらの一会となったのではないかと思います。

  

2.そして、国分寺の「紅葉亭」にて、東京経済大学経営学部の依頼で、タイの留学生さんたちに日本茶道を学んでいただきました。

準備からご一緒に茶席を整えてくださり、菓子を盛る、ということも、塾長から「考えないで」くださいと言われ、


そして、一つとっても、次の方が「残り」と感じないように、ごく自然に盛る、手本は目の前の自然、四方から見てもどこも、「正面」であり、「正面でない」。

そんな準備一つずつを共にすることで、茶の湯の意識を少しずつ感じていただければとご一緒させていただきました。

タイでも仏教に対する意識があるため、茶道の話は英語での会話でしたが、分かり合っていただけるところもあったのではないかと感じております。




3.「江戸料理と静岡茶」
(世界お茶まつり、はちまき岡田百周年 共催イベント)

お茶席を茶道塾が協力させていただいております。

静岡より和菓子職人さんがお客様の目の前で和菓子を作ってくださるお席となりました。

今回の講演のテーマが禅でしたので、茶席も禅院式で行われました。

禅院式の茶礼は、初めての体験の方も多く、香で清まった茶席、講演者の和尚様が見守る中、互いに協力し合うことで茶が点てられていく意識を共有していくという会でした。

ご参加の皆様、ご関係の皆様、ご協力賜りました皆様に感謝をこちらにても申し上げます。

   

ご報告のページは以下です。
http://www.hachimaki-okada.com/ocha/ocha-after/









江戸料理と静岡茶 世界お茶まつり共催イベント

2016年02月11日 | 行事報告
世界お茶まつり共催イベント
「江戸料理と静岡茶」



(呈茶協力 日本茶道塾)

冬の会、ご報告のページが出来たそうですので、ご紹介申し上げます。

次回は五月の春の会になります。
講演のテーマは「禅」。

お茶も禅院茶礼で差し上げたいと考えております。

http://www.hachimaki-okada.com/ocha/ocha-after/

静岡県通訳案内士向けお茶講座

2015年08月31日 | 行事報告
公益財団法人世界緑茶協会と静岡県観光政策課主催、静岡県の通訳案内士、地域限定通訳案内士の方を対象とした「お茶を学んでいただく講座」が、しずおかO-CHAプラザで開催され、講師を担当させていただきました。

日本茶道塾の国際交流のために考えられた「簡略点前」を皆様で英語で体験。

海外で日本茶の文化を紹介するときのポイントについても学びながらの四時間講座。

大変熱心なご参加者の皆様、これから益々のご活躍を祈ります。







記事担当 日本茶道塾 吉野亜湖 

5月 台湾の学生さんたちと茶席体験会

2015年05月29日 | 行事報告
東京都立科学技術高等学校にて、台湾の学生さんたちとの日本茶道の体験のお席です。

茶道、華道を、浴衣をOB、OGの方が着付けての体験。緊張しながらも、楽しんで下さったとご報告いただきました。

良い文化交流になりましたこと、またそのお手伝いができましたことに感謝申し上げます。






三月の国際交流 茶道体験 ご報告

2015年03月28日 | 行事報告
中国からの訪問団、タイからの企業研修の一環としての日本文化を学ぶ茶道体験など、三月は、アジアの国の方々への茶道体験がございました。

それぞれ春の訪れを感じられる茶室での茶道体験でした。
   

日本の茶室に座り、茶を飲むという体験から、感じていただけるものもあると思われますが、

サービス業にお勤めの方々の企業研修ツアーもあり、日本の茶での「もてなし」として、実際に点前を体験いただき、茶を運ぶという所作も交代でしていただいたお席もございました。

その中で質問も交わされ、日本茶の文化についても少し学んでいただけたことがあればありがたいと思われます。

外国人ツアーのお客様たちが、観光だけではなく、日本茶道などの文化体験を通じ、その国を学びたいという声が増えているそうです。

日本人では、逆に日本茶道の嗜みがないという方も増えてきました。

このような文化交流を通じて互いの文化を知るということに、少しでもお手伝いできることがございましたら、ありがたく存じます。

全国、または国外にても、茶道講師派遣等でご協力させていただけることがあるようでしたら、いつでもお声おかけください。

日本茶道塾
事務局 吉野亜湖

中国 太極茶道会との交流会

2015年01月13日 | 行事報告
静岡県袋井市の禅寺 可睡斎にて、中国天台山の華頂講寺の茶芸師の講師の方をはじめとした訪問団に向けた日本茶道の体験講座を行いました。

中国では、日本の茶道への関心が高く、精神文化を学ぶ若者が増えているそうです。

中国禅の文化に通じるところが多かったとお話頂きました。

お写真は静岡新聞記事より。

茶業研修会 講演御礼

2014年12月27日 | 行事報告
牧之原の勝間田茶業研修会にて、「深蒸し茶の歴史」について講演をさせていただきました。

日本茶道塾が事務局を担当させていただいております「静岡茶共同研究会」(サントリー文化財団研究助成事業)でまとめた研究報告書『深蒸し茶のルーツ』の聞き取り調査を行った時の報告を中心にお話させていただきました。



当日は、茶業者の皆様との情報交流もあり、この報告書を作製させていただいたことで、日本茶の近現代史がまた一つ広がりを見いだせたように感じました。

これからも地域文化史についてもよりすすめていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

日本茶道塾 吉野亜湖

懐石の講演会

2014年11月17日 | 行事報告
静岡市茶市場「逸品茶会」にて、懐石について講演をさせていただきました。

和食が世界文化遺産に登録され、和食とは何かということを考えた場合、この懐石という存在は、欠かせないものだと思われます。

ロドリゲスの『日本教会史』に、当時のもてなしの料理が、「彼らの茶の湯のように、質の上で内容を持ったものとなった。その点は茶の湯に学ぶ点が多いのである」と、茶た道の無駄なものは省き、シンプルにしていこう、という新しい和食の形が出てきたということです。

そして、重要なのが、「これが平常の食に至るまで、これにしたがって改善した」とあることです。

信長、秀吉の時代から、ニュースタイルの和食が茶道の精神から具現化された形で、日常の食事にまで変化させた、というのです。

懐石について考えるということは、和食について学ぶに重要なことかと思われました。

ご参加の方、また、ご機会を下さいました方に感謝申し上げます。

日本茶道塾 吉野亜湖





干菓子作り・懐石料理講座のご報告

2013年02月14日 | 行事報告
袋井茶文化促進会のお茶を楽しむ講座で、干菓子作り、懐石料理講座が行われました。

干菓子づくり 講師 近藤様


干菓子の型にて、和三盆を用いて。
最後にお茶を楽しみながらお味見。

素適なお土産用の箱もご用意くださり、講師の方のお心遣いを感じます。

懐石料理講座は吉野亜湖が担当させていただきました。

真冬の蓋向付け、蕪蒸しと豆腐田楽を皆様と作り、試食後、一服。
「幸せな気持ちになりました」と、ご参加の方から。


皆様からお声いただきましたので、季節ごとに行いたいと考えております。

御礼とご報告を



はちまき茶会御礼

2012年06月23日 | 行事報告
はちまき茶会ご参加、応援くださいました皆様、ありがとうございました。

それぞれの席主の皆様のお人柄や御心が感じられるお席ばかりで、また、お客様との出会いも有難く、私自身も大変楽しませていただきました。ご参加くださいました皆様に御礼申し上げます。

お写真で一部ご紹介させていただきます。
(お写真を並べて気が付きましたが、席主が今年は全員男性でした)

はちまき岡田の玄関の野点席
すべてお手製の茶器でおもてなしされてました。




三階の古う庵にて濃茶席
軸の「これ食ふて 茶のめ」という円相に添えられた言葉についてお客様とお話がはずんでいらっしゃいました。




二階の御座席では、薄茶席
取合せや道具の工夫に、お客様からお声が上がってました。


一階にて御濃茶の前に八寸に吟醸酒で一献。
濃茶の席主の方のお手作りの八寸に心を感じます。


濃茶席用にお手製の「水無月」の菓子が振る舞われました。
(二階席の奥のお写真(男性)の方のお手製の菓子。お味、姿ともにお見事です!)



茶壺に茶を詰める体験席
静岡より松下園様がいらしてくださり、参加の皆様とお茶のお話をしながら・・・
(写真は茶入日記を書いているところ)


東京ではなかなか体験できないことと、参加の皆様に喜んでいただいていたようです。
ありがとうございました。

松下様もお席を回られ、「楽しかったです、美味しかったです」と大変喜んでお帰りになられました。

ご参加の皆様のおかげと心より御礼申し上げます。

五月銀座の節句釜 ご報告

2012年05月06日 | 行事報告
五月五日 銀座の第一土曜日 節句釜
端午の節句にて、今回、席主を務めてくださった洋三様のお手作りによる八寸。


きびなごの煮つけと筍と若布

八寸で一献のち、
濃茶となりました。

濃茶 銘 万暦の昔 詰 伊藤園

次回は、七月七日 七夕の節句釜です。
どなたでもどうぞ。


「がんばれ!静岡茶」生産農家さんの茶事

2011年11月26日 | 行事報告
静岡茶の生産農家さんが、自ら亭主となり、ご自身の茶をご自身で点前してふるまう形で行われました。
(写真は静岡新聞記事より)


(がんばれ!静岡茶」という熱いお茶にかける思いを川勝知事と共にお話される農業経営士の皆様)

それぞれの方が初めてでもお茶の点前をしていただけるような形を、提案させていただきました。(今回は役員の方が亭主役に)


(農業経営士茶部会 赤堀会長のお席)

最初、稽古した時は、「とても自分には無理」「逃げたい」と言われていた方たちも、席の室礼も自宅の山の竹を工夫して細工くださったり、「自分のできることはこれだ」と、それぞれの想いでお出しくださいました。








皆様とご相談しながら形にしていった一つの茶事ですが、一つの点前を提案させていただいたことで、すでにご参加くださった経営士の方から、

「静岡茶ならこのように出したらどうか」
「二煎目は、こうしたら」
「茶器はこうあるべき」
「茶業者の”くせ”を捨てるように、こう伝えたら」

という具体的な改良点やそれぞれの考えがすでに出てきましたので、さらに意見を交わし、また新たな形が生まれていく期待が膨らんでいます。

「考えたこともないことを考えた」
「考えたというより、悩みに悩んだ」
「自分たちは茶の栽培には毎日向き合ってきたが、自分の茶とか出し方、飲んでもらうという気持ちについて初めて悩み、そういう自分自身がいることについても考えた」

真摯に、そして、本当に「自分を殺して」取り組んでいただけたことに、(茶道家として、助言、指導させていただく立場をいただきましたが実際は)皆様から多く学ばせていただきました想いでいっぱいです。

ご亭主の赤堀会長は、

「前日、会合があったが、今まで作り上げてきた気持ちをそのまま茶事に持っていきたかったので、前日はすべてのものを欠席しました」と、一週間前から茶事に向かう自主稽古に没頭されていたことをお話くださいました。

お客様(経営士会の皆様)は、「前礼」という言葉も知らないのですが、当日はどのように行くのか、どこで行われるのか、亭主に時間等の確認をし、さらに自主的に茶室前まで前日に道順を確かめに行かれたそうです。(茶道を学ぶ人は、これを「前礼」として、”教えられて行うことが多いのですが)

作法としてではなく、それぞれが互いに向かう心が自然と形になっていく姿を見せていただきました。

花を生けるときも、白雲塾長が「この枝は落としてもよろしいですよね」とお話されると、初心者の方は「なぜですか」など、疑問が出てきたり、躊躇したり、何か考えて止まってしまうなどのこともあるのですが、

それが、塾長の言葉を聞き終わるか否かの間に、スッと体が動いて、さっと枝を落とされる。茶道家の言葉が体に浸み込み、手が脳を通らずに動いていくような美しさを見ました。

「茶道の心は共感できる」
「茶道の言葉は暖かい」

と、後からお話くださったのですが、

たとえば、「”今”運んでください」と一声かけると、まさに「今」動かれるのです。これは普通のことと思われるかもしれませんが、意外と、一瞬の迷いが生じたり、「どこに」「なにを」と、”何か”を考えて、今瞬間に動けない時がある、しかし、それがないのです。

路地掃除から(蹲を何度か改め、客を迎える前に水をなんどかまくなど)を通して、灰を炉に入れ、五徳を据え、炭をおこし、香を焚き、座掃きをして客を迎え入れるまで、何もかも初めてでも、一言伝えると、体が皆さん自然に動くというのが、時間を共にさせていただいたこちらが素晴らしい感動をいただきました。

静岡県知事は、静岡産の農産物は「農芸品」(芸術性を持った農産物)と、強調されてましたが、その心と可能性と茶事をさせていただいたように思います。

御礼を申し上げたく。