幼い頃からどういうわけか、見えちゃいけないものが見える時があるようだ。
それは色々あって、私の中では、恐ろしい体験でも超常現象でもない、日常の一環なのだけれど、どうも、他の人達からはちょっと違っているらしい。
夫も最初は全く信じていなかったけれど、この頃は、「そんなこともあるのかな?」程度には信じ始めているようだ。
だって、夫のことで見えちゃうことが色々あるんだもん。
かわいそうにね~ wwww
覚えている最初の経験は幼稚園の頃のことだ。
そのころ、四条通りにはまだ市電が走っていた。
市電の駅は、通りの真ん中にある石造りのプラットフォームで、もちろんその両側を車がびゅんびゅん走っている。
柵も何も無い、ただの平たい石の段だった。
おそらく4つくらいの時だったと思う。
母と一緒に大丸の前で電車を降りた。
プラットフォームから歩道に渡るには、車が来ていないかちゃんと確かめなければならない。
信号も何も、もちろんないから、飛び出したら轢かれてしまう。
それはなんども言い聞かせられていた。
ところがその日
プラットフォームに立っている私の左前を、すっと黒い影が渡って行ったのだ。
黒いコートに黒っぽいズボン、全身黒尽くめの男の人の人影だった。
私はそれにつられて、ふらっとプラットフォームを降りてしまった。
突然後ろから母の叫び声が聞こえた。
「◯◯ちゃん!!!!!」
え?っと思った瞬間、左の腰に何かがコンとぶつかった。
タクシーだった。
急ブレーキを踏んだタクシーが、私の腰をかすって止まったのだ。
タクシーの運転手さんも、それは驚かれたことだろう。
幸い怪我もなかったが、母から歩道上で延々と叱られた。
だって、前に男の人が渡らはったし。
大丈夫やと思ったし。
けれど母は、そんな男の人はいなかったという。
あれは、誰だったのかな?
今でも鮮明に覚えているのだけれど。
こんな話はいっぱいあるのだけれど、シリーズ化して毎日書くのもしんどい話だな。
また気が向いたら、続きを書こうっと。