英語な日々

京都在住の英語講師のと猫と英語と美味しいもののお話。
時々、脳動脈瘤のお話もね。

仕出し弁当顛末。

2021-09-02 | 日記

8月の後半は忙しさにかまけて、一人暮らしの母とゆっくり話をしていなかった。

何か持っていっても、玄関先において帰るようなことが続いていた。

昨日、様子を見に行くと、数種類のパンフレットを食い入るように眺めている。

遠い親戚に頼んで、老人ホームのパンフレットを集めてきてもらったというのだ。

 

「一人で暮らすのには家が広すぎてしんどいから、どこか小さな部屋でちんまり暮らしたい。」

「日常のことをするのもしんどいから、誰かに全部やってもらいたい。」

 

涙が出てきた。

高齢の母をそんな気持ちに追い込んでしまった。

 

それにしても、母よ、コロナ禍の真っ最中に、知らないところに引っ越して、周りに誰も知り合いがいなくて、自由に移動することもままならくて、そんな状態が本当にいいと思うの?

街のど真ん中で暮らしているのに、知らない場所に引っ越したら、どこにも行けないよ?

ただでさえ食べられるものが少なくなってきているのに、そこで出される食事をきちんとちゃんとしっかりと食べられると思うの?

引っ越してしまったら、私もしょっちゅう会いに行けないよ?

iPadが繋がらない、と言って電話をしてきても、深夜や早朝に確認をしに行ったりもできないよ?

と、半泣きで抗議する。

 

言うだけ言って、頼んであったお弁当を取りに行く。

美味しいものを食べたら、ころっと気分が変わるはずだ。ww

 

予約してあったのは、出し料理屋の老舗『泉仙』のエール弁当だ。

この店は、普段は法事の料理なんかをメインに出しているのだけれど、緊急事態宣言がおりてからは、街の人にエールを送る『エール弁当』を提供し始めたのだ。

口コミだけのお弁当である。

500円の和風弁当から、秋刀魚の蒲焼弁当600円、800円のちらし寿司弁当、さらには2人分の惣菜セット1000円まで、総勢9種類の超格安弁当である。

普段の仕出し弁当は3000円〜6000円くらいするから、桁が違う。

食べた人によると、料理の質の全く落ちてない、すごくお得で美味しいお弁当らしい。

地域限定で、届けてもくださる。但し、お弁当を買うには予約が必要だ。

(決してお店の回し者ではありません。ww)

 

さて、これがその『ちらし寿司弁当800円(税込)』

 

絶妙な味わいの白和え、飾り包丁の入った煮物に、湯葉の炊いたの、ナスの揚げ浸しや、胡麻豆腐、万願寺とうがらしとおじゃこの炒め煮、等々。

母の好みのものばかりだ。

・・・唐揚げだけは、小さくしても飲み込みにくいけれどね。

 

案の定、母は胡麻豆腐を一口食べて、笑顔になる。

次に、煮浸しに箸をつけて、幸せそうにため息をつく。

もう、老人ホーム入りの話は忘れてしまったようだ。ww

 

いやはや、焦った。

これからは、ちゃんとゆっくり話を聞く時間を作ろうと思う火曜日でしたとさ。

 

 

 

 

コメント (2)
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